11 / 11
第11話
しおりを挟む
知宙が初めて外泊しても知宙の両親は何の反応も示さなかった。いてもいなくても同じ、ただそれだけだった。
『あんたに外泊できる場所があったなんて驚きだわ』
『それとも、野宿してたのかしら』
『友達じゃなくてパシリにされてるだけだったりして』
『それともカツアゲ対象かしら』
姉である亜花里のその言葉が無性に腹が立った。何も知らないくせに、自分に対して言ってくる言葉に腹が立ち、知宙は
『うるさい。遊びにいくらさっさと行けよ』
怒鳴り返していた。そんな知宙を気にも留めず亜花里はクスクスとイヤな笑いを残したまま出て行った。
あの日から知宙は姉がいない時間に学校から帰るようになった。会いたくないと本気で思ったから。人をバカにすることしかできない姉には会いたくなかったから。
嫌な気分になる家に帰り、すぐに櫂莉の家へと向かい時間が知宙にとって楽しい時間に変わっていった。子猫たちに会うのも、子供たちに会うのも知宙にとって楽しくて、幸せな時間になっていたのだった。
そんなある日、授業が終わった後、廊下を歩いていた知宙に一人の女性が声をかけてきた。
「あんたが薗畑知宙かい?」
その声を聞き知宙が振り返ればそこには櫂莉と同じように制服を着崩した女性が立っていた。
「そうだけど、誰?」
知宙は警戒心丸出して相手を睨むように見た。その顔を見た女性は一瞬キョトリとした顔を見せた後で
「あははは。ごめんごめん。あたし、立花璃子っていうんだ。櫂莉が段ボールの前に落ちてる大きな猫を拾ったって言うからどんなのか気になってたんだよね。人嫌いの櫂莉が拾ったって言ったからさ」
璃子は大笑いをした。
「大きな猫?子猫じゃなくて?」
知宙は意味が分からなくて頭を傾げる。
「そう、大きな猫。段ボールの中に入った子猫と段ボールの前に落ちてた大きな猫」
璃子が笑いながら言った言葉をよくよく考えて
「はぁ?もしかして俺のこと?」
大きな猫が自分のことかと大きな声を出す。がすぐに両手で口を押えた。
「いい反応するねあんた。あたし櫂莉とは古くからの知り合いでね、櫂莉よりも美都さんに深く関わってるんだけど。雅人ってあたしの兄なんだよね」
ニヤリと笑いながら言われた言葉にあって小さな声をあげた。
「兄貴も美都さんもさ、あんたのこと気にしててさ。なんせ、あの悪ガキどもがあんたのこと気に入ったっていうじゃん。櫂莉も懐いてるって。そしたら我慢できなくてさ、あんたに会いに来ちゃった」
璃子はごめんねぇ~っと両手を顔の前で合わせ謝る。
「あ…そうなんだ…」
知宙はなんだか恥ずかしくなった。まさか家族間で自分のことを離されているとは思ってもみなかったからだ。それと同時に不安と恐怖もあった。もし、本当は変な風に言われていたらとか、迷惑だって言われていたりとか、そんな思いもあった。
「璃子、薗畑をイジメんな」
俯いた知宙の耳にそんな言葉が聞こえて顔をあげれば少しだけ困った顔をした櫂莉が立っていた。
「やだな。イジメてないよ。美都さんと兄貴の話を聞いたらあたしも会いたくなったから声かけただけだって怒んなよ。心が狭いぞ櫂莉」
ふ~やれやれって肩を竦める璃子をギロリと睨みつける櫂莉。
「心が狭いとかじゃねぇよ。薗畑がここでは話したがらねぇって教えただろうが。それをお前…姉貴たちが来た時に来なかったのはお前だぞ璃子」
頭を押さえながら溜め息をつく櫂莉に
「えー、だって、あんた。あの日はあたしだって行きたかったけど母さんの用事じゃいけないだろ?あたしは母さんを大事にしてんだからさ」
悪びれた様子もなく反論する璃子。
「だからって学校で声かけるな」
「えー、やだ」
「だからなぁ、」
「櫂莉だけずるいしぃ」
なんて2人は知宙の前で言い合いを始めてしまった。それを見ていた知宙はキョトリとしていたが
「ぶっ、あははは。あー可笑しぃ、あははは」
突然、笑いだした。櫂莉と璃子はそんな知宙の様子を見て小さく笑い
「おい、こら、なに笑ってんだよ」
「ヒドイな、あんた。そんなに笑わなくてもいいだろ」
2人で知宙に絡みに行く。
「あははは。ごめんごめん、ありがとう2人とも。心配してくれたんだろ」
知宙は笑いすぎで流れた涙を拭いながら2人にお礼を口にする。知宙自身気が付いていた。ここの所、自分が酷く落ち込んでいたのも、いつも以上に人と関わるのをやめていたのを…。
「まぁ、家に来てチビどもと遊んでても暗かったしな」
「柚子と凌が少し寂しそうだったからさ」
2人は素直に理由を口にする。
「ありがとう藍原、それと、はじめまして立花さん。薗畑知宙です」
知宙は櫂莉にお礼を告げ璃子にはじめましてと挨拶をする。
「チビ2匹もお前のこと気にしてるからちゃんと相手してやってくれベビーシッターくん」
ポンと知宙の頭を軽く叩き撫でていく櫂莉。
「うわぁ、久しぶりに櫂莉の人間らしさを見たわぁ。あんたやっぱりすごいね知宙」
櫂莉の様子を見ながら知宙のことをすごいという。
「えっ?すごい事なの?」
意味が分からなくて知宙は櫂莉に聞いてしまう。
「自覚ねぇぞこれ」
「天性のタラシか」
櫂莉と璃子はコソコソとそんなことを話している。
「なんだよ2人とも」
そんな2人に声をかければ
「あのな、薗畑。俺は人をここまでかまってる時点ですごいことだ」
「櫂莉って人間嫌いだからな。ここまで優しくはない。見ただろあたしだって頭ポンなんてされないんだぞ」
溜め息交じりに二人が答えてくれる。
「お前みたいな女は雑で大丈夫だ。それにお前は薗畑よりも強いからな」
「ヒドイ男だなお前は。見ろ知宙この男の非情さを。他人には塩対応だぞこの男」
2人はまた言い合いを始めてしまい知宙はそんな2人をみて笑い始めてしまった。
「こいつまた俺たち見て笑ってやがる」
「あたしたちはあんた用の漫才師かい」
櫂莉と璃子の言葉に知宙は
「ごめんごめん。だって2人ともすごく仲が良くてちょっと羨ましいなって思って。あっ、でも2人とも面白いのは確かだけどね」
謝りながらも、2人の会話が楽しいと素直に口にした。
「ホントに、素直なんだかそうじゃないんだか」
「そりゃ櫂莉。おっきな猫だから気まぐれだろ?」
知宙の言葉に櫂莉と璃子が溜め息をつきながら言い、その言葉を聞きその意味に気が付き
「うるさいなぁ、もぉ」
少しだけ拗ねた顔をする。
「そんな顔するな。薗畑が俺たちに心を開いてくれたのが嬉しんだから」
「そうだな。初対面のあたしにもこうして話してくれるからな」
そんな知宙の頭を撫で櫂莉と璃子が言えば、知宙は少しだけ驚いた顔をしてから笑った。
「ありがとう」
それは本当に嬉しそうな笑顔だった。櫂莉と璃子はその笑顔を見て、同じように笑い帰るために知宙を連れて歩き出したのだった。
『あんたに外泊できる場所があったなんて驚きだわ』
『それとも、野宿してたのかしら』
『友達じゃなくてパシリにされてるだけだったりして』
『それともカツアゲ対象かしら』
姉である亜花里のその言葉が無性に腹が立った。何も知らないくせに、自分に対して言ってくる言葉に腹が立ち、知宙は
『うるさい。遊びにいくらさっさと行けよ』
怒鳴り返していた。そんな知宙を気にも留めず亜花里はクスクスとイヤな笑いを残したまま出て行った。
あの日から知宙は姉がいない時間に学校から帰るようになった。会いたくないと本気で思ったから。人をバカにすることしかできない姉には会いたくなかったから。
嫌な気分になる家に帰り、すぐに櫂莉の家へと向かい時間が知宙にとって楽しい時間に変わっていった。子猫たちに会うのも、子供たちに会うのも知宙にとって楽しくて、幸せな時間になっていたのだった。
そんなある日、授業が終わった後、廊下を歩いていた知宙に一人の女性が声をかけてきた。
「あんたが薗畑知宙かい?」
その声を聞き知宙が振り返ればそこには櫂莉と同じように制服を着崩した女性が立っていた。
「そうだけど、誰?」
