みんなの女神サマは最強ヤンキーに甘く壊される

けるたん

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第7部 大乱闘スマッシュシスターズ

第14話 孤独のア〇メ

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 2人3脚の要領で、芽衣にかつがれながら、何とか保健室へ到着する。

 が正直もう、ここまでくるだけで腰砕け寸前である。

 あと少しの刺激だけで簡単に意識が吹き飛びそうだ。



「失礼します……って、アレ? 何よ、先生居ないじゃないの」
「あ、あまり揺らひゃないで……? マジでもう限界だひゃら……」
「はいはい。あと少しだから、もうちょっと我慢しなさいよっと」



 閑散かんさんとした保健室を軽く見渡しながら、素の口調に戻る芽衣。

 鼻の奥をツーンッ!? と刺すような匂いを肺いっぱいに吸い込みながら、無遠慮むえんりょに中へと入る。



「しょうがないから、勝手に使わせてもらいましょう。ほら士狼、ベッドに横になれる? アタシは教室に戻るけど、一眠りしたらアンタも帰ってくるのよ? 先生にはアタシから言っておくから――キャッ!?」

「うひゃぁっ!?」



 俺をベッドに下ろそうとした、そのときっ!

 ついにワガママ敏感ボディが、限界値に到☆達!

 結果、情けない声をあげながら、芽衣に倒し倒されるような形でベッドイン!

 気がつくと、少女マンガの一幕のように、俺の体に芽衣が覆いかぶさりながら、今にもキスが出来そうなくらい超至近距離で見つめ合ってしまう俺たち。



「なっ!? なっ!? なっ!? なぁっ!?」



 一瞬でカァ! と、顔を真っ赤に染め上げた芽衣が、ワナワナと口を半開きにさせる。

 あっ、コレ死んだ。死んだわ、俺。



「――失礼しまぁ~す。……あれ? 先生居ないのかな?」
「~~~~~っ!?」
「ちょっ、芽衣? うわっぷ!?」



 突如ガバッ! と、布団で俺たちの身体を覆い隠す芽衣。

 な、なんだッ!? なんだっ!?

 お、俺に乱暴する気か!?

 エロ同人みたいにっ!

 エロ同人みたいにっ!?

 布団の中で、くんずほぐれず♪ の夜のレスリングばりに器用に身体を動かし、俺の身体をギュッ! と抱きしめる形で拘束する、我らが女神さま。

 だ、だからっ!? 今は身体が敏感だから、そんなに引っ付いたらはぁぁぁぁぁぁんっ!?




(ちょっ、芽衣ひゃん!? しょんにゃに引っちゅいたらぁぁぁぁんっ!?)
(シッ! 静かに、誰か入ってきた)



 ピトッ♪ と、芽衣の彫刻刀のようにしなやかな人差し指が、俺の唇に当てられる。

 途端に唇が、熱した鉄を押し当てられたように熱くなる。

 その仕草に、思わず心臓がバクバクバクバクッ!? と、搾乳機さくにゅうきにかけられたかのように、激しく脈打ち始める。

 おいおい? カフェインも摂っていないのに、このままじゃ俺の心臓、爆発四散するんじゃねぇの?

 大丈夫マイハート?

 と我が肉体のエンジンを心配していると、芽衣が囁くような小声で、



(……マズイはね。想定する限り、最悪の事態に遭遇したわ)
(しゃ、しゃいあくの事態でひゅか?)
(えぇっ。とりあえず、周りに耳を澄ませてみなさい)



 芽衣に言われるがまま、布団の外の情報を得るべく、そっと耳を澄ませてみせる。

 いまだバクバクと五月蠅い心臓を何とか統率しながら、ゆっくりと鮮明になっていく周りの声。



「ごめんね? 保健室まで付き添わせちゃって?」
「ううん全然、気にしないで。それよりも膝、大丈夫?」
「う~ん? 消毒して包帯を巻けば、なんとかなりそう……かな?」
「そっかぁ、よかったぁ。1時間目から体育なんて身体が動かないし、ほんとにケガだけは注意しないとね」



 ……ふむ。

 声の質からして、どうやら2人の女子生徒が、今保健室に居るらしい。

 1人は膝をケガしているのか、少しだけ鼻声で。

 もう1人は心配そうな声音で、ほのぼのと会話を繰り広げていた。

 う~む?

 別に芽衣がおののくほど、マズイ状況だとは思わないんだが……?

 俺は「なぁ、この状況の何がマズイわけ?」と、震える唇を動かそうとして、




「――もうワタシは大丈夫だから。洋子ちゃんは先に体育館に戻っていていいよ」

「ううん。心配だから、ボクも最後まで付き合うよ」



 ……今、この世で一番聞きたくない名前が鼓膜をくすぐった途端、勝手に口が動いていた。



(よよよよよ、よこたんかよぉぉぉぉぉっ!?)



 瞬間、俺の脳裏に静かにブチ切れるラブリー☆マイエンジェルの姿が、簡単に想像できた。

 さぁ、みんなっ! 今の俺の状況を思い返してみよう!

 汗だくのまま、荒い呼吸で、美少女とみっちり♪ と抱き合っている光景……。

 ね? 想像しただけで、俺を殺したくなるでしょ?

 さて、ここでさらに問題ですっ!

 もしこんな素敵な光景を、よこたんに目撃されたら、俺は一体どうなるでしょ~か?

 正解は、古羊クラブに抹殺されるでしたぁ~☆

 ……絶対にバレていけない戦いが、ここにある。



(つーか、なんでこんなタイミングで、いつもアイツよこたんが居るんだよ!? 俺のファンか、アイツは?)

(あっ、バカ士狼! 声が大きい! 洋子に見つかるでしょ!?)

「あれ? 今、人の声がしなかった?」


 よこたんの不思議そうな声音が、耳朶じだを叩くと同時に、芽衣と2人して、その場で小さく飛び跳ねた。

 ヤバい、見つかったか!?

 いや、落ち着けシロウ・オオカミよ。

 相手はあのおっとり天然が入っている、よこたんだぞ?

 きっと『あぁ、どこかで妖精さんがパーティーでもしているのかな?』って、勘違いしてくれるに違いな――



「あっ」
「どうしたの、洋子ちゃん?」
「えっとね、隣のベッドで誰か寝ているみたいなの」
「そっか。じゃあ、なるべく静かにしないとね」



 うん、シロウ知ってた。

 この状態で誤魔化せるワケないって、最初から知ってた。

「隣のベッド」という単語が出た瞬間、芽衣が身を硬くしながらギュッ! と、俺の身体に密着してきてデデデデデデッ!?



 ――ガタンッ、ガタンっ! ガタガタガタガタガタッ!



「う、うわっ!? な、なにこの音!? し、心霊現象!?」

「お、落ち着いてオオバシさん! 隣のベッドが揺れているだけだよ!」

(ちょっと士狼!? なに身体を痙攣させているのよ!? 2人にバレるでしょ!?)

(そんなこと言ったって、体が言うことを効かないぃぃぃぃぃぃっ!?)



 俺がビクンビクンッ!? と痙攣するたびに、ベッドがギシギシ♪ アンアン♥ と、卑猥な音色をかなで続ける。

 そのたびに、よこたん達の恐怖のパラメーターが、これでもかと上がっていく。



(こんの……ッ!? 落ち着きなさいってば!)
(はひゅんっ!? そ、そんなに抱きついちゃ、らめぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?)



 芽衣が俺の痙攣を止めようと、さらに力強く俺を抱きしめる。

 結果、芽衣のぷにぷに♪ とした柔らかい素肌が、これでもかと密着してしきてぇっ!?

 布団の中は、女の子特有の甘い匂いで充満しており、それが余計に俺の思考をグチャグチャにかき混ぜ、余計に身体を痙攣させてしまう悪循環へと陥っていた。

 ちょっ、だから!?

 そんなに抱きついたらラメなのぉぉぉぉぉぉっ!?

 目の前でお星さまがスパーク。

 見るもの聞くもの感じるものが、俺の五感を突き破って、そのまま無限の急転直下。

 螺旋を描いてくるくるりん♪

 封印の壺にダイブイン!

 壺の中では100人の俺妖精(羽の生えた俺)が狂喜乱舞のバトルロイヤル。

 戦わなければ生き残れない。

 俺たちの戦いはこれからだ!



(こ、このバカ! 現実逃避している場合じゃないでしょうが!?)

「ヒィッ!? さ、さらに激しくなったぁ!? こ、怖いよぉぉぉぉぉっ!?」

「あぁっ、オオバシさん!? オオバシさぁぁぁぁぁぁんっ!?」



 タッタッタッタッ! と、1人分の足音が遠ざかっていく。

 どうやら大橋と呼ばれる女子生徒が、恐怖のあまりログアウトしたらしい。

 これはケガの巧妙だ!

