少年王は妖艶な妃に恋をする

歌龍吟伶

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第34話

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「配下なら逆らえないでしょう?!それに、既婚者を好む趣味かもしれないじゃない!」


「…それは、確実な証拠がなければ許されない発言である。王家への冒涜にあたるが理解しているのか」


さすがの裁判官も呆れた声で言うが、メラニーの耳には届かなかったようだ。


「結婚してるからなによ!二人きりじゃなかったからなんて、それこそ証拠にならないわ!きっと見られていても平気な卑猥な女なのよ!!」


あまりの暴言に静まり返る室内、メラニーは暴走を続ける。


「婚約者が死んだばかりなのに平気な顔して王妃になるような女、どんな趣味でもおかしくないわ!!」


決して言ってはならない一言に、耐えきれずイルヴィンドが立ち上がった。

しかし彼が口を挟む前に声を発したのは、オリオ。


「貴女の言う行為が肉体的なものだとするならば、見える証拠があれば納得していただけるのですか」


彼が何をするつもりなのか理解し、リラフィアは首を振る。

しかし妻であるゾエは静かに頷いている。


「見える証拠とはどういうことだ?」


「肉体関係を持つことが不可能である証拠ということです。どなたでも結構ですので私の体をお調べになってください、少し見ればわかります」


迷いなく話すオリオ。

裁判官が離席を許可し、医務官に付き添われて別室へと向かう。

リラフィアは唇を噛みしめて俯いていた。

数分後、戻ってきたオリオは再び中央に立つ。


「医務官、証拠は確認できたのか?」


「はい…彼、が身体的に王妃陛下と繋がる事は不可能です」


医務官は言いづらそうに言葉を区切りながらも証言した。


「オリオ・レイスには…男性器がありません」


結婚しているならば戸籍は男性ではないのか、ゾエと性別が逆なのか、しかし女官ということはそれも間違いのはずはない。

ざわつく室内に、裁判官の戸惑う声が響く。


「それはどういうことだ?」


オリオは真っ直ぐ前だけを見据えて語った。


「私は元奴隷です。捨てられて死にかけていたところを王妃陛下に拾っていただき、名前や戸籍を頂戴したのです」


この国には奴隷制度はないが、近隣諸国には奴隷が存在する国もある。

オリオは他国生まれで奴隷として扱われていたが、ある日突然、飽きたからという理由でズタズタに切り裂かれ道端に捨てられたのだ。

瀕死の重体だったところに偶然通りかかったのが、リラフィアの指示で行動していたシェーダ商会の旅商人。

保護して北方領土へ連れ帰り、リラフィアがオリオを引き取った。

実はゾエもオリオと同じ国の出身で、オリオを保護する1年前にリラフィアが拾ったという経緯で二人を引き合わせたのだ。

オリオが助かったのは奇跡としか言いようがなく、しかし彼は男のシンボルを失っていた。
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