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22.浩介も買いに来た
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夕日で街並みが一色に染められる中、俺は菜摘と二人で腕を組んで歩いていた。
放課後、菜摘の母親の美容院へ髪を切りに行ってきたわけで……菜摘の事で何か言われるかと思ったが、特に変なこともなく、菜摘をお願いします、みたいな感じで結構あっさりしていた。
そして、俺の頭と言うと、結構軽くなった感がある。どんな髪型がいいとかは特に希望はなかったのでお任せだったが、出来上がった姿を見て、菜摘がポッと頬を赤く染めたので問題ないだろう。菜摘の好みにはまったらしい。
「ふふっ……似合っています……カッコイイですよ、優希さん」
隣を歩く可愛い彼女がそう言ってくれるからいいが、少々落ち着かないものがある。菜摘と一緒にいるせいもあるだろうが、結構な視線を感じる。同じ学校の生徒とも何人かすれ違ったりしたから、噂の菜摘の彼氏だという事が広まるのも時間の問題かもしれない。
「まぁ……何というか……結構見られているな……」
「気になるのは最初だけですよ」
菜摘もそういう視線が気になったのは最初の内だけで、しばらくしたら慣れたらしい。
「同じ学校の生徒にも見られているよな……」
「そうですね、来週が楽しみですね」
楽しみなのはお前だけだろうに。
「いや、俺は嫌な予感しかしないぞ……」
「そうですか? 大丈夫ですよ。あ、もう友達からメッセージが来ています」
「マジか……」
さらば、俺の平穏な学校生活。来週からは大変な事になりそうだ。
◇◇◇◇◇
菜摘を家へ送り、そのまま真っすぐ帰る予定だったのだが、一つ重要なことを思い出した。コンドームの在庫があまりなかったので、急遽近くのドラッグストアへやってきた。買い足ししておかないと、今夜の回数次第では足らなくなってしまう。
「あれ? 浩介か?」
ゴムが売っているコーナーへ行くと、まさかの浩介がいた。
「えっ? その声……ゆ、優希か? お前、どうしたんだその髪……」
「ちょっとしたイメチェンだ。そんなに驚くことか?」
「マジか……お前……めっちゃイケメンになっているじゃねぇか! あ、お前も……もしかしてこのコーナーに用事があるのか?」
それはお互い様だと思うぞ、浩介よ。
「そうだな。もしかしなくても、浩介、お前もか?」
「ああ……上手くいきそうだからな……そっかぁ……あ、ってことは……女神様とやるのか?」
「まぁ……そんなとこだ……」
浩介の言っているのは穂香のことだが、もう既にもう一人の女神様とやりまくっているなんてことは言えないな。
「くぅ~やるじゃねぇか! いいねぇ、色男。じゃあ、頑張れよ。俺も頑張ってキメてくるぜ!」
「ああ、お互いにな」
そう言って浩介はゴムを一箱持ってレジの方へ向かって行った。俺は、またすぐに買いに来るのも面倒だから、三箱買っておくことにした。これでしばらくはもつだろう。
◇◇◇◇◇
「ただいま」
「おかえりなさい、ゆうくん」
穂香が食事を作りに来てくれている時は返事が返ってくるが、これは一人の時は体験できなかったことだ。何でもない当たり前のような事だが、気分的にはかなり違ってくるものがある。
だが、外から帰ってきたら、エプロン姿でご飯作っていてくれるなんて……同棲しているみたいな感じだな。
「今日は、ハンバーグと…………え……あ……」
「ん? どうかしたか?」
振り向きざまに俺の姿を確認した穂香が固まった。そんなに驚くほど変わったのか? 自分ではそこまでだとは思わないのだがな。
顔を赤くして固まったままの穂香に近付いて、頭をポンポンと撫でてあげると再び動きだした。
「はぅ……」
「どこか変だったか?」
「ううん、逆よ逆。ものすごくいい。カッコイイよ、ゆうくん」
「そ、そうか?」
