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3章 とこしえの大地亀ベルガド攻略編
390 大霊廟 Part 2
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「ククク……よもや、我らの眠りを妨げるものが現れようとはな……」
棺の中の人たちは、そんなものものしいつぶやきとともに、ゆっくりとその場から起き上がったようだった。お、いい雰囲気とセリフだな。やっぱりホラー映画のワンシーンみたいだ。ワクワク。
「聞け、恐れを知らぬ者たちよ! 我らこそ、かの名高き――」
と、やつらの言葉はそこで途絶えた。その瞬間、ヒューヴのやつがブラストボウをぶち当てやがったのだ。全員に。
「ギョワッー!」
そして当然、棺桶に入っていた謎の人たちは、そんな悲鳴とともにまとめて粉砕されたようだった……。
「ちょ、待て! ヒューヴ! 相手が名乗っている最中に攻撃するんじゃあない! この礼儀知らずのバカちんめ!」
俺は再びヒューヴのポンチョの胸倉をつかんで怒鳴った。せっかくいい雰囲気だったのにぶちこわしじゃないのよ!
「えー、でもこいつら敵だろ? 早めに倒しておいたほうがいいだろ?」
「だからって、お前はいくらなんでも手が早すぎるんだよ! 相手の素性ぐらい聞いておいたほうがいいだろ! せっかくご丁寧に名乗ってくださってるんだから!」
「別にいいじゃん。知らないやつの名前なんかどうでもいいしー」
「そ、それはそうだが……」
ぐうう。こんなやつに正論を言われてしまうとは。こんなやつに!
と、そこで、
「うーん、またしてもヒューヴ君に先を越されてしまいましたね。残念です。今度こそ僕の呪術、死蝕の幻影が輝く瞬間だったのに。みなさんちょうど、いっせいにこちらを向いてましたし」
と、近くからなんかめっちゃ不穏な言葉が聞こえてきた。やべえ。今ヒューヴが攻撃しなかったら、またあの超絶悪趣味で気分サイテーの術を使われちまうところだったじゃねえか!
「そうだな、ヒューヴ。今日のところはお前が正しいよ! 常在戦場って言うしな! どんなやつだって、瞬殺に限る!」
「だろ? オレ、マジできるやつだし?」
ヒューヴはへらへら笑った。
だが、直後、こんな声が聞こえてきた。
「こ、これで我らを倒した気になると思ってもらっては困る……ぐふっ!」
「わ、我らは不死身の不死族! このような物理攻撃など効かぬ……ぐはあっ!」
なんかめっちゃ弱っている感じの声だ。なにが不死族だよ。めちゃくちゃ物理攻撃効いてるじゃねえか。相変わらず暗くて姿はよく見えないが。
「不死族にも再生能力に限界があるのよ。あまりに大きなダメージを受けると、再生に時間がかかったり、再生能力が尽きて消滅してしまうことがあるわ」
と、変態女が俺に言った。なるほど、ブラストボウの威力ぱねえからな。
「じゃあ、このまま俺たちが攻撃し続ければこいつら完全に死ぬのか?」
「たぶんね。本当は神聖魔法で浄化するのが早いんでしょうけれど、勇者様たちならそれ以外の属性の攻撃でもゴリ押しで倒せそうね」
「ふーん。じゃあ、とっととこいつらサンドバッグにして先に行くか」
俺はただちにゴミ魔剣を構えた。
だが、直後、
「ちょ、ちょっと待てい! お前たち、我らが何者か知らずに倒すつもりか!」
「人の話はちゃんと最後まで聞こうと、親に教わらなかったのか!」
「せめて名前ぐらい言わせてくれ!」
棺桶に入っていた謎の不死族たちは、今度はいっせいに俺たちに土下座してきたようだった。うーん、土下座文化、こんなところまで広がってたんだなあ。
「……そうだな、せめて姿ぐらいは確認しておくか」
俺は変態女に頼んで、照明魔法の光をそっちに向けてもらった。ただちに、やつらの姿が明らかになった。棺桶から出てきたというのに、妙に肌が白い以外は普通の人間と変わらないように見えた。二十代から三十代くらいの男が四人、服装からして冒険者のようだった。
「聞いて驚け! 我らはあの『宵闇の瞳』の構成員だ!」
「泣く子も黙る、超S級冒険者パーティーだぞ!」
「どんな討伐任務もさくっとこなしちゃう、冒険者のカリスマ! それが我ら!」
と、やつらはすぐに自己紹介し始めたが……いや、宵闇のなんとかとか知らんし。
「ふうん? そんなに凄腕なら、なんであんたら死んで、こんなところで寝てるの?」
「え、いや、その……」
四人はとたんに言葉を失ったようだった。
すると、
「おおかた、彼らはあのラファディという男に殺されたんでしょう。それで、ここに防犯装置として置かれたってところね。というか、そのためだけに殺されたのかも?」
と、変態女が言った。なるほど、それなら理屈は通るか。
「ち、違う! あの男に殺されたのは確かだが、合意の上だ! より強い体にしてやると言われたのだ!」
「断じて、我らがあの男に屈したわけではない!」
「あの男のおかげで、年を取らぬ不死の体も手に入れたしな! はっはっは!」
四人の男たちは、なんだか言い訳みたいなことを言っている。
「そっか。あんたたちがマジであの男に殺されたのか、うまい話に乗せられて騙されたのかは知らんが、そういう話なら、あんたらはあの男の手下で俺たちの敵だよな? このまま倒してもいいよな?」
「はっ、そう簡単に我らが倒せると思っているのか!」
「うん」
「えっ」
「ごめん、物理攻撃が普通に通る不死族とか、ただのザコなんだわ」
どかばきぼこっ! 俺たちは直後、それぞれの得意攻撃で四人男たちをフルボッコにし、再生能力を枯れさせて倒した。エルダーリッチを釘バットで倒したティリセのように。超S級冒険者と名乗っているだけにそれなりに強そうな連中だったが、俺たちの敵ではかった。こんなやつが超S級なら、俺たちは超超超UR級だぜ、はっはっは。
棺の中の人たちは、そんなものものしいつぶやきとともに、ゆっくりとその場から起き上がったようだった。お、いい雰囲気とセリフだな。やっぱりホラー映画のワンシーンみたいだ。ワクワク。
「聞け、恐れを知らぬ者たちよ! 我らこそ、かの名高き――」
と、やつらの言葉はそこで途絶えた。その瞬間、ヒューヴのやつがブラストボウをぶち当てやがったのだ。全員に。
「ギョワッー!」
そして当然、棺桶に入っていた謎の人たちは、そんな悲鳴とともにまとめて粉砕されたようだった……。
「ちょ、待て! ヒューヴ! 相手が名乗っている最中に攻撃するんじゃあない! この礼儀知らずのバカちんめ!」
俺は再びヒューヴのポンチョの胸倉をつかんで怒鳴った。せっかくいい雰囲気だったのにぶちこわしじゃないのよ!
「えー、でもこいつら敵だろ? 早めに倒しておいたほうがいいだろ?」
「だからって、お前はいくらなんでも手が早すぎるんだよ! 相手の素性ぐらい聞いておいたほうがいいだろ! せっかくご丁寧に名乗ってくださってるんだから!」
「別にいいじゃん。知らないやつの名前なんかどうでもいいしー」
「そ、それはそうだが……」
ぐうう。こんなやつに正論を言われてしまうとは。こんなやつに!
と、そこで、
「うーん、またしてもヒューヴ君に先を越されてしまいましたね。残念です。今度こそ僕の呪術、死蝕の幻影が輝く瞬間だったのに。みなさんちょうど、いっせいにこちらを向いてましたし」
と、近くからなんかめっちゃ不穏な言葉が聞こえてきた。やべえ。今ヒューヴが攻撃しなかったら、またあの超絶悪趣味で気分サイテーの術を使われちまうところだったじゃねえか!
「そうだな、ヒューヴ。今日のところはお前が正しいよ! 常在戦場って言うしな! どんなやつだって、瞬殺に限る!」
「だろ? オレ、マジできるやつだし?」
ヒューヴはへらへら笑った。
だが、直後、こんな声が聞こえてきた。
「こ、これで我らを倒した気になると思ってもらっては困る……ぐふっ!」
「わ、我らは不死身の不死族! このような物理攻撃など効かぬ……ぐはあっ!」
なんかめっちゃ弱っている感じの声だ。なにが不死族だよ。めちゃくちゃ物理攻撃効いてるじゃねえか。相変わらず暗くて姿はよく見えないが。
「不死族にも再生能力に限界があるのよ。あまりに大きなダメージを受けると、再生に時間がかかったり、再生能力が尽きて消滅してしまうことがあるわ」
と、変態女が俺に言った。なるほど、ブラストボウの威力ぱねえからな。
「じゃあ、このまま俺たちが攻撃し続ければこいつら完全に死ぬのか?」
「たぶんね。本当は神聖魔法で浄化するのが早いんでしょうけれど、勇者様たちならそれ以外の属性の攻撃でもゴリ押しで倒せそうね」
「ふーん。じゃあ、とっととこいつらサンドバッグにして先に行くか」
俺はただちにゴミ魔剣を構えた。
だが、直後、
「ちょ、ちょっと待てい! お前たち、我らが何者か知らずに倒すつもりか!」
「人の話はちゃんと最後まで聞こうと、親に教わらなかったのか!」
「せめて名前ぐらい言わせてくれ!」
棺桶に入っていた謎の不死族たちは、今度はいっせいに俺たちに土下座してきたようだった。うーん、土下座文化、こんなところまで広がってたんだなあ。
「……そうだな、せめて姿ぐらいは確認しておくか」
俺は変態女に頼んで、照明魔法の光をそっちに向けてもらった。ただちに、やつらの姿が明らかになった。棺桶から出てきたというのに、妙に肌が白い以外は普通の人間と変わらないように見えた。二十代から三十代くらいの男が四人、服装からして冒険者のようだった。
「聞いて驚け! 我らはあの『宵闇の瞳』の構成員だ!」
「泣く子も黙る、超S級冒険者パーティーだぞ!」
「どんな討伐任務もさくっとこなしちゃう、冒険者のカリスマ! それが我ら!」
と、やつらはすぐに自己紹介し始めたが……いや、宵闇のなんとかとか知らんし。
「ふうん? そんなに凄腕なら、なんであんたら死んで、こんなところで寝てるの?」
「え、いや、その……」
四人はとたんに言葉を失ったようだった。
すると、
「おおかた、彼らはあのラファディという男に殺されたんでしょう。それで、ここに防犯装置として置かれたってところね。というか、そのためだけに殺されたのかも?」
と、変態女が言った。なるほど、それなら理屈は通るか。
「ち、違う! あの男に殺されたのは確かだが、合意の上だ! より強い体にしてやると言われたのだ!」
「断じて、我らがあの男に屈したわけではない!」
「あの男のおかげで、年を取らぬ不死の体も手に入れたしな! はっはっは!」
四人の男たちは、なんだか言い訳みたいなことを言っている。
「そっか。あんたたちがマジであの男に殺されたのか、うまい話に乗せられて騙されたのかは知らんが、そういう話なら、あんたらはあの男の手下で俺たちの敵だよな? このまま倒してもいいよな?」
「はっ、そう簡単に我らが倒せると思っているのか!」
「うん」
「えっ」
「ごめん、物理攻撃が普通に通る不死族とか、ただのザコなんだわ」
どかばきぼこっ! 俺たちは直後、それぞれの得意攻撃で四人男たちをフルボッコにし、再生能力を枯れさせて倒した。エルダーリッチを釘バットで倒したティリセのように。超S級冒険者と名乗っているだけにそれなりに強そうな連中だったが、俺たちの敵ではかった。こんなやつが超S級なら、俺たちは超超超UR級だぜ、はっはっは。
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