354 / 382
第14章 そして神になった
【次元の狭間3】
しおりを挟む
<<マサル視点>>
「だが、その話しを聞いてこれ以上の関与を望むのであれば、君は人事課、いや別の組織の職員とならざるを得なくなるのだが、どうするね?」
課長の刺すような視線を受けてしばし考える。
今後も人事課の仕事を受けるにあたり今回のような問題は発生する可能性は何度でもあるだろう。
そう考えれば、それに適した情報を得られる立場になることは重要だ。
そして今回のように召喚された者が襲われたり、理不尽な運命を辿るようなことはあってはならない。
そのために原因があるとすれば取り除いてやりたい。
「わかりました。お世話になる覚悟で臨みたいと思います。」
人事課長は鋭い視線を緩めて俺に微笑みかけてきた。
「決意はよく分かった。ではわたしの方で少し準備が必要となるため申し訳ないが少し時間をくれないかい。」
「わかりました。よろしくお願いします。」
<<人事課長視点>>
マサル君の決意はよく分かった。
わたしもそれなりに覚悟をする必要はあると思う。
わたしは異世界管理局長に今回のマサル君の相談を報告した。
マサル君の報告内容は、何者かによる異世界管理局への妨害工作とも取れるため、局長への報告は当然必要であった。
また、監査部が関わっていると考えられる以上、わたしの範疇でこれ以上動くのは問題が大きいため、局長に加わって頂くことが必須でもあったのだ。
わたしの報告に対し局長はしばらく考えるようなしぐさをとっていた。
「君の話しはよくわかった。確かに君の判断通り監査部の関与は間違いないだろうし、あそこが公に人を動かしてまで介入したことで、彼らが何かを掴んでいることも想定できる。
そして君とマサル君がそれに足を突っ込んだことも。
よし、わたしの方で監査部と話しをつけよう。今回の件が何者かの我々に対する挑戦だと考えた場合、我々も手をこまねいている場合ではあるまい。
もしかすると、君とマサル君には移動してもらうことになるやもしれないが、覚悟しておいてほしい。」
相変わらず表情を変えずに淡々と話す局長の言葉にわたしは頷く。
「ではよろしくお願いいたします。」
そして、わたしは局長室を立ち去ったのだ。
しばらくしてわたしには移動辞令が、そしてマサル君には異世界管理局への正式採用の辞令が出たのだった。
<<マサル視点>>
人事課から正式採用辞令が届いた。
採用部署として書かれていたのは『異世界管理局 管理局長付調査室』という新設部署である。
「マサルさん、正式採用おめでとう。てっきり運営課に来るものだと思ってたのに、新設の部署なのね。
なんだか局長にマサルさんを盗られたみたいでくやしーーわ!」
「俺も知らなかったんですよ。
でも管理局の中だから一緒になることもありますよ。きっと。」
「おめでとうマサルさん。
同僚になれて嬉しいんだけど、これからは簡単にお願いできなくなりますね。」
「シール様、ありがとうございます。どんな仕事が待っているかわかりませんが気軽に声を掛けてもらえばと思います。」
「ところでマサルさん、本当にどんな仕事なのか聞いていないの?」
「ええ、人事課長からは正式採用の内示を貰っていたのは確かですが、その後何も話していないのです。」
「そうなんだ、実はねマサルさんが行くっていう新しい部署なんだけど、何をするための部署なのか、わたし達も聞かされていないのよね。」
「ポーラ様そうなんですか。まあ行って見れば分かると思うんですけどね。」
「あ、そうそう、シール聞いてる?人事課長も新しくなるらしいわよ。
あの課長、何か悪いことをして左遷されたのかな。」
「マリス君、わたしがどうしたって?」
「あっ、じ、人事課長....い、いらしたんですか。」
「マリス君、わたしにはそんなイメージがあるのかな。」
「ご、ごめんなさい。すいませんでした.......」
「マサル君、おめでとう。さあ一緒に調査室へ行こうか。」
「じ、人事課長、もしかして調査室の室長って....」
「ああ、ポーラ君、わたしがやることになったよ。じゃあまたな君達。」
俺は元人事課長の調査室長に連れられて、新しく新設された調査室に向かった。
異世界管理局ビルの最上階、局長室の隣に調査室の事務所はあった。
「さあ、ここがこれから働いてもらう仕事場になる。
とりあえず必要そうな物は揃えておいたから自由に使ってくれていいよ。」
「室長、有り難うございます。
ところで、この部署での仕事なんですが………」
ガチャ!