面と向かって褒められると照れるが、これからはこれが通常なのだからその内慣れるだろう。
「うん、思っていた以上でビックリしちゃった……ん……」
エプロン姿の穂香を抱き寄せ、軽くキスを交わす。
「ん……もうすぐご飯できるから、座って待っててね」
「ああ、いつもありがとな」
いつものことながら、穂香の作る料理は美味い。元々の味付けが俺好みなのもあるだろうが、ひいき目なしにそこら辺の主婦より上手いのではないだろうか? 例えば、学校に持っていってる弁当の中身で比べても良くわかる。菜摘がクラスの女子と弁当のおかずを交換したりして味見をした結果によると、穂香のが一番美味しかったと言っていた。
そして、食後にはいつも珈琲を淹れてくれる。穂香も珈琲が好きで良く飲むということもあり、何も言わなくても二人分の珈琲を淹れて俺の横に座る。
ただ、今日に関しては、今までよりその距離が近い。最初からほぼ密着しているような状態だ。
俺と穂香の間に無言の時が流れていく。おそらく、穂香もこの後の事を考えているのだろう。
そっと穂香の肩に手を回し、優しく抱き寄せる。穂香は全く抵抗することなく、ゆっくりと俺の胸にもたれ掛かってくる。
「あ……ゆうくんの心臓の音が聞こえる……」
そんな風に呟いて、更に深く身体を預けてきた。そんな穂香の顔を見てみると、少し赤みがかった顔色をしている。
穂香の顎に手を添え、軽く上向けて優しく触れるだけのキスをすると、目を開けてわずかに頷いた。
「穂香……いいのか?」
「うん……ちょっと怖いけど……優しくしてね……」
「ああ、任せろ」
その言葉を合図に俺は穂香を横抱きにして立ち上がると、寝室へと移動した。そして、そっとベッドの上に穂香の身体を横たえる。
穂香はかなり緊張しているようで、身体が全体的に硬い感じがする。それに対して俺の方はと言うと、菜摘との経験のお陰で、菜摘の時ほどは緊張していない。もちろん、それなりの緊張感はあるが、以前よりは少し余裕がある。
「ん……緊張する……」
「大丈夫だ。優しくするから……心配するな」
「うん……ん、んっ……ちゅ……ちゅっ…………ゆうくん、大好き……」
穂香の上に覆いかぶさってキスを落とす。ここから俺達の長い夜が始まった。
放課後、菜摘の母親の美容院へ髪を切りに行ってきたわけで……菜摘の事で何か言われるかと思ったが、特に変なこともなく、菜摘をお願いします、みたいな感じで結構あっさりしていた。
そして、俺の頭と言うと、結構軽くなった感がある。どんな髪型がいいとかは特に希望はなかったのでお任せだったが、出来上がった姿を見て、菜摘がポッと頬を赤く染めたので問題ないだろう。菜摘の好みにはまったらしい。
「ふふっ……似合っています……カッコイイですよ、優希さん」
隣を歩く可愛い彼女がそう言ってくれるからいいが、少々落ち着かないものがある。菜摘と一緒にいるせいもあるだろうが、結構な視線を感じる。同じ学校の生徒とも何人かすれ違ったりしたから、噂の菜摘の彼氏だという事が広まるのも時間の問題かもしれない。
「まぁ……何というか……結構見られているな……」
「気になるのは最初だけですよ」
菜摘もそういう視線が気になったのは最初の内だけで、しばらくしたら慣れたらしい。
「同じ学校の生徒にも見られているよな……」
「そうですね、来週が楽しみですね」
楽しみなのはお前だけだろうに。
「いや、俺は嫌な予感しかしないぞ……」
「そうですか? 大丈夫ですよ。あ、もう友達からメッセージが来ています」
「マジか……」
さらば、俺の平穏な学校生活。来週からは大変な事になりそうだ。
◇◇◇◇◇
菜摘を家へ送り、そのまま真っすぐ帰る予定だったのだが、一つ重要なことを思い出した。コンドームの在庫があまりなかったので、急遽近くのドラッグストアへやってきた。買い足ししておかないと、今夜の回数次第では足らなくなってしまう。
「あれ? 浩介か?」
ゴムが売っているコーナーへ行くと、まさかの浩介がいた。
「えっ? その声……ゆ、優希か? お前、どうしたんだその髪……」
「ちょっとしたイメチェンだ。そんなに驚くことか?」
「マジか……お前……めっちゃイケメンになっているじゃねぇか! あ、お前も……もしかしてこのコーナーに用事があるのか?」
それはお互い様だと思うぞ、浩介よ。
「そうだな。もしかしなくても、浩介、お前もか?」
「ああ……上手くいきそうだからな……そっかぁ……あ、ってことは……女神様とやるのか?」
「まぁ……そんなとこだ……」
浩介の言っているのは穂香のことだが、もう既にもう一人の女神様とやりまくっているなんてことは言えないな。
「くぅ~やるじゃねぇか! いいねぇ、色男。じゃあ、頑張れよ。俺も頑張ってキメてくるぜ!」
「ああ、お互いにな」
そう言って浩介はゴムを一箱持ってレジの方へ向かって行った。俺は、またすぐに買いに来るのも面倒だから、三箱買っておくことにした。これでしばらくはもつだろう。
◇◇◇◇◇
「ただいま」
「おかえりなさい、ゆうくん」
穂香が食事を作りに来てくれている時は返事が返ってくるが、これは一人の時は体験できなかったことだ。何でもない当たり前のような事だが、気分的にはかなり違ってくるものがある。
だが、外から帰ってきたら、エプロン姿でご飯作っていてくれるなんて……同棲しているみたいな感じだな。
「今日は、ハンバーグと…………え……あ……」
「ん? どうかしたか?」
振り向きざまに俺の姿を確認した穂香が固まった。そんなに驚くほど変わったのか? 自分ではそこまでだとは思わないのだがな。
顔を赤くして固まったままの穂香に近付いて、頭をポンポンと撫でてあげると再び動きだした。
「はぅ……」
「どこか変だったか?」
「ううん、逆よ逆。ものすごくいい。カッコイイよ、ゆうくん」
「そ、そうか?」
面と向かって褒められると照れるが、これからはこれが通常なのだからその内慣れるだろう。
「うん、思っていた以上でビックリしちゃった……ん……」
エプロン姿の穂香を抱き寄せ、軽くキスを交わす。
「ん……もうすぐご飯できるから、座って待っててね」
「ああ、いつもありがとな」
いつものことながら、穂香の作る料理は美味い。元々の味付けが俺好みなのもあるだろうが、ひいき目なしにそこら辺の主婦より上手いのではないだろうか? 例えば、学校に持っていってる弁当の中身で比べても良くわかる。菜摘がクラスの女子と弁当のおかずを交換したりして味見をした結果によると、穂香のが一番美味しかったと言っていた。
そして、食後にはいつも珈琲を淹れてくれる。穂香も珈琲が好きで良く飲むということもあり、何も言わなくても二人分の珈琲を淹れて俺の横に座る。
ただ、今日に関しては、今までよりその距離が近い。最初からほぼ密着しているような状態だ。
俺と穂香の間に無言の時が流れていく。おそらく、穂香もこの後の事を考えているのだろう。
そっと穂香の肩に手を回し、優しく抱き寄せる。穂香は全く抵抗することなく、ゆっくりと俺の胸にもたれ掛かってくる。
「あ……ゆうくんの心臓の音が聞こえる……」
そんな風に呟いて、更に深く身体を預けてきた。そんな穂香の顔を見てみると、少し赤みがかった顔色をしている。
穂香の顎に手を添え、軽く上向けて優しく触れるだけのキスをすると、目を開けてわずかに頷いた。
「穂香……いいのか?」
「うん……ちょっと怖いけど……優しくしてね……」
「ああ、任せろ」
その言葉を合図に俺は穂香を横抱きにして立ち上がると、寝室へと移動した。そして、そっとベッドの上に穂香の身体を横たえる。
穂香はかなり緊張しているようで、身体が全体的に硬い感じがする。それに対して俺の方はと言うと、菜摘との経験のお陰で、菜摘の時ほどは緊張していない。もちろん、それなりの緊張感はあるが、以前よりは少し余裕がある。
「ん……緊張する……」
「大丈夫だ。優しくするから……心配するな」
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