赤頭巾くんと嘘つきオオカミちゃん

歌龍吟伶

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赤頭巾くん

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昔むかし

あるところに

赤頭巾くんがいました

とっても恥ずかしがり屋の男の子で

人に会うといつも顔が真っ赤になってしまいます

顔を隠すための真っ赤な頭巾が目印の

心優しい少年でした


お父さんは狩人で

お母さんはお料理上手

森の向こうのお家には

お婆ちゃんが住んでいました


お婆ちゃんに会いにいくためには

狼たちのいる森を抜けなければいけません

怖がりの赤頭巾くんは

大好きなお婆ちゃんに会いけれど

いつも一人では行けませんでした


そんなある日

お母さんからお使いを頼まれました


坊や、お婆ちゃんにシチューを届けておくれ


お母さんはお腹に赤ちゃんがいて

森の中を歩けないのです


やだよ、怖いよ


赤頭巾くんは泣き出しました

昼間でも少しくらい森の中

一人で歩くなんて考えただけで震えてしまいます


坊や、もうすぐお兄ちゃんでしょう


いつもなら仕方ないわねと言ってくれるお母さんが

今日は許してくれません

赤頭巾くんは泣きながら首を振りました


そこへお父さんが帰ってきました

大きな猪を捕まえてきたようです


どうしたんだ


泣いている赤頭巾くんを見て

お父さんが聞きました


一人でお婆ちゃんのところに行けないよ


赤頭巾くんが説明すると

お父さんは少し怖い顔をして言いました


男だろう

もう一人前になりなさい


お父さんは

忙しいから一緒には行かないぞと言って

また出かけてしまいました


赤頭巾くんは涙を拭いて

お母さんのシチューをお鍋に入れて

お婆ちゃんのところへ行くことにしました


お母さんがくれたお守りを持って

何度も何度も振り返りながら

赤頭巾くんは森に入ります
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