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空ろ木な装束
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チャペル開放の案内やその連絡をお客様に送ったり、チャペル開放をスケジュールに追加して、それに加えて通常業務も同時進行的に進め、終電ギリギリになりながらも何とか仕事を終わらせてブライダルフェア当日となった。
「本日はお越し頂きありがとうございます! 受付済みましたら、順番にチャペルへお進みください!」
受付を終えたお客様が町田さんの声に続いてぞろぞろと、といっても6人程度だが、チャペルへ入り次々に息を飲む。
「何だこれ、本物じゃないのか?」
「嘘でしょ、奥まで行ってみてよ」
チャペルに入るや否やあちこちでざわめき、好きなようにチャペルを巡回し始めた。
「すみません、この絵、というよりこの部屋はどちら様の作品でしょうか」
スーツを着て杖をついたイギリス紳士みたいなおじいさんが話しかけてきた。
「装飾専門のスタッフの作品です」
「ほう、描いた方はどちらに? 名前は?」
「Roomという名前で普段は活動しております」
「して、今はどちらに」
「すみませーん! そこの青髪のお姉さん」
「はい! あの……」
「あぁ、いいよ。行ってらっしゃい」
「ありがとうございます……」
おじいさんに一礼し、カップルらしき男女の方へ向かった。
「どうかされましたか?」
「ここっていつも夕暮れなの? 私、青空の方が好きなんだよね」
「今回はお客様の要望でそうなっておりますが、勿論青空も再現可能でございます」
「マジ? やったね!」
黒髪を肩まで伸ばした大和撫子な雰囲気の女性、というよりまだ20歳にも満たなそうな女の子がそう元気に喜んだ。
「お前、そんな事の為に呼んだのか?」
彼女の後ろで呆れて呟くのは黒髪を後ろ手に纏めた男の子。
「そんなことって、大切でしょ!?」
ぶっきらぼうな彼氏と陽気な彼女の2人組は徹夜した朝には少し眩しかった。
「全く……」
「そういえばさっきお爺さんと何話してたの?」
まるで一回話したから友達だよね? と言わんばかりに彼女は気さくに話しかけてきた。
「この夕陽をいたく気に入ったらしく、描いた人は誰か知りたかったそうですよ」
「えー、もしかして話しちゃった?」
「はい、特に隠す事でも無かったの」
「実はね……最近アーティストが行方不明になる事件が多発してるらしいの」
辺りを見まわしたかと思うと、そう小声で私の耳元で囁いた。
「あー、そういえばそんなの有ったな」
「きっとあのおじさんが拐ってるんだよ!」
眼をギラギラさせてグイッと私に近づく。
……普通の人そうだったけど、もしそうなら木那乃に注意する様言わなきゃ。
「おい、困ってるだろ、すみません邪魔しちゃって、ではまた」
「ちょっとー! もっと話したいんだけど~」
そうして彼女は私に一抹の不安を押し付けたまま引きずられる様に連れていかれてしまった。
それから私は一応木那乃に気をつける様伝えに裏に戻った位で、それからは特に何も問題なく進行した。
あのお爺さんは帰ってしまったのか見当たら無かったが、あの2人は楽しそうにしているだけで、ブライダルフェアは平穏に終わった。
「疲れたー」
最後のお客様を見送ると同時に町田さんが床に倒れ込んだ。
「今日はこれで終わりだから、頑張って家まで帰りなさいね」
「えへへー実は今日、帰らないんですよ~」
「あら、どうして?」
「昨日言ってた友達の家でお泊まりです! 昨日会った時に約束したんですよ~」
「そうなの、なら尚更急がないとじゃなくて?」
「確かに! 咲ちゃん拗ねちゃうかも」
バッと起き上がって颯爽と荷物を急いで纏めたかと思うと。
「では、青園先輩お疲れ様でした!」
私の返事なんか待たずに駆けていってしまった。
「全く、元気なのかそうじゃ無いのかわからないわね」
「本日はお越し頂きありがとうございます! 受付済みましたら、順番にチャペルへお進みください!」
受付を終えたお客様が町田さんの声に続いてぞろぞろと、といっても6人程度だが、チャペルへ入り次々に息を飲む。
「何だこれ、本物じゃないのか?」
「嘘でしょ、奥まで行ってみてよ」
チャペルに入るや否やあちこちでざわめき、好きなようにチャペルを巡回し始めた。
「すみません、この絵、というよりこの部屋はどちら様の作品でしょうか」
スーツを着て杖をついたイギリス紳士みたいなおじいさんが話しかけてきた。
「装飾専門のスタッフの作品です」
「ほう、描いた方はどちらに? 名前は?」
「Roomという名前で普段は活動しております」
「して、今はどちらに」
「すみませーん! そこの青髪のお姉さん」
「はい! あの……」
「あぁ、いいよ。行ってらっしゃい」
「ありがとうございます……」
おじいさんに一礼し、カップルらしき男女の方へ向かった。
「どうかされましたか?」
「ここっていつも夕暮れなの? 私、青空の方が好きなんだよね」
「今回はお客様の要望でそうなっておりますが、勿論青空も再現可能でございます」
「マジ? やったね!」
黒髪を肩まで伸ばした大和撫子な雰囲気の女性、というよりまだ20歳にも満たなそうな女の子がそう元気に喜んだ。
「お前、そんな事の為に呼んだのか?」
彼女の後ろで呆れて呟くのは黒髪を後ろ手に纏めた男の子。
「そんなことって、大切でしょ!?」
ぶっきらぼうな彼氏と陽気な彼女の2人組は徹夜した朝には少し眩しかった。
「全く……」
「そういえばさっきお爺さんと何話してたの?」
まるで一回話したから友達だよね? と言わんばかりに彼女は気さくに話しかけてきた。
「この夕陽をいたく気に入ったらしく、描いた人は誰か知りたかったそうですよ」
「えー、もしかして話しちゃった?」
「はい、特に隠す事でも無かったの」
「実はね……最近アーティストが行方不明になる事件が多発してるらしいの」
辺りを見まわしたかと思うと、そう小声で私の耳元で囁いた。
「あー、そういえばそんなの有ったな」
「きっとあのおじさんが拐ってるんだよ!」
眼をギラギラさせてグイッと私に近づく。
……普通の人そうだったけど、もしそうなら木那乃に注意する様言わなきゃ。
「おい、困ってるだろ、すみません邪魔しちゃって、ではまた」
「ちょっとー! もっと話したいんだけど~」
そうして彼女は私に一抹の不安を押し付けたまま引きずられる様に連れていかれてしまった。
それから私は一応木那乃に気をつける様伝えに裏に戻った位で、それからは特に何も問題なく進行した。
あのお爺さんは帰ってしまったのか見当たら無かったが、あの2人は楽しそうにしているだけで、ブライダルフェアは平穏に終わった。
「疲れたー」
最後のお客様を見送ると同時に町田さんが床に倒れ込んだ。
「今日はこれで終わりだから、頑張って家まで帰りなさいね」
「えへへー実は今日、帰らないんですよ~」
「あら、どうして?」
「昨日言ってた友達の家でお泊まりです! 昨日会った時に約束したんですよ~」
「そうなの、なら尚更急がないとじゃなくて?」
「確かに! 咲ちゃん拗ねちゃうかも」
バッと起き上がって颯爽と荷物を急いで纏めたかと思うと。
「では、青園先輩お疲れ様でした!」
私の返事なんか待たずに駆けていってしまった。
「全く、元気なのかそうじゃ無いのかわからないわね」
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