少年王は妖艶な妃に恋をする

歌龍吟伶

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第18話

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夜になり、リラフィアの誕生パーティが始まった。

招待された旅の一座が芸を披露し、その後イルヴィンドとリラフィアのダンス。

そしてリラフィアは兄とも踊ることにし、イルヴィンドから離れた。

その間にイルヴィンドはライラを側に呼び、リラフィアの反応を伝えたのだが。


「陛下、王妃様への贈り物は上手くいかれましたか?」


「あ、うん…喜んではくれたんだけど、泣かれちゃった…」


「泣いた?!リラフィアが?!」


驚きのあまり王妃を呼び捨てにした事にも気づかないライラ。


「なんでですか?!変なこと言ったとか?!」


「わ、分かんないよ…!嬉しいとは言ってくれたんだよ、その後ヒマワリの飾りをつけた帽子も贈ったし、一緒に表の庭まで散歩もしたし」


イルヴィンドとリラフィアは日中もずっと二人で過ごしたのだ。


「…王妃様が嬉し泣きするなんて、見たことも聞いたこともございませんでしたわ。一体どのような贈り物をなさったのです?」


イルヴィンドは花畑を使ったことを伝えた。


「そうでしたか…よほど嬉しかったのでしょうね、サプライズが成功して良かったです」


「うん、ライラが教えてくれたおかげだよ!本当にありがとう」


そこへリラフィアが戻ってくる。

リラフィアの兄、ジルベルトも一緒だ。


「ご無沙汰しております陛下」


「うん、成婚の儀の時以来だね」


普段ジルベルトは父である北方領主の補佐として、領地から滅多に離れることがない。

今日は可愛い妹の誕生日だからということで城からの招待に応じている。

イルヴィンドとジルベルトが軽く挨拶を交わしていると、


「御機嫌よう、 陛下」


愛らしい声が。

そこに居たのは、伯爵令嬢レミリア・バーキン。


「レミリア!」


イルヴィンドが顔を輝かせたのを見て、リラフィアは複雑な気持ちになる。


(レミリア嬢…イルヴィンドの妃として最有力候補だった人)


幼い頃から親しかったという二人は、今でも仲が良いらしく心からの笑顔を浮かべながら会話を楽しんでいる。


「久しぶりだねレミリア、元気にしている?」


「ええ、毎日王子様のお迎えを待ちながら健やかに過ごしておりますわ」


レミリアの夢は白馬の王子様に迎えに来てもらうことだが、今のところ彼女のお眼鏡にかなう者は居ないらしい。

リラフィアはイルヴィンドとレミリアは両思いで自分が奪ってしまったのではないかと思っていたため、彼女の言う白馬の王子様というのがイルヴィンドのことだと誤解してしまった。


「…来てくれてありがとうございます、レミリアさま」


「あら王妃様、私のことはどうぞレミリアと呼び捨てになさってください」


輝くような笑顔を向けられ、リラフィアの心の中に負の感情が広がる。
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