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いや、すみません、俺なんかが、あっ、いやいやいや!
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男は自室で考えていた。というか、引きこもっていた。自分の中では計画は全て上手くいっていた。でも、歯車がズレると全て崩れていくように、大事なイルカの「くーちゃん」を誘拐した女に取られ、最終的に「ダサい」と言われた。
「うう……。」
自室の部屋の前で体育座りをし、心の中では土砂降り状態になっていた。そういえば、あの女の名前はなんだっけ。違和感を覚える。ターゲットの勤務しているY商社は例の前田グループの子会社のはずで、前田グループの社長の娘の一人があの女だったはずだが。もう一度、別PCで情報の確認を行おう。と思った矢先だった。ついでに女が居る部屋の様子もモニターで確認する。女の様子がおかしかった。女が動かなくなっていた。というか、固まっている?眼鏡をして、別の監視カメラごとに確認を行う。すると、見てはいけないものが映っていた。
男がドアを開けて何処かに行った後、希望はイルカのクッションを眺めた。それなりの年季が入っている。あの男の必死な台詞から、このイルカが相当大切なものだとわかる。イルカが好きなのかな、後で聞いてみるか_____。と思った矢先だった。何か音がする。男は居ないのに何の音だろう。希望はそっと振り向く。ちょうど男が座って居た椅子の近くの壁に四センチ大のG様こと、ゴキブリが居た。
「うぇああああああ!!!!」
思わず叫んでしまう。恐らく、腕の拘束が無かったらクッションを即投げていただろう。しかし、届かない。こういう時はどうしたら良い?アレは下手したらこっちに飛んでくるぞ?死ぬぞ?今まで、目隠しされて居ただけでずっとアレは近くにいたのか?ということは寝ている時に髪の毛を食べられて居たかもしれない。亡くなった祖父は言っていた。「よく髪の毛をゴキブリに食べられてなぁ」と。恐らく冗談だとは思う。だが、無機質な部屋ではこの黒光るG様が良い感じのインテリアとして、見栄えしてしまう。もっと違うことを考えよう。しりとりしよう。しりとり、りんご、ゴキブリ、しりとり終了。すると、カサカサ音がする。バサっ、最悪な音がした。飛んだぞ。奴が飛んだ。視界に居ない。ということは、自分から見えないところに居る?それともまさか自分の後ろに_____。扉を閉める音が激しく鳴る。男がサングラスと黒マスクをつけて、変装して来たことについては何も言わない。きちんとスプレーなどのG様処理セットを持ってきてきた。そして、ドアの音に驚いたG様が希望の方へ飛んでいく。もう全てが終わったと希望は確信した。サングラスは黒いから、ゴキ色と同化して見えないじゃんと思いながら、目を瞑った。目を瞑っているとスプレー缶の音が聞こえた。でも、もう遅いだろう。自分の近くにGが近づいてくるのを感じた。
「終わり、ました……!」
男はいつの間にか、ビニール袋にGを確保していた。
「ありがとうございます……!」
「いえいえ、僕はただ慣れてるだけですから_____。」
「私、本当に虫が苦手で。」
「いやいや、誰にでも苦手なものくらいあると思、」
いえいえいやいや合戦をしていて、そっちに気が散っていたのだろう。男の持つ袋の中をジリジリとGは登っていく。そして男の少しの隙をついて_____。飛んだ。Gは飛んだ。
「ゴキが飛んだぁぁぁぁぁ!」
「ああああああああああ!」
どこぞのクララが立ったアルプス少女ハイジ並みに叫ぶ希望。その声の大きさとGに対して驚き、悲鳴をあげる男。部屋がコンクリート製であることからも声が響き合い、地獄へと化した。Gはドア近くの壁に止まった。しかし、男はサングラスにより、見事に気づいていない。
「ああ、ドア、ドアに……!」
拘束された腕でどう指を刺せというのか。もう無理だ、希望は発狂寸前であった。男はついにサングラスを外す。そして、壁にドア近くに居るGに袋を被せ、ようやくGを捕まえた。
「つ、捕まえまし、」
「殺せぇぇぇぇ!」
「\☆%÷、逃してきます……!」
最早、希望は完全にキレたアメリカ軍人の上官状態になっていた。その怒号に男は半分泣きながら、Gを逃しに行った。
