5 / 56
第5話
しおりを挟む
リラフィアが脳内ブラックリストに数人を追加していると、隣に座っていたライラ夫人が口を開いた。
「メラニー夫人、王妃様に失礼すぎるのではありませんか。陛下への冒涜にもあたりますよ」
ライラに苦言を呈され、メラニーはあからさまに顔をしかめる。
「まあ。私は世間話をしているだけですわ」
「ご夫婦の深い部分に踏み込むことが世間話ですか?下世話というものですわよ」
ライラは最近近衛騎士団長と結婚したばかりで、リラフィアとは以前から親しい間柄だ。
それ故に無礼な言動が許せなかったのだろう、鋭くメラニーを睨みつけている。
彼女が怒ってくれていることを内心喜びつつ、リラフィアは間に入った。
「ライラ夫人、落ち着いて頂戴。陛下とわたくしのことを心配してくれてありがとう」
そしてメラニーの目を真っ直ぐに見据えて釘をさす。
「メラニー・ディラン夫人。お世継ぎに関しては陛下と話し合って時を待っているのです。今後口を挟むことは許しません」
強い口調で言われ、メラニーは黙るしかなかった。
(ふん…上手く正妃になれたからって大きな顔しちゃって。いい気になっていられるのも今のうちよ)
メラニーが良からぬことを考えている気配を敏感に察し、リラフィアは警戒を強めるのであった。
茶会が終わり、リラフィアはライラ、レナ、ルリアを部屋に招く。
メラニーは早々に他の夫人たちを連れて去っている。
自分が正しい、お前の味方より多いんだぞと言わんばかりに5人ほど連れて行ったが、リラフィアからしたら反乱分子の炙り出しが楽にできてありがたいくらいだ。
「さあ、どうぞ楽にしてちょうだい」
初めて王妃の部屋に通されたレナとルリアは緊張の面持ち。
ライラは何度か訪れたことがあるので、堂々とソファーに腰掛ける。
そしてライラはメラニーへの不満を口にした。
「なんなのあの女、略奪婚のくせに偉そうに!あれが王妃への態度?!」
すっかり友達モードのライラ。
他の2人は驚いていたが、リラフィアは笑顔で接した。
「おかげさまで腹を探る必要もなくて楽だけれどね」
「確かにねー、あんだけ馬鹿だと分かりやすいわ」
ライラは貴族の出ではなく、商人の娘。
意見交換会を開いた際に現在の近衛騎士隊長が一目惚れし、一年間の猛アタックの末やっと結婚したのだ。
リラフィアは、同じ領土で生まれ育ち顔見知りだったライラの実家に商人代表として声をかけたのだが、こんなことになるとは予想外だった。
「レナ夫人、ルリア夫人、お二人も楽になさってね」
唖然としている2人の緊張を解こうと、リラフィアは勤めて笑顔で振る舞う。
「メラニー夫人、王妃様に失礼すぎるのではありませんか。陛下への冒涜にもあたりますよ」
ライラに苦言を呈され、メラニーはあからさまに顔をしかめる。
「まあ。私は世間話をしているだけですわ」
「ご夫婦の深い部分に踏み込むことが世間話ですか?下世話というものですわよ」
ライラは最近近衛騎士団長と結婚したばかりで、リラフィアとは以前から親しい間柄だ。
それ故に無礼な言動が許せなかったのだろう、鋭くメラニーを睨みつけている。
彼女が怒ってくれていることを内心喜びつつ、リラフィアは間に入った。
「ライラ夫人、落ち着いて頂戴。陛下とわたくしのことを心配してくれてありがとう」
そしてメラニーの目を真っ直ぐに見据えて釘をさす。
「メラニー・ディラン夫人。お世継ぎに関しては陛下と話し合って時を待っているのです。今後口を挟むことは許しません」
強い口調で言われ、メラニーは黙るしかなかった。
(ふん…上手く正妃になれたからって大きな顔しちゃって。いい気になっていられるのも今のうちよ)
メラニーが良からぬことを考えている気配を敏感に察し、リラフィアは警戒を強めるのであった。
茶会が終わり、リラフィアはライラ、レナ、ルリアを部屋に招く。
メラニーは早々に他の夫人たちを連れて去っている。
自分が正しい、お前の味方より多いんだぞと言わんばかりに5人ほど連れて行ったが、リラフィアからしたら反乱分子の炙り出しが楽にできてありがたいくらいだ。
「さあ、どうぞ楽にしてちょうだい」
初めて王妃の部屋に通されたレナとルリアは緊張の面持ち。
ライラは何度か訪れたことがあるので、堂々とソファーに腰掛ける。
そしてライラはメラニーへの不満を口にした。
「なんなのあの女、略奪婚のくせに偉そうに!あれが王妃への態度?!」
すっかり友達モードのライラ。
他の2人は驚いていたが、リラフィアは笑顔で接した。
「おかげさまで腹を探る必要もなくて楽だけれどね」
「確かにねー、あんだけ馬鹿だと分かりやすいわ」
ライラは貴族の出ではなく、商人の娘。
意見交換会を開いた際に現在の近衛騎士隊長が一目惚れし、一年間の猛アタックの末やっと結婚したのだ。
リラフィアは、同じ領土で生まれ育ち顔見知りだったライラの実家に商人代表として声をかけたのだが、こんなことになるとは予想外だった。
「レナ夫人、ルリア夫人、お二人も楽になさってね」
唖然としている2人の緊張を解こうと、リラフィアは勤めて笑顔で振る舞う。
1
あなたにおすすめの小説
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
助けた騎士団になつかれました。
藤 実花
恋愛
冥府を支配する国、アルハガウンの王女シルベーヌは、地上の大国ラシュカとの約束で王の妃になるためにやって来た。
しかし、シルベーヌを見た王は、彼女を『醜女』と呼び、結婚を保留して古い離宮へ行けと言う。
一方ある事情を抱えたシルベーヌは、鮮やかで美しい地上に残りたいと思う願いのため、異議を唱えず離宮へと旅立つが……。
☆本編完結しました。ありがとうございました!☆
番外編①~2020.03.11 終了
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
私と母のサバイバル
だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。
しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。
希望を諦めず森を進もう。
そう決意するシェリーに異変が起きた。
「私、別世界の前世があるみたい」
前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?
気がつけば異世界
蝋梅
恋愛
芹沢 ゆら(27)は、いつものように事務仕事を終え帰宅してみれば、母に小さい段ボールの箱を渡される。
それは、つい最近亡くなった骨董屋を営んでいた叔父からの品だった。
その段ボールから最後に取り出した小さなオルゴールの箱の中には指輪が1つ。やっと合う小指にはめてみたら、部屋にいたはずが円柱のてっぺんにいた。
これは現実なのだろうか?
私は、まだ事の重大さに気づいていなかった。
【完結】緑の手を持つ花屋の私と、茶色の手を持つ騎士団長
五城楼スケ(デコスケ)
ファンタジー
※本編を加筆修正しますので、一旦一部公開とさせていただいています。
〜花が良く育つので「緑の手」だと思っていたら「癒しの手」だったようです〜
王都の隅っこで両親から受け継いだ花屋「ブルーメ」を経営するアンネリーエ。
彼女のお店で売っている花は、色鮮やかで花持ちが良いと評判だ。
自分で花を育て、売っているアンネリーエの店に、ある日イケメンの騎士が現れる。
アンネリーエの作る花束を気に入ったイケメン騎士は、一週間に一度花束を買いに来るようになって──?
どうやらアンネリーエが育てている花は、普通の花と違うらしい。
イケメン騎士が買っていく花束を切っ掛けに、アンネリーエの隠されていた力が明かされる、異世界お仕事ファンタジーです。
※本編を加筆修正する予定ですので、一旦一部公開とさせていただいています。
*HOTランキング1位、エールに感想有難うございました!とても励みになっています!
※花の名前にルビで解説入れてみました。読みやすくなっていたら良いのですが。(;´Д`)
話の最後にも花の名前の解説を入れてますが、間違ってる可能性大です。
雰囲気を味わってもらえたら嬉しいです。
※完結しました。全41話。
お読みいただいた皆様に感謝です!(人´∀`).☆.。.:*・゚
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる