異世界召喚された地味子、王宮から追い出されたので特殊固有スキルでエロと共に暴れ回る。

駄犬X

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スタンピード編

真・地獄の番犬。

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 全身に地獄の炎を纏ったぺろすが、『ヘルフレイムバースト』でポイズンスパイダーの前衛を燃やす。その初撃でポイズンスパイダーの3分の2が死骸すらも残らないほどに消し飛んだ。

 そして再び姿勢を低くして戦闘態勢に入ったぺろすがポイズンスパイダーの群れに向かって突進する。

 突進攻撃でスパイダーを弾き飛ばし、ヘルフレイムアーマーの炎でスパイダーを燃やしていく。ポイズンスパイダーの群れに飛び込んだぺろすは3頭の牙でポイズンスパイダーに噛み付いてその身体を引きちぎり、更に前脚の炎の爪で切り裂く。

 凄まじい猛攻で暴れ回るぺろす。噛み付きと前脚の炎の爪での斬撃でポイズンスパイダーの数をどんどん減らしていく。

 スパイダーの群れはぺろすに群がり毒攻撃を仕掛けるものの、接触したその瞬間から燃やされて溶けた。

 辺りに異臭が漂う。

 余りの高熱と斬撃にポイズンスパイダーは次々とぺろすから離れていく。しかし、後退を始めたポイズンスパイダーにぺろすの『ヘルフレイムブレス』が襲い掛かる。

 退避を始めたポイズンスパイダーは、ぺろすのブレスによってあえなく焼き殺されて全滅した。

「…グロいな…」

 顔を引きつらせて苦笑いのカイン。

「…燃えてるわ、溶けてるわ、引き裂かれてるわのスパイダーの死体だらけだからな…」

 その隣で同じく苦笑いの勇護。しかしそんな二人にガルロが叫ぶ。

「お前らッ!!油断するなよ!!上からモンスターが来てるぞッ!!」

 二人は慌てて上を見る。鉱山両壁面の無数の穴から大型犬サイズの蟻がゾロゾロと出ていた。

「軍隊蟻、レベル50、視認出来るのは約60体、来るぞッ!!」

 ヒューガーの声に全員が戦闘態勢に入る。ぺろすとはかなり距離がある。ここは自分達で何とかしなければならない。ガルロ、ヒューガー、カイン、勇護が覚悟を決めた瞬間、エリスの手元が高速で動いた。

 マシンガンの如き速さで矢を連射していくエリス。両側の巣穴から出て壁面を伝って襲い掛かって来た軍隊蟻が次々と落下していく。

 全ての軍隊蟻の死体の頭部が撃ち抜かれて体液を噴き出していた。巣穴から壁面を伝いPTを襲撃しようとした軍隊蟻の群れは、PTを攻撃する前にエリスの矢を受けて死んだ。

 今回エリスが使っている矢は普通の鉄の鏃(やじり)が付いたものである。その普通の矢が軍隊蟻の硬い頭部甲殻を貫通したのはエリスの強い思念力によるものだ。

 エリス自身は気付いていなかったが思念力が上がる事により魔法の発動スピードと威力が上がっていたが、タガーによる攻撃、そして矢を放つ際にも無意識のうちに思念を込めていた。

 『一心、岩をも通す』というヤツである。

 苦笑いのガルロとヒューガー。尋常ではない攻撃力と異常な攻撃スピードに
カイン、勇護の顔が蒼褪めていた。目の前で矢を撃っているエリスの手元が全く見えなかったのだ。

 鉱山入り口でのタガーでの攻撃と言い、今の弓による攻撃と言いもう既にただのSランクハンターの攻撃ではない。それを遥かに超えていると二人は考えていた。

 奥にいたぺろすに散開して襲い掛かった蟻達は頭を引き千切られ爪で切り刻まれてヘルフレイムブレスで焼かれていた。

「軍隊蟻、残り60体だが…もう終わりそうだな…」

 ガルロ、ヒューガー、カイン、勇護が攻撃態勢に入った瞬間、軍隊蟻はエリスとぺろすによって全滅した。

 ここでぺろすのレベルが79にアップ。スキル『ヘルフレイムバーン』を獲得。ヘルフレイムバーンは全身を包むヘルフレイムアーマーを爆発させて周囲の敵を一気に焼き尽くすスキルである。