男には美しい涙が流れており、サングラスを取った姿はそれなりに美形であった。しかし、その真実に気づくものは居ない。そして、サングラスを彼女の居る部屋に落としてきたことで、ついに男は顔の上半身を隠す方法を失くしたということに後で絶句することになる。そのことを彼はまだ知らない。
「うう……。」
自室の部屋の前で体育座りをし、心の中では土砂降り状態になっていた。そういえば、あの女の名前はなんだっけ。違和感を覚える。ターゲットの勤務しているY商社は例の前田グループの子会社のはずで、前田グループの社長の娘の一人があの女だったはずだが。もう一度、別PCで情報の確認を行おう。と思った矢先だった。ついでに女が居る部屋の様子もモニターで確認する。女の様子がおかしかった。女が動かなくなっていた。というか、固まっている?眼鏡をして、別の監視カメラごとに確認を行う。すると、見てはいけないものが映っていた。
男がドアを開けて何処かに行った後、希望はイルカのクッションを眺めた。それなりの年季が入っている。あの男の必死な台詞から、このイルカが相当大切なものだとわかる。イルカが好きなのかな、後で聞いてみるか_____。と思った矢先だった。何か音がする。男は居ないのに何の音だろう。希望はそっと振り向く。ちょうど男が座って居た椅子の近くの壁に四センチ大のG様こと、ゴキブリが居た。
「うぇああああああ!!!!」
思わず叫んでしまう。恐らく、腕の拘束が無かったらクッションを即投げていただろう。しかし、届かない。こういう時はどうしたら良い?アレは下手したらこっちに飛んでくるぞ?死ぬぞ?今まで、目隠しされて居ただけでずっとアレは近くにいたのか?ということは寝ている時に髪の毛を食べられて居たかもしれない。亡くなった祖父は言っていた。「よく髪の毛をゴキブリに食べられてなぁ」と。恐らく冗談だとは思う。だが、無機質な部屋ではこの黒光るG様が良い感じのインテリアとして、見栄えしてしまう。もっと違うことを考えよう。しりとりしよう。しりとり、りんご、ゴキブリ、しりとり終了。すると、カサカサ音がする。バサっ、最悪な音がした。飛んだぞ。奴が飛んだ。視界に居ない。ということは、自分から見えないところに居る?それともまさか自分の後ろに_____。扉を閉める音が激しく鳴る。男がサングラスと黒マスクをつけて、変装して来たことについては何も言わない。きちんとスプレーなどのG様処理セットを持ってきてきた。そして、ドアの音に驚いたG様が希望の方へ飛んでいく。もう全てが終わったと希望は確信した。サングラスは黒いから、ゴキ色と同化して見えないじゃんと思いながら、目を瞑った。目を瞑っているとスプレー缶の音が聞こえた。でも、もう遅いだろう。自分の近くにGが近づいてくるのを感じた。
「終わり、ました……!」
男はいつの間にか、ビニール袋にGを確保していた。
「ありがとうございます……!」
「いえいえ、僕はただ慣れてるだけですから_____。」
「私、本当に虫が苦手で。」
「いやいや、誰にでも苦手なものくらいあると思、」
いえいえいやいや合戦をしていて、そっちに気が散っていたのだろう。男の持つ袋の中をジリジリとGは登っていく。そして男の少しの隙をついて_____。飛んだ。Gは飛んだ。
「ゴキが飛んだぁぁぁぁぁ!」
「ああああああああああ!」
どこぞのクララが立ったアルプス少女ハイジ並みに叫ぶ希望。その声の大きさとGに対して驚き、悲鳴をあげる男。部屋がコンクリート製であることからも声が響き合い、地獄へと化した。Gはドア近くの壁に止まった。しかし、男はサングラスにより、見事に気づいていない。
「ああ、ドア、ドアに……!」
拘束された腕でどう指を刺せというのか。もう無理だ、希望は発狂寸前であった。男はついにサングラスを外す。そして、壁にドア近くに居るGに袋を被せ、ようやくGを捕まえた。
「つ、捕まえまし、」
「殺せぇぇぇぇ!」
「\☆%÷、逃してきます……!」
最早、希望は完全にキレたアメリカ軍人の上官状態になっていた。その怒号に男は半分泣きながら、Gを逃しに行った。
男には美しい涙が流れており、サングラスを取った姿はそれなりに美形であった。しかし、その真実に気づくものは居ない。そして、サングラスを彼女の居る部屋に落としてきたことで、ついに男は顔の上半身を隠す方法を失くしたということに後で絶句することになる。そのことを彼はまだ知らない。
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