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32話
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「んっ」
部屋の中に広がる美味しそうな匂いで闇の中に沈んでいた意識が浮上してくる。
「ゆい、起きろ時間だぞ」
布団の中でモゾモゾと動いてたら優しく頭を撫でられた。
「んー、もう少し寝たい…」
なんて言ってみる。無理なのはわかってるけどさ。
「今日はダメだな。授業あるからな。ほら起きろー」
笑いながら布団をはぎ取っていく。
「イヤだ~」
俺は奪われないように抵抗してみるけど
「起きろ」
布団ごと抱きしめられてチュッて軽くキスされてビックリして固まった。
「なっ、なっ、なっ、セクハラ!」
ビックリしすぎて叫んじゃった。
「じゃぁ、今度からキスなしな」
なんて言いながら頭を撫でて離れていく。
「えっ、ちょ、大我ぁ?」
慌てて布団から飛び出して、大我の服を掴んだら
「起きたか?」
笑いながら言われて素直に頷けば
「飯食って準備していくぞ」
頭を撫でて背中に手を添えて寝室を出た。
大我が作ってくれたご飯を食べて準備をして二人揃って学校へ向かった。
「聖これ一応飲んどけよ」
教室に入る前に手渡されたのはいつもの補助剤。
「なんで?」
気になって聞いてみたら
「次の発情はもう少し先なんだが、ちょっと匂いが気になる」
ハッキリと言われた。匂いって…
「それって発情のフェロモンってこと?」
一応確認の意味で聞けば
「そうだ。それしかないだろ?まぁ、昨日は俺と同じシャンプーとか使ってるから今日は同じ匂いしてるけど」
なんて、ニヤリと笑う。
「うわぁ~!!いうなぁ~!!」
言われて思い出したら恥ずかしくなった。
ホント、なんで俺ってこんなに性格が違うんだろう…。
「冗談はいいとして、取り合えずの保険だからそれは」
急に真面目な顔で言われて
「わかった。ありがとう」
素直にお礼を口にする。大我のこういう行動に今まで助けてもらってきたのは事実だ。だから、嘘じゃないのはわかる。
「取り敢えず、あまり一人でうろつくな。保護するわけじゃないけど、出来るだけ誰かを連れて歩け」
いつ何が起こるかわからないからの言葉。俺にある爆弾のせい。
「なるべく誰かと行動するし、なんだったら大我に連絡する」
瓶の蓋を開けて中の薬を飲みほし大我に言えば
「俺の手が空いてたらな」
なんて意地悪な返事が返ってきた。
こんな意地悪なことを言うけど、俺が連絡すれば来てくれるのが神尾大我という男なんだ。
2人で教室に入ってそれぞれ自分の席に座り、普通に授業を受けた。
放課後、俺は生徒会で大我は風紀委員へ向かいお互い自分の仕事をこなしていく。
「永尾、ちょっと職員室に行ってくる」
永尾に声をかければ
「一人で大丈夫ですか?」
なんて聞かれ
「これを置きに行くだけだからすぐに戻るよ」
書類を見せて部屋を出た。
職員室で顧問の先生に書類を渡し、生徒会室へと戻る途中でふと足が止まる。
東階段の近くにいる生徒の様子がおかしい。なんだか違和感を感じ俺は大我へと電話をしていた。
『どうした?』
相手も確認せずに聞いてくる言葉に笑みが浮かぶが、
「悪い、東階段に救護班と一緒に来てくれないか?」
俺はジッと階段の方を見たままで答える。
『わかった、お前はそこを動くなよ』
「あぁ、それは大丈夫だ」
大我の言葉に返事をすれば電話が切れた。
何かがおかしい、けれど俺が近付くのはまずい。直観的そう思って俺は離れた場所から見てることにしたんだ。
大我との電話後わりとすぐに救護班と校医が来た。
あれ?って思ったら
「お前は生徒会室へ戻るぞ」
そんな言葉と共に手を掴まれ引かれた。
「えっ?ちょ、大我?」
行き成りすぎて意味が分からない。
「今、ここにお前がいるとまずい。校医からの命令だ」
俺の疑問に答えてくれる大我の言葉を聞き
「あれは…暴走なのか?」
そういう意味で俺がいるとまずいのだろうか?
「そうだ。だから俺もいるとまずいらしい。だからお前を連れて戻れだそうだ」
大我ははっきりと答えた。
「ん?大我もまずいってどうして?」
なにがまずいのか?
「他人の発情にあてられて発情するお前に俺がさからないわけがないだろ?だから危ないから戻れってこと」
大我の説明にあぁと納得してしまった。
そういえば前回の発情は初めて覚醒した生徒の発情に釣られて発情したんだったと思い出す。
あの発情がなかったら大我への気持ちがハッキリわかることもなかったし、こうやって付き合うこともなかったんだ。俺の一方通行的な行動のまま続いていたかもしれない。
「でも…俺が暴走したら…」
いつアレが起こるかわからない…その時、大我はどうするんだろう?
「俺は自分が抑えれる自信はない。お前が求めるままに応えるだろう」
少し苦笑気味に答えた大我。
「それって…俺の発情の時って本当にギリギリだったってことなのか?」
いつも無反応だったから信じられない。
「だからそうだって言ってるだろ?それとも昨日のことも夢だと思ってるのか?」
なんて反対に言われて
「うわぁぁぁ!言わなくていい!言わなくてもいいからぁ!!」
昨夜の出来事を思い出して俺は恥ずかしくなって叫んだ。
「まぁ、セクハラって言うぐらいだしな」
なんて笑われた。
クソぉ。
「終わったら連絡しろ。迎えに来る。もしもの時のために一緒に帰った方がいいって校医に言われたからな」
生徒会室まで送ってくれて別れ際に言われた言葉に
「俺って…結構ヤバい?」
呟いたら
「それなりにな」
その一言を残し大我は風紀委員室へと戻っていった。
結局この日も俺は大我と一緒に帰ることとなった。
イヤ、嬉しんだよ、うん。嬉しんだけど、恥ずかしいという気持ちの方が勝っちゃうんだよ!
早く慣れたいよ俺も…。
でも、明後日は秋祭りなんだ。祭りの時ぐらい恥ずかしがらずにいられたらいいなぁと思う。
部屋の中に広がる美味しそうな匂いで闇の中に沈んでいた意識が浮上してくる。
「ゆい、起きろ時間だぞ」
布団の中でモゾモゾと動いてたら優しく頭を撫でられた。
「んー、もう少し寝たい…」
なんて言ってみる。無理なのはわかってるけどさ。
「今日はダメだな。授業あるからな。ほら起きろー」
笑いながら布団をはぎ取っていく。
「イヤだ~」
俺は奪われないように抵抗してみるけど
「起きろ」
布団ごと抱きしめられてチュッて軽くキスされてビックリして固まった。
「なっ、なっ、なっ、セクハラ!」
ビックリしすぎて叫んじゃった。
「じゃぁ、今度からキスなしな」
なんて言いながら頭を撫でて離れていく。
「えっ、ちょ、大我ぁ?」
慌てて布団から飛び出して、大我の服を掴んだら
「起きたか?」
笑いながら言われて素直に頷けば
「飯食って準備していくぞ」
頭を撫でて背中に手を添えて寝室を出た。
大我が作ってくれたご飯を食べて準備をして二人揃って学校へ向かった。
「聖これ一応飲んどけよ」
教室に入る前に手渡されたのはいつもの補助剤。
「なんで?」
気になって聞いてみたら
「次の発情はもう少し先なんだが、ちょっと匂いが気になる」
ハッキリと言われた。匂いって…
「それって発情のフェロモンってこと?」
一応確認の意味で聞けば
「そうだ。それしかないだろ?まぁ、昨日は俺と同じシャンプーとか使ってるから今日は同じ匂いしてるけど」
なんて、ニヤリと笑う。
「うわぁ~!!いうなぁ~!!」
言われて思い出したら恥ずかしくなった。
ホント、なんで俺ってこんなに性格が違うんだろう…。
「冗談はいいとして、取り合えずの保険だからそれは」
急に真面目な顔で言われて
「わかった。ありがとう」
素直にお礼を口にする。大我のこういう行動に今まで助けてもらってきたのは事実だ。だから、嘘じゃないのはわかる。
「取り敢えず、あまり一人でうろつくな。保護するわけじゃないけど、出来るだけ誰かを連れて歩け」
