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7話
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Side 唯斗
ふと、目を覚ませばあるはずのない温もりに驚いたが、あぁと納得する。いつになくすっきりとした気分だ。
自分の中の発情が少しだけ抑えられてる気がする。
「たい、がぁ」
声を出したら喉がカラカラで声が掠れた。
「起きたか。って、随分と声が嗄れたな」
苦笑を浮かべつつもしっかりと水分を用意して渡してくるところがさすがだ。俺は大我が用意してくれた水をもらい飲んだ。よっぽど喉が渇いていたのかコップの水を全部飲んでしまった。
「まだいるか?」
コップの中身を見て聞いてくるが
「いや、今はいい」
今ので十分潤ったからいらない。俺の手からコップを取り上げるとテーブルの上に置いた大我の背に服の上からでもわかるぐらいの赤い筋ができていた。
「あ…大我…背中…」
言いかけて言葉に困った。なんと言っていいのかと…。
「ん?あぁ痛くないから大丈夫だ」
何を言いたかったのかわかったのか大我は俺の頭をクシャリと撫でる。その行動にドキリと心臓がはねた。
マジか…。
自分がなぜ神尾大我にこだわっていたのかがわかった気がする。大我が俺に優しくしてくるから、俺が甘えれば甘えさせてくれるから…いつしかその優しさがないと寂しいと思うほどに好きになっていたのだ。
だけど…大我は俺には興味がない。だから俺がどんなに発情して誘ってもちゃんと相手してはくれないんだ。
「俺は学校に行くけど一人で大丈夫か?」
自分の考えにのめり込んでいた俺は大我のその言葉に驚いて顔を上げる。
「一度、自分の部屋に戻りたいし、校医に呼び出されているから行きたいんだが、大丈夫か?」
苦笑を浮かべながら説明をしてくれた。
「…じゃない…」
「ん?」
俺の呟きが聞き取れえず大我が聞き返してきた。
「…大丈夫じゃない…だけどおいて行くんだろ…」
大丈夫じゃないし、本当はもっと傍にいてほしいと思う。でも…
この男を休ませるわけにはいかないんだ。
「そうだな。俺は行く。だから…」
小さく笑いながらも俺を置いていくとはっきりという大我。
「ちゃんと戻ってきてやるから大人しく待ってろ唯斗」
頭を撫でながら言われた言葉。
反則だろ?こういう時に名前を呼ぶなんて。
名前を呼ばれて大人しく待ってろと言われたら素直に頷くしかないじゃないか。
俺は不満げな顔をして渋々、頷いた。
大我の言葉は俺がまだ甘えたいと訴えてるのをわかってるからこその言葉だ。
「そんな不細工な顔をするなよ。ちゃんと戻ってくるから待ってろ。じゃぁ行くからな」
苦笑を浮かべながらも俺を撫でていこうとする大我の手を掴んだ。
「どうした?」
俺の行動に驚きながらも声をかけてくれるのはこの男の優しさだ。
「…キス…行く前にキスしてくれたら…大人しく待ってる…」
我ながらなんてことを言ってるんだとか思うけど、キスしてほしいと思った。
発情中の時はやっぱり大我とキスがしたい。
いや、神尾大我だからこそキスがしたいし、抱かれてもいいと思ったんだ。
「しょうがねぇなぁ」
なんて呆れながらも大我は俺にキスをしてくれた。
「じゃぁ、ちゃんと大人しく待ってろよ」
大我は俺の頭を撫でて本当に置いていった。
「…ズルい男だ…優しさだけ与えて…」
付き合ってるわけでもないし、恋人でもない関係。それなのにあいつは俺に優しさをくれる。
その優しさが怖いと思うときもある。
「あの男にちゃんとした相手がいるのかどうなのか。いたら…俺はこれ以上はあいつに甘えれなくなるのか…」
色々と考えこんでしまった。考えこんだから俺は考えるのをやめた。
発情の症状が落ち着ている今のうちに風呂に入りたいと思った。日中はまだ比較的、発情は落ち着いていてくれている。夜になれば酷くなるが…。
大我がちゃんとキレイにしてくれてはいるけれど湯船に浸かりたいと思ったんだ。
俺はそれを実行するために準備を始めた。
俺はお湯に浸かって後悔した。
それはもう見事に後悔したさ。
湯船に浸かってふと自分の肩口にある赤い痣を見つけて
「なんだこれ?」
って呟きながら鏡で確認してビックリした。
肩口にはっきりとした濃い赤い痕。それ以外にも薄い痕が腕とか胸元とか数か所あって顔が赤くなった。
それだけならまだよかったんだけどなぁ…。
「…っ…大我の…バカぁ…」
初めて大我につけられた痕。
それは初めて大我が発情した俺に反応したという証。驚きもあったが喜びのが強かった。
キスを強請ればキスしてくれる。抱いてと言えばダメだと言いながらも相手をしてくれる。そんな大我が自分の知らないところで、こんな痕を残してたら驚きもするし素直に嬉しい。
嬉しいんだが…後悔した。
「…はぁ…大我の…バカぁ…」
痕を見つけてしまったばっかりに昨夜の出来事を思い出し身体が反応してしまった。
日中はわりと治まってると言えど今は発情期の最中。抑えられるわけがない。我慢できるわけがない。
俺はその場にへたり込み、またしても自慰行為に走る羽目になったのだった。
ふと、目を覚ませばあるはずのない温もりに驚いたが、あぁと納得する。いつになくすっきりとした気分だ。
自分の中の発情が少しだけ抑えられてる気がする。
「たい、がぁ」
声を出したら喉がカラカラで声が掠れた。
「起きたか。って、随分と声が嗄れたな」
苦笑を浮かべつつもしっかりと水分を用意して渡してくるところがさすがだ。俺は大我が用意してくれた水をもらい飲んだ。よっぽど喉が渇いていたのかコップの水を全部飲んでしまった。
「まだいるか?」
コップの中身を見て聞いてくるが
「いや、今はいい」
今ので十分潤ったからいらない。俺の手からコップを取り上げるとテーブルの上に置いた大我の背に服の上からでもわかるぐらいの赤い筋ができていた。
「あ…大我…背中…」
言いかけて言葉に困った。なんと言っていいのかと…。
「ん?あぁ痛くないから大丈夫だ」
何を言いたかったのかわかったのか大我は俺の頭をクシャリと撫でる。その行動にドキリと心臓がはねた。
マジか…。
自分がなぜ神尾大我にこだわっていたのかがわかった気がする。大我が俺に優しくしてくるから、俺が甘えれば甘えさせてくれるから…いつしかその優しさがないと寂しいと思うほどに好きになっていたのだ。
だけど…大我は俺には興味がない。だから俺がどんなに発情して誘ってもちゃんと相手してはくれないんだ。
「俺は学校に行くけど一人で大丈夫か?」
自分の考えにのめり込んでいた俺は大我のその言葉に驚いて顔を上げる。
「一度、自分の部屋に戻りたいし、校医に呼び出されているから行きたいんだが、大丈夫か?」
苦笑を浮かべながら説明をしてくれた。
「…じゃない…」
「ん?」
俺の呟きが聞き取れえず大我が聞き返してきた。
「…大丈夫じゃない…だけどおいて行くんだろ…」
大丈夫じゃないし、本当はもっと傍にいてほしいと思う。でも…
この男を休ませるわけにはいかないんだ。
「そうだな。俺は行く。だから…」
小さく笑いながらも俺を置いていくとはっきりという大我。
「ちゃんと戻ってきてやるから大人しく待ってろ唯斗」
頭を撫でながら言われた言葉。
反則だろ?こういう時に名前を呼ぶなんて。
名前を呼ばれて大人しく待ってろと言われたら素直に頷くしかないじゃないか。
俺は不満げな顔をして渋々、頷いた。
大我の言葉は俺がまだ甘えたいと訴えてるのをわかってるからこその言葉だ。
「そんな不細工な顔をするなよ。ちゃんと戻ってくるから待ってろ。じゃぁ行くからな」
苦笑を浮かべながらも俺を撫でていこうとする大我の手を掴んだ。
「どうした?」
俺の行動に驚きながらも声をかけてくれるのはこの男の優しさだ。
「…キス…行く前にキスしてくれたら…大人しく待ってる…」
我ながらなんてことを言ってるんだとか思うけど、キスしてほしいと思った。
発情中の時はやっぱり大我とキスがしたい。
いや、神尾大我だからこそキスがしたいし、抱かれてもいいと思ったんだ。
「しょうがねぇなぁ」
なんて呆れながらも大我は俺にキスをしてくれた。
「じゃぁ、ちゃんと大人しく待ってろよ」
大我は俺の頭を撫でて本当に置いていった。
「…ズルい男だ…優しさだけ与えて…」
付き合ってるわけでもないし、恋人でもない関係。それなのにあいつは俺に優しさをくれる。
その優しさが怖いと思うときもある。
「あの男にちゃんとした相手がいるのかどうなのか。いたら…俺はこれ以上はあいつに甘えれなくなるのか…」
色々と考えこんでしまった。考えこんだから俺は考えるのをやめた。
発情の症状が落ち着ている今のうちに風呂に入りたいと思った。日中はまだ比較的、発情は落ち着いていてくれている。夜になれば酷くなるが…。
大我がちゃんとキレイにしてくれてはいるけれど湯船に浸かりたいと思ったんだ。
俺はそれを実行するために準備を始めた。
俺はお湯に浸かって後悔した。
それはもう見事に後悔したさ。
湯船に浸かってふと自分の肩口にある赤い痣を見つけて
「なんだこれ?」
って呟きながら鏡で確認してビックリした。
肩口にはっきりとした濃い赤い痕。それ以外にも薄い痕が腕とか胸元とか数か所あって顔が赤くなった。
それだけならまだよかったんだけどなぁ…。
「…っ…大我の…バカぁ…」
初めて大我につけられた痕。
それは初めて大我が発情した俺に反応したという証。驚きもあったが喜びのが強かった。
キスを強請ればキスしてくれる。抱いてと言えばダメだと言いながらも相手をしてくれる。そんな大我が自分の知らないところで、こんな痕を残してたら驚きもするし素直に嬉しい。
嬉しいんだが…後悔した。
「…はぁ…大我の…バカぁ…」
痕を見つけてしまったばっかりに昨夜の出来事を思い出し身体が反応してしまった。
日中はわりと治まってると言えど今は発情期の最中。抑えられるわけがない。我慢できるわけがない。
俺はその場にへたり込み、またしても自慰行為に走る羽目になったのだった。
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