51 / 200
黒豹伝説
しおりを挟む
クラブ花純のナンバーワンと言われるホステス、雫。自分がまだ高校生で渋谷あたりで遊んでいた頃、街で噂を聞いたことがある。
黒豹と言われた男。その黒豹と呼ばれる男に抱かれたいと女達が、その男の姿を求めて六本木やら麻布などを歩き回っているという話だった。彼の首元には小さな蜘蛛のような入れ墨がしてあるらしい。それが彼の目印なのだが、その射抜くような目線と風格で、それを見なくても彼だと分かるらしかった。そして、その入れ墨を見た女はみんなその男の虜になったという。
その男はまだ10代だという噂があったが、見た目が年齢不詳であり、醸し出す雰囲気が凶暴なので、誰も彼の本当の年齢を聞いた者がいなかった。彼の女と自称するものは絶えず現れ、そして、それは10代から30代の女までと幅広く、誰もが自分が一番の彼女と言っていた。でも、どれもがガセネタだと言われていた。なぜなら、その男がどの女ともつるんで歩いているところを誰も見たことがなかったのだ。ほとんどの女が、彼に囁かれただけで腰を抜かしたという噂だ。誰かが、あの黒豹はヤバい組織の一員らしいとか、どっかの機関のスパイだという噂をしていた。男達は色男が気にくわないというだけの理由で、喧嘩を吹っかけたと聞いた。でも、そいつらは知らない間に街から消えていた。そのうち、この黒豹にちょっかいを出す輩は消えた。もう10年ぐらい前の話だ。そして、その黒豹は突然姿を消した。
マフィアにやられたとか、海外のムショに送られたとかいろいろな噂が飛び立ったが、だれもその真相を知らなかった。
***
雫は今、自分の目の前の男を観察した。クラブ花純の店内。目の前にその伝説をにわかに想像させるような、黒髪がしたたる色男が現れた。蓮司会長の補佐、テイ改め、真田と言われる男は、美代と蓮司が去ってからいきなりその眼光の色を変えた。先ほどまで同じ男かと勘違いしそうなくらいだ。
彼が襟元のネクタイを緩めた。ボタンを上から外していく。
「ふぅーーーーーっ」
ネクタイを緩める仕草がセクシーだ。
雫はこのクラブのナンバーワンだけあって、男の見る目は他のホステスよりあると思っている。先ほどの蓮司会長ぐらいに財界の大物だと、ある程度の情報が入っているので、自分で何かしらの覚悟を持って接することができた。でも、この今、雪の隣に鎮座している補佐の真田……何者なのだ?
そして、この黒髪が滴る男のシャツの間から見え隠れする小さな蜘蛛のような入れ墨が垣間見れた。
自分の目を疑う。脳裏にあの伝説の男を思い出す。
ーーまさか……この男!!
疑問と懐疑が入り混じる。
さきほどから、この男、雪と話し合っている。しかも、最初は雪のペースで進んでいたはずなのに、どうやら雪がこの男に入れあげ始めている様子だった。雪は男の趣味が悪い。と言うか、運が悪いと言ってもいい。いままでかなり悪い男たちに熱をあげられていて、この銀座にたどり着けただけでかなりラッキーな女だ。噂では、前の男はかなりヤバイ系の男だと聞いていた。花純ママからも何回か注意を受けるのを目撃したことがある。そして、さっきまで真面目と思っていた真田という男・・・男としての見た目もいけるし、服装やら言葉遣いなど悪いところはない。雪にとってはお客としても、こんなに好条件な男はいないだろう。条件はすべて良いのだが、何かが腑に落ちない。
「雪。やっぱりいい名前だね。あなたを雪解けのように溶かしたしたら、さぞ……美味しそう……だね」
「………」
歯が浮くような台詞なのに、なぜかこの男の風貌に似合っていた。しかも、その様子から雪は完全にこの男にやられ始めているようだ。彼女がもう女子高生のように興奮しているのが手を取るようにわかる。すると、真田が体を雪に近づけながら、なにか耳もとで囁いている。
もうすでに雪の顔を頬をピンクに染めて、真田の視線をまともに受けられないほどに、うぶな状態へとなっている。
ーーこれも彼女の手口なの? 雪ってこんなホステスだったけ?
もうこれは私の出る幕ではないと雫は感じた。ちょっと面倒を最後までみると言った蓮司会長には引け目を感じるが、他の顧客がきたと黒服に言われたので、真田に断りをして席を立った。この男には正直、自分の監視はいらないほど、場慣れしているのだ。
「真田様。申し訳ありませんが、わたしちょっと席を外させていただきます」
真田は雫に微笑んだ。
ーーやっぱり、違う男だ。さっきまではこんなフェロモン出していなかった!!
ちょっと残していく雪に対して不安になるが、雫はそこを立ち去った……。
まさかよね。本当にあの黒豹があらわれるってこと……ないよね……。
***
「ただいま帰りました」
深夜2時を過ぎた大原家の邸宅に黒塗りのハイヤーで戻る男がいた。
主人はもう寝ているはずだが、ドア越しに一応、声をかける。
「……ああ、真田か……入ってくれ……」
「失礼いたします……」
今まで銀座にいたとは到底思えないぐらい、真田は元の真田に戻っていた。七三分けもいつも通りだ。
「こちら……ご所望の品かと思います」
真田は自分のポケットからハンカチを出し、その中から一つのアクセサリーを出した。
「……流石だな。頼んで正解だったな……」
「ありがとうございます……」
「……まさか泥棒してないよな……」
「滅相もございません……」
「あまり聞きたくないが……アレと…」
「蓮司様……もちろん、男女の関係にはなっておりません」
「よくやった。もう寝ろ。遅い……」
「蓮司様……美代様は無事にお帰りなりましたか?」
「ああ、あの古いアパートにきちんと戻したぞ」
「……その、美代様は無事に」
「無事に戻したぞ。大丈夫だ」
「………」
じっと真田が蓮司を凝視する。
「抱きしめた……ちょっとだけだ」
バツが悪そうに蓮司が答える。
「……本当でしょうか?」
「あ、キスしようと思ったら、噛みつかれた……」
「か、噛みつかれた??」
「ああ、なぜか俺がペットが欲しいという話になってだな、ペットならキスぐらい、いいだろうと思って、近づいたら、噛まれた……」
「ふふふふっ。いい感じですね……安心しました」
「真田。悪いな。でも、ようやくお前の言っている意味を理解してきた」
「蓮司様……」
「まあ、もっともやる気を出したお前には負けるかもな」
「そんなことは滅相にもございません」
「だが、そんな気を出させたら、どうなるかもお前自身わかっているしな」
「蓮司様……決してそんなことはありませんので、どうぞ今日はもうゆっくりお休みください」
長い大原家の廊下をカツカツと音を立てながら、自分の部屋に帰る。
ふうーーーーっ。
ひさしぶりに疲れた。あのような女性達の巣窟に入るのは本当に疲れる。
首元の蜘蛛のようなアザを触る。
あの雪っていう女。簡単に堕ちたが、裏にはもっとありそうだと真田は頭をかく。
そして浴室に入り、シャワーのノブに手を掛けた。湯けむりとともに熱いお湯が鍛えられた真田の体を温めた。銀座の女たちが落とした香水の匂いをその温水で洗い流した。
***
真田さんが帰った後のクラブ花純。
「どうしたの? みんな???」
ホステス雪を含む数名の女たちが店を閉めたのにもかかわらず、そのソファーから動けないでいる。
「う、動けないんです……ママ」
「はぁ?? どういうことなの?? あんた達……」
ヘルプの女の子の一人が答えた。
「み、みんなあの真田さんと呼ばれる方に付いていたんですけど……その……みんな腰がぬけちゃったんです」
「ええ? なにか触られたりしたの??」
「えええ!!そんだったら、嬉しすぎます!!」
数名の女たちが嬉し悲鳴を上げている。
「はあ? どうなっちゃんたのかね。わたしの自慢の娘達は……雪!!お前はさすがに大丈夫だろうね……」
そんなお触りバー的な行為、この格式高いクラブ花純では許されていない。
「……ママ!! わたし、どうしたら真田さんに気に入ってもらえるのでしょうか? もう一度お店に来て欲しいです!!」
クラブ花純のママはあんぐりと口を開けた。
ーーナンテこったい。あの真田って男。大した男だ。こんな数時間でうちの選りすぐりの女達をすべて惚れさせてしまったようだ。みんな腰を抜かすほどにあの男にやられたのかとはにわかに信じがたい。一応、黒服達に声をかける。
(お前、見張っていただろう。なにか薬でも入れられたんじゃないだろうね)
(いえ、なにも不審な点はありませんでした。ただ……)
(ただ、何だい?こんな事態、今までなかったじゃないか?)
(ただ、まじカッコよかったんです。)
(はあ? お前もかい?)
(すいません。何かわかんないですが、仕草なのか態度なのか、いきなりなんというか態度が変わってですね、男でもマジ惚れてしまうぐらいのワイルドさというか、飲みっぷりとそのなんというか、その態度が………)
「はーー、お前はもう下がっていい!!」
ちょっとこれは真田って男は入店禁止にするしかないのかね。こんなうちの子たちを短時間の間にメロメロにしてしまうのは……さすがあの大原の鬼の右腕じゃないか、恐ろしいね、こんな男に毎週でもクラブに来られては店がつぶれてしまうじゃないか……。
その後、一通の品のよい手紙が大原蓮司に届けられた。それには、この前の来店についてお礼を丁寧に述べながら、申し訳ないが、会長の補佐の真田について、店がつぶれてしまうので来店をしばらくの間お断りしたいというものだった。どうしても、来られる際は個室を用意するので前々に連絡が欲しいというものだった。
その手紙を読んで蓮司がふっと微笑んだ。
「まあ、これで美代の心配はなくなったな。真田。お前はあの店、入店お断りだそうだぞ」
「はあーー、申し訳ありません。ちょっとやりすぎたかもしれません」
「まあ、お前のことだ。二度と行きたくないから、ちょっと全力でやったのだろうな」
「蓮司様……まったくその通りです」
「いい。あの女の背後はまた別の道で調べる。上出来だ」
その手紙を目の前の燃えている暖炉の中に入れた。
真田はちょっと思った。
ーー本当はわたしが出なくても、蓮司会長が微笑んだら、それこそ、ものの数分で終わったでしょうにね……。
黒豹と言われた男。その黒豹と呼ばれる男に抱かれたいと女達が、その男の姿を求めて六本木やら麻布などを歩き回っているという話だった。彼の首元には小さな蜘蛛のような入れ墨がしてあるらしい。それが彼の目印なのだが、その射抜くような目線と風格で、それを見なくても彼だと分かるらしかった。そして、その入れ墨を見た女はみんなその男の虜になったという。
その男はまだ10代だという噂があったが、見た目が年齢不詳であり、醸し出す雰囲気が凶暴なので、誰も彼の本当の年齢を聞いた者がいなかった。彼の女と自称するものは絶えず現れ、そして、それは10代から30代の女までと幅広く、誰もが自分が一番の彼女と言っていた。でも、どれもがガセネタだと言われていた。なぜなら、その男がどの女ともつるんで歩いているところを誰も見たことがなかったのだ。ほとんどの女が、彼に囁かれただけで腰を抜かしたという噂だ。誰かが、あの黒豹はヤバい組織の一員らしいとか、どっかの機関のスパイだという噂をしていた。男達は色男が気にくわないというだけの理由で、喧嘩を吹っかけたと聞いた。でも、そいつらは知らない間に街から消えていた。そのうち、この黒豹にちょっかいを出す輩は消えた。もう10年ぐらい前の話だ。そして、その黒豹は突然姿を消した。
マフィアにやられたとか、海外のムショに送られたとかいろいろな噂が飛び立ったが、だれもその真相を知らなかった。
***
雫は今、自分の目の前の男を観察した。クラブ花純の店内。目の前にその伝説をにわかに想像させるような、黒髪がしたたる色男が現れた。蓮司会長の補佐、テイ改め、真田と言われる男は、美代と蓮司が去ってからいきなりその眼光の色を変えた。先ほどまで同じ男かと勘違いしそうなくらいだ。
彼が襟元のネクタイを緩めた。ボタンを上から外していく。
「ふぅーーーーーっ」
ネクタイを緩める仕草がセクシーだ。
雫はこのクラブのナンバーワンだけあって、男の見る目は他のホステスよりあると思っている。先ほどの蓮司会長ぐらいに財界の大物だと、ある程度の情報が入っているので、自分で何かしらの覚悟を持って接することができた。でも、この今、雪の隣に鎮座している補佐の真田……何者なのだ?
そして、この黒髪が滴る男のシャツの間から見え隠れする小さな蜘蛛のような入れ墨が垣間見れた。
自分の目を疑う。脳裏にあの伝説の男を思い出す。
ーーまさか……この男!!
疑問と懐疑が入り混じる。
さきほどから、この男、雪と話し合っている。しかも、最初は雪のペースで進んでいたはずなのに、どうやら雪がこの男に入れあげ始めている様子だった。雪は男の趣味が悪い。と言うか、運が悪いと言ってもいい。いままでかなり悪い男たちに熱をあげられていて、この銀座にたどり着けただけでかなりラッキーな女だ。噂では、前の男はかなりヤバイ系の男だと聞いていた。花純ママからも何回か注意を受けるのを目撃したことがある。そして、さっきまで真面目と思っていた真田という男・・・男としての見た目もいけるし、服装やら言葉遣いなど悪いところはない。雪にとってはお客としても、こんなに好条件な男はいないだろう。条件はすべて良いのだが、何かが腑に落ちない。
「雪。やっぱりいい名前だね。あなたを雪解けのように溶かしたしたら、さぞ……美味しそう……だね」
「………」
歯が浮くような台詞なのに、なぜかこの男の風貌に似合っていた。しかも、その様子から雪は完全にこの男にやられ始めているようだ。彼女がもう女子高生のように興奮しているのが手を取るようにわかる。すると、真田が体を雪に近づけながら、なにか耳もとで囁いている。
もうすでに雪の顔を頬をピンクに染めて、真田の視線をまともに受けられないほどに、うぶな状態へとなっている。
ーーこれも彼女の手口なの? 雪ってこんなホステスだったけ?
もうこれは私の出る幕ではないと雫は感じた。ちょっと面倒を最後までみると言った蓮司会長には引け目を感じるが、他の顧客がきたと黒服に言われたので、真田に断りをして席を立った。この男には正直、自分の監視はいらないほど、場慣れしているのだ。
「真田様。申し訳ありませんが、わたしちょっと席を外させていただきます」
真田は雫に微笑んだ。
ーーやっぱり、違う男だ。さっきまではこんなフェロモン出していなかった!!
ちょっと残していく雪に対して不安になるが、雫はそこを立ち去った……。
まさかよね。本当にあの黒豹があらわれるってこと……ないよね……。
***
「ただいま帰りました」
深夜2時を過ぎた大原家の邸宅に黒塗りのハイヤーで戻る男がいた。
主人はもう寝ているはずだが、ドア越しに一応、声をかける。
「……ああ、真田か……入ってくれ……」
「失礼いたします……」
今まで銀座にいたとは到底思えないぐらい、真田は元の真田に戻っていた。七三分けもいつも通りだ。
「こちら……ご所望の品かと思います」
真田は自分のポケットからハンカチを出し、その中から一つのアクセサリーを出した。
「……流石だな。頼んで正解だったな……」
「ありがとうございます……」
「……まさか泥棒してないよな……」
「滅相もございません……」
「あまり聞きたくないが……アレと…」
「蓮司様……もちろん、男女の関係にはなっておりません」
「よくやった。もう寝ろ。遅い……」
「蓮司様……美代様は無事にお帰りなりましたか?」
「ああ、あの古いアパートにきちんと戻したぞ」
「……その、美代様は無事に」
「無事に戻したぞ。大丈夫だ」
「………」
じっと真田が蓮司を凝視する。
「抱きしめた……ちょっとだけだ」
バツが悪そうに蓮司が答える。
「……本当でしょうか?」
「あ、キスしようと思ったら、噛みつかれた……」
「か、噛みつかれた??」
「ああ、なぜか俺がペットが欲しいという話になってだな、ペットならキスぐらい、いいだろうと思って、近づいたら、噛まれた……」
「ふふふふっ。いい感じですね……安心しました」
「真田。悪いな。でも、ようやくお前の言っている意味を理解してきた」
「蓮司様……」
「まあ、もっともやる気を出したお前には負けるかもな」
「そんなことは滅相にもございません」
「だが、そんな気を出させたら、どうなるかもお前自身わかっているしな」
「蓮司様……決してそんなことはありませんので、どうぞ今日はもうゆっくりお休みください」
長い大原家の廊下をカツカツと音を立てながら、自分の部屋に帰る。
