会長様を手に入れたい

槇瀬陽翔

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6話

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side 大我

自分の欲を処理して、シャワーを浴びて聖の元に戻ろうとして固まった。

まさか俺の名を口にして自慰行為に走ってるなんて誰が予想するかよ!

『ん、ぁ、たい、がぁ、ぁ、たいがぁ』

俺を呼ぶ声は震えている。

何を思ってしてるのか?

発情期の最中だからそういう行為に走るのは別におかしくはない。現にさっきだって俺がやったようなもんだしな。
だが、そこでなぜ俺の名が出るかだ。


あいつが第2の性に目覚めたとき、自棄になったことがある。自分がオメガだったと知りショックだったんだろう。俺みたいに第2の性に関心がないヤツならあっそうかふ~ん程度で済ませれたかもしれない問題だ。だが、あいつはそれがショックだったんだろう。
初めて発情した時から自棄になり、発情したままの状態で校内を出歩こうとしていた。自分がどうでもよくなったんだろう。

発情したオメガがフラフラ出歩けばどれだけ危険なのかということを校医と一緒に説明して、納得させた。
納得させるといってもあいつは自棄になってるから目を離したすきにふらっといなくなったこともある。
それでも、なんでか俺にはあいつのフェロモンの香りが離れた場所からでもわかり、いなくなる度に捕獲をしに行った。

捕まえても捕まえても逃げ出すあいつを俺は見るに見かねて、発情してる間だけ傍にいることを選んだ。
傍にいて、あいつの話を聞き、キスをしたがるあいつにキスをしてやった。

あぁ、これが原因か。

あいつが発情期になると俺に必要以上に甘えるようになったのは俺が傍にいて甘やかしたからか。

正直、覚醒した時からずっと俺が傍にいるから刷り込みかとも思わなくもないが、最近の聖は甘えが酷くなった気がする。

それだけじゃない。抑制薬が微妙に効かなくなってきてる気がする。これは校医も同じことを感じたようで、補助薬を頻繁にくれるようになった。
渡すタイミングや量は完全に俺任せだが。

部屋の中に充満するフェロモンの香りはさっきよりも強く、濃くなった気がする。

こんな状況下でよくまぁあいつを観察できるなと我ながらに思う。
自分にとってあいつのフェロモンが毒になるとわかっているのに、こうして傍にいるのはなぜなのか?

考えないわけでもない。

ただ、考えれば考えるほど答えがわからなくなる。

保護欲なのか、気まぐれなのか、それとも、もっと別な感情なのか、それがわからないでいた。

手放したくないと思う感情はある。それが恋愛感情でなのかと聞かれればわからない。
だが、あいつが誰かのモノになるのはもっと気に入らない。

悩みに悩んですとんと心の中に落ちてくる言葉は『好き』という言葉だった。
だが、これを本当にあいつに当てはめていいのかと悩む。

だから結局、俺は何の行動にも出さず、ただあいつを見守るという選択をした。

何度目かの自慰行為の後でついに聖が泣き始めた。

俺がいないのと、俺がちゃんと相手をしないことへの不満が涙となって出たのだろう。
このまま出ていけば少しは聖の気持ちも落ち着くとわかってはいるが躊躇う。

出て行ってどうするのか?と

余計に寂しくさせるんじゃないのか?と

あいつが自分を必要以上に欲してるのをわかっているからこその躊躇い。

だが、泣いているあいつをそのままにしとけないのも事実。

俺は盛大に溜め息をつき、自分の理性が壊れないように、暴走しないためにいつも持ち歩いている自分用の薬を取り出し飲み干した。

あいつを抱くことはしない。抱くことはしないが、あいつが納得する形で付き合うためには自分用の薬を飲む必要があった。でなければさっきよりも濃くなったフェロモンに自分自身が抗えないからだ。
あいつに酷いことをしたいわけじゃないからな。

俺は着たばっかりの制服の上着をその場に脱ぎ捨てて、聖の傍に行くことに決めた。

「っ、たい、がぁ、なんで、いない、んだよぉ」
傍によれば泣いたまま不満を口にしてる姿に苦笑が浮かぶ。

「誰もいないとは言ってないんだが?」
そっと俯いてる頭を撫でれば驚き、勢い良く俺の方を振り返る。
「なん、で、帰った、んじゃ」
「帰ってよかったのか?」
聖の問いを問で返せば勢いよく抱き着いてきた。それこそ後ろに倒れるんじゃないかってぐらいに…。
「たい、が、大我、大我、俺、ほしぃ、大我に、してほしぃ」
こいつにしては珍しく、自分の気持ちを前面に押し出していた。
「それは…できないな…抱くことは…んっ…」
抱くことはできないと言おうとした瞬間に俺は聖にキスをされ言葉を遮られた。

はぁ、まったくこいつは…

俺は内心で溜め息をつき聖の頭を逃がさないように抑え込み、そのまま舌をねじ込み、咥内を好き勝手に犯していく。歯列をなぞり、聖の舌を吸い付き甘噛みしてやる。
「んっ、ふぅぁ、ん、ぁ」
キスに気を取られてるすきに身体に手を滑らせ胸を弄ればピクリと揺れる。
腰を抱き寄せ、聖のモノに手を伸ばし包み込むように握り動かせば聖の手が背中に回され服を掴む。
唇を開放し首筋に小さなキスを落としながら下へ降りてきて、ふと目に留まった痕。さっき自分でつけた薄紅色の痕。そこに唇を寄せさらにキツク吸い付いた。
さっきよりもはっきりと赤くなったそれ。口角が上がったのが自分でもわかる。それにキスをして今度は違う場所に吸い付く。さっきよりも薄い痕。この男が正気に戻った時の反応が楽しみだ。なんて思うのはやっぱり自分も相当ヤバい状況だったんだろう。
キスを落としながらずっと存在をアピールしているピンク色をした乳首にキスをしてベロンって舐めれば
「んぁぁ、ぁ、やぁん」
予想以上の反応が返ってくる。
「なら、やめるか?」
なんて意地悪したくなった。
「んんー、やだ、たい、がぁ」
俺が離れていかないように頭を抱きしめてくる。頭を抱え込まれ移動できなくなったから、そのまま吸い付き舌で舐めまわしながら聖のモノを握ってる手を強弱付けながら動かしていく。
「んっ、ぁ、ぁ、やぁ、ん、ぁ、たい、がぁ」
抱き締める腕に力が入り少し苦しいな。だが、そんなことよりもこの男をいかせるのが優先だし、自分が自我を保ってる間に何とかしないと、色々とヤバいことになる。
「ん、ぁ、たぃ、がぁ、ほしぃ、ぁ、たいが、がぁ、ほしぃ、ぁ」
両方一緒に弄っていれば我慢できずに告げてくる。
「ダメだ」
俺の意思は変わらない。このままの勢いで抱くつもりはない。聖がどれだけ懇願しようがそれだけは叶えてやるつもりはない。
「んっ、たい、がぁ、どぉ、してぇ、ぁ、ん、ぁ」
ポロリと雫が流れ落ちる。こんな状況でも俺が反応しないことが辛いのか涙を流した。
「こっちのも事情ってのがあるんだよ。だから今はこれで我慢しろ」
今はまだ抱くことはできない。自分の気持ちもはっきりしてない状態で、抱いて傷つけたくはない。そんな思いが強い。なんだかんだといっても俺自身この男を傷つけたくないのと、大事にしてやりたいのだ。
だから、この男のことを見守ってるし、甘やかしてる。如何せん、自分の理性と戦う回数が増えてきて正直しんどいけどな。

「んー、んー」
不満げに首を振る聖にキスを仕掛けぷっつりと指を欲しがってる中へと入れた。
「っ、ぁぁ、たい、がぁ、ぁ」
驚きと、指でも入れてもらえたことへの喜びかさっきよりもトロンとした顔になる。
ダメだと言われた手前ここまでしてもらえると思わなかったんだろう。
「これでも、気持ちいいんだろ?」
前も後ろも一緒に弄りながら聞けば
「ぁ、ぁぁ、いぃ、ん、ぁ、たい、がぁ、きもちぃ、ぁぁ、ぁ」
コクコクと何度も頷く。溢れかえるフェロモンはますます濃くなり正直キツイ。が、自分で決めたことを撤回するつもりはない。
「ひゃぁ、ぁ、ぁ、ん、ぁ、たぃ、ぁ、だめっ、ぁ」
前も後ろも弄られ、胸まで攻めていけば背中に爪を立てる。
「ダメじゃないだろ?いいの間違いだろ」
わかってて聞く俺もどうかと思う。
「っ、ぁ、ぁ、たぃ、ぁぁ、やぁ、もぉ、ぁぁ、ぅん、ぁぁ」
攻める手を止めることなく聖が感じる場所を攻めていけば、いきすぎる快楽に首を振りながらもいきそうだと訴えてくる。
「唯斗、いいからいけ」
普段、呼ばない名を口にすれば
「ぁ、ぁ、たいがぁ、たぃ、ぁ」
嬉しそうに笑いキスをしてくる。この男のこういう顔を見るのは好きだ。俺の言葉で嬉しそうに笑うのも好きだ。だからこそ、今はまだ先に進めない。この男自身が自分の気持ちと向き合うまでは…。

「ぁ、ぁ、たぃ、がぁ、ぁぁ、いくっ、ぁ、ぁぁぁ、っっ」
俺の頭を抱きしめ再びいった。力の抜けた身体がずるりと崩れ落ちてくる。それを受け止め顔を覗き込めばふにゃって効果音が付きそうな笑みを浮かべる。
「少し休め。一緒にいてやるし、身体もキレイにしといてやる」
そっと頭を撫でれば素直に頷きそっと目を閉じた。

はぁ…。また自分で慰めないといけないとか…勘弁してくれ…

俺はしばらくの間、聖を抱きしめたままその場に座り込んでいた。

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