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デートの巻 漆
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生産停止のウィスキーって、どれほどなの?
でも、会長の目が、なんだか野性の肉食獣のような目線だ。逃げられる隙が全くないように見える。
ああ、耐えられるか本当に自信がない。
蓮司の指先と舌使いから身体から感じる刺激を全神経を使って抑え込む。
あああっ!!
ほんと!
ムリ!
うーーー!
ぐすんっ。
涙目になる美代。えっと言う声と共に、蓮司の動作が止まる。
「み、美代?」
「か、会長。ううっ」
顔を赤らめながらも、涙目になっている美代を見て、蓮司は分かってはいたが、自分のやり過ぎた行為を止める。
「あああー、み、美代。ごめん。や、やり過ぎた。可愛い過ぎて」
蓮司が平謝りをする。でも、涙目の美代の反応は、蓮司の心を鷲掴みにした。
「でも、我慢しますぅ。ううっ。だってすごい高いんでしょ? きっとそのウィスキー、しかももう手に入らないんでしょ?」
悪魔と天使が両方、今、同時に蓮司の耳に囁いた。
「美代。いいのか? そんな事言って? なんて魅惑的な響きだ。そうだな、手に入らない。このウィスキーは……味わいは、最後まで」
「だったら、早く舐めて! 味わって!」
蓮司は自分の理性が切れた音がした。
「ああ、美代。大好きだ」
ぺろっとまた舌を美代の足に這わせる。
あああ、なんて甘美な味っと蓮司が感嘆の念に更けている。
ああ、このストッキング、やっぱり破るか、マジ、邪魔だ!
美代の足は微に震えていた。
だめだ。マジに可愛すぎる。許せ、真田。俺は崩壊した。
食べる!
いま頂く!
その瞬間、ガシっと顔面になにかが当たる。
強烈な一撃だ。
脳天に星が見えるくらいの足蹴りだった。
「ヒャハハハっ。わーーー、ぎゃー、ごめんなさい。もうやっぱり無理。こそばゆくって無理。あーー、蓮司会長のお顔が!!大変!!」
「んー、美代。これは? どう言う意味かな?」
蹴られた横顔を抑えながら蓮司が質問する。
「会長! 無理です。ごめんなさい。くすぐったくて完全に無理。もう悪いですが、すっぱりこの溢れたウィスキー、諦めてください。あ、アイスを顔に当てましょうか?」
美代は慌てて、氷が閉まってあるところから一欠片を取り出し、自分のハンドタオルにそれを包んで蓮司の顔に当てた。
「ありがとう。まあ、俺もやり過ぎたな。悪かった」
「ごめんなさい。つい足が出てしまい」
「結構な蹴りだったぞ」
「ひゃー、本当に悪かったです」
「まあ、真田がここにいたら、さぞかしお前の一撃を喜んだだろうな。あと、俺は己の技量についてかなり慢心していたようだ」
片手に氷タオルをつけながら、蓮司が答える。
「え? 真田さん、あの人、蓮司会長を蹴りたいと思っているのですか?」
美代が完全に違うところに食いついてきた。
「んーーー、まあ、ある意味そうだろな。いつも心配ばかりしているからな。あいつは。時々俺を蹴りたいじゃないか?」
「愛ですね」
「なんだそれは」
「真田さんは蓮司会長が大好きなんですね」
「なんだかお前に言われると、複雑な気分だ」
「会長もなんだかんだ言っても真田さん、大好きですよね」
「答え方を間違えたくないな。ああ、でも真田は信頼しているしな。何せ生まれた時からの付き合いだ」
「えええ!そんな前からなんですか?」
「ああ、真田家は代々、大原家に仕える家柄だ。ああ真面目に見えても、奴にも黒歴史があるしな。お互いの性格をよく知ってるしな」
「あのーーー、真田さんって彼女いるんですか?」
急な質問に蓮司が驚いて美代を見つめる。
ーー情が移ったか? やっぱり最初からあいつを連絡係には反対だったんだ。
「どう言う意味だ。真田がそういう方面で気になる存在なのか?」
蓮司の怪しげな目線が美代の瞳を探っている。
「えっ? まあそうですね。知りたいかもしれません。だって今日は無礼講でしたよね?」
何か腹を決めたような蓮司は、腕を組み直して答える。
「まあいい、何でもいい。今だけ答えてやる」
「真田さんの好みの女性を教えてください」
「な、何だと! あいつ! 殺してやる」
「え! 何ですか? 会長。物騒過ぎますよ。 さっきまで信頼できる部下だって言っていたじゃないですか?」
「ああ、もう、無理だ」
「ダメですよ。無礼講って会長は言ったんですからね」
「 ……」
「ですから、真田さんの好みのタイプを教えてください」
考え込んだ蓮司が口を開ける。
「あーー、これは絶対に言うなよ。トップシークレットだ」
「は、はい。わかりました」
ーー美代は背が低いからな、まず反対から言うぞ。
「あいつの好みはな、背が高くて」
「背が高くて……そうですか」
ーー美代は結構柔らかそうだしな、これも入れとくか。
「筋肉隆々な」
「え? 筋肉隆々?」
ーー美代は完全にアジア顔だからな。
「そうだ。それで、ああ、外国人みたいな顔立ちの……」
「ハーフっぽい顔立ちがいいんですかねーっ」
ーーこれだけだと、まだ希望を持ってしまうな。何か決定打が必要だな、ああ、そうだ。
「男だ!!」
「お、男??」
美代が驚いて固まっている。
蓮司は、どうだと言わんばかりの顔をしている。でも、歩美の為に聞いた質問だったが、えらい方向に話がながれて、トンデモない真実を聞かさせた。美代はなんて言葉を言っていいかわからない!!
だって、その真田さんの好みの人って!!
か、会長!!
貴方ですから!
でも、会長の目が、なんだか野性の肉食獣のような目線だ。逃げられる隙が全くないように見える。
ああ、耐えられるか本当に自信がない。
蓮司の指先と舌使いから身体から感じる刺激を全神経を使って抑え込む。
あああっ!!
ほんと!
ムリ!
うーーー!
ぐすんっ。
涙目になる美代。えっと言う声と共に、蓮司の動作が止まる。
「み、美代?」
「か、会長。ううっ」
顔を赤らめながらも、涙目になっている美代を見て、蓮司は分かってはいたが、自分のやり過ぎた行為を止める。
「あああー、み、美代。ごめん。や、やり過ぎた。可愛い過ぎて」
蓮司が平謝りをする。でも、涙目の美代の反応は、蓮司の心を鷲掴みにした。
「でも、我慢しますぅ。ううっ。だってすごい高いんでしょ? きっとそのウィスキー、しかももう手に入らないんでしょ?」
悪魔と天使が両方、今、同時に蓮司の耳に囁いた。
「美代。いいのか? そんな事言って? なんて魅惑的な響きだ。そうだな、手に入らない。このウィスキーは……味わいは、最後まで」
「だったら、早く舐めて! 味わって!」
蓮司は自分の理性が切れた音がした。
「ああ、美代。大好きだ」
ぺろっとまた舌を美代の足に這わせる。
あああ、なんて甘美な味っと蓮司が感嘆の念に更けている。
ああ、このストッキング、やっぱり破るか、マジ、邪魔だ!
美代の足は微に震えていた。
だめだ。マジに可愛すぎる。許せ、真田。俺は崩壊した。
食べる!
いま頂く!
その瞬間、ガシっと顔面になにかが当たる。
強烈な一撃だ。
脳天に星が見えるくらいの足蹴りだった。
「ヒャハハハっ。わーーー、ぎゃー、ごめんなさい。もうやっぱり無理。こそばゆくって無理。あーー、蓮司会長のお顔が!!大変!!」
「んー、美代。これは? どう言う意味かな?」
蹴られた横顔を抑えながら蓮司が質問する。
「会長! 無理です。ごめんなさい。くすぐったくて完全に無理。もう悪いですが、すっぱりこの溢れたウィスキー、諦めてください。あ、アイスを顔に当てましょうか?」
美代は慌てて、氷が閉まってあるところから一欠片を取り出し、自分のハンドタオルにそれを包んで蓮司の顔に当てた。
「ありがとう。まあ、俺もやり過ぎたな。悪かった」
「ごめんなさい。つい足が出てしまい」
「結構な蹴りだったぞ」
「ひゃー、本当に悪かったです」
「まあ、真田がここにいたら、さぞかしお前の一撃を喜んだだろうな。あと、俺は己の技量についてかなり慢心していたようだ」
片手に氷タオルをつけながら、蓮司が答える。
「え? 真田さん、あの人、蓮司会長を蹴りたいと思っているのですか?」
美代が完全に違うところに食いついてきた。
「んーーー、まあ、ある意味そうだろな。いつも心配ばかりしているからな。あいつは。時々俺を蹴りたいじゃないか?」
「愛ですね」
「なんだそれは」
「真田さんは蓮司会長が大好きなんですね」
「なんだかお前に言われると、複雑な気分だ」
「会長もなんだかんだ言っても真田さん、大好きですよね」
「答え方を間違えたくないな。ああ、でも真田は信頼しているしな。何せ生まれた時からの付き合いだ」
「えええ!そんな前からなんですか?」
「ああ、真田家は代々、大原家に仕える家柄だ。ああ真面目に見えても、奴にも黒歴史があるしな。お互いの性格をよく知ってるしな」
「あのーーー、真田さんって彼女いるんですか?」
急な質問に蓮司が驚いて美代を見つめる。
ーー情が移ったか? やっぱり最初からあいつを連絡係には反対だったんだ。
「どう言う意味だ。真田がそういう方面で気になる存在なのか?」
蓮司の怪しげな目線が美代の瞳を探っている。
「えっ? まあそうですね。知りたいかもしれません。だって今日は無礼講でしたよね?」
何か腹を決めたような蓮司は、腕を組み直して答える。
「まあいい、何でもいい。今だけ答えてやる」
「真田さんの好みの女性を教えてください」
「な、何だと! あいつ! 殺してやる」
「え! 何ですか? 会長。物騒過ぎますよ。 さっきまで信頼できる部下だって言っていたじゃないですか?」
「ああ、もう、無理だ」
「ダメですよ。無礼講って会長は言ったんですからね」
「 ……」
「ですから、真田さんの好みのタイプを教えてください」
考え込んだ蓮司が口を開ける。
「あーー、これは絶対に言うなよ。トップシークレットだ」
「は、はい。わかりました」
ーー美代は背が低いからな、まず反対から言うぞ。
「あいつの好みはな、背が高くて」
「背が高くて……そうですか」
ーー美代は結構柔らかそうだしな、これも入れとくか。
「筋肉隆々な」
「え? 筋肉隆々?」
ーー美代は完全にアジア顔だからな。
「そうだ。それで、ああ、外国人みたいな顔立ちの……」
「ハーフっぽい顔立ちがいいんですかねーっ」
ーーこれだけだと、まだ希望を持ってしまうな。何か決定打が必要だな、ああ、そうだ。
「男だ!!」
「お、男??」
美代が驚いて固まっている。
蓮司は、どうだと言わんばかりの顔をしている。でも、歩美の為に聞いた質問だったが、えらい方向に話がながれて、トンデモない真実を聞かさせた。美代はなんて言葉を言っていいかわからない!!
だって、その真田さんの好みの人って!!
か、会長!!
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