知宙は警戒心丸出して相手を睨むように見た。その顔を見た女性は一瞬キョトリとした顔を見せた後で
「あははは。ごめんごめん。あたし、立花璃子っていうんだ。櫂莉が段ボールの前に落ちてる大きな猫を拾ったって言うからどんなのか気になってたんだよね。人嫌いの櫂莉が拾ったって言ったからさ」
璃子は大笑いをした。
「大きな猫?子猫じゃなくて?」
知宙は意味が分からなくて頭を傾げる。
「そう、大きな猫。段ボールの中に入った子猫と段ボールの前に落ちてた大きな猫」
璃子が笑いながら言った言葉をよくよく考えて
「はぁ?もしかして俺のこと?」
大きな猫が自分のことかと大きな声を出す。がすぐに両手で口を押えた。
「いい反応するねあんた。あたし櫂莉とは古くからの知り合いでね、櫂莉よりも美都さんに深く関わってるんだけど。雅人ってあたしの兄なんだよね」
ニヤリと笑いながら言われた言葉にあって小さな声をあげた。
「兄貴も美都さんもさ、あんたのこと気にしててさ。なんせ、あの悪ガキどもがあんたのこと気に入ったっていうじゃん。櫂莉も懐いてるって。そしたら我慢できなくてさ、あんたに会いに来ちゃった」
璃子はごめんねぇ~っと両手を顔の前で合わせ謝る。
「あ…そうなんだ…」
知宙はなんだか恥ずかしくなった。まさか家族間で自分のことを離されているとは思ってもみなかったからだ。それと同時に不安と恐怖もあった。もし、本当は変な風に言われていたらとか、迷惑だって言われていたりとか、そんな思いもあった。
「璃子、薗畑をイジメんな」
俯いた知宙の耳にそんな言葉が聞こえて顔をあげれば少しだけ困った顔をした櫂莉が立っていた。
「やだな。イジメてないよ。美都さんと兄貴の話を聞いたらあたしも会いたくなったから声かけただけだって怒んなよ。心が狭いぞ櫂莉」
ふ~やれやれって肩を竦める璃子をギロリと睨みつける櫂莉。
「心が狭いとかじゃねぇよ。薗畑がここでは話したがらねぇって教えただろうが。それをお前…姉貴たちが来た時に来なかったのはお前だぞ璃子」
頭を押さえながら溜め息をつく櫂莉に
「えー、だって、あんた。あの日はあたしだって行きたかったけど母さんの用事じゃいけないだろ?あたしは母さんを大事にしてんだからさ」
悪びれた様子もなく反論する璃子。
「だからって学校で声かけるな」
「えー、やだ」
「だからなぁ、」
「櫂莉だけずるいしぃ」
なんて2人は知宙の前で言い合いを始めてしまった。それを見ていた知宙はキョトリとしていたが
「ぶっ、あははは。あー可笑しぃ、あははは」
突然、笑いだした。櫂莉と璃子はそんな知宙の様子を見て小さく笑い
「おい、こら、なに笑ってんだよ」
「ヒドイな、あんた。そんなに笑わなくてもいいだろ」
2人で知宙に絡みに行く。
「あははは。ごめんごめん、ありがとう2人とも。心配してくれたんだろ」
知宙は笑いすぎで流れた涙を拭いながら2人にお礼を口にする。知宙自身気が付いていた。ここの所、自分が酷く落ち込んでいたのも、いつも以上に人と関わるのをやめていたのを…。
「まぁ、家に来てチビどもと遊んでても暗かったしな」
「柚子と凌が少し寂しそうだったからさ」
2人は素直に理由を口にする。
「ありがとう藍原、それと、はじめまして立花さん。薗畑知宙です」
知宙は櫂莉にお礼を告げ璃子にはじめましてと挨拶をする。
「チビ2匹もお前のこと気にしてるからちゃんと相手してやってくれベビーシッターくん」
ポンと知宙の頭を軽く叩き撫でていく櫂莉。
「うわぁ、久しぶりに櫂莉の人間らしさを見たわぁ。あんたやっぱりすごいね知宙」
櫂莉の様子を見ながら知宙のことをすごいという。
「えっ?すごい事なの?」
意味が分からなくて知宙は櫂莉に聞いてしまう。
「自覚ねぇぞこれ」
「天性のタラシか」
櫂莉と璃子はコソコソとそんなことを話している。
「なんだよ2人とも」
そんな2人に声をかければ
「あのな、薗畑。俺は人をここまでかまってる時点ですごいことだ」
「櫂莉って人間嫌いだからな。ここまで優しくはない。見ただろあたしだって頭ポンなんてされないんだぞ」
溜め息交じりに二人が答えてくれる。
「お前みたいな女は雑で大丈夫だ。それにお前は薗畑よりも強いからな」
「ヒドイ男だなお前は。見ろ知宙この男の非情さを。他人には塩対応だぞこの男」
2人はまた言い合いを始めてしまい知宙はそんな2人をみて笑い始めてしまった。
「こいつまた俺たち見て笑ってやがる」
「あたしたちはあんた用の漫才師かい」
櫂莉と璃子の言葉に知宙は
「ごめんごめん。だって2人ともすごく仲が良くてちょっと羨ましいなって思って。あっ、でも2人とも面白いのは確かだけどね」
謝りながらも、2人の会話が楽しいと素直に口にした。
「ホントに、素直なんだかそうじゃないんだか」
「そりゃ櫂莉。おっきな猫だから気まぐれだろ?」
知宙の言葉に櫂莉と璃子が溜め息をつきながら言い、その言葉を聞きその意味に気が付き
「うるさいなぁ、もぉ」
少しだけ拗ねた顔をする。
「そんな顔するな。薗畑が俺たちに心を開いてくれたのが嬉しんだから」
「そうだな。初対面のあたしにもこうして話してくれるからな」
そんな知宙の頭を撫で櫂莉と璃子が言えば、知宙は少しだけ驚いた顔をしてから笑った。
「ありがとう」
それは本当に嬉しそうな笑顔だった。櫂莉と璃子はその笑顔を見て、同じように笑い帰るために知宙を連れて歩き出したのだった。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
『定時後の偶然が多すぎる』
こさ
BL
定時後に残業をするたび、
なぜか必ず同じ上司が、同じフロアに残っている。
仕事ができて、無口で、社内でも一目置かれている存在。
必要以上に踏み込まず、距離を保つ人――
それが、彼の上司だった。
ただの偶然。
そう思っていたはずなのに、
声をかけられる回数が増え、
視線が重なる時間が長くなっていく。
「無理はするな」
それだけの言葉に、胸がざわつく理由を、
彼自身はまだ知らない。
これは、
気づかないふりをする上司と、
勘違いだと思い込もうとする部下が、
少しずつ“偶然”を積み重ねていく話。
静かで、逃げ場のない溺愛が、
定時後から始まる。
【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
《完結》僕が天使になるまで
MITARASI_
BL
命が尽きると知った遥は、恋人・翔太には秘密を抱えたまま「別れ」を選ぶ。
それは翔太の未来を守るため――。
料理のレシピ、小さなメモ、親友に託した願い。
遥が残した“天使の贈り物”の数々は、翔太の心を深く揺さぶり、やがて彼を未来へと導いていく。
涙と希望が交差する、切なくも温かい愛の物語。
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
告白ごっこ
みなみ ゆうき
BL
ある事情から極力目立たず地味にひっそりと学園生活を送っていた瑠衣(るい)。
ある日偶然に自分をターゲットに告白という名の罰ゲームが行われることを知ってしまう。それを実行することになったのは学園の人気者で同級生の昴流(すばる)。
更に1ヶ月以内に昴流が瑠衣を口説き落とし好きだと言わせることが出来るかということを新しい賭けにしようとしている事に憤りを覚えた瑠衣は一計を案じ、自分の方から先に告白をし、その直後に全てを知っていると種明かしをすることで、早々に馬鹿げたゲームに決着をつけてやろうと考える。しかし、この告白が原因で事態は瑠衣の想定とは違った方向に動きだし……。
テンプレの罰ゲーム告白ものです。
表紙イラストは、かさしま様より描いていただきました!
ムーンライトノベルズでも同時公開。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる