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第13章 魔獣と古代人
13【元凶の教祖を探せ1】
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<<ランス視点>>
僕とイリヤはお父様から海の中で使う雷魔方陣について教わった。
地上で使う雷魔法陣は作ったことがあるんだけど、海の中で使うのは難しいらしい。
海水は空気よりも電気が伝わり易いから、広く分散してしまうんだって。
だから、ある一定の範囲の外に電気を反射する結界を最初に作っておく必要があるんだ。
そうしないと、電気が分散して魔物に対する威力が弱くなるばかりか、周りにいる味方を巻き添えにすることもあるらしい。
やはりお父様は、すごい魔法使いだって改めて思った。
各国に配る分の魔道具を作ってから、イリヤとふたりで、手分けして各国を回って使い方を教育したんだ。
「「お父様、全ての国に魔道具を配り終えました。」」
「ふたり共ご苦労様だったね。
じゅあ、お父さんは、ちょっと元凶を探して来るよ。」
お父様は、そう言うと転移の魔法で、何処かに行ってしまったんだ。
<<マサル視点>>
「ついにこれを使う時が来たな。」
俺は感慨深げにある機械を見ている。
これは日本から転移した後から常に考えて準備していたモノだ。
『ワープ船 ムサシ号』
そう、地球から転移後、ここが地球と別の星だってわかってから、ずっと構想していて、つい最近完成したばかりの、宇宙船だ。
マリス様から地球までの距離を聞いたことがあるんだが、200万光年近くあるらしい。
神様基準では数分程度の距離らしいんだけど、とんでもない距離だ。
昔見たアニメのでは、ワープを使えば、約15光年を1時間で飛んだらしい。
今回作ったムサシ号は、30光年の距離を約1時間で飛べるように設計した。
このうち、魔力の充填に必要な時間は30分だから、実質30光年を30分で飛べることになる。
俺には亜空間魔法があるからね。この技術を使えばクラシケラの星まで約10分で到達できることになる。
ムサシは既に魔力の充填が完了済だから、俺はクラシケラの星に行くことにした。
いろいろと対策はしたが、やっぱり元凶を潰しておかないと安心できないからな。
俺は屋敷の地下に秘密裏に作った格納庫に転移する。
ここのことは誰も知らない。
ここには一度来たことがある者が転移魔法を使わないと入れないようにしてある。
もちろんここには俺しか来たことが無いから、俺しか入れない。
ムサシに搭乗しイグニッション・キーを回してエンジンを始動させる。
なんの音もしないけど、目の前の計器類が一斉に動き出し、始動したことをうかがわせる。
「5年前の試運転以来だな。うまく動いてくれればいいが。」
クラシケラの星までの経路は既に調査済みだ。
クラシケラの魔力を2度追跡したので、距離も位置もしっかり把握できている。
ムサシ号に目的地情報とここの位置を入力する。
「移動距離10光年。到達時間20分後。経路上の魔力障害無し。亜空間の乱れ無し。全て良好。」
次々とムサシ号からの航行に関する情報が入ってくる。うん、全て問題なし。
いざ、出航だ。
<<クラシケラ視点>>
マサル達の星から戻って1週間。あれからあの星に召喚魔方陣が現れた形跡は何度かあったが、全てすぐに消えている。
恐らくマサル達が対処しているのだろう。
もう任せておいても大丈夫だろうな。僕も今回の事件の元凶であるソーム教の教祖を探すのに専念しようかな。
そんなことを考えながら、自宅から警備隊本部に向かっていた。
この星の文明は非常に優れていると思う。
少なくともマサル達の星よりは何千年も。
いや、あの星を我等の祖先が捨てたことで文明を失ったのだから、遅れていてもしようがないと思う。
亜空間転移を行う魔道具は、近場(と言っても1光年は余裕だが)なら、使い捨ての簡易なものなら子供の小遣い程度で購入できるし、少しお金を出せば、5光年くらい移動できるものも買える。
まあ商業地区や別荘地区になっている周辺の星までの移動用だ。
さすがにそれ5光年以上は、他の星への干渉にもなるので、法律で規制されているが。
「クラシケラ、久しぶり。」
警備隊本部に着き、演習場に入ったところで後ろから声を掛けられた。
振り返ると、そこにマサルがいた。
僕はマサルを誘って演習場の脇にある食堂に来ていた。
隊長には、マサルのことを報告してあったし、今来ていることも報告済だ。
「突然いるから驚いたよ。どうやってここまで来たんだ?」
「実は俺はマリス様に呼ばれた地球からの転移者でね、いつか地球に帰ろうと密かに長距離移転装置(宇宙船)を開発していたんだ。
クラシケラがわたし達の星に来た時、申し訳ないが魔力の追跡をさせてもらった。
それでこの星が分かったんだよ。」
「そうか、マサルはあの星では異常な存在だと思っていたんだが、やはり間違いなかったな。
それにしても地球からの転移者だとは驚いた。シンゲン様と同じじゃないか。」
「シンゲン様?」
俺達の星から3000年前にここに移住したのであれば、そのシンゲンという人は3000年前に地球から転移してきた人ということかな。
「そこからは俺が話そう。」
クラシケラよりも少し年配で体格の良い青年が話しに割り込んできた。
「ミラベスタ隊長。」
「やあ、君がマサル殿だね。クラシケラから話しは聞いているよ。
君達の星はここと比べてかなり遅れているから、君の話しを聞いて興味を持っていたんだ。会えてうれしいよ。
