魔女は美少年が好きなんて誰が決めたの?あたしはオジ専よ!若造は出直してきなさい!

歌龍吟伶

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第5話:出直して来な

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ヴィンセントの告白を一刀両断にしたトゥリア。

面倒は嫌いだ、彼を助けたことを少し後悔し始めていた。


「親元に帰って死ぬか、国外逃亡して生き延びるか。選ばせてやるからさっさと決めな」


「そんな…僕はまだ子供だけど、すぐに成長してみせます!!」


諦めきれずに食い下がるヴィンセント。

しかし、


「人間の成長なんてたかが知れてるよ。あたしの好みは50歳以上なのさ。」


数年どころでは追いつけないことを告げられる。


「あんたが今何歳かしらないけどね、あたしから見たら赤ん坊と一緒。ガキに用はないんだよ、食べて欲しけりゃ出直して来な!」


トゥリアはそういうと部屋から出て行った。

残されたヴィンセントはしばし呆然とし、やがてゆっくり立ち上がるとベッドに倒れ込む。


「トゥリアさん…僕じゃダメなのか」


さすがに一気に何十年も歳をとることはできない。

魔女は若者を好むという言い伝えが嘘だったようでヴィンセントは落ち込んだ。


「そうだ、どうしよう…父上怒るだろうなあ」


生贄として成り立たないどころか、魔女の協力も得られないとなれば自分は何しにきたのか。

トゥリアは亡命を手伝ってくれるつもりがあるようだが、自分だけ逃げ出すのも気が引ける。

ヴィンセントは何時間も悩み続けた。

一方のトゥリアは、地下室で薬の調合などをしながらため息をつく。


「はー…さすがにあんな坊やに惚れたなんて言われたのは初めてだわ」


薬を買いにした村人や、街で会った青年などから言い寄られたことは何度もある。

しかし少年から告白されるとは思っていなかった…しかも彼は食べられる覚悟らしい。


「どんな性癖してるんだいまったく…」


行く末が心配だ。

トゥリアは独り言を言いながら慣れた手つきで薬を調合し、この後取りにくる予定の客へ渡す準備をした。

今日の客は常連で、心臓を患っている初老の男性。

生まれつき体が弱く、彼の母親がいつも薬を買いに来ていた。

今では本人が薬を受け取りに来るのだが、ようやく好みの年齢まで育ってくれて喜ばしい限りだ。

しばらくして約束の時間になり、男性が訪ねて来た。


「いつもお世話になります、トゥリアさん」


「今日もここまで来れたねマルス。良かったよかった」


直接来れるかどうかも健康判断の一つ。

病の進行をかなり遅らせてはきたが、弱く作られている彼の心臓を治すことはトゥリアにも不可能だった。


「どうかこの子が少しでも長く、元気に生きられますように」


彼の母親が初めてここへきた時の願い。

そしてトゥリアは約束したのだ、彼を延命する代わりに最後は自分が殺すことを。

マルスの命の炎が消える前に食べる。それが彼ら親子と交わした契約だ。
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