 あとは爆乳わんを追い出すのみ!



「あ、あのぉ? ベッドの人ぉ? 大丈夫ですかぁ?」



 よこたんが心配そうな声をだしながら、ゆっくりと俺たちが身を潜めているベッドへと近づいてくる。

 し、しまった!?

 コイツは自分の恐怖よりも先に、他人の心配をしてしまう天使ちゃんだったわ!

 コツコツコツ、とゆっくりと、けれど確実に俺たちとの距離を詰めてくる。

 その度に芽衣の身体がビクッ! と震える。

 釣られて俺の身体もビクビクッ! と激しく震える。

 やがてラブリー☆マイエンジェルの声音が頭上から聞こえてきたとき、ズズズッ! と被っていた布団が、ゆっくりとめくりあげられていく。

 で、デンジャーッ!? デンジャーッ!?



「ちょ、ちょ~と失礼しますよぉ~?」



 そう言って、よこたんは俺達の布団を完全にめくる――寸前で。



「や、やぁ~ん♪ よこたんのえっち~っ!」



 俺はひょっこりと布団から顔を出し、爽やかに挨拶をキメていた。



「男の子の寝顔を無断で拝もうだなんて、そんなはしたない娘に育てた覚えはなくてよ?」
「えっ? し、ししょー? な、なんでここに居るの?」


 驚いた顔を浮かべる爆乳わんに、俺は無理やりに痙攣する身体を抑えつけながら、何でもない風を装って言ってやった。



「い、いやぁ、この土日の特訓の疲れが取れなくてさぁ! 1時間だけ、ここで仮眠を取らせて貰ってたんだよね! んで、寝づらくて寝返りを打ってたら、ちょっとベッドが軋んじゃってさ! ほんと参ったね、どうも!」

「ちょっとってレベルの軋みじゃなかった気がするけど……」



 たははっ! と、誤魔化すような笑みを浮かべるや否や、急に、


 ――ギラッ!


 と、マイ☆エンジェルの視線が鋭くなった。



「ジーッ」
「な、なんだよ、そんなに見つめて?」

「なんか怪しいなぁ……。ねぇ、ししょー? 何かボクに隠し事してないかな?」

「し、してねぇよ!? これっぽっちも! 隠し事なんて、まったく微塵もしてねぇよ!?」

「やっぱりしてるんだ、隠し事」



 う~ん?

 芽衣といいマイ☆エンジェルといい、どうして古羊姉妹は、俺の隠し事を一瞬で看破することが出来るんだろうか?

 某小学生探偵でも、そこまで鋭くないぞ?

 これがいわゆる女の勘というヤツなのだろうか?

 女の勘というか、もうエスパーの域だよね。

 あれかな? 絶対で可憐的なチルドレンなのかな?

 ヤダ、半端なく強そう……。

 なんてバカげたことを考えているうちに、よこたんの光彩を失った瞳は、俺の顔からやがて、やけにモッコリ♪ している布団へと移動した。



「……その妙に膨らんでいる布団が、死ぬほど怪しいなぁ」



 ひぃぃぃぃっ!?

 背筋から嫌な汗が止まらないよぉぉぉぉぉぉっ!?

 体中の毛穴という毛穴からブワッ!? と、汗やら何やらが噴き出てくるのが分かる。

 こ、怖ぇっ!?

 その万引きGメン並みの鋭い視線が、余計に恐怖を煽ってくるよぉっ!



(し、しろぅ……)



 珍しく芽衣が不安になっているのか、ブルブルと身体を小刻みに震わせて、ひっそりと怯えたような声をあげる。

 その普段見せない弱々しい声音に、思わず俺の中の男としての本能が「守らなくては!」と警報をあげた。

 瞬間、俺の中で、


 ――パチンっ!


 とスイッチの切りかわる音がした。




「ねぇ、なんで何も言わないのししょー? やっぱりその布団の中に何か隠して――」

「――動くな、フルティンだ」

「……はひっ? ふる……てぃん?」




 案の定、ポカンと口を開けて固まる爆乳わん

 俺はそんな愛しい爆乳わん娘に、真顔を張り付けて、凛々しく言ってやった。



「聞こえなかったか? なら、もう1度だけ言ってやろう。今の俺は……ノーパンだ。分かりやすく言えば『まるだし』だ。この布団の下は今や、大神サファリパークと化しているっ!」

