人はそれを愛と呼び、彼は迷惑だと叫ぶ。

逃走

クソ！


俺は菊池の腕の中から逃げ出した。


「おい、こら」
後ろで菊池が叫ぶけど無視してやる。


ホントどうすんだよ…。


菊池に抱きしめられてトキメク胸。早鐘を打つ心臓。どっちも苦しい。


こんな感情を抱くなんて冗談じゃない。


菊池から逃げて逃げて行きついた場所は屋上。


「ホント…勘弁してくれ…」
誰にも干渉されたくないんだ。


俺は俺の感情で動きたいんだ。誰にも干渉されたくないんだ…それが例え菊池だとしても…


なのに…あいつは俺の中に侵食してくる。


俺という存在の中に菊池侑司が少しずつ侵食していく。


ホントなんでだよ！！！



Fin