しかも君がシンゲン様と同じ地球からの転移者だったはね。」
僕とイリヤはお父様から海の中で使う雷魔方陣について教わった。
地上で使う雷魔法陣は作ったことがあるんだけど、海の中で使うのは難しいらしい。
海水は空気よりも電気が伝わり易いから、広く分散してしまうんだって。
だから、ある一定の範囲の外に電気を反射する結界を最初に作っておく必要があるんだ。
そうしないと、電気が分散して魔物に対する威力が弱くなるばかりか、周りにいる味方を巻き添えにすることもあるらしい。
やはりお父様は、すごい魔法使いだって改めて思った。
各国に配る分の魔道具を作ってから、イリヤとふたりで、手分けして各国を回って使い方を教育したんだ。
「「お父様、全ての国に魔道具を配り終えました。」」
「ふたり共ご苦労様だったね。
じゅあ、お父さんは、ちょっと元凶を探して来るよ。」
お父様は、そう言うと転移の魔法で、何処かに行ってしまったんだ。
<<マサル視点>>
「ついにこれを使う時が来たな。」
俺は感慨深げにある機械を見ている。
これは日本から転移した後から常に考えて準備していたモノだ。
『ワープ船 ムサシ号』
そう、地球から転移後、ここが地球と別の星だってわかってから、ずっと構想していて、つい最近完成したばかりの、宇宙船だ。
マリス様から地球までの距離を聞いたことがあるんだが、200万光年近くあるらしい。
神様基準では数分程度の距離らしいんだけど、とんでもない距離だ。
昔見たアニメのでは、ワープを使えば、約15光年を1時間で飛んだらしい。
今回作ったムサシ号は、30光年の距離を約1時間で飛べるように設計した。
このうち、魔力の充填に必要な時間は30分だから、実質30光年を30分で飛べることになる。
俺には亜空間魔法があるからね。この技術を使えばクラシケラの星まで約10分で到達できることになる。
ムサシは既に魔力の充填が完了済だから、俺はクラシケラの星に行くことにした。
いろいろと対策はしたが、やっぱり元凶を潰しておかないと安心できないからな。
俺は屋敷の地下に秘密裏に作った格納庫に転移する。
ここのことは誰も知らない。
ここには一度来たことがある者が転移魔法を使わないと入れないようにしてある。
もちろんここには俺しか来たことが無いから、俺しか入れない。
ムサシに搭乗しイグニッション・キーを回してエンジンを始動させる。
なんの音もしないけど、目の前の計器類が一斉に動き出し、始動したことをうかがわせる。
「5年前の試運転以来だな。うまく動いてくれればいいが。」
クラシケラの星までの経路は既に調査済みだ。
クラシケラの魔力を2度追跡したので、距離も位置もしっかり把握できている。
ムサシ号に目的地情報とここの位置を入力する。
「移動距離10光年。到達時間20分後。経路上の魔力障害無し。亜空間の乱れ無し。全て良好。」
次々とムサシ号からの航行に関する情報が入ってくる。うん、全て問題なし。
いざ、出航だ。
<<クラシケラ視点>>
マサル達の星から戻って1週間。あれからあの星に召喚魔方陣が現れた形跡は何度かあったが、全てすぐに消えている。
恐らくマサル達が対処しているのだろう。
もう任せておいても大丈夫だろうな。僕も今回の事件の元凶であるソーム教の教祖を探すのに専念しようかな。
そんなことを考えながら、自宅から警備隊本部に向かっていた。
この星の文明は非常に優れていると思う。
少なくともマサル達の星よりは何千年も。
いや、あの星を我等の祖先が捨てたことで文明を失ったのだから、遅れていてもしようがないと思う。
亜空間転移を行う魔道具は、近場(と言っても1光年は余裕だが)なら、使い捨ての簡易なものなら子供の小遣い程度で購入できるし、少しお金を出せば、5光年くらい移動できるものも買える。
まあ商業地区や別荘地区になっている周辺の星までの移動用だ。
さすがにそれ5光年以上は、他の星への干渉にもなるので、法律で規制されているが。
「クラシケラ、久しぶり。」
警備隊本部に着き、演習場に入ったところで後ろから声を掛けられた。
振り返ると、そこにマサルがいた。
僕はマサルを誘って演習場の脇にある食堂に来ていた。
隊長には、マサルのことを報告してあったし、今来ていることも報告済だ。
「突然いるから驚いたよ。どうやってここまで来たんだ?」
「実は俺はマリス様に呼ばれた地球からの転移者でね、いつか地球に帰ろうと密かに長距離移転装置(宇宙船)を開発していたんだ。
クラシケラがわたし達の星に来た時、申し訳ないが魔力の追跡をさせてもらった。
それでこの星が分かったんだよ。」
「そうか、マサルはあの星では異常な存在だと思っていたんだが、やはり間違いなかったな。
それにしても地球からの転移者だとは驚いた。シンゲン様と同じじゃないか。」
「シンゲン様?」
俺達の星から3000年前にここに移住したのであれば、そのシンゲンという人は3000年前に地球から転移してきた人ということかな。
「そこからは俺が話そう。」
クラシケラよりも少し年配で体格の良い青年が話しに割り込んできた。
「ミラベスタ隊長。」
「やあ、君がマサル殿だね。クラシケラから話しは聞いているよ。
君達の星はここと比べてかなり遅れているから、君の話しを聞いて興味を持っていたんだ。会えてうれしいよ。
しかも君がシンゲン様と同じ地球からの転移者だったはね。」
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