ふうーーーーっ。
ひさしぶりに疲れた。あのような女性達の巣窟に入るのは本当に疲れる。
首元の蜘蛛のようなアザを触る。
あの雪っていう女。簡単に堕ちたが、裏にはもっとありそうだと真田は頭をかく。
そして浴室に入り、シャワーのノブに手を掛けた。湯けむりとともに熱いお湯が鍛えられた真田の体を温めた。銀座の女たちが落とした香水の匂いをその温水で洗い流した。
***
真田さんが帰った後のクラブ花純。
「どうしたの? みんな???」
ホステス雪を含む数名の女たちが店を閉めたのにもかかわらず、そのソファーから動けないでいる。
「う、動けないんです……ママ」
「はぁ?? どういうことなの?? あんた達……」
ヘルプの女の子の一人が答えた。
「み、みんなあの真田さんと呼ばれる方に付いていたんですけど……その……みんな腰がぬけちゃったんです」
「ええ? なにか触られたりしたの??」
「えええ!!そんだったら、嬉しすぎます!!」
数名の女たちが嬉し悲鳴を上げている。
「はあ? どうなっちゃんたのかね。わたしの自慢の娘達は……雪!!お前はさすがに大丈夫だろうね……」
そんなお触りバー的な行為、この格式高いクラブ花純では許されていない。
「……ママ!! わたし、どうしたら真田さんに気に入ってもらえるのでしょうか? もう一度お店に来て欲しいです!!」
クラブ花純のママはあんぐりと口を開けた。
ーーナンテこったい。あの真田って男。大した男だ。こんな数時間でうちの選りすぐりの女達をすべて惚れさせてしまったようだ。みんな腰を抜かすほどにあの男にやられたのかとはにわかに信じがたい。一応、黒服達に声をかける。
(お前、見張っていただろう。なにか薬でも入れられたんじゃないだろうね)
(いえ、なにも不審な点はありませんでした。ただ……)
(ただ、何だい?こんな事態、今までなかったじゃないか?)
(ただ、まじカッコよかったんです。)
(はあ? お前もかい?)
(すいません。何かわかんないですが、仕草なのか態度なのか、いきなりなんというか態度が変わってですね、男でもマジ惚れてしまうぐらいのワイルドさというか、飲みっぷりとそのなんというか、その態度が………)
「はーー、お前はもう下がっていい!!」
ちょっとこれは真田って男は入店禁止にするしかないのかね。こんなうちの子たちを短時間の間にメロメロにしてしまうのは……さすがあの大原の鬼の右腕じゃないか、恐ろしいね、こんな男に毎週でもクラブに来られては店がつぶれてしまうじゃないか……。
その後、一通の品のよい手紙が大原蓮司に届けられた。それには、この前の来店についてお礼を丁寧に述べながら、申し訳ないが、会長の補佐の真田について、店がつぶれてしまうので来店をしばらくの間お断りしたいというものだった。どうしても、来られる際は個室を用意するので前々に連絡が欲しいというものだった。
その手紙を読んで蓮司がふっと微笑んだ。
「まあ、これで美代の心配はなくなったな。真田。お前はあの店、入店お断りだそうだぞ」
「はあーー、申し訳ありません。ちょっとやりすぎたかもしれません」
「まあ、お前のことだ。二度と行きたくないから、ちょっと全力でやったのだろうな」
「蓮司様……まったくその通りです」
「いい。あの女の背後はまた別の道で調べる。上出来だ」
その手紙を目の前の燃えている暖炉の中に入れた。
真田はちょっと思った。
ーー本当はわたしが出なくても、蓮司会長が微笑んだら、それこそ、ものの数分で終わったでしょうにね……。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺をフッた女子に拉致されて、逃げ場のない同棲生活が始まりました
ちくわ食べます
恋愛
大学のサークル飲み会。
意を決して想いを告げた相手は、学内でも有名な人気女子・一ノ瀬さくら。
しかし返ってきたのは――
「今はちょっと……」という、曖昧な言葉だった。
完全にフラれたと思い込んで落ち込む俺。
その3日後――なぜか自分のアパートに入れなくなっていた。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる