少年王は妖艶な妃に恋をする

歌龍吟伶

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第5話

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リラフィアが脳内ブラックリストに数人を追加していると、隣に座っていたライラ夫人が口を開いた。


「メラニー夫人、王妃様に失礼すぎるのではありませんか。陛下への冒涜ぼうとくにもあたりますよ」


ライラに苦言を呈され、メラニーはあからさまに顔をしかめる。


「まあ。わたくしは世間話をしているだけですわ」


「ご夫婦の深い部分に踏み込むことが世間話ですか?下世話というものですわよ」


ライラは最近近衛騎士団長と結婚したばかりで、リラフィアとは以前から親しい間柄だ。

それ故に無礼な言動が許せなかったのだろう、鋭くメラニーを睨みつけている。

彼女が怒ってくれていることを内心喜びつつ、リラフィアは間に入った。


「ライラ夫人、落ち着いて頂戴。陛下とわたくしのことを心配してくれてありがとう」


そしてメラニーの目を真っ直ぐに見据えて釘をさす。


「メラニー・ディラン夫人。お世継ぎに関しては陛下と話し合って時を待っているのです。今後口を挟むことは許しません」


強い口調で言われ、メラニーは黙るしかなかった。


(ふん…上手く正妃になれたからって大きな顔しちゃって。いい気になっていられるのも今のうちよ)


メラニーが良からぬことを考えている気配を敏感に察し、リラフィアは警戒を強めるのであった。

茶会が終わり、リラフィアはライラ、レナ、ルリアを部屋に招く。

メラニーは早々に他の夫人たちを連れて去っている。

自分が正しい、お前の味方より多いんだぞと言わんばかりに5人ほど連れて行ったが、リラフィアからしたら反乱分子の炙り出しが楽にできてありがたいくらいだ。


「さあ、どうぞ楽にしてちょうだい」


初めて王妃の部屋に通されたレナとルリアは緊張の面持ち。

ライラは何度か訪れたことがあるので、堂々とソファーに腰掛ける。

そしてライラはメラニーへの不満を口にした。


「なんなのあの女、略奪婚のくせに偉そうに!あれが王妃への態度?!」


すっかり友達モードのライラ。

他の2人は驚いていたが、リラフィアは笑顔で接した。


「おかげさまで腹を探る必要もなくて楽だけれどね」


「確かにねー、あんだけ馬鹿だと分かりやすいわ」


ライラは貴族の出ではなく、商人の娘。

意見交換会を開いた際に現在の近衛騎士隊長が一目惚れし、一年間の猛アタックの末やっと結婚したのだ。

リラフィアは、同じ領土で生まれ育ち顔見知りだったライラの実家に商人代表として声をかけたのだが、こんなことになるとは予想外だった。


「レナ夫人、ルリア夫人、お二人も楽になさってね」


唖然としている2人の緊張を解こうと、リラフィアは勤めて笑顔で振る舞う。
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