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不時着キキョウ便
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「なら、あの時は何であんなに辛そうな顔してたのよ」
「それは実際に聞いて下さいよ、それより先輩は何処なんです?」
「もう、さっき言ったじゃない午後は用事あるから…………」
そこで私はここまで忘れていた。いや、思い浮かべるのを無意識に拒否していた事に焦点を当ててしまった。
「どうしました?」
「どうしましょう、青園ちゃん今日お父さんの所行くって言ってたわ」
「……それ絶対大丈夫じゃないですよね」
「どうしましょう……」
「どうも何も追いかけて話を聞いて連れ帰って下さいよ! せめて鬼灯さんが近くに居ないと駄目ですよ! 場所は分かるんですか?」
「いえ、ただ会うとしか……」
「……あーっもう! 分かりました。少し待ってて下さい。もしもし咲ちゃん?」
そう言うと、町田さんは何処かに電話しながらスタッフルームの中、作業用の部屋に入ってしまった。
「鬼灯さん、青園先輩のお父さんの家の住所です」
数分、スタッフルームの中をうろうろとして待っていると、中から手だけを出して書類を渡してきた。
「え、どうやって……」
「今そういうの良いですから! 早く行ってください!」
「……ありがとう!」
町田さんの声に駆られ、私は仕事用の赤いカバンに書類を入れて、目的地へと車を飛ばしていた。
何故男性嫌いになった理由を教えてくれなかった?
どうして一緒に来て欲しいって言ってくれなかった?
そもそも本当に私の事が、俺の事が、好きなのか?
車を走らせていると、そんな様々な疑問が行ったり来たりを繰り返していくが、何一つとして答えは出なかった。
俺は渡された住所近くの駐車場に車を止め、勢いよく扉を閉めて走り出すと、駐車場を出た所で誰かにぶつかってしまう。
「す、すまない!」
尻もちをついて倒れてしまった相手を見ると、その相手は俺が丁度探していた俺の大切な幼馴染の青園だった。
「青園!?」
俺は倒れていた青園に手を伸ばして立ち上がらせた。
「え、木那乃? どうして、」
「なぁ、青園お前が男苦手になったのって、もしかして父親が原因なのか?」
「…………うん」
あの時と同じ、いや、あんなの目じゃ無いくらいに生気が無い顔でそう小さく頷いた。
「何で教えてくれねぇんだよ、なのに父親の所に行くって、一体何が目的なんだよ。」
「何って、ケジメをつけるのよ」
そう言って、青園は懐からグシャグシャに折れ曲がった封筒を取り出し、俺に手渡した。
「な、なんだよ、こんな、事って」
そこには、口にするのもおぞましい言葉の数々と、最後に俺が町田さんからもらった住所と、ここで待っている。というひと文が添えられていた。
「青園、こんなもん送ってくる奴の所に1人で行こうとしてたのか?」
「最悪の時は逃げれる様にしては居たわよ……」
「男の前だと硬直して動けなくなる癖に何言ってんだよ!」
「手紙の中身読んだでしょ、どうせもう穢れた身なのは今更変わらないわ」
「だから最悪どうなっても良いって?」
そのまま俯いてしまった。
「分かった。俺も一緒に行く」
「え?」
少し潤んだ瞳をきょとんとさせて俺を見る。
「え? じゃないだろ、こんなんこいつにガツンと言ってやらんと気が済まんだろ、もう一生青園に関わるなってな」
「駄目だよ! 危ないよ!」
「そんなん百も承知さ。折角なら2人一緒に落ちるとこまで落ちるのも良いな」
最悪俺がこの手で父親を。
「何で、何でそこまでするの?」
そう言って歩き出す俺の手を掴んで泣きそうな声で言った。
そんな青園に俺は優しく微笑んで言った。
「そりゃ、好きだからに決まってんだろ」
「それは実際に聞いて下さいよ、それより先輩は何処なんです?」
「もう、さっき言ったじゃない午後は用事あるから…………」
そこで私はここまで忘れていた。いや、思い浮かべるのを無意識に拒否していた事に焦点を当ててしまった。
「どうしました?」
「どうしましょう、青園ちゃん今日お父さんの所行くって言ってたわ」
「……それ絶対大丈夫じゃないですよね」
「どうしましょう……」
「どうも何も追いかけて話を聞いて連れ帰って下さいよ! せめて鬼灯さんが近くに居ないと駄目ですよ! 場所は分かるんですか?」
「いえ、ただ会うとしか……」
「……あーっもう! 分かりました。少し待ってて下さい。もしもし咲ちゃん?」
そう言うと、町田さんは何処かに電話しながらスタッフルームの中、作業用の部屋に入ってしまった。
「鬼灯さん、青園先輩のお父さんの家の住所です」
数分、スタッフルームの中をうろうろとして待っていると、中から手だけを出して書類を渡してきた。
「え、どうやって……」
「今そういうの良いですから! 早く行ってください!」
「……ありがとう!」
町田さんの声に駆られ、私は仕事用の赤いカバンに書類を入れて、目的地へと車を飛ばしていた。
何故男性嫌いになった理由を教えてくれなかった?
どうして一緒に来て欲しいって言ってくれなかった?
そもそも本当に私の事が、俺の事が、好きなのか?
車を走らせていると、そんな様々な疑問が行ったり来たりを繰り返していくが、何一つとして答えは出なかった。
俺は渡された住所近くの駐車場に車を止め、勢いよく扉を閉めて走り出すと、駐車場を出た所で誰かにぶつかってしまう。
「す、すまない!」
尻もちをついて倒れてしまった相手を見ると、その相手は俺が丁度探していた俺の大切な幼馴染の青園だった。
「青園!?」
俺は倒れていた青園に手を伸ばして立ち上がらせた。
「え、木那乃? どうして、」
「なぁ、青園お前が男苦手になったのって、もしかして父親が原因なのか?」
「…………うん」
あの時と同じ、いや、あんなの目じゃ無いくらいに生気が無い顔でそう小さく頷いた。
「何で教えてくれねぇんだよ、なのに父親の所に行くって、一体何が目的なんだよ。」
「何って、ケジメをつけるのよ」
そう言って、青園は懐からグシャグシャに折れ曲がった封筒を取り出し、俺に手渡した。
「な、なんだよ、こんな、事って」
そこには、口にするのもおぞましい言葉の数々と、最後に俺が町田さんからもらった住所と、ここで待っている。というひと文が添えられていた。
「青園、こんなもん送ってくる奴の所に1人で行こうとしてたのか?」
「最悪の時は逃げれる様にしては居たわよ……」
「男の前だと硬直して動けなくなる癖に何言ってんだよ!」
「手紙の中身読んだでしょ、どうせもう穢れた身なのは今更変わらないわ」
「だから最悪どうなっても良いって?」
そのまま俯いてしまった。
「分かった。俺も一緒に行く」
「え?」
少し潤んだ瞳をきょとんとさせて俺を見る。
「え? じゃないだろ、こんなんこいつにガツンと言ってやらんと気が済まんだろ、もう一生青園に関わるなってな」
「駄目だよ! 危ないよ!」
「そんなん百も承知さ。折角なら2人一緒に落ちるとこまで落ちるのも良いな」
最悪俺がこの手で父親を。
「何で、何でそこまでするの?」
そう言って歩き出す俺の手を掴んで泣きそうな声で言った。
そんな青園に俺は優しく微笑んで言った。
「そりゃ、好きだからに決まってんだろ」
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