2 / 200
パーティー会場に参戦
しおりを挟む
さすが、音楽業界でもトップを誇るメディファクト。働いている人も来賓の人たちも見た目がおしゃれな人たちが多い。モデルさんもいるし、テレビで見かけたような歌手や芸能人がいっぱいだ。そんな美女たちの間を潜り抜ける。なぜなら、私の目標物がその多分美女たちが織り成す円形状の輪の中心にいるはずだ。
西洋人のようなタッパとその大きい肩幅が、このキラキラと輝く人たちが埋め尽くす会場でさえも一際生える。一目で高級生地とわかるオーダーメイドのスーツが、その光沢と彼の人並みはずれた容貌と風格に相俟って、一際異彩を放っていた。しかも、その麗しい見た目が美女たちから、顔一つ以上、ポッコリと浮輪のように出ている。
まあ私にとっては、悪魔にしかみえないんですけど……。
取り巻きの女性たちも案の定レベルが高い。みんなモデルのような体型でスタイルもいいし、可愛い系だったり、美人系だったりする。
みんな、私が通るのを見るとあからさまにムッとした顔をされる。
ーーもうね、その目線、怖いですって。
異物が美女軍団の輪に侵入したのに気がついて、その集団を作った本人が声をあげる。
「あ……」
日本人離れした彫りの深い顔立ちの長身の男がその長い睫毛をパチパチさせながら、こちらを見てくる。
完全に気がついたようだ。
その眼光鋭い。
そんな顔するんなら忘れんなよーとか思う。こちらに歩いてきそうな雰囲気だったため、思い切り手を横に振り、首もブンブンと横にふって否定する。これ以上の接近はいろいろ周りの視線が痛いからよして欲しいと願う。
あちらもその様子に気がついて、「あっ」とか言ってまた違う方向に顔を背けた。
そうしたら、そちらの方向に構えていた美女その一が、
「あら、蓮司様はあんなチンケな女にご興味ありませんでなくて?」と言いながら、輪の中に侵入してくる私を完全に無視するような素振りだ。
ーーはあ、チンケだなんて、久しぶりにきいたね。語録が増えてしまう。
はっきりいって、此の手の女性たちに蔑まされるのは慣れている。
高校時代の女友達は手厳しかった。
「なんとかは、もうちょっと痩せれば、よくなるよ」
「なんとかは、顔がもうちょっと小顔だったらね」
「鼻がもっとすっとしてればね~、もったいない」
「もっと女子力つけたほうがいいよ」
いや、痩せろまではわかるけど、顔の形とか、鼻の形はすでに整形の域ですから……もったいないってちょっと……無理がないかい?
自分のことながら笑いそうになってしまう。
しかも、女子力ってなに?
昔だったら、きっとお針子とか持っていて、いきなり裁縫で腕自慢とか??
いや、実はお裁縫得意だわ。でも、絶対に今必要とされる女子力って、きっと綺麗に爪が整えられているとか、ちょっと古いけど、レースのハンカチがそっと出てきたり、またはセクシーな下着とかが、女子力に直結しているような気がする。
けっして、漬物がつけるのが超上手とかでないはず。
ああ、もっと昔に生まれたら、実は私、女子力高めだったかも。
どちらかというと婆力(ババリョク)の方がかなり高めかもしれない。
考えていたら、あ、やばいかも。美女その三ぐらいの取り巻きが、蓮司会長の腕に手をかけている。蓮司会長が明ら様に嫌な顔を見せる。
ああ、まずいっしょ。そんなことして……案の定、蓮司会長にバシッと手を振り払われている。
そんなことよりこっちの要件を先に言う。思いっきり手を挙げ、手の中にある携帯を見せ口パクで説明する。
『電源入れろ!!!』
蓮司会長は、美女たちに埋もれていながら、『わかった』とこれまた、口パクをする。
はぁーー、任務終了。
思わず、その美女たちからの妬みの視線で殺されそうだ。
さっさとその輪から外れる。
これでお給料もらえるなんて……幸せなのか罠なのかわからんな……と思いながら会場を出た。
まあ今日はこのまま仕事場まで地下鉄で戻るか……と思っていたら、ホテルの出口を出る瞬間、黒塗りのベントレーが一台すっと美代の前に現れる。一台で何千万もするものらしい。金持ちの金の使い方が本当にわからん。
いきなり正装の男が話しかける。
「土屋美代様ですか?」
「ほふぇ? あ、そう……です」
いきなり、白手袋を嵌めたドアマンに話しかけられて、変な声が出てしまった。
すると横からいきなり、その黒塗りの最高級車の後部座席のドアが開けられる。
「蓮司会長から連絡がありました。これでご自宅まで送られるようにご指示がございました」
車の運転手である老齢の紳士、伊勢崎さんはにっこりと微笑んだ。もし、この高級車と伊勢崎さんを見たことがなかったら、もちろん断っていただろう。
そう、私、20歳の女子力がかなり低いチンケな女。なぜか大豪邸で“忘れ物お届け係”をやっております。
西洋人のようなタッパとその大きい肩幅が、このキラキラと輝く人たちが埋め尽くす会場でさえも一際生える。一目で高級生地とわかるオーダーメイドのスーツが、その光沢と彼の人並みはずれた容貌と風格に相俟って、一際異彩を放っていた。しかも、その麗しい見た目が美女たちから、顔一つ以上、ポッコリと浮輪のように出ている。
まあ私にとっては、悪魔にしかみえないんですけど……。
取り巻きの女性たちも案の定レベルが高い。みんなモデルのような体型でスタイルもいいし、可愛い系だったり、美人系だったりする。
みんな、私が通るのを見るとあからさまにムッとした顔をされる。
ーーもうね、その目線、怖いですって。
異物が美女軍団の輪に侵入したのに気がついて、その集団を作った本人が声をあげる。
「あ……」
日本人離れした彫りの深い顔立ちの長身の男がその長い睫毛をパチパチさせながら、こちらを見てくる。
完全に気がついたようだ。
その眼光鋭い。
そんな顔するんなら忘れんなよーとか思う。こちらに歩いてきそうな雰囲気だったため、思い切り手を横に振り、首もブンブンと横にふって否定する。これ以上の接近はいろいろ周りの視線が痛いからよして欲しいと願う。
あちらもその様子に気がついて、「あっ」とか言ってまた違う方向に顔を背けた。
そうしたら、そちらの方向に構えていた美女その一が、
「あら、蓮司様はあんなチンケな女にご興味ありませんでなくて?」と言いながら、輪の中に侵入してくる私を完全に無視するような素振りだ。
ーーはあ、チンケだなんて、久しぶりにきいたね。語録が増えてしまう。
はっきりいって、此の手の女性たちに蔑まされるのは慣れている。
高校時代の女友達は手厳しかった。
「なんとかは、もうちょっと痩せれば、よくなるよ」
「なんとかは、顔がもうちょっと小顔だったらね」
「鼻がもっとすっとしてればね~、もったいない」
「もっと女子力つけたほうがいいよ」
いや、痩せろまではわかるけど、顔の形とか、鼻の形はすでに整形の域ですから……もったいないってちょっと……無理がないかい?
自分のことながら笑いそうになってしまう。
しかも、女子力ってなに?
昔だったら、きっとお針子とか持っていて、いきなり裁縫で腕自慢とか??
いや、実はお裁縫得意だわ。でも、絶対に今必要とされる女子力って、きっと綺麗に爪が整えられているとか、ちょっと古いけど、レースのハンカチがそっと出てきたり、またはセクシーな下着とかが、女子力に直結しているような気がする。
けっして、漬物がつけるのが超上手とかでないはず。
ああ、もっと昔に生まれたら、実は私、女子力高めだったかも。
どちらかというと婆力(ババリョク)の方がかなり高めかもしれない。
考えていたら、あ、やばいかも。美女その三ぐらいの取り巻きが、蓮司会長の腕に手をかけている。蓮司会長が明ら様に嫌な顔を見せる。
ああ、まずいっしょ。そんなことして……案の定、蓮司会長にバシッと手を振り払われている。
そんなことよりこっちの要件を先に言う。思いっきり手を挙げ、手の中にある携帯を見せ口パクで説明する。
『電源入れろ!!!』
蓮司会長は、美女たちに埋もれていながら、『わかった』とこれまた、口パクをする。
はぁーー、任務終了。
思わず、その美女たちからの妬みの視線で殺されそうだ。
さっさとその輪から外れる。
これでお給料もらえるなんて……幸せなのか罠なのかわからんな……と思いながら会場を出た。
まあ今日はこのまま仕事場まで地下鉄で戻るか……と思っていたら、ホテルの出口を出る瞬間、黒塗りのベントレーが一台すっと美代の前に現れる。一台で何千万もするものらしい。金持ちの金の使い方が本当にわからん。
いきなり正装の男が話しかける。
「土屋美代様ですか?」
「ほふぇ? あ、そう……です」
いきなり、白手袋を嵌めたドアマンに話しかけられて、変な声が出てしまった。
すると横からいきなり、その黒塗りの最高級車の後部座席のドアが開けられる。
「蓮司会長から連絡がありました。これでご自宅まで送られるようにご指示がございました」
車の運転手である老齢の紳士、伊勢崎さんはにっこりと微笑んだ。もし、この高級車と伊勢崎さんを見たことがなかったら、もちろん断っていただろう。
そう、私、20歳の女子力がかなり低いチンケな女。なぜか大豪邸で“忘れ物お届け係”をやっております。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる