22 / 200
美代 熱を出す
しおりを挟む
あの怒涛の呼び出し事件の後、運悪く風邪を引いてしまった。朝から熱っぽい。真田さんにも連絡する。あとクリスマスまで4日だ。
「あぁーーー、ずいません、風邪を引いたみたいでちょっと今日は休ませてください。申し訳ないです。お給料はいただかなくて結構です」
会長も分刻みで行動していると真田さんが教えてくれた。ちょっと心配になるが、今日は幸い忘れ物係の出動はなさそうですから、どうぞ安心して静養してくださいと言われる。
「美代様。わたしか伊勢崎がお見舞いにいってもよろしいでしょうか?」
「いやーー、やめてください。こんなアパートにみなさん来たら緊張して寝れません。やめてください。寝てれば治るんで大丈夫です」
「心配ですが、あのよく寝てください。水分補給を忘れずにしてくださいね。またご連絡します」
それから高熱が出た。ベットの上で熱にうなされながら、大量の汗をかく。意識も朦朧としながら、現実と夢の間をいったりきたりした。まあ、いつも一人だったから、病気の時の一人の寂しさもある程度は慣れている。ただ、いざっという時のために、救急車の番号だけワンプッシュで押せるようには携帯をセットする。
一人ぐらし慣れてるからね……、わたし。
熱にそのままうなされる。いつものようになんだか訳のわかんない夢を見続ける。今度はあの終わったはずの熱愛報道が、頭の中で繰り返される。
あの女優ではなくて、ケバケバの化粧女にまた襲われている。夢の中の会長がそれに応じていた。色々な美女が彼の周りに戯れている。またこんな夢にまで出てきて、私を憤慨させてくる。夢だから一言いいたくなる。
「蓮司……か、い、ちょう?」
「なんだ?」
夢の中のイケメン野郎が返答する。なんだ、やっぱり夢の中でさえ態度が俺様的だなと思う。
「彼女は一人にしたほうが……いいです」
「……なんでそう思う?」
その蕩けるような視線、よしてほしい。
「そのうち、刺されます……よ」
「……それはまずいな」
会長の口角がにやっと上がる。
「う、う、あー、あと本命に相手にされないですょ~っ」
「……なるほどな。それは大変だ。でも、いま調整中だ」
「あの、でも……ケバケバ女はよした方がいいです……」
「どうしてだ?」
「性悪そうですぅ……」
「……あははははっ」
低音が響く男の笑い声が響いた。
「お前は好きなヤツはいないのか?」
するどい眼光を感じる。
「なーんですか?それ。んーっ。ムカつくヤツならいます」
「あー、ムカつかれるのも悪くない。それだけ気にしてくれてる証拠だ。始まりとしては悪くない。まあ俺か真田辺りにムカついているのか?」
「……そうですけど、でも本当は感謝してます。おかげさまで、学業のほうにだいぶ時間を増やすことができました」
大きな手が優しく私の頭を撫でる。
「そんな無理するな。身体を壊したらどうしょうもない」
夢の中の会長の目が妖しく光ってる。
「一人に絞ったのがわかれば、お前は堕ちてきてくれるのか?」
「はぃ? おちる? 意味わかりません」
「……まだこどもだな。おまえは……覚悟しとけよ」
「んー、わかりませんけど、、むにょむにょ」
ーー早く俺の元に堕ちてこい……。
記憶が飛ぶ。
夢にまた会長が出てくる。どんだけ私はコヤツに振り回らされているのだろう。いつもとは考えられないようなやさしい瞳でこちらを見つめている。身体が燃えるように熱い。
「だいじょうぶか? 美代」
「なんか飲め。いま持ってきたから、これを飲むんだ。水分補給しないとやばいぞ。おまえ……」
「んん、飲めない。そんなの」
何度も飲まされようとするので、拒み続ける。
「はあ、しかたがないな……おまえ、こっちを向け」
頭の後頭部をぐいっと大きい手で支えられる。
唇からやわらかい感触とともに冷たい液体が染み込んできた。
あああ、きもちいい。
そして、また熱が自分の意識を飛ばす。
「ぐ、くるしい」
胸に感じる違和感がどんどんと膨らむ。
「どこが苦しいんだ? 美代。言え、それとも病院に今行くか?」
「病院なんて、行かないブ、ブラ……外して……ぐるしい……」
そういえば、美代はあまりにもの具合の悪さにブラを外さないで寝込んでしまった。それがいま熱でうなされていながら、ブラの締め付けが熱にうなされている彼女をもっと不快にさせていた。
「お、おい、お前、俺を誘っているのか?」
「は、外して……」
夢の中の大男に、ブラ外しを命じる美代。
「わかった。外してやる……」
大きな男の手が彼女の汗ばんだシャツの中を入り、彼女のブラのホックを手品のように片手でパチンと外す。
そのまま、するっとそのブラを引き抜き、ちょっと意味ありげな笑顔を浮かべて美代を覗き込む。
彼女の顔がこの男の影にすっかりと入り込み、彼の唇が美代のものを塞ごうとしたかと見えたが、いきなり、
「おええええええっーーーー」
と豪快に美代が吐き出した。
「!!!!!!!!」
それから、美代の夢の記憶は消えた。
「あぁーーー、ずいません、風邪を引いたみたいでちょっと今日は休ませてください。申し訳ないです。お給料はいただかなくて結構です」
会長も分刻みで行動していると真田さんが教えてくれた。ちょっと心配になるが、今日は幸い忘れ物係の出動はなさそうですから、どうぞ安心して静養してくださいと言われる。
「美代様。わたしか伊勢崎がお見舞いにいってもよろしいでしょうか?」
「いやーー、やめてください。こんなアパートにみなさん来たら緊張して寝れません。やめてください。寝てれば治るんで大丈夫です」
「心配ですが、あのよく寝てください。水分補給を忘れずにしてくださいね。またご連絡します」
それから高熱が出た。ベットの上で熱にうなされながら、大量の汗をかく。意識も朦朧としながら、現実と夢の間をいったりきたりした。まあ、いつも一人だったから、病気の時の一人の寂しさもある程度は慣れている。ただ、いざっという時のために、救急車の番号だけワンプッシュで押せるようには携帯をセットする。
一人ぐらし慣れてるからね……、わたし。
熱にそのままうなされる。いつものようになんだか訳のわかんない夢を見続ける。今度はあの終わったはずの熱愛報道が、頭の中で繰り返される。
あの女優ではなくて、ケバケバの化粧女にまた襲われている。夢の中の会長がそれに応じていた。色々な美女が彼の周りに戯れている。またこんな夢にまで出てきて、私を憤慨させてくる。夢だから一言いいたくなる。
「蓮司……か、い、ちょう?」
「なんだ?」
夢の中のイケメン野郎が返答する。なんだ、やっぱり夢の中でさえ態度が俺様的だなと思う。
「彼女は一人にしたほうが……いいです」
「……なんでそう思う?」
その蕩けるような視線、よしてほしい。
「そのうち、刺されます……よ」
「……それはまずいな」
会長の口角がにやっと上がる。
「う、う、あー、あと本命に相手にされないですょ~っ」
「……なるほどな。それは大変だ。でも、いま調整中だ」
「あの、でも……ケバケバ女はよした方がいいです……」
「どうしてだ?」
「性悪そうですぅ……」
「……あははははっ」
低音が響く男の笑い声が響いた。
「お前は好きなヤツはいないのか?」
するどい眼光を感じる。
「なーんですか?それ。んーっ。ムカつくヤツならいます」
「あー、ムカつかれるのも悪くない。それだけ気にしてくれてる証拠だ。始まりとしては悪くない。まあ俺か真田辺りにムカついているのか?」
「……そうですけど、でも本当は感謝してます。おかげさまで、学業のほうにだいぶ時間を増やすことができました」
大きな手が優しく私の頭を撫でる。
「そんな無理するな。身体を壊したらどうしょうもない」
夢の中の会長の目が妖しく光ってる。
「一人に絞ったのがわかれば、お前は堕ちてきてくれるのか?」
「はぃ? おちる? 意味わかりません」
「……まだこどもだな。おまえは……覚悟しとけよ」
「んー、わかりませんけど、、むにょむにょ」
ーー早く俺の元に堕ちてこい……。
記憶が飛ぶ。
夢にまた会長が出てくる。どんだけ私はコヤツに振り回らされているのだろう。いつもとは考えられないようなやさしい瞳でこちらを見つめている。身体が燃えるように熱い。
「だいじょうぶか? 美代」
「なんか飲め。いま持ってきたから、これを飲むんだ。水分補給しないとやばいぞ。おまえ……」
「んん、飲めない。そんなの」
何度も飲まされようとするので、拒み続ける。
「はあ、しかたがないな……おまえ、こっちを向け」
頭の後頭部をぐいっと大きい手で支えられる。
唇からやわらかい感触とともに冷たい液体が染み込んできた。
あああ、きもちいい。
そして、また熱が自分の意識を飛ばす。
「ぐ、くるしい」
胸に感じる違和感がどんどんと膨らむ。
「どこが苦しいんだ? 美代。言え、それとも病院に今行くか?」
「病院なんて、行かないブ、ブラ……外して……ぐるしい……」
そういえば、美代はあまりにもの具合の悪さにブラを外さないで寝込んでしまった。それがいま熱でうなされていながら、ブラの締め付けが熱にうなされている彼女をもっと不快にさせていた。
「お、おい、お前、俺を誘っているのか?」
「は、外して……」
夢の中の大男に、ブラ外しを命じる美代。
「わかった。外してやる……」
大きな男の手が彼女の汗ばんだシャツの中を入り、彼女のブラのホックを手品のように片手でパチンと外す。
そのまま、するっとそのブラを引き抜き、ちょっと意味ありげな笑顔を浮かべて美代を覗き込む。
彼女の顔がこの男の影にすっかりと入り込み、彼の唇が美代のものを塞ごうとしたかと見えたが、いきなり、
「おええええええっーーーー」
と豪快に美代が吐き出した。
「!!!!!!!!」
それから、美代の夢の記憶は消えた。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる