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第9話
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ユリアーナは不思議な夢を見た。
「ここは一体…あれは?」
白い光の世界の中を歩いていた。そこで人影を見つけて足を止めた。
『やぁ、竜の姫。その子が君の子かい?』
少し小さな茶色い竜が白いドレスを着た親子に声を掛けている。
『えぇ、やっとあなたに紹介できるわ。娘のユリアーナよ〇×▲◇』
竜に自分の子を紹介をしている。その人物を見て、ユリアーナは驚いた。それは間違いなく、自分の母親で、足元に隠れるように立っていたのは幼い日の自分だった。そして、やっぱり竜の名前はちゃんと聞こえない。
『君に似て可愛い娘じゃないか。それに…』
竜はまじまじと娘の顔を見て言葉をとぎる。
『〇×▲◇には、やっぱりわかるのかしら』
母が少しだけ悲しげな顔をしている。
『竜の姫、この子には君以上の力が眠ってるね』
娘の顔を見たままで言う言葉は少しだけ神妙な音色をしていた。
『この子の力あなたの力でどうにかならないかしら?』
母は悲し気な顔をしたままで竜に問う。
『なら、俺の加護をつけよう。俺の加護ともう一つこの子の力を抑える加護をつけよう。この子が大人になるまで、いや、この子自身が本当に力が必要だと願った時に封印が解けるようにしておこうか』
竜はそういいながら娘の手の甲に竜の加護の証である紋様を刻み込む。
『この国の守護竜である〇×▲◇の加護を受けれる人間は限られているからこの子の証は見えない様に私の力で隠しておくわ』
竜の加護の証を母が見えない様に力を使い隠してしまう。娘の手にあった証はどこにも見当たらない。
『君の力も見事だね。この子が素敵な女性に育つところを俺は陰ながら見守らせてもらうよ』
竜は娘を傷付けないように抱き上げる。娘は一瞬、驚いた顔をしたが嬉しそうに笑い竜の首に抱き着いた。
『その子がそんなに懐くなんて、驚いたわ』
自分の娘が嬉しそうに竜に抱かれているのを見て母は驚いていた。
『それは君の血が流れているからじゃないのか?あぁ、君と彼の血がだね』
抱き上げてる娘をあやしながら竜が答える。
『あの人は竜に好かれる人だったわ。今は忙しすぎて、あなたにも会いに行けないってボヤいてたわよ』
母は娘を竜から受け取りながら小さく笑う。
『まぁ、彼は今もの凄く忙しそうだからね』
竜も同じように笑う。
そんな微笑ましい様子をユリアーナはジッと見ていた。おぼろげではあるが、母に連れられて誰かに会いに行っていた記憶はある。ただ、それが誰だったのかはわからない。人だったのか、この夢の様に竜だったのか。
『きゃぁぁぁ』
そんな悲鳴にハッとして、前を見れば真っ赤な炎が目の前にいる母と子を襲っていた。
『逃げるんだ、早く、その子と一緒に逃げろ!』
『ダメよ!あなたも一緒じゃなきゃ』
母と娘の前に庇うように立つ男性が1人。
『逃げるんだ!娘をユリアーナを頼む』
『あなたも、あなたも必ず無事で逃げて会いに来てちょうだい。待ってるから』
母は娘を抱きしめ告げる。
『あぁ、必ず君たちを迎えに行く』
男は2人を抱きしめ、約束を口にし、2人を逃がした。それが彼らの最後の挨拶だった…。真っ赤な炎が世界を覆いつくした。
「っ、はぁ、はぁ、はぁ」
ユリアーナは襲い来る炎に驚き飛び起きた。
「あれは…一体…私の知らない記憶?それとも忘れてしまった記憶?」
今まで見ていた夢を思い出しながら考えてみるが思い出せないでいた。ユリアーナは溜め息をつきベッドから降り外の空気を吸おうとテラスへと出た。
