人はそれを愛と呼び、彼は迷惑だと叫ぶ。

槇瀬陽翔

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本心はどこに?

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普段の梅村に戻っても、自分の部屋に戻らず、いまだに居候中の身。


特に気にすることもないし、迷惑だとも思わないのでそのままにしていたが、どうやら梅村は新たに流れ始めた噂のことも相まってか何かを悩み始めてるようだ。


取り合えずコーヒーを作ってあいつの前に置いてやり、少し距離を取って隣に座った。


お互い、無言のまま時間だけが過ぎていく。



「俺じゃ…ダメか?」
不意にそんなことを呟く。
「一時の気の迷いならやめとけ」
一時の、こんな状態での気の迷いならやめておけ。そういうつもりで言えば
「気の迷いなんかじゃない!」
睨みながら叫んできた。

「気の迷いじゃなかったら遊びか」
そんなことはないとわかってはいるがつい、口にしてしまった。
「遊びじゃねぇよ!真面目に考えてんだよ!」
そう怒鳴り、もう一度、自分の膝に顔を埋めた。


梅村がこんなことを言い出したのはきっと、すべてを思い出したからだろう。

幼い頃に抱いた恋心。俺に対する気持ち。そして、俺がこいつに抱いた気持ち。

それを思い出したからこそ、今の自分ではダメかと聞いてきたんだろう。


この男を喜ばせる言葉は簡単だ。

『好きだ』

この一言さえ口にすればこの男は大喜びをするだろう。



それを知っていながら、わかっていながらも、こんな言葉を口にしていたのは自分を戒めるため。

桐渓の一件が終わってない今、こいつに伝えるつもりはない。


気付いても気付かぬふりをするのはこの男を守るため。


全て終わればこいつが欲しがっている言葉は幾らでもくれてやろう。


それまで俺は気付かぬフリをする。梅村を守るために…


Fin

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