少年王は妖艶な妃に恋をする

歌龍吟伶

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第23話

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領主ミリスの案内で東方領土内を見て回ったイルヴィンドたち。

鉱山の閉鎖が相次ぎ経済難とはいえ、元々自然も豊かだったおかげか市民の暮らしぶりは悪くないように見える。


「職を失った者たちはどうしているの?」


「商会や畜産業への転職を斡旋しております。農業など人手不足のところへ上手く人員が流れれば、お互いにとっても良い事ですので」


「素晴らしいですわね。けれども鉱山夫の数はかなり多かったでしょう?支援の輪から溢れるような事はないのかしら」


「領土内で職を見つけられなかった者もおりますが、周辺地域の協力によりほとんどが再就職しております。体の不調などで就職できずに路頭に迷ったものもおりますが、食料支援を継続しております」


イルヴィンドたちは農地や家畜小屋なども視察し、1日目の仕事を終えて領主の屋敷へと戻った。

日も沈み始めていたというのに、そこにはまだメラニーの姿が。


「お帰りなさいませ陛下、お待ちしておりましたわ」


「…まだなにか?」


視察内容を記憶するのに必死だったイルヴィンドは、メラニーの存在を完全に忘れており一歩後ずさる。


「せっかくお会いできたんですもの、私も是非夕食を共にさせていただきたいと思いまして」


チラリとミリスの方を見れば、まだ追い返していなかったのかと言う顔をしていた。


「…申し訳ございません陛下。ここは私に任せ、どうぞお部屋でお寛ぎになってお待ちください」


ここはミリスに任せることにし、イルヴィンドとリラフィアは一先ず部屋へ向かう。

湯殿の支度も済んでおり、夕飯までの間ゆっくり休むことにした。

イルヴィンドたちが部屋へ向かったあと、ミリスはメラニーに険しい顔で詰め寄る。


「なんてことをしてくれたのですか!陛下への無礼など許されません!」


「まあ。私にそのような口を聞いてよろしいの?私が口利きしてあげなければ支援金は止まるのよ」


メラニーは権力を悪用し、東方領土へ干渉していたのだ。

前領主が支援金欲しさに不正を黙認したことを知っているミリスは、彼女に強く出られない。


「まあいいわ、今日のところは引きましょう。陛下が反論してきたのは予想外でしたし」


国王夫妻の日程を細かく聞き出してからメラニーは去っていった。


(ああ…申し訳ございません陛下。私が弱かったばかりに)


父を止められず、領主を継いでからも告発することができなかったことを心の中で懺悔するミリス。

その姿を、リラフィア付きの女官ゾエが見つめていた。
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