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幕下力士 七瀬の男気
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今朝、学校の準備をしていた時に、昨日の洋服を整理していたら、そういえば変な名刺が入っていたと思い出した。
それを今朝、学校に行く時によく見ないで、カバンに入れといておく。
昨晩の失態で、目覚めたときに、昨日の晩のままの格好だったから、ちょっと驚いた。
いつもだったら、きっと蓮司に全部脱がされているのに、あの晩、きっとそのまま寝かせてくれたんだと思った。
蓮司が自分に気をつかっているのだろうか?
それとも激怒しているのだろうか?
不安がよぎったが、先ほどの朝食時の彼のキスと、なぜかあの膝だっこ朝食プレイをやらされて、やっぱり全然怒っていなかもっと美代は感じた。
いや、でもやっぱり怒ってた?
思考が回転する。
伊勢崎さんの車で先に学校に送ってもらう。蓮司会長や真田さんよりも早く出ることになったからだ。
歩美ちゃんが、後ろからやってくる長谷川チームの車に気がついて、ため息をついている。
「あーあ、あんたもこういう生活を強いられる様になっちゃったのね。同情するわ」
「え? そう、なんだかみんなに申し訳ない気持ちだよ。でも、あれ、なんだか歩美ちゃんも、もしかして、こういう経験あるの?」
一瞬どきっとした歩美がなぜかちょっと言葉を濁している。
「え、そんなことあるわけないじゃんっ。ああでも、今朝は参ったわ。あの蓮司のラブバカ攻撃。もうあんたの恋人じゃなかったら、もっとコテンパンにやっていたわよ!」
歩美がまた怒り出していた。
恋人って言葉にどきっとするが、いつもの歩美を横目でみて、なぜか美代は安心する。
会長という人物を色眼鏡で見る人が多いのだが、歩美ちゃんのように、普通の人間として、いや、どっちかっていうと、歩美的には変態御曹司という言葉がふさわしいのかもしれないけど、そうやって接してくれるのが嬉しかった。
自分も彼に特別な感情を見つけるまでは、歩美の様に強い意思で動けていたのに、最近は、彼の動作や目線でドキドキする自分がいる。
本当に非常にやばい。
今日もあの膝上抱っこで、彼の視線が受け止められなかった。
心臓がばくばくしてしまい、囁かれると胸の奥がきゅーーーんと痛くなる。
正直、病気なのかもしれないとまで思う。
こ、こんな一緒にいて吐き気がするぐらいに緊張して、ドキドキしちゃうなんて、もしかしたら、結婚なんて無理かもしれないとまで美代は思ってきた。
あ、そういえば、あの紙切れを思い出したが、いまは学校にいって、さきほど食べ損ねたパン(さっきダイニングを出てくるときにちょうだいしてきた)と食べようと思った。
美代は、歩美とちょっと早めについた学校のカフェテリアで、大原家から頂戴してきたパンと買ってきたお茶で、二人で楽しみ始める。
そこへ久しぶりにあったように七瀬くんがやってくる。
「お! 総裁夫人! 久しぶり!」
「なっ、なにを言うのよ!七瀬くん。結婚してないわよ!」
美代が咥えていたクロワッサンが落ちそうになる。
「え? そうなの? 昨日の昼さ、なんか黒服の人が土屋歩美さんの学科の教室とか調べたから、教えてあげたんだけどさ、『美代様はハネムーンの為、しばらく学校を休学します』っていうから、もうてっきり入籍でもしているのかと思ったよ。でも、え? なんでお前ここにいるの?」
「だ、だから! 休学しないって!」
「まじ!! 俺、もうお前のことは諦めてきたんだよ。どう考えてもお前の彼氏、すご過ぎっていうか、やり過ぎっていうか、普通じゃないだろ?」
普通じゃないってところに激しく同意してしまう自分がいる。
「ああ、七瀬くん。朝からちょっと静かにしてよ。まだこの子は結婚してないわよ。されそうになったけど、まあ死守したのよ。偉いわ」
「お、珍しいじゃん。歩美! お前、いつも寮からぎりぎりなのに、こんな早い時間から来て。でもさ、何それ、日本語おかしくねぇ? どうやって結婚されそうになるんだよ。あれはお互いの同意がないとできないだろ?」
なぜかしゅんとしている美代がいる。
歩美と七瀬が美代を見つめる。
(なんだ? この可愛らしい生き物? あの美代が恋愛で落ち込んでんのか? スッゲーかわいいな!)
