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14話
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「ねぇ、神尾くん。聖くんと二人で話がしたいんだけどいいかな?」
校医が突然そんなことを言い出した。
「いいっすよ。聖、後でちゃんと迎えに来るからちゃんと待ってろよ」
大我はあっさりという。
「30分したら迎えに来てあげてねぇ」
なんてのんびりな言葉。
「わかりました。また後でな」
大我は俺の頭を撫でてて部屋を出ていった。
二人っきりになった部屋はシンとしていた。
「さて、神尾くんがいるとちゃんと話せないかなって思って彼には退場してもらったんだけど…」
急に真面目な顔をする校医に顔が強張る。
「そんな顔しないでよぉ。ちょっと本気で話がしたかっただけだよ。君自身のことをね」
「は…はぁ…」
今までのんびりとしてた人が急に真面目になればこっちも身構えると思うんだけど…。
「聖くんは自分のことをどう思ってるのかなって…自分の性のことどう思ってるのかなって…」
校医のその言葉に俺は返事が出来なかった。
「じゃぁ、質問を変えるね。神尾くんとどうなりたいのかな?」
いきなり核心をついてくるこの人は何を考えてるんだろう。
「…俺は…今回の発情で気が付いたんです。大我になら抱かれてもいいし、孕まされてもいいって…でもそれと同時に…あいつは俺のこと興味ないんだって思って…」
素直に本当の気持ちを告げれば、ふわりと頭を撫でられた。
「神尾くんが反応を示さないのがそんなに辛い?」
その言葉にコクリと素直に頷く。
「そっか、でも…神尾くんや聖くんにちゃんとした番になる存在がいるって考えたことはないの?」
その言葉に驚き下を向いた。
「…わかってます…あいつが俺に反応しないのはそういう存在が別にいるんじゃないかって…ずっと考えてました。でも…俺はあいつのことが好きだって…気付いたんです…」
足の上でギュッと握りしめた手をそっと校医が包み込んでくれる。驚いて顔を上げれば
「神尾くんが聖くんに反応しない理由はね、神尾くん自身が聖くんを壊さないためなんだって」
そう教えてくれる。
「えっ?俺を壊さないため?」
意味が分からない。
「うん、理由はわからないけどね。彼は君を守りたいんだって。それだけ君は彼に大事にされてるってことだよ」
校医の言葉にどう返事をしていいのか考えてしまう。
「それによく考えてみてごらんよ。発情してる相手なら誰でもいいっていうタイプじゃないでしょ彼。なんだかんだ文句言いつつも聖くんのこと相手にしてるし」
校医の言葉にコクリと頷く。
確かにあいつは周りでどれだけ発情した相手がいても淡々としてるし、反応一つしない。第2の性が覚醒してないんじゃないかって思うぐらいに…。
「あぁ、彼はちゃんと覚醒してるみたいだよ。どの属性かは教えてくれないけどね」
顔に出てたのか校医が教えてくれる。
「先生も知らないんですかあいつの第2の性のこと」
以外なんだけど。
「ん?うん。聞いてもね答えてくれないからね。だから余計に謎になるんだろうね」
ふふふと笑う校医はどこか悪戯っ子のように見えた。
「でも…俺はあいつにとっては迷惑じゃないんでしょうか?」
こんなことこの人に聞いても仕方がないと思うんだ。
「迷惑なら君にずっと付き合わないと思うよ。神尾くんはそういう所はハッキリしてるし、自分に不利になることはしないからね」
その言葉に確かにそうだと納得する自分がいる。
あいつは、迷惑なときはハッキリと断るし、自分にとって無駄だと思うよなことはキッパリと切り捨てる。そういうところはしっかりとしてるのだ。
「聖くんはさぁ、もう少し自信持ったらいいと思うよ」
「どういう意味ですか?」
校医の言葉の意味が分からない。
「神尾くんが言った言葉、発情した君を前にしてギリギリ精一杯ってこと。あれ、彼の本音だよ」
笑みを含んだ言葉に驚く。
「えっ?そうなんですか?」
信じられなくて聞き返せば
「うん。だって…今まで彼はこんな痕を君につけなかったもんね」
にっこりと微笑んでギリギリ服で見え隠れしてる俺の首元を突く。
「えっ?えぇぇー!!!」
俺が驚いてその場所を押さえれば
「あー、今回も覚えてなかったんだね。あの子も言わないからね」
クスクスと笑う。
「えっと…先生はどこまで知ってるんですか?」
そこだけはちゃんと確認したい。
「どこまでって…発情期に入ると聖くんは神尾くんに甘えまくって疲れて記憶が飛ぶってことかな」
「えぇぇ!!」
それって…
「もしかして…大我が話したんですか?」
俺の知らないところでそんな話をしてるんだろうか?
「あぁ、やったかやらないかは僕が聞くから答えてくれるけどそれ以外は教えてくれないよ」
校医のあっけらかんとした言葉に胸を撫で下ろす。よかったと。
「教えなくても聞きたがるでしょうあなたは…」
急にそんな声がして驚いて声のした方を見れば大我が戻ってきた。
「おや、もう30分経ったのかい?早いなぁ、聖くんから色々と聞き出そうと思ったのに残念だぁ」
決して残念そうに見えないのは気のせいだろうか?
