398 / 414
真・最終部 みんなの女神サマは最強ヤンキーに甘く壊される
第13話 おうち帰りゅぅぅぅぅぅっ!?
しおりを挟む
2月ももうすぐ終わり、3月。
春の気配が足下から這い上がる今日この頃。
1つの物語が終わり、新たな物語が幕を開く準備を始めるそんな中、俺、大神士狼は――
「おい待て、芽衣! なんで逃げるんだよ!? っていうか足速っ!?」
「に、逃げてない! 逃げてないから! これは戦略的撤退よ!」
「やっぱ逃げてんじゃねぇか!」
「逃げてないもんっ!」
早朝、森実高校へと続く坂道を全力疾走で駆け上がって行く、我らが生徒会長の尻を必死に追いかけていた。
登校中の生徒たちが「な、何事だ!?」と目を見開き立ち止まる。
が、すぐさま俺と芽衣の姿を認識するなり「あぁ、いつものヤツか……」と納得したように再び歩き始める。
そんな納得いかないリアクションをする生徒たちの脇を尻目に、オグリキャップもビックリの末脚で駆け抜けて行くメイ・コヒツジ。
もはや猫を被る事さえ忘れて「逃げてないもんっ!」と叫ぶ芽衣の姿は、ほんのちょっとだけ可愛かった。ちょっとだけだよ?
「いやいや、逃げてるよ!? 現在進行形で逃走中だよ! なんだよコレ? 俺はハンターか!? 別に俺から逃げ切っても100万円は手に入らないぞ!?」
「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁっ!? 追いかけてこないでぇぇっ! 誰か助けて犯されるぅぅっ!?」
「えっ、ウソ? ガチの悲鳴じゃん? なんでだよ!? 俺、何かやったか?」
「『やった』って言うか、これからヤルんじゃない!」
「これからヤルって……セクロス? そ、そんな芽衣ちゃん……みんなが見ているのに……シロウ、恥ずかしい(ぽっ❤)」
「くたばれ、この猥褻人間っ!」
「おいおい? 素がハミ出てるぜ、生徒会長ぉ?」
その自慢の虚乳をバルン♪ バルン♪ 揺らしながらも、俺への罵倒を忘れない女神さま。
あとどうでもいいけど、登校中の男どもが芽衣の激しく揺れる虚乳に目を奪われて、盛大にコケたり、電柱に激突したりしているんだけど……なんなのアイツ? 走る厄災なの?
騙されるな、みんなっ!
あのパイパイはニセモノだ!
と心の中で叫んだ瞬間、俺の前を先行していた『まな板怪獣パッドマン』が、
――クルリッ!
と身を反転させた。
そのままロケットスタートの要領で、迫りくる俺に向かって超ダッシュ!
「うぉっ!? 芽衣、ちょっ――」
待って!? そう俺が口にするよりも早く、芽衣がスカートをひらめかせながら、俺に向かって大ジャンプ!
『おっ? 今日のパンツは水玉かぁ、いいセンスだ!』と、1人ほっこりしている隙を縫うように、女神さまのドロップキックが俺の腹部に突き刺さった。
「バルサンッ!?」と謎の奇声を上げながら、地面に倒れるナイスガイ俺。
そんな鼻血も滴るイイ男の腹を、ドスッ! とローファーで踏みつけ睨みつける会長閣下。
危うくドMでもないのに「ありがとうございます!」とお礼の言葉を口にする所だった。
おいおい?
いつからココはSMルームに早変わりしたんだ?
もしかして芽衣ちゃんは、前世は花びら大回転の【あの人】だったのかな?
「おいキサマぁ? 今、何を考えた? あぁん?」
「ぶはっ!? す、すいませんっ! でもあの……芽衣さん? 猫被らなくていいんですか?」
「周りを見てみなさい、カス。ちょうど今、誰も居ないわ」
グリグリッ! と、みぞおちを踏みつけられながら、言われた通り首だけ動かして辺りを確認してみる。
どうやら、いつの間にか集団のトップに躍り出ていたらしい俺たち。
おそらく他の生徒達の声の様子から察するに、あと5分は俺たちに追いつかないだろう。
ほほぅ、これはケガの巧妙というヤツだな。
俺は芽衣の水玉パンツを下から覗き見つつ、覚悟を決めた男の顔で、
「ちょうどいいや、芽衣っ! 聞いてくれ! 俺はおまえが――ッ!」
「~~~~ッ!? き、聞かない! 聞かない、聞かない、聞かなぁぁぁぁぁいっ!」
「あっ、ちょっと待て!? クソっ、またかよ!?」
芽衣は俺の雰囲気が変わった事を一瞬で察知するなり、再び顔を真っ赤にしながら、俺を置いて校舎の中へと全力全開で駆け抜けていった。
俺はというと、寝転がっていた事もあり、反応が数秒ほど遅れてしまう。
それでも必死に追いかける、追いすがる!
「待て芽衣! 俺はおまえが――ッ!」
「聞こえなぁぁぁぁぁぁい!」
「だから俺は、おまえがっ!」
「聞こえませぇぇぇぇぇんっ!」
「俺は――」
「聞こえないもぉぉぉぉぉんっ!」
「……この貧乳(ボソッ)」
「シバき倒すぞ、このクソガキがぁぁぁぁぁぁぁっ!?!?」
「やっぱ聞こえてんじゃ~んっ!」
何なの?
生徒会長じゃなくてデビルマンなの?
デビルイヤーは地獄耳なの?
