少年王は妖艶な妃に恋をする

歌龍吟伶

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第41話

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国賓を招いての最後の夜会。

既に帰国した客人もいるため人数が減ったが、大きなテーブルに料理を並べそれぞれ距離を空けて座る。


「あら、陛下とお話がしづらいですわ、もう少しお近くに座ることはできませんの?」


不満げなモニカの発言をサラリと流し、イルヴィンドは食事を勧める。


「本日は今の時期にしか採れない山菜を使った料理です、お口に合うとよろしいのですが」


席を離したのはもちろんわざとで、さすがのモニカも食事の場で大声を出すことはできず会話が減った。

食後の懇談会はテーブルを移動し、成人者には酒が振る舞われ未成年者には紅茶が出される。


「明日の朝にはお別れだなんて、モニカ寂しいですわぁ」


「初めて外交だと伺いました、数日とはいえお国が恋しいのでは?」


「素敵なイルヴィンド陛下にお会いできたんですもの、ずっとこちらに居たいくらいです!」


イルヴィンドの隣はジャニス王子の席にしたはずが、ちゃっかりモニカが座ってしまった。

ジャニスはリラフィアの隣に座り政治的な質問などを繰り返しているが、軽くあしらわれているようだ。


「…明日の朝には出発ですね、今夜は早く寝た方がいいと思いますよ」


さりげなく会話を切り上げようとするイルヴィンド。

しかしモニカは引かない。


「陛下とは同い年ですし、もっと親しくなりたいですわ。きっと話も合うと思いますの!」


「…僕はまだ他国のことに疎いので、王妃の方が知識も多く話が弾むと思いますよ」


リラフィアを引き合いに出されモニカは不機嫌そうに顔を顰める。


「まあ。王妃様はずいぶん年上でらっしゃるでしょう?私から見たら…あら、失礼しました」


イルヴィンドは笑顔を引き攣らせ、リラフィアはカチャリと紅茶カップを置いた。

リラフィアは酒を好まないため、振る舞われたワインなどはジャニス達しか飲んでいない。


「そうですわね、モニカ王女から見たらわたくしはお姉様方と同じくらいでしょうか。わたくしには妹はおりませんけれど、兄からは随分可愛がられましたわ」


冷たい眼差しと声色。

リラフィアをよく知る者達は、彼女がかなり怒っていると感じた。

しかしモニカは気づかない。


「そうですの、何年も前に嫁いだ姉には子供が二人いるのですけれど、子供の話ばかり。話が合いませんわ~」


地雷を踏んだ。


「兄はわたくしを可愛がり、その分厳しくもしてくれました。ドルシア王国は違うようですわね」


妹の暴走を許す兄に釘を刺すリラフィア。


「お子様が多いと寛容、なのでしょうか。お国柄の違いですわね。これでは商談をまとめるのも難しいかしら」


「え、ええと…」


「ドルシア王国の海の幸を仕入れ、我が国からは果物を。そういう話を進めているところだったのですけれど。残念ですわ」


交渉打ち切りを示唆するリラフィアに、ジャニスが慌てる。
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