異世界召喚された地味子、王宮から追い出されたので特殊固有スキルでエロと共に暴れ回る。

駄犬X

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スタンピード編

ダンジョンコア。

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 エリスが鶏サイズのヴァンパイアモスキートを高速連射で撃ち落としていくのを確認したぺろすは、スパインセンチピードに向かって突進していく。

 その途中で『炎化』(フレイムトランスフォーマー)を発動させた。

 ぺろすの高速接近に巨大なセンチピードがゆっくりと頭を上げると腹部に生えているタガーのような毒棘を無数に飛ばしてきた。

 スパインセンチピードの棘の毒は強力な神経毒である。いかにレベルが高くネームドであろうと喰らうと危険だった。人間なら毒を喰らう以前に、その無数の棘で跡形もなく殺されてしまうだろう。

 その数百の毒棘がマシンガンの様にぺろすに襲い掛かる。しかしセンチピードの毒棘は炎化したぺろすに触れた瞬間、全て燃えて塵となった。

 逆にぺろすは疾走中に左右の頭からバーストを放つと、巨大センチピードの胴体の二か所を削り取る。

「ギイイィィィッ!!」

 怒りの咆哮を上げるセンチピード。周囲の空気が振動する程の咆哮と共に、大きく強力な顎で接近するぺろすの上から襲い掛かる。

 炎化しているので避ける必要はないのだが、いつもの癖でそれを素早く躱すぺろす。センチピードの顎が地面を砕き濛々と土埃を上げた。

 土埃を抜けたぺろすは、そのまま洞窟壁際にある岩を使って壁を上へと素早く昇りセンチピードの背後に周り込んだ。

 顎による噛み付き攻撃を躱され、怒りのセンチピードが地面から頭を上げると背中側にある数百の毒棘を一気に射出する。

「…芸がないな。そんなモノ、我に通用するわけ無かろう…」

 ぺろすは呟くと壁の上に突き出した岩場からセンチピードに向かって飛んだ。そして水泳の飛びこみ選手の様に身体を丸めて高速回転する。

 火炎の大車輪となったぺろすがスパインセンチピードが飛ばして来た数百の毒棘を燃やしながら更に回転を強めていく。

 ぺろすはそのまま、スパインセンチピードの背の硬い甲殻に突っこんだ。その瞬間、炎化したぺろすがバキバキッ!!という音と共に甲殻を粉砕し、センチピードを真っ二つにした。

「ギィイィィィィィィーッ!!」

 絶叫を上げるセンチピード。

 頭と胴に切断されながらも、センチピードは無数の脚を使ってぺろすに接近、襲い掛かる。しかし前後から挟み撃ちにしようとしたセンチピードはぺろすの『ヘルフレイムバーン』によって完全焼却された。

 瞬間、ぺろすの身体が光を放つ。

 ぺろすのレベルが85に上昇した。新スキル『デーモンフレイムボール』を獲得。デーモンフレイムボールはバスケットボールサイズの炎の玉を口から吐き出して飛ばす事が出来る。

 更に『ヘルフレイムサイクロン』を獲得。高速前転で炎の大車輪となり対象を焼いて轢き殺す。前段階で炎化しておく必要がある。

 スパインセンチピードに完全勝利したぺろすは、振り返ってエリス達の戦況を確認した。

 弓の高速連射攻撃によってヴァンパイアモスキート200体をあっという間に撃ち落としたエリスは確実にトドメを刺していくガルロ、ヒューガー、カイン、勇護を手伝う為に二刀のタガーを抜いた。

 そしてスキル『ファントムキラー』で発動した。

 端から何とか50体程止めを刺していたガルロ達の間を疾風が吹き抜ける。直後、撃ち落とされて藻掻くモスキートが、一気に首を飛ばされて体液を噴き出す。

「…オイオイ、マジかよ…(笑)?」

 ガルロの呟きの前で、疾風と共にモスキートの首が次々と飛んで行く。 

 残り150体のモスキートの首が2分掛からず宙を舞った。そしてあちこち首無しのモスキートの死体から噴水の様に緑の体液が噴き出していた。

 エリスのレベルが102まで上昇。魔力造成、火炎系の威力の増強、バイタル、思念力の数値が大幅に上がった。

 苦笑いのままガルロ、ヒューガー、カイン、勇護は呆然と見ていた…。



「ぺろす、モスキートの死体を完全焼却してくれ」
「わかった。我に任せよ」

 モスキートの死体はそのまま放っておくと疫病を撒き散らす原因となる。ヒューガーに頼まれたぺろすは『ヘルフレイムブレス』でモスキートの死体を完全に燃やし尽くした。

「ぺろす、お疲れ様。はい、これおやつね」

 エリスはぺろすを労いつつ、残りの骨を出して食べさせる。おいしそうにバリバリとワイバーンの骨を食べるぺろす。その側でガルロが呟く。

「…あんな巨大センチピードを跡形もなく…倒すとは…エリスも強くなったがぺろすもかなり強くなっているんだな…」
「…僕らだけだとかなりヤバい敵でしたね…」

 カインの言葉に勇護が頷く。

「…あんなの俺達じゃ潰されて喰われるのがオチだよ…」
「そうだな。今回はエリスとぺろすが戻ってくれて助かったが次にあんなのが出てきたら王国は壊滅だぞ…」

 話す4人にエリスが割って入る。

「皆さん、まだ終わりではないです。ダンジョンはダンジョンコアを破壊しない限りまた再構築を始めます。ダンジョンコアを破壊しましょう!!」
「…そうだったな。最後の仕事をしないとな…」

 そう答えるヒューガーにカインが問う。

「…ダンジョンコア?何ですか、それ?」

 ダンジョンコアを知らないガルロ、カイン、勇護にエリスが説明する。

「ダンジョンコアはダンジョンの最深部にあり、ダンジョンを構築してモンスターやトラップを魔力で創り出す魔力の『核』の事なんです」

 続けてエリスが説明する。

「美裸が言うにはダンジョンコアを操るダンジョンマスターと呼ばれる人達もいるようです。中にはコア自体が知的生命体の場合もある、って言ってましたね…」
「…ではここにまだ敵がいる可能性があると言う事か?」

 ガルロの言葉にヒューガーが答える。

「いや、俺の索敵では敵反応はない。ここにはセンチピードがいた奥の方に強い魔力反応があるだけだな…」
「ダンジョンマスターやコア自体が知的生命体というのはあくまでも稀なケースだと考えて下さい」

 エリスの言葉にガルロ、カイン、勇護が頷く。

 再びぺろすを先頭に一行は大きな洞窟を奥に進んでいく。センチピードが鎮座していた場所の奥に通路がある。その通路を抜けると再び広い空間に出た。

 一行の目の前には石造りの扉があった。

「…ここか。一応、全員戦闘態勢でいてくれ…」

 そう言うとヒューガーはエリスと共に石の扉を動かそうと横から押してみる。
扉の前ではガルロ、カイン、勇護が戦闘態勢で待機している。

 しかし、石の扉は横に押しても正面から押してもびくともしなかった。

「どういう事なんだ?動かないのか?」
「もしかしてその扉、合言葉とかパスワードとかないと開かないんじゃ?」

 ガルロとカインが話す中、石扉を開ける為に勇護もエリスとヒューガーを手伝う。しかし3人掛かりでも石扉は1ミリも顎かなかった。

「…どうやっても開きませんね…」
「これ、ぺろすさんに破壊して貰えば良いんじゃないですか?」

 勇護の言葉に頷くヒューガー。

「…そうだな。闘技場遺跡の時の様にぺろすに破壊して貰うか?」
「そうですね。その方が速いですね。扉ごとぺろすに破壊して貰いましょう」

 そして一行が振り返るとぺろすはいなかった。

「…あれッ?ぺろすッ!?、どこ行ったのッ…!?」

 エリスが呼ぶとセンチピードがいた洞窟からぺろすが戻ってきた。

「すまんな。我が見落としていた。おそらくこれが必要なのだ…」

 そう言うと咥えて来たモノを落とすぺろす。それはスマホサイズの金色に輝く鍵だった。

「…鍵(笑)?さっきの巨大ムカデが持ってたの(笑)?」
「うむ。そこに落ちていたのを拾って来たのだ」

 その鍵を拾って石扉の前に立つエリス。しかし今度は鍵穴が見当たらない。
鍵穴を探すエリスに、考えていたカインが勇護を見る。

「…勇護。こう言う時って…」 
「…そうだなー…恐らく…」

 そう言いつつ二人はエリスに変わって石扉を探る。その時、考えていたガルロが後ろから叫んだ。

「それは鍵穴に刺して開けるモノじゃないッ!!それはッ…!!」

 その言葉にカインと勇護が振り返って頷く。エリスが覗き込むと石の扉の下の方に窪みがあり、金の鍵がぴったりと嵌っていた。

「ええッ!?そんな下にッ!?しかも嵌め込みだったんですかッ!?」

 驚くエリスにカインが笑う。

「あははッ、僕と勇護は結構ダンジョン踏破したからね!!やっぱりそこは経験かな(笑)!!」
「そうだな。こういう時は経験が役に立つからな?エリス、覚えとけよ(笑)?」

 笑いながらガルロに言われたエリスは苦笑いを見せつつ返事をしながら頷いた。金の鍵を嵌め込んだ石の扉は、さっきまでビクともしなかったのがウソのようにあっさりと開いた。

 警戒していた一行の前に小部屋があり、その中にバランスボール大の強く光を放つ青く透き通る玉があった。

「…強い魔力を感じます。おそらくこれがダンジョンコアです…」
「そうだ。これがダンジョンコアだ。魔力が異常に強い」

 エリスとぺろすの話を聞いたヒューガーがすぐに鑑定を始める。

「…確認した。これがこの鉱山に出来た洞窟ダンジョンのコアだ…」 
「ぺろす、バーストで破壊してくれる?」
「うむ。我が破壊する。お主らは下っておくのだ」

 ぺろすに言われて一行はぺろすから距離を取る。全員が離れたのを確認したぺろすが3頭から一気に圧縮したバーストを放った。

 ダンジョンコアは、ぺろすの高圧縮バーストによって色を変え、形を変えて溶けて最終的には蒸発した。その瞬間、その辺り一帯の景色が変わる。

 一行の周囲はただの鉱山洞窟になっていた。

 帰還転移フィールドも消えてしまったが、ただの鉱山洞窟に戻ってしまったので一行は歩いて鉱山入り口に戻った。



 翌日、王国ギルドのギルドマスターの部屋に集まった一行は、ガルロから南西にある洞窟ダンジョンの調査について話を聞いていた。

「南西にある海岸洞窟ダンジョンだが一度殲滅した後、特にスタンピードを起こしているとの報告はない。しかし念の為にコアの確認に向かってくれ」

 …と言う事でエリス、ぺろす、ヒューガー、カイン、勇護の5人で王国南西にある海岸洞窟ダンジョンに調査に向かった。

「エリスとぺろすはそこのダンジョン踏破してると報告書で見たがどうだった?」

 ヒューガーに聞かれたエリスが記憶を探りつつ話をする。

「海洋系モンスター諸々とダンジョンボスはデビルキャンサーでした」
「そうだな。あそこのダンジョンは僕達も潜ったけど大した敵はいなかったはず…。勇護の時はどうだった?」
「俺達はそんなに奥まで潜ってないよ。安全第一で行ってたからなぁ…」

 話しながら一行は海岸洞窟ダンジョンの入り口に到着する。王都ギルドから馬車を出して貰って乗ってきた一行は降りた瞬間、異変を感じ取った。

 通常、ダンジョンなどは国が管理しているので衛兵の駐屯所があり、交代でダンジョン入り口を見張っている兵士がいる。

 その兵士が倒れていたのだ。急いで入り口まで向かう一行。

「…死んではいない。どうやら眠らされているようだな。カイン、気を抜くなよ?」

 ヒューガーの言葉に頷いたカインは双剣の柄を持つと周囲を探る。しばらくして駐屯所を確認に行った勇護が戻ってきた。

「…全員が死んだように眠っています。スタンピードとは別に何か異変が起きていると思います…」

 勇護の報告に頷くヒューガー。ダンジョン入り口をぺろすと共に探っていたエリスも急いで戻ってきた。

「…どうした?お嬢ちゃん、何か分かったのか?」
「皆さん警戒して下さい!!ダンジョンの中から何者かが上がって来ています!!」

 エリスの警戒の言葉に双剣を抜くカイン。

「…何者かって、エリスさん、どんなヤツなんですか?」

 勇護の問いに答えようとしたエリスがダンジョン入り口から現れた者達を見て驚いた。

「…どうしてあいつ等がここにッ…!?」

 エリスはすぐに二刀のタガーを抜いた。
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