みんなの女神サマは最強ヤンキーに甘く壊される

けるたん

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真・最終部 みんなの女神サマは最強ヤンキーに甘く壊される

第4話 いつもの彼女、いつものパッド、いつもの士狼……?

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 我が家のビックボスから温水プールのチケットを貰い、1日経った早朝の7時30分。

 俺は初デートに挑む男子中学生並みにソワソワッ!? しながら、芽衣たちが住んでいる高級マンションの入り口を。ウロウロと行ったり来たりしていた。

 もちろん目的は我らが双子姫の妹君、ヨウコ・コヒツジ様だ。



「う~ん? さすがに自宅前で待ち伏せするのは、気持ち悪いか?」



 いやしかし、今は1分1秒でも早くラブリー☆マイエンジェルに会いたい気分だし……しょうがないよね!

 でも、さすがに『告白された→即座にデート』は、ちょっと短絡的過ぎるというか、下心バリバリな感じがして、引かれるか?

 いや大丈夫だ。

 自信を持て、大神士狼っ!

 姉ちゃんが前にも言っていたじゃないかっ!

 デートなんて基本的『交尾してもい~い?』って、お互いに確認し合う卑猥極まりない儀式だって。

 欲を言えば『告白された→即座にデート』よりも、『告白された→即座にホテル』の黄金コンボをり出したい所だが……返事をする時間が空いてしまったので、仕方がない。



「しかし、なんて言ってデートに誘えばいいんだろうか?」



 結局一晩考えたが、妙案が思い浮かばず、なんかもう、その場のノリと勢いに任せて、家の前まで来てしまったが……マジでこの後どうしよう?

 なんだか時間が経つにつれて、バクバクッ!? と心臓がエイトビートを刻んでいるような気がする。

 こういうときは、一旦頭をリセットして、エロい妄想をして気分を落ち着かせるに限る。

 ちなみに最近の俺のトレンドは、芽衣の超パッドを剥ぎっ取った状態で、彼女の慎ましやかな胸を、よこたんやうさみんの爆乳と並べ、その恥辱のあまり、悔しさで顔を歪める姿がお気に入りである。



「ふふっ、さぁて! 今宵こよいも貧乳にはスク水か、それともあえての紐ビキニか、また1人で議論を深めていこうではないか! ――ぷぎゃっ!?」

「おい? 何を朝から不愉快な妄想をしてるんだ、キサマぁ?」



 ヒマを持て余した変態の遊びに興じようとしていた俺の背後から、もの凄い勢いと握力をもって首を絞められる。

 こ、この心臓の弱いおじいちゃんおばあちゃんだったら、一瞬で殺せそうな禍々まがまがしい殺気は……間違いない、奴だ!

 俺はカエルが潰れたような声を出しながら、頑張って後ろを確認すると……そこには俺の予想通り、我らが『双子姫』の姉君が、花丸満天の笑顔を浮かべて俺の首を絞めていた。



「おはよう士狼。どうやら退院したようね、おめでとう」
「えっ、ウソ? この状態で挨拶するのは、アマゾネスさんだけだよ?」



 俺の的確なツッコミを無視するこの女の名前は、森実高校生徒会会長にして、双子姫の姉君、古羊芽衣サマだ。

 その太陽の光を一身に受け止めた亜麻色の髪に、濡れた紅玉のような真っ赤な瞳。

 もはや絶世の美少女、いや美女である彼女を前に、首を絞められた俺の脳裏が、走馬灯のように芽衣との記憶を思い出していた。

 誰に対しても人当りがよく、柔らかい物言いに、制服の上からでも分かるほどの巨乳を持った、グラビア・アイドルも裸足で逃げ出す完全無欠の爆乳美少女。

 ……とは表向きの顔で、実際はズボラで腹黒で、おまけに計算高く、その自慢の巨乳も超パッドでギガ盛りした虚乳であることを、俺は知っている。

 完全無敵の猫かぶり腹黒虚乳美少女、それが我らの古羊芽衣――ぷげらっ!?



「ふふふっ♪ 誰が腹黒虚乳だってぇ、クソガキぃ?」
「ねぇ? なんでいつも、俺の考えていることが分かるの? エスパー芽衣さんなの?」



 キリキリキリキリッ! と、俺の首筋に芽衣の白魚のような指先が食い込んでいく。

 ちょっ、ムリムリ!?

 俺の首はソッチには曲がらないよ?

 というかだね、お嬢さん? 分かってる?

 俺たち何気に1週間ぶりの再会なんだよ?

 なんで1週間ぶりの再会が、こんなバイオレンスなモノになってるワケ?

 バカなの? イカレなの?

 そんなことを考えながら、1人苦しみ悶えていると、芽衣が小さく「ハァ……」とため息をこぼした。



「……どうせ洋子を待って玄関前ココでスタンバイしてたんでしょ?」

「えっ? この状況で普通に会話するの? いやまぁ、その通りなんだけどさ。って、アレ? そう言えば、よこたんはどうしたよ? 一緒じゃねぇの?」

「ハァ……残念でした。今日、洋子は日直だから、先に学校へ行ってるわよ」



 不機嫌さを隠すことなく、そう口にする芽衣。

 その間も、ゴリラもビックリの地獄万力と化した芽衣のゴッドハンドが、キリキリッ!? と俺の首を絞めにかかる。

 あっ、俺、死んだわ。死んだ。

 脳裏で何通りもの辞世の句が、シャボン玉のように浮かんでは消えていく。

 う~ん、どれにしようかなぁ?

 ただ俺の首に食い込んでいる芽衣の指先から察するに、あまり迷っている時間は無いっぽいし……どうしよっかなぁ♪

 なんて俺の優秀な頭脳が現実逃避をしかけていた、そのとき。

 ふいに芽衣の指先が俺の首筋から離れた。



「あ、あれ? 芽衣さん?」
「…………」



 急に拘束が解けた首筋を優しくなぞりながら、はて? とばかりに首を傾げる。

 おやおや?

 いつもなら、この流れで半殺しにされるハズなのに、今日はどうして優しいじゃないか。

 ……うん、分かってる。

 自分でも今、かなりおかしな事を言ったなって自覚はある。

 もはや何が普通で何が普通じゃないのか、自分でも分からなくなってきてますね、コレ。

 ほんのり自分の感性に恐怖を抱きながら、ゆっくりと芽衣の方へ振り返ると、芽衣は俺と目を合わせようとせず、俯いたまま、ジッとその場で制止していた。



「どうしたよ? そんな時間停止モノのAVみたいに固まって? もしかして……撮影中?」
「ブチ殺すわよ?」



 よかった、いつも通りだ。 



「そうじゃなくてっ! し、士狼……その……あのね?」
「うん?」
「……ううん、何でもない」



 そう言って、パッ! と顏を上げた芽衣の表情は、不自然なまでに笑顔だった。

 いや、その顔で『何でもない』はないだろう? 

 芽衣のその不自然なまでの態度に、俺は頭の上にクエスチョンマークを浮かべながら、もう少し追及しようと口を開きかける。

 が、それよりも早く、芽衣の白桃のような唇がなまめかしく動いた。



「ほらっ! ボーッとしてないで、学校へ行くわよ。このままじゃ遅刻しちゃう」
「お、おう……って!? ちょっと待ってくれっ! 速い、速いっ!? 歩くの速いって!?」



 スタスタッ! と、先に歩き出す芽衣の後ろを、慌てて追いかけるナイスガイ俺。

 横に並んで歩く俺を、芽衣はチラチラと何か言いたげに盗み見てくる。

 が、俺と目が合うなり、すぐさまサッ! と目を逸らしてしまう。

 その女の子らしい態度に、数多あまたのギャルゲーをやり尽くした俺の優秀な頭脳ブレインが、うなりをあげて回転し始める。

 早朝、人気の居ない通学路、潤んだ瞳に火照った肌。



 ――間違いない、コイツ……心身ともに『女』を持て余していると見た!



 きっともどかしさに身をもだえさせながら、何とか夜はやり過ごしたものの、ついに限界を迎えてしまい、俺に助けを求めている違いないっ!

 うん、間違いない。

 芽衣のヤツ、今……『男』として俺を求めている!



「いや、求めてないわよ?」
「ナニ!? ハッ! さては芽衣おまえ、また俺の心を覗いて!?」
「ないわよ。隣で気持ち悪くブツブツと呟いていたら、嫌でも聞こえるでしょうが……」



 ハァ……と、あきれたような声をため息と一緒にこぼす、我らが女神さま。

 う~む?

 そろそろ、この思いついた事を何でも垂れ流しに口にするクセを、どうにかしないといけないなぁ……。

 なんてことを考えながら、彼女の隣を歩いていると、芽衣は意を決したように、



「し、士狼? ちょっと聞いてもいいかしら?」



 と口にした。



「ん? なんだよ? ハッ!? さてはマジで俺のイケてるボディに欲情して!? 落ち着け、芽衣! 確かに『妊娠したら胸が大きくなる!』って話を聞いた事はあるが、胸を大きくするためだけに、ユニコーンの背に乗れない身体になるのは、流石にお兄さん的にどうか――ぷぎゃっ!?」

「おいおいキサマぁ? 誰が今、胸の話をしろと言ったぁ? んん~?」
「しゅ、しゅいましぇんすいません……」



 頬を片手でガッ! 掴まれ、強制的にタコ唇にさせられる俺。

 そのまま芽衣は「うぅ~……」と低く唸るなり、空いている手で、


 ――ぽかんっ!


 と俺の肩を殴りつけてきた。



「もういいわよ! 士狼のバカ! おチ●チンもげちゃえっ!」
「なんてことを言うんだ!? って、おい!? 待てよ芽衣!」



 謎の言葉を残し、俺を置き去りにして去っていく芽衣。

 そんな不機嫌マックスハートの会長閣下の姿を、泣きそうな顔で追いかける。

 再び横に並んだ俺は、芽衣を慰める意味で、このイケてる唇を動かした。



「なんだよ芽衣? 今日はやけに攻撃的じゃねぇか……もしかして『あの日』か?」
 


 瞬間、俺の意識がブッツリと途切れた。
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