「あまりここに長居するのも聖にも悪いし、先生には新しい仕事ができたんで戻ってきたんですよ」
大我のその言葉に
「第2の性の覚醒の子か…。場所はいつもの場所だね。じゃぁ、聖くん一応、明日まで様子見で休んでね。それと、アレが近いから用心してね」
校医はさっさと出て行ってしまった。
「聖、戻ろう」
大我の言葉に頷き、俺たちも借りてる部屋に戻ることにした。
聞きたいことが山のようにできたけど…
きっと大我は答えてくれないかもな…
校医が突然そんなことを言い出した。
「いいっすよ。聖、後でちゃんと迎えに来るからちゃんと待ってろよ」
大我はあっさりという。
「30分したら迎えに来てあげてねぇ」
なんてのんびりな言葉。
「わかりました。また後でな」
大我は俺の頭を撫でてて部屋を出ていった。
二人っきりになった部屋はシンとしていた。
「さて、神尾くんがいるとちゃんと話せないかなって思って彼には退場してもらったんだけど…」
急に真面目な顔をする校医に顔が強張る。
「そんな顔しないでよぉ。ちょっと本気で話がしたかっただけだよ。君自身のことをね」
「は…はぁ…」
今までのんびりとしてた人が急に真面目になればこっちも身構えると思うんだけど…。
「聖くんは自分のことをどう思ってるのかなって…自分の性のことどう思ってるのかなって…」
校医のその言葉に俺は返事が出来なかった。
「じゃぁ、質問を変えるね。神尾くんとどうなりたいのかな?」
いきなり核心をついてくるこの人は何を考えてるんだろう。
「…俺は…今回の発情で気が付いたんです。大我になら抱かれてもいいし、孕まされてもいいって…でもそれと同時に…あいつは俺のこと興味ないんだって思って…」
素直に本当の気持ちを告げれば、ふわりと頭を撫でられた。
「神尾くんが反応を示さないのがそんなに辛い?」
その言葉にコクリと素直に頷く。
「そっか、でも…神尾くんや聖くんにちゃんとした番になる存在がいるって考えたことはないの?」
その言葉に驚き下を向いた。
「…わかってます…あいつが俺に反応しないのはそういう存在が別にいるんじゃないかって…ずっと考えてました。でも…俺はあいつのことが好きだって…気付いたんです…」
足の上でギュッと握りしめた手をそっと校医が包み込んでくれる。驚いて顔を上げれば
「神尾くんが聖くんに反応しない理由はね、神尾くん自身が聖くんを壊さないためなんだって」
そう教えてくれる。
「えっ?俺を壊さないため?」
意味が分からない。
「うん、理由はわからないけどね。彼は君を守りたいんだって。それだけ君は彼に大事にされてるってことだよ」
校医の言葉にどう返事をしていいのか考えてしまう。
「それによく考えてみてごらんよ。発情してる相手なら誰でもいいっていうタイプじゃないでしょ彼。なんだかんだ文句言いつつも聖くんのこと相手にしてるし」
校医の言葉にコクリと頷く。
確かにあいつは周りでどれだけ発情した相手がいても淡々としてるし、反応一つしない。第2の性が覚醒してないんじゃないかって思うぐらいに…。
「あぁ、彼はちゃんと覚醒してるみたいだよ。どの属性かは教えてくれないけどね」
顔に出てたのか校医が教えてくれる。
「先生も知らないんですかあいつの第2の性のこと」
以外なんだけど。
「ん?うん。聞いてもね答えてくれないからね。だから余計に謎になるんだろうね」
ふふふと笑う校医はどこか悪戯っ子のように見えた。
「でも…俺はあいつにとっては迷惑じゃないんでしょうか?」
こんなことこの人に聞いても仕方がないと思うんだ。
「迷惑なら君にずっと付き合わないと思うよ。神尾くんはそういう所はハッキリしてるし、自分に不利になることはしないからね」
その言葉に確かにそうだと納得する自分がいる。
あいつは、迷惑なときはハッキリと断るし、自分にとって無駄だと思うよなことはキッパリと切り捨てる。そういうところはしっかりとしてるのだ。
「聖くんはさぁ、もう少し自信持ったらいいと思うよ」
「どういう意味ですか?」
校医の言葉の意味が分からない。
「神尾くんが言った言葉、発情した君を前にしてギリギリ精一杯ってこと。あれ、彼の本音だよ」
笑みを含んだ言葉に驚く。
「えっ?そうなんですか?」
信じられなくて聞き返せば
「うん。だって…今まで彼はこんな痕を君につけなかったもんね」
にっこりと微笑んでギリギリ服で見え隠れしてる俺の首元を突く。
「えっ?えぇぇー!!!」
俺が驚いてその場所を押さえれば
「あー、今回も覚えてなかったんだね。あの子も言わないからね」
クスクスと笑う。
「えっと…先生はどこまで知ってるんですか?」
そこだけはちゃんと確認したい。
「どこまでって…発情期に入ると聖くんは神尾くんに甘えまくって疲れて記憶が飛ぶってことかな」
「えぇぇ!!」
それって…
「もしかして…大我が話したんですか?」
俺の知らないところでそんな話をしてるんだろうか?
「あぁ、やったかやらないかは僕が聞くから答えてくれるけどそれ以外は教えてくれないよ」
校医のあっけらかんとした言葉に胸を撫で下ろす。よかったと。
「教えなくても聞きたがるでしょうあなたは…」
急にそんな声がして驚いて声のした方を見れば大我が戻ってきた。
「おや、もう30分経ったのかい?早いなぁ、聖くんから色々と聞き出そうと思ったのに残念だぁ」
決して残念そうに見えないのは気のせいだろうか?
「あまりここに長居するのも聖にも悪いし、先生には新しい仕事ができたんで戻ってきたんですよ」
大我のその言葉に
「第2の性の覚醒の子か…。場所はいつもの場所だね。じゃぁ、聖くん一応、明日まで様子見で休んでね。それと、アレが近いから用心してね」
校医はさっさと出て行ってしまった。
「聖、戻ろう」
大我の言葉に頷き、俺たちも借りてる部屋に戻ることにした。
聞きたいことが山のようにできたけど…
きっと大我は答えてくれないかもな…
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