そんな七瀬の心の声が聞こえたかのように、歩美がボコンと七瀬の頭を叩いた。
「な、なんだよ!! 急に!」
「少年よ。振り出しにもどるな! お前は敗退したんだから、潔く去るか友達として支えるかどっちかの道しかないぞ!」
歩美がじっと七瀬を見つめた。
「うっ、わかってるよ。もうあの白石先生の事件から俺は腹を決めたんだ。美代のいい友達になるって」
「え? 七瀬くん」
「お、七瀬、男になってきたじゃん!」
「だって、お前、もし本当にさ、あいつとこれから付き合って、まあ婚約とかするだろ? あ、もうしていたか。でも、これから、きっとお金目的とか、権力目的とかで、お前に近づくやつが増えてくるかもしれない。そんなとき、まあこの歩美もきっとそうだけど、土屋美代って、そのままの人間が好きな友達がいるって、すげーことだと思うんだ。お前が、明日、会長に振られても、変わらず友達でいてやるよ!」
「な、七瀬くん!!!」
「すげーーー、なんだよ。その成長ぶり! まるで幕下力士がみんなの予想を裏切って、横綱と勝負できるぐらい急成長したようだな!」
「歩美ちゃん、お相撲も好きだったね」
歩美のオタク的なナイスなツッコミと、七瀬の男気を出した言葉に、美代は大いに励まされた。
みんなすごい!
七瀬くんもなんだかすごい逞しくなったというか、男らしくなった。
自分も変わりたい!
そう感じた。
「みんなに相談があるの!」
美代が歩美と七瀬に声をあげた。
それを今朝、学校に行く時によく見ないで、カバンに入れといておく。
昨晩の失態で、目覚めたときに、昨日の晩のままの格好だったから、ちょっと驚いた。
いつもだったら、きっと蓮司に全部脱がされているのに、あの晩、きっとそのまま寝かせてくれたんだと思った。
蓮司が自分に気をつかっているのだろうか?
それとも激怒しているのだろうか?
不安がよぎったが、先ほどの朝食時の彼のキスと、なぜかあの膝だっこ朝食プレイをやらされて、やっぱり全然怒っていなかもっと美代は感じた。
いや、でもやっぱり怒ってた?
思考が回転する。
伊勢崎さんの車で先に学校に送ってもらう。蓮司会長や真田さんよりも早く出ることになったからだ。
歩美ちゃんが、後ろからやってくる長谷川チームの車に気がついて、ため息をついている。
「あーあ、あんたもこういう生活を強いられる様になっちゃったのね。同情するわ」
「え? そう、なんだかみんなに申し訳ない気持ちだよ。でも、あれ、なんだか歩美ちゃんも、もしかして、こういう経験あるの?」
一瞬どきっとした歩美がなぜかちょっと言葉を濁している。
「え、そんなことあるわけないじゃんっ。ああでも、今朝は参ったわ。あの蓮司のラブバカ攻撃。もうあんたの恋人じゃなかったら、もっとコテンパンにやっていたわよ!」
歩美がまた怒り出していた。
恋人って言葉にどきっとするが、いつもの歩美を横目でみて、なぜか美代は安心する。
会長という人物を色眼鏡で見る人が多いのだが、歩美ちゃんのように、普通の人間として、いや、どっちかっていうと、歩美的には変態御曹司という言葉がふさわしいのかもしれないけど、そうやって接してくれるのが嬉しかった。
自分も彼に特別な感情を見つけるまでは、歩美の様に強い意思で動けていたのに、最近は、彼の動作や目線でドキドキする自分がいる。
本当に非常にやばい。
今日もあの膝上抱っこで、彼の視線が受け止められなかった。
心臓がばくばくしてしまい、囁かれると胸の奥がきゅーーーんと痛くなる。
正直、病気なのかもしれないとまで思う。
こ、こんな一緒にいて吐き気がするぐらいに緊張して、ドキドキしちゃうなんて、もしかしたら、結婚なんて無理かもしれないとまで美代は思ってきた。
あ、そういえば、あの紙切れを思い出したが、いまは学校にいって、さきほど食べ損ねたパン(さっきダイニングを出てくるときにちょうだいしてきた)と食べようと思った。
美代は、歩美とちょっと早めについた学校のカフェテリアで、大原家から頂戴してきたパンと買ってきたお茶で、二人で楽しみ始める。
そこへ久しぶりにあったように七瀬くんがやってくる。
「お! 総裁夫人! 久しぶり!」
「なっ、なにを言うのよ!七瀬くん。結婚してないわよ!」
美代が咥えていたクロワッサンが落ちそうになる。
「え? そうなの? 昨日の昼さ、なんか黒服の人が土屋歩美さんの学科の教室とか調べたから、教えてあげたんだけどさ、『美代様はハネムーンの為、しばらく学校を休学します』っていうから、もうてっきり入籍でもしているのかと思ったよ。でも、え? なんでお前ここにいるの?」
「だ、だから! 休学しないって!」
「まじ!! 俺、もうお前のことは諦めてきたんだよ。どう考えてもお前の彼氏、すご過ぎっていうか、やり過ぎっていうか、普通じゃないだろ?」
普通じゃないってところに激しく同意してしまう自分がいる。
「ああ、七瀬くん。朝からちょっと静かにしてよ。まだこの子は結婚してないわよ。されそうになったけど、まあ死守したのよ。偉いわ」
「お、珍しいじゃん。歩美! お前、いつも寮からぎりぎりなのに、こんな早い時間から来て。でもさ、何それ、日本語おかしくねぇ? どうやって結婚されそうになるんだよ。あれはお互いの同意がないとできないだろ?」
なぜかしゅんとしている美代がいる。
歩美と七瀬が美代を見つめる。
(なんだ? この可愛らしい生き物? あの美代が恋愛で落ち込んでんのか? スッゲーかわいいな!)
そんな七瀬の心の声が聞こえたかのように、歩美がボコンと七瀬の頭を叩いた。
「な、なんだよ!! 急に!」
「少年よ。振り出しにもどるな! お前は敗退したんだから、潔く去るか友達として支えるかどっちかの道しかないぞ!」
歩美がじっと七瀬を見つめた。
「うっ、わかってるよ。もうあの白石先生の事件から俺は腹を決めたんだ。美代のいい友達になるって」
「え? 七瀬くん」
「お、七瀬、男になってきたじゃん!」
「だって、お前、もし本当にさ、あいつとこれから付き合って、まあ婚約とかするだろ? あ、もうしていたか。でも、これから、きっとお金目的とか、権力目的とかで、お前に近づくやつが増えてくるかもしれない。そんなとき、まあこの歩美もきっとそうだけど、土屋美代って、そのままの人間が好きな友達がいるって、すげーことだと思うんだ。お前が、明日、会長に振られても、変わらず友達でいてやるよ!」
「な、七瀬くん!!!」
「すげーーー、なんだよ。その成長ぶり! まるで幕下力士がみんなの予想を裏切って、横綱と勝負できるぐらい急成長したようだな!」
「歩美ちゃん、お相撲も好きだったね」
歩美のオタク的なナイスなツッコミと、七瀬の男気を出した言葉に、美代は大いに励まされた。
みんなすごい!
七瀬くんもなんだかすごい逞しくなったというか、男らしくなった。
自分も変わりたい!
そう感じた。
「みんなに相談があるの!」
美代が歩美と七瀬に声をあげた。
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