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怒った後輩
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私の部屋の前で、
かわいい後輩がしゃがみこんでいる。
『お帰りなさい。』
『・・・・ただいまぁ。』
あれ・・・少し怒ってる?
かわいい後輩の笑ってるけど
怒っているみたいな顔。
初めてみました。
数分前。
私たちは、同じ居酒屋さんにいた。
後輩も私も会社の同期の飲み会だったんだけど、
私の方は女ばかりだった。
後輩達のテーブルは、
若い女子も同じ数だけいて、
キラキラとそれはもう楽しそうに見える。
『なんか、合コンみたいだねぇ』
『ほんと。』
同僚たちが口々にいう。
『あれ、あんたの後輩じゃないの?』
『うん。そう。』
ほぅ、イケメンだねぇ~と
同僚達からため息がもれる。
いいなぁ・・・とも。
『でもほら、この子。男前苦手だから。』
あぁそっか~
かわいそうに。残念。だからか・・・
などなど、妙齢の酔っぱらいは勝手なことばかり言う。
『ふんっ』
私は、ジョッキのビールを飲みほした。
こういう席は同性同士のほうが楽しいではないか・・・
私は心からそう思う。でも皆が皆そうではないので、
となりの男性ばかりの団体に声をかけられると、
では一緒に・・・なんて話にもなるのだ。
今夜も正にそれだった。
一人の同僚が、隣の席の男性に声をかけられたのだ。
せっかくだから、と
みんながまぜこぜに席を移動する。
お仕事なにされてるんですか?
私も飼ってます犬、僕は猫。等々、
こちらもいつのまにか合コンみたいなノリになってきた。
別に話をあわせるのなんて、わけない。
みんな酔っぱらいだ。多分二度と会うこともない。
陽気な愛すべき酔っぱらい達。
ブーとスマホが振動する。会社用だ。
すみません、と席を立ち廊下にでた。
『先輩?』
『うん、どうかした?』
『まだお店ですか?』
『そうだけど・・・』
私のかわいい後輩は、
鍵をなくして家に入れないらしい。
で一行目に戻るわけだが。。。
『飲みすぎた?』
部屋にあがり、
いつもより、
幾分かおとなしい後輩に声をかける。
『いいえ。』
大丈夫です。
そういうと、
かわいい後輩はソファーにどかっと座り、
ネクタイを緩める。
結構酔ってるのかな?
かわいい後輩の、ちょっとらしくない姿を見て
そんな事を思った。
後輩のために、
冷蔵庫からお水をだしてコップに注ぐ。
この前は迷惑をかけたし、お返しだ。
『ずいぶんと、楽しそうでしたね。』
先輩たちは。
突然少し後ろの頭上で後輩の声がし、
びくっとした。
『そうかな?』
『えぇ、とってもそう見えました。』
そういうと、私から受け取った
コップの水を一気にのみほす。
『あなたたちこそ、とても楽しそうでしたよ?』
後輩達のテーブル、合コンみたいな光景を思い出して、クスクス笑ってしまう。
『なにがおかしいんですか?(怒)』
『いいぇ、なんにも(笑)』
お風呂先にどうぞと
着替えとタオルを渡す。
知らない後輩たちに混ざった、
私のかわいい後輩の図は、
なんだかほほえましかったなぁと。
思い出し笑いをする。
ほどなくして、
こざっぱりとした後輩がお風呂から戻ってくる。
『先輩~』
あ、ドライヤーかな?と思い。
返事をして立ち上がる。
『ドライヤーはここなんだ。』
と出してあげたが、
後輩は受け取らない。
『?』
どうした?と髪の毛でおおわれた目をのぞき込む。
『先輩が乾かしてください。
いまなら髪の毛で目かくれてるし、平気でしょう?』
『いいけど・・・』
あれ?まだ酔ってるのかな?
私は言われるままに、
かわいい後輩の髪の毛を乾かす。
『熱くない?』
『平気です。』
そんなやり取りを交わして、
すぐに乾く後輩の髪の毛。
思いのほかやわらかい。
『はい、おしまい。』
私はかわいい後輩の、髪の毛を分ける。
きれいな形の目があらわになって、
慌てて目をそらした。
『しまってくるね。適当になにか飲んでて?』
後輩を残して。部屋をでる。
危ない。
私のかわいい後輩は、
イケメンだということを忘れかけていた。
気を付けよう。
大事なのは適度な距離感。
ソーシャルディスタンス・・・
そう暗唱し、部屋にもどると、
後輩はまだなにものんでいなかった。
金曜日だし、仕事終わりに飲んで疲れてるのかも。
そう思いそっとしておく。
私も何か飲もうかな、と冷蔵庫をあけると、
突然肩に重みを感じた。
後輩が、私の肩に頭をのせる。ずしりと。
乾かしたばかりでふわふわの髪の毛が、
首筋に少しくすぐったい。
『先輩・・・』
『ん?どしたの?』
『態度、悪くしてごめんなさい。』
いいよ、髪の毛に指をいれた。
わかったからどいてっていう代わりに。
私のかわいい後輩は、あやまり方もかわいい。
もぅ許したのに頭をどかさずに続ける
それと、それと~
『さっき、ちょっと妬いちゃいました。』
『へ?』
なぜあなたが妬くのよ?
そんなことを、考えていると、
後輩は頭をあげる。
『先輩は、以外と鈍いですね。』
笑って、ソファーにもどっていった。
私のかわいい後輩は、
金曜の夜もイケメンで、
少し不可思議だ。
かわいい後輩がしゃがみこんでいる。
『お帰りなさい。』
『・・・・ただいまぁ。』
あれ・・・少し怒ってる?
