少年王は妖艶な妃に恋をする

歌龍吟伶

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第11話

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忙しく公務に励むイルヴィンドと、裏であれこれ暗躍し支えるリラフィア。

変わらない日々が数日続いたある日、


「陛下、来月は王妃様のお誕生日ですね」


宰相ケネスの一言に、イルヴィンドは青ざめた。


「誕生日…?」


「…まさか、ご存知なかったのですか?」


知らなかった…いや、正確には忘れていた。

リラフィアに関する報告書には事細かに書かれていて、もちろん誕生日の記載もあったのに。


「なんてこった…どうしよう、なにか贈り物を用意しないと」



紅茶を好むようだが、銘柄までは知らない。


(…というか、リラフィアのことあんまり知らないんだよね)


毎日会話をするよう心掛けているが、半年以上経っても彼女について詳しくないのだ。


「…まあ、先代も花とお言葉だけのことが多かったようですし、生誕祭の夜会を予定しておりますし。陛下が準備しなくてもよろしいかと」


「だめだよ!ちゃんと僕が用意しなきゃ!」


彼女はなにが好きなのだろう。

好きな色、好きな花、それどころか趣味すら知らないことに気づく。

イルヴィンドは近衛騎士隊長を振り返ると、真剣に頼み込んだ。


「クリストファーお願い、ライラを呼んで!」


女官に聞いた方が早いかもしれないが、女官長ら古くから勤めている女官たちに苦手意識を持っているため、イルヴィンドは自分の近い人物を頼った。

親しい友人ならば色々知ってるはずだし、良い案を教えてくれるかもしれない。

王の頼みに驚きつつ、クリストファーはすぐに妻へと手紙を送るのであった。

-----

仕事中のはずの夫から早馬がきて驚いたライラは、その内容にさらに驚く。


「国王からの呼び出し?なんだろう、私なにかヘマしたかな」


王に報告せずに王妃とコソコソしてる事がバレたのかと焦りながら、ライラは急いで城へ向かう支度をした。

そして城に到着したライラ。

リラフィア抜きで王に会うのは初めてだ。


「やあ、急に呼び出して悪かったね」


ニコニコと出迎えてくれた王様は、相変わらず可愛い子犬のような少年。

ライラはスカートの裾をつまみ上げ、深くお辞儀をする。


「ライラ・バーネット、参りました」


「堅苦しくなくて良いから、楽にしてね」


チラリと夫クリストファーを見れば、なにやらニヤニヤ笑っている。


(なに?なんなのよ)


どうやら怒られるわけではなさそうだが、呼ばれた理由を想像できずにライラは戸惑いながらも勧められた椅子に腰かけた。

イルヴィンドはしばらくモジモジしていたが、


「えっとね、今日呼んだのは頼みっていうか、聞きたいことがあって…」


紅茶を一杯飲みきってからようやく目的を話しはじめた。
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