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嫌いなとこ

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『彼女は幸せだね。』

さぁ、どうかなぁ…。

君の言葉を濁してごまかした。
うんって笑って言ったらよかったのに。
悪者になり切れない。

そんな、何か含みをもたせた答え。
僕の気持ちに気が付いてって言いたいの?
馬鹿だね。自分に問いかける。

今のままでいいだろ。
正直一番近くにいるのは、
間違いなく僕だ。

彼女の恋人が、仕事人間でよかった。
彼女にさほど興味もなさそうでよかった。
趣味なんて合うずもなくてよかった。

彼女の一番の理解者は僕で、
何かしらの変化に気が付くのも僕だし。
困ったとき一番に相談するのも僕でありたい。
だからお願い、あんたも恋人くらいで我慢して?

悲しい時には、かわりに抱き締めてあげる。

疲れた時は、肩をかすし。

あんたは仕事で忙しだろ?

恋人っていう地位以外は、すべて僕にくれよ。


ここまで考えて、はぁ~とため息がでる。
なんて黒い考えなんだろう。
 

『ねぇ、大丈夫?』
聞きなれた声で現実に戻され、
気が付くと心配そうな彼女が、
僕の隣に膝をついていた。

『のみすぎた?』

『大丈夫~。』
座ってっと、隣の床をポンポンたたいた。
彼女は、おとなしく座る。

『いつ来たの?』
今日はこの飲み会来ないって聞いてた。
ビールでいい?と確認し、店員を呼ぶ。

『ありがとぅ。』
仕事が意外と早く終わったから、今着たとこだよ。


ふぅ~ん、そうか。
仕事帰りの彼女を眺めた。
前髪を分けてあげる。

『走ってきたの?』
『うん、ちょっとだけ。』

そっか。

これでいいんだ。
隣に座ってくれるだけで。
前髪を直させてくれるだけで、
幸せだろ?

お酒のせいか、少し泣きそうになって、
僕は目を閉じる。

幸せ、十分幸せ。

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