いつ何が起こるかわからないからの言葉。俺にある爆弾のせい。
「なるべく誰かと行動するし、なんだったら大我に連絡する」
瓶の蓋を開けて中の薬を飲みほし大我に言えば
「俺の手が空いてたらな」
なんて意地悪な返事が返ってきた。
こんな意地悪なことを言うけど、俺が連絡すれば来てくれるのが神尾大我という男なんだ。
2人で教室に入ってそれぞれ自分の席に座り、普通に授業を受けた。
放課後、俺は生徒会で大我は風紀委員へ向かいお互い自分の仕事をこなしていく。
「永尾、ちょっと職員室に行ってくる」
永尾に声をかければ
「一人で大丈夫ですか?」
なんて聞かれ
「これを置きに行くだけだからすぐに戻るよ」
書類を見せて部屋を出た。
職員室で顧問の先生に書類を渡し、生徒会室へと戻る途中でふと足が止まる。
東階段の近くにいる生徒の様子がおかしい。なんだか違和感を感じ俺は大我へと電話をしていた。
『どうした?』
相手も確認せずに聞いてくる言葉に笑みが浮かぶが、
「悪い、東階段に救護班と一緒に来てくれないか?」
俺はジッと階段の方を見たままで答える。
『わかった、お前はそこを動くなよ』
「あぁ、それは大丈夫だ」
大我の言葉に返事をすれば電話が切れた。
何かがおかしい、けれど俺が近付くのはまずい。直観的そう思って俺は離れた場所から見てることにしたんだ。
大我との電話後わりとすぐに救護班と校医が来た。
あれ?って思ったら
「お前は生徒会室へ戻るぞ」
そんな言葉と共に手を掴まれ引かれた。
「えっ?ちょ、大我?」
行き成りすぎて意味が分からない。
「今、ここにお前がいるとまずい。校医からの命令だ」
俺の疑問に答えてくれる大我の言葉を聞き
「あれは…暴走なのか?」
そういう意味で俺がいるとまずいのだろうか?
「そうだ。だから俺もいるとまずいらしい。だからお前を連れて戻れだそうだ」
大我ははっきりと答えた。
「ん?大我もまずいってどうして?」
なにがまずいのか?
「他人の発情にあてられて発情するお前に俺がさからないわけがないだろ?だから危ないから戻れってこと」
大我の説明にあぁと納得してしまった。
そういえば前回の発情は初めて覚醒した生徒の発情に釣られて発情したんだったと思い出す。
あの発情がなかったら大我への気持ちがハッキリわかることもなかったし、こうやって付き合うこともなかったんだ。俺の一方通行的な行動のまま続いていたかもしれない。
「でも…俺が暴走したら…」
いつアレが起こるかわからない…その時、大我はどうするんだろう?
「俺は自分が抑えれる自信はない。お前が求めるままに応えるだろう」
少し苦笑気味に答えた大我。
「それって…俺の発情の時って本当にギリギリだったってことなのか?」
いつも無反応だったから信じられない。
「だからそうだって言ってるだろ?それとも昨日のことも夢だと思ってるのか?」
なんて反対に言われて
「うわぁぁぁ!言わなくていい!言わなくてもいいからぁ!!」
昨夜の出来事を思い出して俺は恥ずかしくなって叫んだ。
「まぁ、セクハラって言うぐらいだしな」
なんて笑われた。
クソぉ。
「終わったら連絡しろ。迎えに来る。もしもの時のために一緒に帰った方がいいって校医に言われたからな」
生徒会室まで送ってくれて別れ際に言われた言葉に
「俺って…結構ヤバい?」
呟いたら
「それなりにな」
その一言を残し大我は風紀委員室へと戻っていった。
結局この日も俺は大我と一緒に帰ることとなった。
イヤ、嬉しんだよ、うん。嬉しんだけど、恥ずかしいという気持ちの方が勝っちゃうんだよ!
早く慣れたいよ俺も…。
でも、明後日は秋祭りなんだ。祭りの時ぐらい恥ずかしがらずにいられたらいいなぁと思う。
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