「まるだし……えっ? まるだしっ!? な、なんで!? なんでこんな場所で、そんなことしてるの!?」

「おいおい? 言わせんなよ、恥ずかしい」

「恥ずかしいっ!? 恥ずかしい事をするつもりなの!?」



 どことなく興味津々の爆乳わん娘に、俺は絶対の自信をみなぎらせながら、



「童貞が保健室で、しかも下半身フルティンだったら、やることなんて1つだろ?」
「ふ、フルティンのまま保健室でやること……?」



 よこたんの透き通った瞳が、疑問でいっぱいになる。

 そんなラブリー☆マイエンジェルに向かって、自分でも予想していなかった言葉が、口からまろび出た。



「ソロコンサートだよ、ソロコンサート。俺の下半身に搭載された自前のマイクスタンドを使って、ロックンロールをかなでていたんだよ」

「へっ? そ、それってまさか……えっ!? えぇぇぇぇぇぇぇぇっ!? こ、こここ、こんなところでソロコンサートッ!? そんな、だって……えぇっ!?」



 シュボッ! と、瞬間湯沸かし器顔負けのスピードで、頬を真っ赤に紅潮させるムッツリ天使。

 この言葉だけで分かるとは、さすがは天下に名高いムッツリスケベ。

 頭の中はスケベでいっぱいか、コイツ?

「おな、おな、オナッ!?」と、口をパクパクさせる爆乳わん娘を眺めながら、ふと思う。

 俺は一体、ナニを言っているんだ?

 確かにラブリー☆マイエンジェルを部屋から追い出さそうとしてはいるが、これじゃ俺が、ただ自分の性癖を暴露しているだけでは?

 いや、毒を喰らわば皿までだ!

 こうなったら、行けるところまでイってやる!

 俺は「その通りだ!」と、我が校が誇る美人姉妹の片割れに、元気よく頷いてやった。



「そんなに布団の中が気になるのなら……めくってみるか? そうすれば、一発で理解できるぞ?」

「~~~~~~~っ!? だ、だだだだ、大丈夫だから!? 見せなくていいから!?」

「本当に?」
「本当に! ま、まだボクには刺激が強いよぉ……」



 1度は俺の生まれたままの姿(戦闘体勢)を目撃したクセに、変なところで純情ぶりやがって。

 まぁ今は、そっちの方が俺たち的にはありがたいので、何も言わないが。

 俺は顔を真っ赤にさせて、ブンブンッ!? と首を左右に振る爆乳わん娘に『トドメだ!』とばかりに言葉を重ねた。



「そっか、ならしょうがない。だったら、よこたんよ。悪いんだが、保健室から出て行ってくれないか?」

「へっ? ど、どうして?」

「これから再び、俺の孤独のアクメが始まるからだ。モノをシゴく時はな、誰にも邪魔されず、自由で、なんというか救われてなきゃダメなんだ。……が、今回は特別だ。一緒に観賞していくか?」

「めめめめめ、滅相もないよ!? す、すぐ出て行くからちょっと待ってって!」

「なら早くしろよ? じゃないと俺のパオーン的なモノが、この場を保健室から動物園へと変えちまうぞ?」

「うわわわわっ!?」

「はい5、4、3、2、1――」

「ごごごごご、ごめんなさぁぁぁぁぁぁぁぁいっ!?」



 謝罪という名の絶叫をあげながら、一目散に保健室を立ち去る。

 ……というよりも、逃げ去って行く、我らが爆乳わん娘。

 その後ろ姿と足音が、どんどん遠ざかって行くのと引き換えに、布団の中から芽衣がひょっこりと顔を出した。



「ぷはぁっ!? どうやら危機は去ったみたいね」

「あぁ……俺のプライドと一緒にな。マジで今後よこたんと顔が合わせづれぇよ、どうしよう?」

「士狼が変なことを口走るからでしょうが。相変わらず問題の解決方法が、予想の斜め下なんだから。……そんなことよりも、もう身体は大丈夫なの?」

「なんかさっきのビックリした衝撃で、元に戻ったみたい」

「この数十分の苦労は一体……?」



 芽衣が疲れたかのようにため息をこぼしながら、ベッドから身を起こす。

 平常の男子高校生ボディに戻った俺は、結局芽衣と一緒に、何事もなかったかのように2年A組へと舞い戻った。

 だが、それから数日間、よこたんが俺を発見するなり、


 ――ポッ♥


 と顔を染めて、俺の2代目Jソウルブラザーズの方向を見るようになってしまったお話は……まぁまた別の機会にということで。
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