テラスに出て何度か深呼吸を繰り返せば澄んだ空気が肺の中を通り外へと吐き出されていく。それが気持ちよかった。
ユリアーナはしばらくその場所で外を眺めていた。少しだけ朝もやがかかった庭にトールとジークグリードの姿を見つけた。そして、2人の傍にいる白き竜。前世では一度も会うことのできなかった竜がここにいることに驚いたが、トールの屋敷ならいてもおかしくないのかもと思った。
ユリアーナは何をしてるのか気になってトールの姿を見ていたが、白き竜がトールにな手をかざした途端、淡い光がトールを包み込んだ。そこまできてユリアーナはこれは見てはいけないことなんだと思い、急いで部屋の中へ逃げ込んだ。
そもそも、白き竜をこんなことで見てしまったのは反則でしかない。ユリアーナは試練をクリアしてもしないのだ。もしかしたら試練を受ける資格さえないのかもしれない。
「あぁ、どうしよう。きっとジークグリード様には気付かれたわよね。私が見てたこと…」
彼らが何をやっていたのか気になって仕方がなかったが、それを聞くのは間違ってるとユリアーナはわかっているので、
「よし、忘れよう。トール様が教えてくれるまで気付かないふりをしましょう」
自分は何も見てないと決めつけた。
「夢の中で見たあの竜…まだ少し小さかったわ…もしかしたらあれが成体かもしれないけれど…それでも小さかったわ…私はどこで彼を見たのかしら?…私が見つけられるのかしら?」
夢の中であったあの場面は確かに自分の思い出の中にある。相手が誰だったのかはわからないが…。だから、竜の姿を見ても思い出せないでいた。
ただ、ハッキリとしているのは、自分の手に竜の加護の証が急に現れたのは母が亡くなりその力が消えたからなんだということだけだった。そして、それは自分の中に眠る力を隠すためのモノだったんだと…。
「私に隠された力って一体何なのかしら…それになぜ竜の姫と呼ばれていたのお母様」
ユリアーナの呟きは朝日が差し込む部屋の中に消えていった。
「ここは一体…あれは?」
白い光の世界の中を歩いていた。そこで人影を見つけて足を止めた。
『やぁ、竜の姫。その子が君の子かい?』
少し小さな茶色い竜が白いドレスを着た親子に声を掛けている。
『えぇ、やっとあなたに紹介できるわ。娘のユリアーナよ〇×▲◇』
竜に自分の子を紹介をしている。その人物を見て、ユリアーナは驚いた。それは間違いなく、自分の母親で、足元に隠れるように立っていたのは幼い日の自分だった。そして、やっぱり竜の名前はちゃんと聞こえない。
『君に似て可愛い娘じゃないか。それに…』
竜はまじまじと娘の顔を見て言葉をとぎる。
『〇×▲◇には、やっぱりわかるのかしら』
母が少しだけ悲しげな顔をしている。
『竜の姫、この子には君以上の力が眠ってるね』
娘の顔を見たままで言う言葉は少しだけ神妙な音色をしていた。
『この子の力あなたの力でどうにかならないかしら?』
母は悲し気な顔をしたままで竜に問う。
『なら、俺の加護をつけよう。俺の加護ともう一つこの子の力を抑える加護をつけよう。この子が大人になるまで、いや、この子自身が本当に力が必要だと願った時に封印が解けるようにしておこうか』
竜はそういいながら娘の手の甲に竜の加護の証である紋様を刻み込む。
『この国の守護竜である〇×▲◇の加護を受けれる人間は限られているからこの子の証は見えない様に私の力で隠しておくわ』
竜の加護の証を母が見えない様に力を使い隠してしまう。娘の手にあった証はどこにも見当たらない。
『君の力も見事だね。この子が素敵な女性に育つところを俺は陰ながら見守らせてもらうよ』
竜は娘を傷付けないように抱き上げる。娘は一瞬、驚いた顔をしたが嬉しそうに笑い竜の首に抱き着いた。
『その子がそんなに懐くなんて、驚いたわ』
自分の娘が嬉しそうに竜に抱かれているのを見て母は驚いていた。
『それは君の血が流れているからじゃないのか?あぁ、君と彼の血がだね』
抱き上げてる娘をあやしながら竜が答える。
『あの人は竜に好かれる人だったわ。今は忙しすぎて、あなたにも会いに行けないってボヤいてたわよ』
母は娘を竜から受け取りながら小さく笑う。
『まぁ、彼は今もの凄く忙しそうだからね』
竜も同じように笑う。
そんな微笑ましい様子をユリアーナはジッと見ていた。おぼろげではあるが、母に連れられて誰かに会いに行っていた記憶はある。ただ、それが誰だったのかはわからない。人だったのか、この夢の様に竜だったのか。
『きゃぁぁぁ』
そんな悲鳴にハッとして、前を見れば真っ赤な炎が目の前にいる母と子を襲っていた。
『逃げるんだ、早く、その子と一緒に逃げろ!』
『ダメよ!あなたも一緒じゃなきゃ』
母と娘の前に庇うように立つ男性が1人。
『逃げるんだ!娘をユリアーナを頼む』
『あなたも、あなたも必ず無事で逃げて会いに来てちょうだい。待ってるから』
母は娘を抱きしめ告げる。
『あぁ、必ず君たちを迎えに行く』
男は2人を抱きしめ、約束を口にし、2人を逃がした。それが彼らの最後の挨拶だった…。真っ赤な炎が世界を覆いつくした。
「っ、はぁ、はぁ、はぁ」
ユリアーナは襲い来る炎に驚き飛び起きた。
「あれは…一体…私の知らない記憶?それとも忘れてしまった記憶?」
今まで見ていた夢を思い出しながら考えてみるが思い出せないでいた。ユリアーナは溜め息をつきベッドから降り外の空気を吸おうとテラスへと出た。
テラスに出て何度か深呼吸を繰り返せば澄んだ空気が肺の中を通り外へと吐き出されていく。それが気持ちよかった。
ユリアーナはしばらくその場所で外を眺めていた。少しだけ朝もやがかかった庭にトールとジークグリードの姿を見つけた。そして、2人の傍にいる白き竜。前世では一度も会うことのできなかった竜がここにいることに驚いたが、トールの屋敷ならいてもおかしくないのかもと思った。
ユリアーナは何をしてるのか気になってトールの姿を見ていたが、白き竜がトールにな手をかざした途端、淡い光がトールを包み込んだ。そこまできてユリアーナはこれは見てはいけないことなんだと思い、急いで部屋の中へ逃げ込んだ。
そもそも、白き竜をこんなことで見てしまったのは反則でしかない。ユリアーナは試練をクリアしてもしないのだ。もしかしたら試練を受ける資格さえないのかもしれない。
「あぁ、どうしよう。きっとジークグリード様には気付かれたわよね。私が見てたこと…」
彼らが何をやっていたのか気になって仕方がなかったが、それを聞くのは間違ってるとユリアーナはわかっているので、
「よし、忘れよう。トール様が教えてくれるまで気付かないふりをしましょう」
自分は何も見てないと決めつけた。
「夢の中で見たあの竜…まだ少し小さかったわ…もしかしたらあれが成体かもしれないけれど…それでも小さかったわ…私はどこで彼を見たのかしら?…私が見つけられるのかしら?」
夢の中であったあの場面は確かに自分の思い出の中にある。相手が誰だったのかはわからないが…。だから、竜の姿を見ても思い出せないでいた。
ただ、ハッキリとしているのは、自分の手に竜の加護の証が急に現れたのは母が亡くなりその力が消えたからなんだということだけだった。そして、それは自分の中に眠る力を隠すためのモノだったんだと…。
「私に隠された力って一体何なのかしら…それになぜ竜の姫と呼ばれていたのお母様」
ユリアーナの呟きは朝日が差し込む部屋の中に消えていった。
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