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真実
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「梅ちゃんを本気で壊したいなら、簡単だよねぇ~」
不意に鍋谷がそんなことを言い始め、
「どう言うことだ?」
梅村はキョトリとした顔をする。
「あー、そうだね。簡単だね」
二村も同じことを言い始める。意味がわからず俺をみる梅村。
「梅ちゃんを本気で壊したいなら、いいんちょーをやっちゃえばいいんだもん」
なんて物騒な言葉か出るが、それは当たってる。
「今回、桐渓の攻撃は間違いじゃなかったけど、相手が委員長の時点で負けだった」
鍋谷と二村の言葉の意味が本当にわからないのか梅村の眉間に皺がよってくる。
「ナベ、二村、梅村が不機嫌になってきてるぞ。教えてやらないとキレるぞ」
だから俺は2人に言ってやった。
「梅ちゃんは本当に鈍いねぇ。そこが梅ちゃんのいいところでもあるんだけどさぁ」
鍋谷の言葉に二村が笑い梅村がムッとする。
「梅ちゃんが簡単に壊れる理由は委員長を傷付けるのが効果的ってこと。小学生の時も梅ちゃんは自分が傷付くことよりも委員長が傷付くのを嫌がって壊れていったの。覚えてない?」
鍋谷の言葉にう~んと考え始める梅村。
「引き金を引いたのは桐渓だけどトドメを指したのは実は委員長だよねぇ」
なんて軽い口調で鍋谷が言う。二村は苦笑し梅村は驚いて俺を見る。
「言い方ってもんがあるだろナベ」
呆れながら言えば
「だって梅ちゃんがわかりやすくって言ったらこれが簡単じゃん」
ちょっとだけ不満げに言う辺りが鍋谷らしい。
「イヤ、でも、目の前で親友が死にかけたら壊れますって。しかも自分が原因でってなれば…」
すかさずフォローにはいる二村。
この会話で何かを思い出したのか梅村が
「…っ…ごめ…ごめん…」
謝る。
「あー、ごめんね。俺は別に梅ちゃんを攻めてる訳じゃないんだよ。ただ、梅ちゃんは自分で気がつかないほど委員長に惚れてるんだなぁって。一歩間違えば依存してるポイよねってこと」
鍋谷の言葉に梅村が顔を上げ俺を見てまた考え込む。
依存かどうかは置いといて、必要とされていたのは自覚している。
現に、この学園に来てから、同じ役職についてからこいつは頻繁に俺のところに来ては愚痴を言っていく。
干渉されるのは嫌うが俺に干渉しまくっていたのも事実。
それが恋なのかと言われれば、それは梅村にしかわからないもので、俺がとやかく言うことではない。
それに鍋谷が言ったこともあってる。
桐渓が始めた悪質ないじめは梅村を狙ったもので、俺はそれを阻止しようと庇い傷付いた。それを見るたびに梅村が壊れていき、最終的に階段から落ちたときに瀕死の状態になった俺を見て梅村は完全に壊れ、俺という存在を忘れ記憶をなくした。
自分の大切なものが傷付いていくのが怖かった梅村は簡単に壊れていき自分のせいで瀕死になった俺を見て耐えきれずに完全に壊れた。
それが隠されていた真実。
梅村の両親が泣きながら懇願した理由。
『侑司くんをこれ以上、傷付けさせないで。傷付く侑司くんを見てこれ以上、陽葵を壊れさせないで!』
俺が梅村を守るから梅村が壊れる。
それを梅村の両親は知っていたし、理解していた。
だから、大事にはしなかったが桐渓を遠くに行かせ、誓約書までも書かせた。
それは俺と梅村を守るために…。
Fin
不意に鍋谷がそんなことを言い始め、
「どう言うことだ?」
梅村はキョトリとした顔をする。
「あー、そうだね。簡単だね」
二村も同じことを言い始める。意味がわからず俺をみる梅村。
「梅ちゃんを本気で壊したいなら、いいんちょーをやっちゃえばいいんだもん」
なんて物騒な言葉か出るが、それは当たってる。
「今回、桐渓の攻撃は間違いじゃなかったけど、相手が委員長の時点で負けだった」
鍋谷と二村の言葉の意味が本当にわからないのか梅村の眉間に皺がよってくる。
「ナベ、二村、梅村が不機嫌になってきてるぞ。教えてやらないとキレるぞ」
だから俺は2人に言ってやった。
「梅ちゃんは本当に鈍いねぇ。そこが梅ちゃんのいいところでもあるんだけどさぁ」
鍋谷の言葉に二村が笑い梅村がムッとする。
「梅ちゃんが簡単に壊れる理由は委員長を傷付けるのが効果的ってこと。小学生の時も梅ちゃんは自分が傷付くことよりも委員長が傷付くのを嫌がって壊れていったの。覚えてない?」
鍋谷の言葉にう~んと考え始める梅村。
「引き金を引いたのは桐渓だけどトドメを指したのは実は委員長だよねぇ」
なんて軽い口調で鍋谷が言う。二村は苦笑し梅村は驚いて俺を見る。
「言い方ってもんがあるだろナベ」
呆れながら言えば
「だって梅ちゃんがわかりやすくって言ったらこれが簡単じゃん」
ちょっとだけ不満げに言う辺りが鍋谷らしい。
「イヤ、でも、目の前で親友が死にかけたら壊れますって。しかも自分が原因でってなれば…」
すかさずフォローにはいる二村。
この会話で何かを思い出したのか梅村が
「…っ…ごめ…ごめん…」
謝る。
「あー、ごめんね。俺は別に梅ちゃんを攻めてる訳じゃないんだよ。ただ、梅ちゃんは自分で気がつかないほど委員長に惚れてるんだなぁって。一歩間違えば依存してるポイよねってこと」
鍋谷の言葉に梅村が顔を上げ俺を見てまた考え込む。
依存かどうかは置いといて、必要とされていたのは自覚している。
現に、この学園に来てから、同じ役職についてからこいつは頻繁に俺のところに来ては愚痴を言っていく。
干渉されるのは嫌うが俺に干渉しまくっていたのも事実。
それが恋なのかと言われれば、それは梅村にしかわからないもので、俺がとやかく言うことではない。
それに鍋谷が言ったこともあってる。
桐渓が始めた悪質ないじめは梅村を狙ったもので、俺はそれを阻止しようと庇い傷付いた。それを見るたびに梅村が壊れていき、最終的に階段から落ちたときに瀕死の状態になった俺を見て梅村は完全に壊れ、俺という存在を忘れ記憶をなくした。
自分の大切なものが傷付いていくのが怖かった梅村は簡単に壊れていき自分のせいで瀕死になった俺を見て耐えきれずに完全に壊れた。
それが隠されていた真実。
梅村の両親が泣きながら懇願した理由。
『侑司くんをこれ以上、傷付けさせないで。傷付く侑司くんを見てこれ以上、陽葵を壊れさせないで!』
俺が梅村を守るから梅村が壊れる。
それを梅村の両親は知っていたし、理解していた。
だから、大事にはしなかったが桐渓を遠くに行かせ、誓約書までも書かせた。
それは俺と梅村を守るために…。
Fin
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