俺が仕事内容を確認しようとした時、奥の重厚な扉が開き、貫禄のある男性が入ってきた。
「局長! なるほどこちらの扉は局長室に繋がっているのでしたか。」
「いやあ、驚かせてすまんな。
ここを使って出入りした方がこれから都合が良さそうだからな。ハハハハ。」
突然現れた男性はここ異世界管理局の責任者である局長であった。
「おっ、気君が噂のマサル君だね。
よろしくたのむよ。」
「マサルです。よろしくお願いいたします。」
「そうだ、紹介しなくてはな。
君、こちらへ。」
局長室の扉を抜けてこちらに現れたのは…………
「マサルさん、お久しぶりですね。」
ユウコさんだった。
「だが、その話しを聞いてこれ以上の関与を望むのであれば、君は人事課、いや別の組織の職員とならざるを得なくなるのだが、どうするね?」
課長の刺すような視線を受けてしばし考える。
今後も人事課の仕事を受けるにあたり今回のような問題は発生する可能性は何度でもあるだろう。
そう考えれば、それに適した情報を得られる立場になることは重要だ。
そして今回のように召喚された者が襲われたり、理不尽な運命を辿るようなことはあってはならない。
そのために原因があるとすれば取り除いてやりたい。
「わかりました。お世話になる覚悟で臨みたいと思います。」
人事課長は鋭い視線を緩めて俺に微笑みかけてきた。
「決意はよく分かった。ではわたしの方で少し準備が必要となるため申し訳ないが少し時間をくれないかい。」
「わかりました。よろしくお願いします。」
<<人事課長視点>>
マサル君の決意はよく分かった。
わたしもそれなりに覚悟をする必要はあると思う。
わたしは異世界管理局長に今回のマサル君の相談を報告した。
マサル君の報告内容は、何者かによる異世界管理局への妨害工作とも取れるため、局長への報告は当然必要であった。
また、監査部が関わっていると考えられる以上、わたしの範疇でこれ以上動くのは問題が大きいため、局長に加わって頂くことが必須でもあったのだ。
わたしの報告に対し局長はしばらく考えるようなしぐさをとっていた。
「君の話しはよくわかった。確かに君の判断通り監査部の関与は間違いないだろうし、あそこが公に人を動かしてまで介入したことで、彼らが何かを掴んでいることも想定できる。
そして君とマサル君がそれに足を突っ込んだことも。
よし、わたしの方で監査部と話しをつけよう。今回の件が何者かの我々に対する挑戦だと考えた場合、我々も手をこまねいている場合ではあるまい。
もしかすると、君とマサル君には移動してもらうことになるやもしれないが、覚悟しておいてほしい。」
相変わらず表情を変えずに淡々と話す局長の言葉にわたしは頷く。
「ではよろしくお願いいたします。」
そして、わたしは局長室を立ち去ったのだ。
しばらくしてわたしには移動辞令が、そしてマサル君には異世界管理局への正式採用の辞令が出たのだった。
<<マサル視点>>
人事課から正式採用辞令が届いた。
採用部署として書かれていたのは『異世界管理局 管理局長付調査室』という新設部署である。
「マサルさん、正式採用おめでとう。てっきり運営課に来るものだと思ってたのに、新設の部署なのね。
なんだか局長にマサルさんを盗られたみたいでくやしーーわ!」
「俺も知らなかったんですよ。
でも管理局の中だから一緒になることもありますよ。きっと。」
「おめでとうマサルさん。
同僚になれて嬉しいんだけど、これからは簡単にお願いできなくなりますね。」
「シール様、ありがとうございます。どんな仕事が待っているかわかりませんが気軽に声を掛けてもらえばと思います。」
「ところでマサルさん、本当にどんな仕事なのか聞いていないの?」
「ええ、人事課長からは正式採用の内示を貰っていたのは確かですが、その後何も話していないのです。」
「そうなんだ、実はねマサルさんが行くっていう新しい部署なんだけど、何をするための部署なのか、わたし達も聞かされていないのよね。」
「ポーラ様そうなんですか。まあ行って見れば分かると思うんですけどね。」
「あ、そうそう、シール聞いてる?人事課長も新しくなるらしいわよ。
あの課長、何か悪いことをして左遷されたのかな。」
「マリス君、わたしがどうしたって?」
「あっ、じ、人事課長....い、いらしたんですか。」
「マリス君、わたしにはそんなイメージがあるのかな。」
「ご、ごめんなさい。すいませんでした.......」
「マサル君、おめでとう。さあ一緒に調査室へ行こうか。」
「じ、人事課長、もしかして調査室の室長って....」
「ああ、ポーラ君、わたしがやることになったよ。じゃあまたな君達。」
俺は元人事課長の調査室長に連れられて、新しく新設された調査室に向かった。
異世界管理局ビルの最上階、局長室の隣に調査室の事務所はあった。
「さあ、ここがこれから働いてもらう仕事場になる。
とりあえず必要そうな物は揃えておいたから自由に使ってくれていいよ。」
「室長、有り難うございます。
ところで、この部署での仕事なんですが………」
ガチャ!
