少年王は妖艶な妃に恋をする

歌龍吟伶

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第24話

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与えられた部屋でイルヴィンドと一休みしていたリラフィアは、部屋に入ってきた女官ゾエと一瞬目を合わせる。

そして何か情報があることを察し小さく頷いた。

その後夕食の支度ができたと領主家の使用人が呼びに来たためミリスとの食事会へ。


「メラニー・ディラン夫人は帰ったの?」


「は、はい陛下。大変申し訳ございませんでした」


「ミリスが謝る事じゃないよ、ねえリラフィア」


「ええ、そうですわね陛下。あの方は普段から強引ですから、領主ミリスも苦労したでしょう」


二人の気遣いに、不正を黙認している後ろめたさから顔を背けてしまうミリス。

ぎこちない夕飯を終え部屋に戻ったリラフィアは、仕事の話があるからと隣の部屋へ向かうイルヴィンドを見送り、ゾエを手招いた。


「報告を。」


「はいリラフィア様。メラニー・ディランは支援金を理由に領主を脅しているようです」


「ディラン家が直々に支援金を出していると?」


各地への経済支援は、毎年議会で話し合って決めている。

大きな災害などがあった場合など、予想外の出費があった時のみ緊急追加支援が認められるが報告がなければ予算以上に金が送られることはない。


「東方への今年度の支援は、鉱山閉鎖の影響も弱まったとされて少し減ったのだったわね」


失業者を大量に抱えた当時は、かなりの追加予算を組んだと聞く。

減額は現状捜査の上で話し合いを行い、同意を得て決定されたはずだが足りなかったのだろうか。


「アーロン商会の不正を調べに来たというのに、ディラン家の不正まで調べることになりそうね」


リラフィアは頭が痛くなりながらも考えをまとめ、まずは明日会う予定の潜入捜査中の部下オリオのことを思い浮かべる。


「オリオに会うのも久しぶりね。ゾエ、貴女も同行する?」


「いいえ、任務中は会わないと決めておりますので」


「そう…オリオは寂しがるでしょうね」


「…幼稚な夫で申し訳ございません」


ゾエとオリオは夫婦なのだ。

縁あってリラフィアが二人を雇い、訳あって便宜上籍を入れている。


「契約を解消したかったらいつでも言ってちょうだいね」


ゾエはいつも淡白で、仕事のために結婚すると言い出したのも彼女。

辛い役目を背負わせているのではないかと心配になるリラフィアだったが、


「私たちには今の状態があっておりますので」


ゾエは現状に満足しているようだ。

仕事の話を終えたイルヴィンドが戻ってきたので、リラフィアはゾエとの会話を切り上げる。


「お疲れ様でございます、陛下」


「うん、リラフィアも疲れたでしょう?もう休もうか」


視察1日目が終わった。
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