 ぺろすと合流する一行。

「ぺろす、よくやったね。はい、おやつの骨」
「ばうっ!!」

 エリスはぺろすを褒めてやるとワイバーンの骨を食べさせる。ぺろすはそれを咥えるとおいしそうに3頭でバリバリと食べた。

「…エリス。キミ、ぺろすが怖くないの?」
「ん?怖いですか?確かに見た目はインパクトありますけどね~(笑)。でも結構可愛いんですよ(笑)!!」

 カインに問われて笑いながら答えるエリス。そんなエリスに一行は苦笑いしていた。

◇ 

 おやつタイムを終えたぺろすを先頭に鉱山を奥に進む一行。しばらくして鉱山の奥から不穏な羽音が聞こえて来た。

 奥から出てきたのは鷹サイズの『殺人蜂』だ。

「殺人蜂、レベル52。120体…エリスのお嬢ちゃん、ぺろすだけで行けるか?」
「大丈夫です。もしうち漏らしがあったらわたしが弓で撃ち落とします!!」

 力強く答えるエリスにカインも声を上げた。

「あ、僕も一応ソードスラッシュ使えるからうち漏らしは任せて下さい!!」
「俺も準備だけはしとくか」

 そう言いつつ剣を抜いて銃に変形させるヒューガー。そんな中、近接職のガルロと勇護は全く出番がなかった。

「…俺達も一応、戦闘準備はしておこう…」
「…えぇ、そうですね…」

 ガルロと勇護が話している間にぺろすが3頭によるバーストで殺人蜂を消し飛ばしていく。その間に矢を番えて戦闘態勢のままのエリスが皆に注意喚起をする。

「出で来るモンスターは前回と同じですが個体の大きさとレベルが格段に上がっているので気を付けて下さい!!」
「あぁ、分かってる。僕も本気で行くよ。ぺろすに負けてられないからね」

 そう言いながら双剣を手に構えるカイン。膝を付いて銃剣を構えるヒューガー。

 一方通行のダンジョンでは、飛行系モンスターはバーストの良い的だった。しかし、一部逃れた蜂にエリスとカインが反応する。

「『デュアルソードスラッシュッ』!!」
 
 十字に斬り落とされる殺人蜂。エリスが弓で撃ち落とし、その隣でヒューガーがスキルで殺人蜂を狙う。

「『ガンブレイド気闘術』、一式。確定狙撃!!」

 瞬間、ぺろすのバーストから逃れた殺人蜂が爆裂する。カインとヒューガーによってうち漏らしも確実に処理していく。

 殺人蜂を片づけたぺろすのレベルが81にアップした。基本攻撃能力の増強とバイタル(体力)が上昇した。

「…皆さん、ここからはより警戒して下さい。ダンジョンボスが来ます…」

 エリスの言葉に気を引き締める一行。このメンバーの中でこの鉱山ダンジョンに入っている者はエリスしかいない。

 しかし前回の様に不穏な羽音は聞こえなかった。代りに姿を現したのは体高3メートル、体長4.5メートルの巨大カマキリだった。

「…あれッ!?インセクトクィーンじゃないッ!?」
「…こいつは…ギルドの報告書と違うな?」

 そう言いつつ、ガルロがヒューガーを見る。

「…レベル58、キラーマンティスだな…今まで出て来るヤツは同じだったのに何故ダンジョンボスだけ変わってる?」

 ヒューガーの疑問に答えるエリス。

「…もしかしたら魔力異常が原因かもしれません。下に行けば行くほど影響を受けて変わっている可能性はあります」

 そう言いつつ、戦闘態勢に入っているぺろすにも注意を促すエリス。

「ぺろす、相手がどれだけ強いか分からないから気を付けてッ!!」
「ばうっ!!」

 一声啼くとぺろすはキラーマンティスに突進していく。途中でヘルフレイムアーマーを発動させ、より移動スピードを上げた。

 しかしマンティスはぺろすの突進を避けると巨大な鎌を高速で振り回す。その瞬間、ぺろすの胴が切り裂かれる。

 一瞬、血が噴き出したがヘルフレイムバーンによって攻撃しつつ傷口を塞ぐぺろす。ヘルフレイムバーンの炎の攻撃に対して瞬時にバックステップで避けるマンティス。

 マンティスは素早い動きでぺろすの背後に周り巨大鎌で斬り付ける。レベルこそぺろすの方が高かったがマンティスは今までのどのモンスターよりも動きが速かった。

「…なんてヤツだ…ぺろすより動きが速いぞッ!?」

 そう言いつつガルロは二振りの短槍を抜く。エリスも弓に矢を番えて構えていたが、ぺろすが接近して闘っている為に射撃のタイミングが難しい。

「…これはまずいな。あのマンティス、思考能力があるのか…?完全にぺろすの動きを読んでやがる…」

 ヒューガーの言葉にカインも勇護も援護に入ろうと武器を構える。しかし、それを見たぺろすの目が赤く光った。

「…ぺろす…来るなって事…?でもこのままじゃ…」

 エリスの言葉通り、マンティスはその素早さを生かしぺろすの側面や背面に周っては鎌をブン回す。ぺろすは身体中に裂傷を負って血を噴き出していた。

 ぺろすはマンティスを接近させまいとヘルフレイムバーンを放出するものの、後退して避けたマンティスに再び接近され斬撃を喰らう。このままではヘルフレイムバーンで傷口を塞ぐよりも斬撃による裂傷で出血が止まらなくなってしまう。

 エリスは覚悟を決めて弓を下げると二刀のタガーを抜いた。このメンバーの中であのマンティスの動きについて行けるのはエリスしかいない。ぺろすが意地を張っているのは分るがこのままではぺろすが殺されてしまう。

 一歩、エリスが足を踏み出そうとした瞬間、それは起こった。



 そのケルベロスは地獄で成犬となり、一族に伝わる習わしに従って現世に修行に出た。しかし自由を得たケルベロスは修行をする気など更々なかった。

 適当に人間を脅し、そこらのモンスターを倒して帰れば認められるだろうと考えていた。そして一番、魔力の強い洞窟に住み着いた。

 イビルロードが封印されていた洞窟だ。

 人間達の集落からはかなり離れていたが、しばらくしてケルベロスは発見され人間達が来るようになった。3頭の口から炎を出し、吠えて脅してやればすぐに逃げていく。人間など弱い存在だ。

 そんなヤツらを殺す気などないが噂になれば人間達が討伐に来るかもしれない。闘いになると面倒だと考えたケルベロスは別の場所に移動する事を考えていた。

 そんな時に現れたのが美裸達だった。従魔の子どもスライムを連れた妙な服を着た少女。そしてエルフのエリス。そして男が一人。そこに人間と思しき目付きの悪い幼児もいた。

 驚いた事に他の誰でもない幼児が真っ先に、躊躇する事無く突進して来た。この幼児はバカだ。そしてそれを放って好きにさせている少女達もバカだと思った。

 少し脅してやれば泣いて戻るだろうとケルベロスは考えていたが、その幼児は人間ではなかった。鬼と人間のハーフ、『鬼人』だったのだ。それは後から知る事になるがこの時のケルベロスはそんな事は知らなかった。

 噛み付いても怯まず、むしろ噛み付かせて幼児らしからぬパワーでこっちの3頭の顔面をガンガン殴りつけて来る。

 一体この幼児は何なのだ!?何故、地獄の番犬と呼ばれる我を恐れぬのだ!?殴り蹴り付けられ戦意を喪失するケルベロス。挙句に首に縄をかけて乗ってこようとする始末だ。

 しかし、最後の力を振り絞って抵抗したがその幼児は最後まで怯む事はなかった。仕方なくケルベロスは幼児の強さを認めた。

 そして全く以って不満であるが『ぺろす』という名前を得た。名前を得た事によりネームドと呼ばれる存在となり、より強くなる機会を得た。

 そしてぺろすは、マンスジー王国での活動の後、美裸、エリス、コニー、だいふくと旅に出る。

 そしてマンチラー島で強敵を倒し、異常なまでにレベルを上げた。こうなれば我にかなうモンスターなどいない。ぺろすはそう考えていた。

 しかし今、格下のマンティスに良い様に斬り付けられ傷を増やしている。その瞬間、ぺろすは自分が慢心していると気付いた。

 そして自分にはまだ覚悟が足りていないと。強いヤツはまだまだいるのだ。コニーを倒せるようになるその日まで慢心してはならない。

 我は『真・地獄の番犬』なのだッ!!マンティスには敗けぬッ!!そう強く覚悟を決めたぺろすの身体をマンティスの鎌が深く貫いた…。
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