俺が仕事内容を確認しようとした時、奥の重厚な扉が開き、貫禄のある男性が入ってきた。
「局長! なるほどこちらの扉は局長室に繋がっているのでしたか。」
「いやあ、驚かせてすまんな。
ここを使って出入りした方がこれから都合が良さそうだからな。ハハハハ。」
突然現れた男性はここ異世界管理局の責任者である局長であった。
「おっ、気君が噂のマサル君だね。
よろしくたのむよ。」
「マサルです。よろしくお願いいたします。」
「そうだ、紹介しなくてはな。
君、こちらへ。」
局長室の扉を抜けてこちらに現れたのは…………
「マサルさん、お久しぶりですね。」
ユウコさんだった。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
社畜サラリーマン、異世界でパンと魔法の経営革命
yukataka
ファンタジー
過労死寸前の30代サラリーマン・佐藤健は、気づけば中世ヨーロッパ風の異世界に転生していた。与えられたのは「発酵魔法」という謎のスキルと、前世の経営知識。転生先は辺境の寒村ベルガルド――飢えと貧困にあえぐ、希望のない場所。「この世界にパンがない…だと?」健は決意する。美味しいパンで、人々を笑顔にしよう。ブラック企業で培った根性と、発酵魔法の可能性。そして何より、人を幸せにしたいという純粋な想い。小さなパン屋から始まった"食の革命"は、やがて王国を、大陸を、世界を変えていく――。笑いあり、涙あり、そして温かい人間ドラマ。仲間たちとの絆、恋の芽生え、強大な敵との戦い。パン一つで世界を救う、心温まる異世界経営ファンタジー。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
『異世界ごはん、はじめました!』 ~料理研究家は転生先でも胃袋から世界を救う~
チャチャ
ファンタジー
味のない異世界に転生したのは、料理研究家の 私!?
魔法効果つきの“ごはん”で人を癒やし、王子を 虜に、ついには王宮キッチンまで!
心と身体を温める“スキル付き料理が、世界を 変えていく--
美味しい笑顔があふれる、異世界グルメファン タジー!
充実した人生の送り方 ~妹よ、俺は今異世界に居ます~
中畑 道
ファンタジー
「充実した人生を送ってください。私が創造した剣と魔法の世界で」
唯一の肉親だった妹の葬儀を終えた帰り道、不慮の事故で命を落とした世良登希雄は異世界の創造神に召喚される。弟子である第一女神の願いを叶えるために。
人類未開の地、魔獣の大森林最奥地で異世界の常識や習慣、魔法やスキル、身の守り方や戦い方を学んだトキオ セラは、女神から遣わされた御供のコタローと街へ向かう。
目的は一つ。充実した人生を送ること。
異世界転生特典『絶対安全領域(マイホーム)』~家の中にいれば神すら無効化、一歩も出ずに世界最強になりました~
夏見ナイ
ファンタジー
ブラック企業で過労死した俺が転生時に願ったのは、たった一つ。「誰にも邪魔されず、絶対に安全な家で引きこもりたい!」
その切実な願いを聞き入れた神は、ユニークスキル『絶対安全領域(マイホーム)』を授けてくれた。この家の中にいれば、神の干渉すら無効化する究極の無敵空間だ!
「これで理想の怠惰な生活が送れる!」と喜んだのも束の間、追われる王女様が俺の庭に逃げ込んできて……? 面倒だが仕方なく、庭いじりのついでに追手を撃退したら、なぜかここが「聖域」だと勘違いされ、獣人の娘やエルフの学者まで押しかけてきた!
俺は家から出ずに快適なスローライフを送りたいだけなのに! 知らぬ間に世界を救う、無自覚最強の引きこもりファンタジー、開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる