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1回、やっちゃえば?

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「もうさぁ、委員長、鍋のヤツ1回やっちゃっていいですか?」
ついにキレた二村がそんなことをいいだす。
「ホントに面倒事を増やすならしめとくべきだろ?」
幸永までも言い出す。


「そうだな、一度ぐらい三途の川でも見せとくか」
俺が思ってたことを2人が言い出すもんだから面白い。

「えぇー!3人ともごめん。マジでごめん。ホントに悪気はなかったんだってぇ」
俺たちの言葉に鍋谷が真っ青な顔で謝りだす。

「悪気があったら瞬殺に決まってるだろ!」
いつになく苛立ってる二村の言葉。

珍しいもんだ。


「ごめんって、梅ちゃんが真剣にとるなんて思わなかったんだもん」
鍋谷が半べそになっていく。

「菊池は原因がわかるのか?」
不意に幸永が聞いてくる
「梅村ん中でキャパオーバーしたんだろうな」
俺は内心溜め息をつく。

「それってなんでですか?」
二村が俺に聞く。
「公開告白ん時に答えた言葉が原因だろうな。その後でちゃんと真意は話したが...」
梅村がどう考えて結論を出したのか俺は知らない。あまり変わらない関係だからだ。


「てか、いっそのこと会長とやったら?」
二村から意外な言葉が出て驚いたが、苛立ってるから仕方がないとも思う。
「梅村がこうなる原因は菊池にあるわけだしな」
幸永までもが賛同する。

「お前らな...そう簡単な話じゃねぇんだよこいつの場合は...」
二人の言い分はわかるが、この状態に陥ってる梅村を先にどうにかしないと面倒なのだ。

「もうさ、保護者がどうにかしてくれないとこっちも困りますよ」
「生徒会の方はなんとでもなるからな」
二村と幸永は早いところ何とかしてくれと訴えてくる。


「わかったよ。こいつ連れて帰る。2、3日出てこねぇからよろしくな。あー、後そこのバカをしめといてくれ」
俺は溜め息をつき、梅村を連れて帰ることに決めた。


「大丈夫、ゆっくりなぶり殺しにしておくから」
「俺も手伝う」
二村と幸永は楽しそうに笑いながら鍋谷に近づいていく。


「いやぁぁ!二人とも許してぇぇぇ!!」


俺は鍋谷の悲鳴を背に梅村を連れて部屋を出て扉をしめた。


部屋の中から鍋谷の断末魔が聞こえてきたが自業自得なのでそのままにしておいた。


問題はこの男の方だからな。


ホントに面倒なことしてくれやがってクソが!



Fin


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