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サバイバー!
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さて、危険回避が大分上達し、一端のサバイバーとして生活し始めた私であるが…
だからと言って現状が変わる訳じゃねぇんだわー…。
「…いい加減…まともな拠点見つけるかぁ…」
この身体の潜在能力が高いのか、ただ単に異世界生物の基本スペックが高いのか、比較対象が全くないため分からないが、10歳にも満たない(恐らく7・8歳)割に動けるし力も強い。
最近では、以前はへばりつくようにして何とかよじ登っていた崖もひょいひょい登れる。今なら私、フリークライミング界の寵児になれる。
「よっこいせ…と」
大分このサイズにも慣れてきたけど、中身はアラサーのままなので、掛け声はどうにもならない。
クライミングついでに崖上の大樹にも登り、周りを見渡す。全く代わり映えのない景色だけど。
「…森・森・森…山…山脈かな? 先が見えないし。人が住んでそうな所は…やっぱ無いなぁ」
目を覚ました当初、傾斜を下っていけば人里に出ると思っていた。狭い日本の場合、川を降っていけばいつか海に出るからね。海の近くは人がいるもんね。
だけど…どこまで行っても木々が途切れる事は無かった。
変なもの食べてのたうったり、獣に追われてどちらに向かっていたのかすら見失い…やっと現状を『受け入れて』必死に『生きよう』としていた時に…この景色を見て…
またも絶望した。
どう頑張っても、子どもの足で…ましてや危険物しか無い、この広大な森を抜ける事は…不可能だろう。
やはり…一思いに死んだ方がいいのでは無いだろうか…と何度思っただろう。
それでも…寝ても目は覚めるし、お腹は空くし、怪我をすれば痛いし、獣は怖いし、溺れれば苦しい。
結局、この身体も、『私』も、『生きたい』のだ。
『死ぬ』までは、『生きよう』と、蜜柑に似た果物(?)にかぶりつきながら、決めた。
「やっぱ、この崖の横穴にするかなー。問題は水だよなー。すぐ手に入る所の方がいいし…」
でも危険を回避する点では崖の中腹にあるこの穴は条件バッチリなんだよね。とりあえず入ってみよっと。
再びクライマーになって横穴へと進む。
この横穴、入り口はそんなに大きく無いが、中に入ると広かった。そして…
「おぉぉぉ…!!」
そこはいっそ幻想的な空間だった。
学校の体育館かと言う程の空間があり、恐らく崖上の大樹の物であろう大きな根が天井を支えるかのように複雑に絡み合っており、その内幾本かの太い根がさらに下へと伸びている。
「水もある…!!」
右手側の壁の一部からは地下水が染み出し、小さな池を形成しており、穴があるようには見えないが、中央の根と共にさらに下へと流れているようだ。
「ここ! ここに住むー!」
見知らぬ異世界で目覚めてどのくらい経ったのかは相変わらず不明だが、私の住処が決まった瞬間だった。
「そうと決まれば…生活空間を何とかせねばなるまい…」
寝床はどの辺りにしようかなー…などとうきうきしながらさらに奥を目指していると…何やら踏んだ。パキッていった。
足元に目をやると…
「何だ…? 白っぽい…んん…? これ…」
骨じゃね?
よくよく目を凝らせばそこここに見える骨・骨・骨。
うぉぉ、もしやここ安◯ヶ原の鬼婆的なナニカの住処ですのん?! 流石にちょっと戦えませんね!?
慌てて洞窟から飛び出したが…正直あの場所は惜しい。
「…しばらく様子を見るか…」
崖上の大樹に登って数日様子見。ついでに周囲の探索。
一週間くらい観察したけど、誰も来ないし、この辺りは余り獣も出ないようだ。
まだ完全に大丈夫とは言えないけど…ここはもう腹を括ろう、と、しばらくそこで過ごしてみたけど…やっぱり誰も来ない。
…じゃぁ、もうここ、私の家でいいね!
ワタシハ、イエヲ テニイレタ!! テッテレー!
「おぉ…! お宝発見ですよ…!!」
一体ここが何だったのかとか、もうどうでも良くなってきた。骨にはビビったけど、もう何か…大分麻痺してきたみたいだし。
洞窟の奥、骨の中には衣服を纏ったモノが何体かいたのだ。お洋服ですよ! 麻袋生活から解放されますよ!
大体のものはとんでもなく大きかったが…麻袋とそう変わらんな? と思ったらどうでも良くなった。ただ…パンツは…かなり悩んだ…が、こっちも背に腹は変えられぬ…。
めちゃくちゃ洗って、超天日干しした。
ちょっとだけ衣服事情が良くなりました☆
と言うか、本体は朽ちてるのに服は無事って…めっちゃ頑丈やな。異世界の被服事情気になるわー。
そして…私は、ついに『武器』を手に入れた。
骨ホネ軍団に混じって、剣や短剣、弓、杖…。
まぁこの中で持てそうなのは短剣と杖くらいなもんだけどね。剣は持ち上げられない事はないけど…私の身長くらいあるから無理。鞘から抜けない。
弓は弦がダメになってたし、短剣は大体のものが刃こぼれしてたけど、一本だけ中央の木に刺さってたヤツは綺麗だった。
何はともあれ、短剣は嬉しい。護身にも攻撃にも採集にも使える。なーんも無かった今までから見たら万能感がすごい…!
後、杖は…あれだわ。鈍器。何だったか…確かメイスだっけ? こんな事ならRPGとかやっとくんだったわー…。ゲームって、ジャンル問わずほぼやった事ないんだよね。赤い配管工のオッサンが頑張るヤツちょこっとやったくらい。ちなみにクリアはできなかった(笑)
「…うーん…ベルトは…無理だなぁ…。切っちゃうか…」
おっふ、この短剣めっちゃ切れるんですけど?! こっわ! 硬そうなベルトがスパッと切れちゃったよ! やっべぇ気をつけよ…。下手したら指無くなりそうだわ…。
「しかし…綺麗な刀身ね。全然錆びてないし。運が良かったわ」
どのくらい放置されてたか知らないけど、本体が骨ってるのにこれだけ綺麗って事はお手入れいらなそう。主婦に優しい仕様だわ(笑)
「そしてそして…! メインはコレ…!!」
ワタシハ、ヒウチイシヲ テニイレタ! テテテテッテレー!!
多分だけど、これ火打ち石と火打ち金だ! 時代劇は好きだったのよ。銭◯平次とかで奥さんが切り火してるのカッコいいと思ってたからね。
それはともかく、これで私の生活に『焼く』という人間の文化を取り入れられる…!! 素晴らしい!
「…って、つかねえぇぇぇっ!!(怒)」
「あちっ…! 熱いっ…けど…! 今すごい自分が人間だと思えるっ…!!」
今割と泣きそう(笑)
あれから、火をつけられるようになるまでかなり時間がかかった…。…不器用とか思ったヤツをしばきたい。こんなに難しいとは思わなかった…! けど!
「ビバ文化的生活…!!」
火が使えるようになった事で、魚が焼けるようになった。これ、私的にすごい進化です。
骨ホネ軍団の中には装飾品を付けていた人も多く、特にピアスは重宝した。釣り針に(笑)おかげでいい感じに釣りを楽しめてます。
生活が少し落ち着いたから、骨ホネ軍団を洞窟奥に一纏めにした。あ、武器とか装飾品とかは追い剥ぎ(言い方)してからね。そんで、その辺に落ちてた木の皮(?)にクナイみたいな投げナイフ(?)で『成仏』って彫って拝んでおいた。皆さまの装備品はありがたく使わせていただきますね☆
こうして、『生きる』事が少し楽になった代わりに、『私』がこの世界にまた染まった気がしたーーー
だからと言って現状が変わる訳じゃねぇんだわー…。
「…いい加減…まともな拠点見つけるかぁ…」
この身体の潜在能力が高いのか、ただ単に異世界生物の基本スペックが高いのか、比較対象が全くないため分からないが、10歳にも満たない(恐らく7・8歳)割に動けるし力も強い。
最近では、以前はへばりつくようにして何とかよじ登っていた崖もひょいひょい登れる。今なら私、フリークライミング界の寵児になれる。
「よっこいせ…と」
大分このサイズにも慣れてきたけど、中身はアラサーのままなので、掛け声はどうにもならない。
クライミングついでに崖上の大樹にも登り、周りを見渡す。全く代わり映えのない景色だけど。
「…森・森・森…山…山脈かな? 先が見えないし。人が住んでそうな所は…やっぱ無いなぁ」
目を覚ました当初、傾斜を下っていけば人里に出ると思っていた。狭い日本の場合、川を降っていけばいつか海に出るからね。海の近くは人がいるもんね。
だけど…どこまで行っても木々が途切れる事は無かった。
変なもの食べてのたうったり、獣に追われてどちらに向かっていたのかすら見失い…やっと現状を『受け入れて』必死に『生きよう』としていた時に…この景色を見て…
またも絶望した。
どう頑張っても、子どもの足で…ましてや危険物しか無い、この広大な森を抜ける事は…不可能だろう。
やはり…一思いに死んだ方がいいのでは無いだろうか…と何度思っただろう。
それでも…寝ても目は覚めるし、お腹は空くし、怪我をすれば痛いし、獣は怖いし、溺れれば苦しい。
結局、この身体も、『私』も、『生きたい』のだ。
『死ぬ』までは、『生きよう』と、蜜柑に似た果物(?)にかぶりつきながら、決めた。
「やっぱ、この崖の横穴にするかなー。問題は水だよなー。すぐ手に入る所の方がいいし…」
でも危険を回避する点では崖の中腹にあるこの穴は条件バッチリなんだよね。とりあえず入ってみよっと。
再びクライマーになって横穴へと進む。
この横穴、入り口はそんなに大きく無いが、中に入ると広かった。そして…
「おぉぉぉ…!!」
そこはいっそ幻想的な空間だった。
学校の体育館かと言う程の空間があり、恐らく崖上の大樹の物であろう大きな根が天井を支えるかのように複雑に絡み合っており、その内幾本かの太い根がさらに下へと伸びている。
「水もある…!!」
右手側の壁の一部からは地下水が染み出し、小さな池を形成しており、穴があるようには見えないが、中央の根と共にさらに下へと流れているようだ。
「ここ! ここに住むー!」
見知らぬ異世界で目覚めてどのくらい経ったのかは相変わらず不明だが、私の住処が決まった瞬間だった。
「そうと決まれば…生活空間を何とかせねばなるまい…」
寝床はどの辺りにしようかなー…などとうきうきしながらさらに奥を目指していると…何やら踏んだ。パキッていった。
足元に目をやると…
「何だ…? 白っぽい…んん…? これ…」
骨じゃね?
よくよく目を凝らせばそこここに見える骨・骨・骨。
うぉぉ、もしやここ安◯ヶ原の鬼婆的なナニカの住処ですのん?! 流石にちょっと戦えませんね!?
慌てて洞窟から飛び出したが…正直あの場所は惜しい。
「…しばらく様子を見るか…」
崖上の大樹に登って数日様子見。ついでに周囲の探索。
一週間くらい観察したけど、誰も来ないし、この辺りは余り獣も出ないようだ。
まだ完全に大丈夫とは言えないけど…ここはもう腹を括ろう、と、しばらくそこで過ごしてみたけど…やっぱり誰も来ない。
…じゃぁ、もうここ、私の家でいいね!
ワタシハ、イエヲ テニイレタ!! テッテレー!
「おぉ…! お宝発見ですよ…!!」
一体ここが何だったのかとか、もうどうでも良くなってきた。骨にはビビったけど、もう何か…大分麻痺してきたみたいだし。
洞窟の奥、骨の中には衣服を纏ったモノが何体かいたのだ。お洋服ですよ! 麻袋生活から解放されますよ!
大体のものはとんでもなく大きかったが…麻袋とそう変わらんな? と思ったらどうでも良くなった。ただ…パンツは…かなり悩んだ…が、こっちも背に腹は変えられぬ…。
めちゃくちゃ洗って、超天日干しした。
ちょっとだけ衣服事情が良くなりました☆
と言うか、本体は朽ちてるのに服は無事って…めっちゃ頑丈やな。異世界の被服事情気になるわー。
そして…私は、ついに『武器』を手に入れた。
骨ホネ軍団に混じって、剣や短剣、弓、杖…。
まぁこの中で持てそうなのは短剣と杖くらいなもんだけどね。剣は持ち上げられない事はないけど…私の身長くらいあるから無理。鞘から抜けない。
弓は弦がダメになってたし、短剣は大体のものが刃こぼれしてたけど、一本だけ中央の木に刺さってたヤツは綺麗だった。
何はともあれ、短剣は嬉しい。護身にも攻撃にも採集にも使える。なーんも無かった今までから見たら万能感がすごい…!
後、杖は…あれだわ。鈍器。何だったか…確かメイスだっけ? こんな事ならRPGとかやっとくんだったわー…。ゲームって、ジャンル問わずほぼやった事ないんだよね。赤い配管工のオッサンが頑張るヤツちょこっとやったくらい。ちなみにクリアはできなかった(笑)
「…うーん…ベルトは…無理だなぁ…。切っちゃうか…」
おっふ、この短剣めっちゃ切れるんですけど?! こっわ! 硬そうなベルトがスパッと切れちゃったよ! やっべぇ気をつけよ…。下手したら指無くなりそうだわ…。
「しかし…綺麗な刀身ね。全然錆びてないし。運が良かったわ」
どのくらい放置されてたか知らないけど、本体が骨ってるのにこれだけ綺麗って事はお手入れいらなそう。主婦に優しい仕様だわ(笑)
「そしてそして…! メインはコレ…!!」
ワタシハ、ヒウチイシヲ テニイレタ! テテテテッテレー!!
多分だけど、これ火打ち石と火打ち金だ! 時代劇は好きだったのよ。銭◯平次とかで奥さんが切り火してるのカッコいいと思ってたからね。
それはともかく、これで私の生活に『焼く』という人間の文化を取り入れられる…!! 素晴らしい!
「…って、つかねえぇぇぇっ!!(怒)」
「あちっ…! 熱いっ…けど…! 今すごい自分が人間だと思えるっ…!!」
今割と泣きそう(笑)
あれから、火をつけられるようになるまでかなり時間がかかった…。…不器用とか思ったヤツをしばきたい。こんなに難しいとは思わなかった…! けど!
「ビバ文化的生活…!!」
火が使えるようになった事で、魚が焼けるようになった。これ、私的にすごい進化です。
骨ホネ軍団の中には装飾品を付けていた人も多く、特にピアスは重宝した。釣り針に(笑)おかげでいい感じに釣りを楽しめてます。
生活が少し落ち着いたから、骨ホネ軍団を洞窟奥に一纏めにした。あ、武器とか装飾品とかは追い剥ぎ(言い方)してからね。そんで、その辺に落ちてた木の皮(?)にクナイみたいな投げナイフ(?)で『成仏』って彫って拝んでおいた。皆さまの装備品はありがたく使わせていただきますね☆
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