かわいい後輩の笑ってるけど
怒っているみたいな顔。
初めてみました。
数分前。
私たちは、同じ居酒屋さんにいた。
後輩も私も会社の同期の飲み会だったんだけど、
私の方は女ばかりだった。
後輩達のテーブルは、
若い女子も同じ数だけいて、
キラキラとそれはもう楽しそうに見える。
『なんか、合コンみたいだねぇ』
『ほんと。』
同僚たちが口々にいう。
『あれ、あんたの後輩じゃないの?』
『うん。そう。』
ほぅ、イケメンだねぇ~と
同僚達からため息がもれる。
いいなぁ・・・とも。
『でもほら、この子。男前苦手だから。』
あぁそっか~
かわいそうに。残念。だからか・・・
などなど、妙齢の酔っぱらいは勝手なことばかり言う。
『ふんっ』
私は、ジョッキのビールを飲みほした。
こういう席は同性同士のほうが楽しいではないか・・・
私は心からそう思う。でも皆が皆そうではないので、
となりの男性ばかりの団体に声をかけられると、
では一緒に・・・なんて話にもなるのだ。
今夜も正にそれだった。
一人の同僚が、隣の席の男性に声をかけられたのだ。
せっかくだから、と
みんながまぜこぜに席を移動する。
お仕事なにされてるんですか?
私も飼ってます犬、僕は猫。等々、
こちらもいつのまにか合コンみたいなノリになってきた。
別に話をあわせるのなんて、わけない。
みんな酔っぱらいだ。多分二度と会うこともない。
陽気な愛すべき酔っぱらい達。
ブーとスマホが振動する。会社用だ。
すみません、と席を立ち廊下にでた。
『先輩?』
『うん、どうかした?』
『まだお店ですか?』
『そうだけど・・・』
私のかわいい後輩は、
鍵をなくして家に入れないらしい。
で一行目に戻るわけだが。。。
『飲みすぎた?』
部屋にあがり、
いつもより、
幾分かおとなしい後輩に声をかける。
『いいえ。』
大丈夫です。
そういうと、
かわいい後輩はソファーにどかっと座り、
ネクタイを緩める。
結構酔ってるのかな?
かわいい後輩の、ちょっとらしくない姿を見て
そんな事を思った。
後輩のために、
冷蔵庫からお水をだしてコップに注ぐ。
この前は迷惑をかけたし、お返しだ。
『ずいぶんと、楽しそうでしたね。』
先輩たちは。
突然少し後ろの頭上で後輩の声がし、
びくっとした。
『そうかな?』
『えぇ、とってもそう見えました。』
そういうと、私から受け取った
コップの水を一気にのみほす。
『あなたたちこそ、とても楽しそうでしたよ?』
後輩達のテーブル、合コンみたいな光景を思い出して、クスクス笑ってしまう。
『なにがおかしいんですか?(怒)』
『いいぇ、なんにも(笑)』
お風呂先にどうぞと
着替えとタオルを渡す。
知らない後輩たちに混ざった、
私のかわいい後輩の図は、
なんだかほほえましかったなぁと。
思い出し笑いをする。
ほどなくして、
こざっぱりとした後輩がお風呂から戻ってくる。
『先輩~』
あ、ドライヤーかな?と思い。
返事をして立ち上がる。
『ドライヤーはここなんだ。』
と出してあげたが、
後輩は受け取らない。
『?』
どうした?と髪の毛でおおわれた目をのぞき込む。
『先輩が乾かしてください。
いまなら髪の毛で目かくれてるし、平気でしょう?』
『いいけど・・・』
あれ?まだ酔ってるのかな?
私は言われるままに、
かわいい後輩の髪の毛を乾かす。
『熱くない?』
『平気です。』
そんなやり取りを交わして、
すぐに乾く後輩の髪の毛。
思いのほかやわらかい。
『はい、おしまい。』
私はかわいい後輩の、髪の毛を分ける。
きれいな形の目があらわになって、
慌てて目をそらした。
『しまってくるね。適当になにか飲んでて?』
後輩を残して。部屋をでる。
危ない。
私のかわいい後輩は、
イケメンだということを忘れかけていた。
気を付けよう。
大事なのは適度な距離感。
ソーシャルディスタンス・・・
そう暗唱し、部屋にもどると、
後輩はまだなにものんでいなかった。
金曜日だし、仕事終わりに飲んで疲れてるのかも。
そう思いそっとしておく。
私も何か飲もうかな、と冷蔵庫をあけると、
突然肩に重みを感じた。
後輩が、私の肩に頭をのせる。ずしりと。
乾かしたばかりでふわふわの髪の毛が、
首筋に少しくすぐったい。
『先輩・・・』
『ん?どしたの?』
『態度、悪くしてごめんなさい。』
いいよ、髪の毛に指をいれた。
わかったからどいてっていう代わりに。
私のかわいい後輩は、あやまり方もかわいい。
もぅ許したのに頭をどかさずに続ける
それと、それと~
『さっき、ちょっと妬いちゃいました。』
『へ?』
なぜあなたが妬くのよ?
そんなことを、考えていると、
後輩は頭をあげる。
『先輩は、以外と鈍いですね。』
笑って、ソファーにもどっていった。
私のかわいい後輩は、
金曜の夜もイケメンで、
少し不可思議だ。
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