気がつくと鬼の形相でブーメランの如く切り替えしてきた芽衣のドロップキックが、俺の腹部に深々と突き刺さっていた。
春の気配が足下から這い上がる今日この頃。
1つの物語が終わり、新たな物語が幕を開く準備を始めるそんな中、俺、大神士狼は――
「おい待て、芽衣! なんで逃げるんだよ!? っていうか足速っ!?」
「に、逃げてない! 逃げてないから! これは戦略的撤退よ!」
「やっぱ逃げてんじゃねぇか!」
「逃げてないもんっ!」
早朝、森実高校へと続く坂道を全力疾走で駆け上がって行く、我らが生徒会長の尻を必死に追いかけていた。
登校中の生徒たちが「な、何事だ!?」と目を見開き立ち止まる。
が、すぐさま俺と芽衣の姿を認識するなり「あぁ、いつものヤツか……」と納得したように再び歩き始める。
そんな納得いかないリアクションをする生徒たちの脇を尻目に、オグリキャップもビックリの末脚で駆け抜けて行くメイ・コヒツジ。
もはや猫を被る事さえ忘れて「逃げてないもんっ!」と叫ぶ芽衣の姿は、ほんのちょっとだけ可愛かった。ちょっとだけだよ?
「いやいや、逃げてるよ!? 現在進行形で逃走中だよ! なんだよコレ? 俺はハンターか!? 別に俺から逃げ切っても100万円は手に入らないぞ!?」
「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁっ!? 追いかけてこないでぇぇっ! 誰か助けて犯されるぅぅっ!?」
「えっ、ウソ? ガチの悲鳴じゃん? なんでだよ!? 俺、何かやったか?」
「『やった』って言うか、これからヤルんじゃない!」
「これからヤルって……セクロス? そ、そんな芽衣ちゃん……みんなが見ているのに……シロウ、恥ずかしい(ぽっ❤)」
「くたばれ、この猥褻人間っ!」
「おいおい? 素がハミ出てるぜ、生徒会長ぉ?」
その自慢の虚乳をバルン♪ バルン♪ 揺らしながらも、俺への罵倒を忘れない女神さま。
あとどうでもいいけど、登校中の男どもが芽衣の激しく揺れる虚乳に目を奪われて、盛大にコケたり、電柱に激突したりしているんだけど……なんなのアイツ? 走る厄災なの?
騙されるな、みんなっ!
あのパイパイはニセモノだ!
と心の中で叫んだ瞬間、俺の前を先行していた『まな板怪獣パッドマン』が、
――クルリッ!
と身を反転させた。
そのままロケットスタートの要領で、迫りくる俺に向かって超ダッシュ!
「うぉっ!? 芽衣、ちょっ――」
待って!? そう俺が口にするよりも早く、芽衣がスカートをひらめかせながら、俺に向かって大ジャンプ!
『おっ? 今日のパンツは水玉かぁ、いいセンスだ!』と、1人ほっこりしている隙を縫うように、女神さまのドロップキックが俺の腹部に突き刺さった。
「バルサンッ!?」と謎の奇声を上げながら、地面に倒れるナイスガイ俺。
そんな鼻血も滴るイイ男の腹を、ドスッ! とローファーで踏みつけ睨みつける会長閣下。
危うくドMでもないのに「ありがとうございます!」とお礼の言葉を口にする所だった。
おいおい?
いつからココはSMルームに早変わりしたんだ?
もしかして芽衣ちゃんは、前世は花びら大回転の【あの人】だったのかな?
「おいキサマぁ? 今、何を考えた? あぁん?」
「ぶはっ!? す、すいませんっ! でもあの……芽衣さん? 猫被らなくていいんですか?」
「周りを見てみなさい、カス。ちょうど今、誰も居ないわ」
グリグリッ! と、みぞおちを踏みつけられながら、言われた通り首だけ動かして辺りを確認してみる。
どうやら、いつの間にか集団のトップに躍り出ていたらしい俺たち。
おそらく他の生徒達の声の様子から察するに、あと5分は俺たちに追いつかないだろう。
ほほぅ、これはケガの巧妙というヤツだな。
俺は芽衣の水玉パンツを下から覗き見つつ、覚悟を決めた男の顔で、
「ちょうどいいや、芽衣っ! 聞いてくれ! 俺はおまえが――ッ!」
「~~~~ッ!? き、聞かない! 聞かない、聞かない、聞かなぁぁぁぁぁいっ!」
「あっ、ちょっと待て!? クソっ、またかよ!?」
芽衣は俺の雰囲気が変わった事を一瞬で察知するなり、再び顔を真っ赤にしながら、俺を置いて校舎の中へと全力全開で駆け抜けていった。
俺はというと、寝転がっていた事もあり、反応が数秒ほど遅れてしまう。
それでも必死に追いかける、追いすがる!
「待て芽衣! 俺はおまえが――ッ!」
「聞こえなぁぁぁぁぁぁい!」
「だから俺は、おまえがっ!」
「聞こえませぇぇぇぇぇんっ!」
「俺は――」
「聞こえないもぉぉぉぉぉんっ!」
「……この貧乳(ボソッ)」
「シバき倒すぞ、このクソガキがぁぁぁぁぁぁぁっ!?!?」
「やっぱ聞こえてんじゃ~んっ!」
何なの?
生徒会長じゃなくてデビルマンなの?
デビルイヤーは地獄耳なの?
気がつくと鬼の形相でブーメランの如く切り替えしてきた芽衣のドロップキックが、俺の腹部に深々と突き刺さっていた。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる