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心の傷
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最近、梅村がやたらと苦しそうな顔をする。
決して身体が辛いとかじゃなくて…
心が悲鳴を上げてるような顔をする。
俺を見て辛そうな顔をする。
そこまで考えてあぁと納得した。
「何を思い出してんだよ…」
そう呟きながら梅村を抱きしめれば
「なんでだよ…っ…なんで…」
掠れていく声。
「俺は何も見てねぇし、聞いてねぇよ」
周りから隠すように抱きしめれば
「…っ…なんで…だよ…」
掠れた声は嗚咽へと変わった。
梅村の中にある心の傷。人に干渉されるのを頑なに拒む理由。
幼いころの出来事が関係している。だが、梅村本人にはその記憶はない。
両親も、先生も、親友も誰もが口を閉ざした。
あまりにも残酷な出来事。思い出さない方がいい。
これ以上、傷口を広げないでいてくれればいい。
俺はそう願いながら梅村が落ち着くまで腕の中に抱きしめていた。
Fin
決して身体が辛いとかじゃなくて…
心が悲鳴を上げてるような顔をする。
俺を見て辛そうな顔をする。
そこまで考えてあぁと納得した。
「何を思い出してんだよ…」
そう呟きながら梅村を抱きしめれば
「なんでだよ…っ…なんで…」
掠れていく声。
「俺は何も見てねぇし、聞いてねぇよ」
周りから隠すように抱きしめれば
「…っ…なんで…だよ…」
掠れた声は嗚咽へと変わった。
梅村の中にある心の傷。人に干渉されるのを頑なに拒む理由。
幼いころの出来事が関係している。だが、梅村本人にはその記憶はない。
両親も、先生も、親友も誰もが口を閉ざした。
あまりにも残酷な出来事。思い出さない方がいい。
これ以上、傷口を広げないでいてくれればいい。
俺はそう願いながら梅村が落ち着くまで腕の中に抱きしめていた。
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