みんなの女神サマは最強ヤンキーに甘く壊される

けるたん

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Girls☆Side Story ~大神士狼と彼女たちの日常~

第2話 男の子って、こんなにムラムラしているモノなの!?

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「いい、洋子? 状況を確認するわよ?」
「う、うん」



 芽衣と洋子の股間から、アレが生えて5分後の女子トイレにて。

 2人は顔を突き合わせて、現状の確認作業へと突入していた。



「今、アタシたちの股の間には、本来、女の子にないハズの『アレ』がぶら下がっているわね?」
「うん……違和感がスゴイよ……」



 腰をモジモジさせながら、居心地悪そうに顔をしかめる洋子。

 どうやら『アレ』のポジショニングが悪いらしい。

 しきりの『アレ』を気にしていた。

 そんな妹を前に、芽衣は出来るだけ冷静に言葉を重ねていく。



「おそらくコレは、十中八九、間違いなく、宇佐美さんの薬によるモノね」
「やっぱり、メイちゃんも、そう思う?」
「だって、ソレしか考えられないもの」



 どうやら『男の子の気持ちが分かる薬』は、下半身にバベルの塔を違法建築して、男の子の気持ちを分からせる薬だったらしい。

 いやいや? どういう薬よ、ほんと……。

 芽衣は内心ため息を溢しながら、スカートの上から、小さくなった己自身を見下ろし、



「宇佐美さんの話だと、3時間程度で薬の効果が抜けるって話だし、それまで我慢すれば問題ないわ」

「でも、この状態でお外を歩くのは、危険だよね?」

「かと言って、ここに引きこもり続けるのも、危険だわ。あの士狼バカがいつ、アタシたちを心配して女子トイレに特攻してくるか、分からないし」

「うぅ~……でもっ! 帰ってる途中でおっきくなちゃったら、どうしよう?」

「大丈夫よ。アレが大きくなるのって、エッチなモノを見たり、考えたりしたらでしょ? 街を歩いていて、そうそうエッチなモノなんか見つからないわよ」



 そう言って、妹を安心させようとする芽衣。

 このときの彼女は、まだ知らなかったのだ。

 男の性欲の凄まじさを……。



「そっか……。そうだよね、うんっ! メイちゃん、ボク、覚悟を決めたよ!」
「よしっ! それでこそ、アタシの妹よ!」



 2人は同時にコクリッ! と頷きながら、士狼の待つ昇降口前へと移動した。

 ……若干、歩き方が前のめりなのは、目をつむっていただきたい。



「ごめん、ししょー。おまたせぇ~」
「それじゃ、今日はまっすぐ帰りましょうか」

「んっ? おぉっ、遅かったな2人とも。ちょっと心配したぞ?」



 そう言って笑う2人の視線の先には。

 何故か全身ずぶ濡れの、上半身裸の大神士狼がいた。



 びくびくびくびくびくーんっ!?



「「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~ッッ!?!?」」

「えぇっ!? なになにっ!? 今度はなにっ!?」



 瞬間、古羊姉妹は、まるで打ち合わせでもしていたかのように、スカートを押さえながら、前のめりで膝を折った。

 い、痛いっ!?

 アレが痛いッ!?

 はち切れそうだっ!?



(め、メイちゃんっ!? 何コレ!? お、お股のアレが爆発しちゃいそうだよ!? 痛いよっ!?)

(お、落ち着きなさい洋子っ! 落ち着いて、気を静め――いてテテテテテッ!?)



 今まで感じたことのない未知の痛みに、洋子も芽衣も悶絶した。

 なんというか、身体中のエネルギーが『ある一点』に全集中しているのを感じる。



「お、おい、大丈夫か2人とも?」



 1人だけ状況が飲みこめていない士狼は、まったく同じ姿勢でうずくまる姉妹を、オロオロした様子で見下ろしていた。



「だ、大丈夫。ちょっと足をくじいただけだから」

「そ、そうそう。心配しないで、ししょー」



 そう言って、2人は無理やり笑みを顔に張り付けながら、上半身裸の士狼へと視線を送り……まったく同じタイミングで生唾を飲みこんだ。

 こ、この男……スケベ過ぎるっ!?

 な、なんだあの、バッキバキに割れた腹筋はっ!?

 スケベの絨毯じゅうたん爆撃機ばくげききか?

 あの太い丸太のような腕に浮き出ている血管とか、スケベ過ぎて、見ていて気が狂いそうになる。

 なにより、鎖骨に流れる、あの水滴っ!

 なんだアレはっ!?

 スケベのウォータースライダーかっ!?

 チクショウっ! あそこから流れる流水で流しそうめんして、この夏をエンジョイして――
 


 ――びくびくびく、びっくーんっ!



「~~~~~ッ!? うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~ッッ!?!?」

「ちょっ!? 衛生兵っ! 誰か衛生兵を呼んでくれっ! 衛生へぇぇぇぇいっ!?」



 下半身で暴れ狂うドラゴンに翻弄ほんろうされる、芽衣と洋子。

 そんな2人に翻弄される、大神士狼。

 間違いなく、この学校で1番カオスな現場はココだった。



(ゆ、油断したっ!? そ、そうだ、そうだった! この男は、この大神士狼は――ッ!?)



 芽衣も洋子も、下半身に違法建築されたスカイツリーに夢中で、肝心なことを忘れていたのだ。

 自分たちが、誰の近くに居るのか。

 そう、天然のドスケベ・エロボディを持った男、大神士狼の存在に!

 バッキバキに割れた腹筋、血管の浮き出た太い腕。メリハリのある引き締まった身体。

 もはやスケベのフルアーマー・ガ●ダムである。

 しかもたちの悪いことに、この男、



「うぉぉおおっ!? 大丈夫か、2人ともぉぉぉぉぉっ!?」



 無防備にも、フェロモンたっぷりの鍛え抜かれた身体で、芽衣と洋子に近づいてくる。

 そう、この男、自分のエロさに無自覚なのであるっ!

 例えるのでアレば、スカートのまま、あぐらをかいている女の子と同じっ!

 色んな意味で、隙だらけの、ヤベェ男なのだ。

 そんなスケベの申し子のような男が、敏感バナナを所持した古羊姉妹に近寄ろうモノなら、



「うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~っ!?!?」



 結果は火を見るより明らかである。
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