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第38話
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夜会前に着替えるため、リラフィアが退席したのに合わせてイルヴィンドも執務室に向かう。
「はー…なんか凄く疲れる」
リラフィアが退席する際、待ってましたと言わんばかりにモニカが腕を掴んできたのだ。
なんとか逃げ出してきたが、この後まだ顔を合わせると思うとイルヴィンドは気が重かった。
「おモテになられますね、陛下」
宰相ケネスはからかうような声をあげるが、モニカ王女の行動は度が過ぎている。
国際問題に発展しても困る、しかし国王を軽く見られているなら黙っているわけにもいかない。
「あんな人初めてだよ…どうして僕に絡んでくるのかな、僕にはリラフィアがいるのに」
今まで女から迫られたことがないため、イルヴィンドは不思議でたまらなかった。
「まあ、側室でも構わないと思っているのではないでしょうか。今のドルシア王国には王太子以外に未婚の王族が7人もいるそうですから」
ドルシア王国の国王は子沢山で、直系だけでも王子が3人に王女が5人。
さらには側室が3人おり、それぞれ3人ずつ産んだ王女がいるそうだ。
つまり嫁ぎ先が必要な王女が14人もいて、半数は嫁いだがまだ年齢的に嫁ぎ待ちの姫たちがいるというわけで。
「す、すごい数なんだね…だからって僕のところに来られても困るよ」
父が側室を持っていたせいで自分も有り得ると思われたのだろうか、イルヴィンドは執務室の椅子に腰掛け脱力する。
「諦めてもらわなきゃ…どうしたらいいかなあ」
「なかなかしぶとそうな姫君ですからね、王妃様の機嫌を損ねる前にどうにかしたいところですが」
リラフィアはまだ笑う余裕があるようだったが、そろそろ吹雪が吹き荒れてもおかしくない。
すると黙って聞いていた近衛騎士クリストファーが口を開いた。
「そこは陛下と王妃様のラブラブ自慢作戦あるのみですよ」
「ら、ラブラブ自慢作戦??」
「はい。先ほども王妃様が褒められるたびに気に入らない様子でしたから、ああいう自分が一番!というタイプは負けを認めさせればいいのです」
そしてクリストファーは妻ライラを引き合いに出し、
「うちのライラも気が強い女ですけど、王妃様に敵うなんて思ってませんからね。ライラは可愛いですが、あの王女みたいなタイプは思いっきり鼻をへし折ってやらないと!」
シレっと惚気を交えつつ力説する。
「そ、そういうものなのかな」
「そうですよ!お二人の間に入り込む余地などないということをわからせてやりましょう!」
妙に力強く語るクリストファーの勢いに押され、イルヴィンドは納得してしまう。
宰相ケネスも止めるどころか「良いですね」と乗り気で、イルヴィンドは真剣に惚気話を考え始めた。
クリストファーとケネスがニヤリと笑い合っている事に気づかず。
二人に軽く遊ばれているとは夢にも思わず。
イルヴィンドはリラフィアの良いところなどを思い出し、キリがないなとブツブツ呟くのであった。
「はー…なんか凄く疲れる」
リラフィアが退席する際、待ってましたと言わんばかりにモニカが腕を掴んできたのだ。
なんとか逃げ出してきたが、この後まだ顔を合わせると思うとイルヴィンドは気が重かった。
「おモテになられますね、陛下」
宰相ケネスはからかうような声をあげるが、モニカ王女の行動は度が過ぎている。
国際問題に発展しても困る、しかし国王を軽く見られているなら黙っているわけにもいかない。
「あんな人初めてだよ…どうして僕に絡んでくるのかな、僕にはリラフィアがいるのに」
今まで女から迫られたことがないため、イルヴィンドは不思議でたまらなかった。
「まあ、側室でも構わないと思っているのではないでしょうか。今のドルシア王国には王太子以外に未婚の王族が7人もいるそうですから」
ドルシア王国の国王は子沢山で、直系だけでも王子が3人に王女が5人。
さらには側室が3人おり、それぞれ3人ずつ産んだ王女がいるそうだ。
つまり嫁ぎ先が必要な王女が14人もいて、半数は嫁いだがまだ年齢的に嫁ぎ待ちの姫たちがいるというわけで。
「す、すごい数なんだね…だからって僕のところに来られても困るよ」
父が側室を持っていたせいで自分も有り得ると思われたのだろうか、イルヴィンドは執務室の椅子に腰掛け脱力する。
「諦めてもらわなきゃ…どうしたらいいかなあ」
「なかなかしぶとそうな姫君ですからね、王妃様の機嫌を損ねる前にどうにかしたいところですが」
リラフィアはまだ笑う余裕があるようだったが、そろそろ吹雪が吹き荒れてもおかしくない。
すると黙って聞いていた近衛騎士クリストファーが口を開いた。
「そこは陛下と王妃様のラブラブ自慢作戦あるのみですよ」
「ら、ラブラブ自慢作戦??」
「はい。先ほども王妃様が褒められるたびに気に入らない様子でしたから、ああいう自分が一番!というタイプは負けを認めさせればいいのです」
そしてクリストファーは妻ライラを引き合いに出し、
「うちのライラも気が強い女ですけど、王妃様に敵うなんて思ってませんからね。ライラは可愛いですが、あの王女みたいなタイプは思いっきり鼻をへし折ってやらないと!」
シレっと惚気を交えつつ力説する。
「そ、そういうものなのかな」
「そうですよ!お二人の間に入り込む余地などないということをわからせてやりましょう!」
妙に力強く語るクリストファーの勢いに押され、イルヴィンドは納得してしまう。
宰相ケネスも止めるどころか「良いですね」と乗り気で、イルヴィンドは真剣に惚気話を考え始めた。
クリストファーとケネスがニヤリと笑い合っている事に気づかず。
二人に軽く遊ばれているとは夢にも思わず。
イルヴィンドはリラフィアの良いところなどを思い出し、キリがないなとブツブツ呟くのであった。
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