異世界召喚された地味子、王宮から追い出されたので特殊固有スキルでエロと共に暴れ回る。

駄犬X

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スタンピード編

それは交渉じゃなくて脅しです。

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 王国南西にある海岸洞窟ダンジョンの再調査に向かったエリスはそいつらを見て呟いた。

「何でアイツらがここにッ!?」
「…確かに、見た事のあるヤツらだな…」

 呟くエリスとぺろすにカインが問う。

「…エリス、アイツらは何者なんだ…?」

 エリスからクリートリースンの森の事について話を聞いていたヒューガーは既に構えていた。

「アイツらは『監視者』と名乗る集団です。この星の魔力異常を調査しているらしいんですが…」
「ん?エリスさん、それだとあの人達は良い人達じゃないんですか?」

 勇護に聞かれてクリートリースンの森での事を話した。

「…エリス、先制攻撃したら完全にエリス達が悪いヤツになると思うけど…」
「いや、それがこの星の魔力異常の原因がわたし達だと思っているらしいんですよ。だから先制攻撃したんです…」

 海岸洞窟ダンジョン内からエリス達の前に現れたのは、クリートリースンの森で遭遇したフードのヤツら『監視者』だった。

 監視者の一人がエリス達に気付く。エリスとぺろすが監視者達にゆっくりと近づいていく。

「…お前達、現地人か?全員眠らせたと思っていたがまだ隠れていたのか?それとも後からやって来たのか…」
「わたし達はこの洞窟の魔力異常の調査に来たんですよ。あなた達はここで何をしているんですか?」
「…フッ、現地人が魔力異常の調査だと(笑)?異常調査なら既に我々が終わらせている。そんな事より我々の姿を見たお前達には…」

 そこまで話した真ん中のフードの横にいた監視者が震えながら声を上げた。

「…リーダー、こっ、コイツらはッ…例の魔力異常者ですッ!!東の森で会ったヤツらですッ!!」

 その言葉に笑うリーダーと呼ばれた監視者。

「…お前達が長官を撃退したとか言う異常者か(笑)?ちょうどいい。魔力異常によってこの世界のレベルを超えたお前達は抹殺対象になっている。ここで消えて貰うぞ?」

 そう言いつつ武器を手に取る監視者のリーダー。

「わたし達はわたし達でこの星の異常を正そうとしてるのに、殺される理由なんてないわよ…」

 応酬しながらエリスもタガーを二刀抜いて構える。その隣でぺろすも戦闘態勢に入った。

 監視者は五人いる。エリス、ぺろすの援護をしようと武器を手に取ったカインと勇護を止めるヒューガー。

「…お前ら、アイツらは俺達よりレベルが上だ。ここはエリスとぺろすに任せておけ…」

 ヒューガーにそう言われたカインと勇護が視線を見合わせる。その目の前で激闘が始まった。



 監視者のレベルは平均で80前後だ。

 エリスはまず、ぺろすと思念話で作戦を話していた。ぺろすが気を引き、その間にエリスが相手の援護職を無力化する作戦だ。レベルが上がったエリスとぺろすには、魔力が高い者が分かる様になっていた。

 攻撃を仕掛けようとした監視者リーダーに、ぺろすが『デーモンフレイボール』を放つ。その攻撃に監視者達が驚いた。

「…火炎弾だとッ!?何故、奇形の犬が口から火炎弾をッ…!?」

 ぺろすのフレイムボールを魔力の高い術者がシールドで防ぐ。一歩踏み出した監視者リーダーはいきなりのフレイムボールに動けなくなった。

 監視者達はエリスとぺろすの実力が以前、遭遇したクリートリースンの森での時より上がっている事を知らなかった。

 ぺろすのフレイムボールで動けなくなった監視者の術師を峰打ちで気絶させるとエリスは続けてリーダーを含む残り四人の監視者も一気に打ち倒した。

「…は、速い…!!情報と違うぞ!?貴様ら…何故、以前より力が上がっているのだ…!?」
「何でって…そんなの聞かれても知らないわよ!!言っとくけどわたし達は魔力異常の影響を受けて強くなってる訳じゃないからね!!わたし達は…」

 そこまで言ったエリスにぺろすからの思念話が飛んで来る。

≪エリスッ!!後ろだッ、何者かがいるぞッ!?≫

 ぺろすの思念話の直後に、エリスは後ろから刺そうとした者のタガーを弾くと瞬動で後退し距離を取った。

「…お前らではそいつらの相手は難しいだろう。下っていろ…」

 突然、現れた壮年の男が、5人の監視者達の前に立つ。その男も両手にタガーを持っていた。

「お前達が魔力異常の影響を受けているかどうかなど関係ない。お前達はこの世界の常識から外れている『異常者』なんだよ。よって討伐対象となっている。自分の運命を呪うんだな…」

 そう言い放つ男に、二刀のタガーで打ち掛かるエリス。

「アンタ、クリートリースンの森で会った長官ね?勝手な事を言わないでよ!?わたし達は良く知りもしないアンタ達から討伐されるいわれなんてない!!」

 本気で動くエリスに二刀のタガーで対抗する壮年の男。エリスの高速連撃を全力で何とか弾く男。

「…チッ、何故ここまで速いッ!?」

 エリスの連撃を必死に防ぐ男。その後ろにいつの間にかぺろすがいた。

「…お主ら、我らを殺せるものなら殺して見せよ…」

 ぺろすの言葉の直後、エリスはすぐにぺろすが向いている軌道上から退避する。

「長官ッ!!後ろですッ!!魔物が背後にいますッ!!」
「…なにィッ!?いつの間にッ…!?」
 
 瞬間、長官の背後からぺろすがバーストを放つ。しかし、監視者の一人、術師が気絶から覚醒してシールドを展開、何とかぺろすのバーストを防いだ。

 エリスに無力化された者達も次々と復活して長官を守ろうとその前に立つ。エリスが見ると、新たに長官と共に来た回復支援術師がいた。

 更に戦闘要員も30人ほど、増えている。  

「長官!!その者達は以前より力を上げています!!長官だけでは手に余ります!!」
「…そうか、お前ら…。ならば気を引き締めよ!!我々の全力を持ってあの異常者2体を討伐するッ!!」

 しかしその瞬間、監視者の一人が突然、十字に斬られて血を噴き出して倒れた。

「…なんだッ!?何が起き…た…!?」

 パニックを起こす監視者達。

「…2体?笑っちゃうね!!僕達も一応、ここにいるんだけどね(笑)!!仲間を殺されるのを黙って見てないのはこっちも同じだよ?」 
「そうだな。英雄と勇者が揃ってるのに仲間を殺させはしない!!」

 スキル『デュアルソードスラッシュ』を放ったカインと『ブレイブハート』で支援する勇護が不敵に笑う。

 二人はエリスが美裸の思念力に影響を受けた様に、鉱山洞窟ダンジョンのモスキート退治で強大になったエリスの思念力の影響を受けてレベルが上昇していた。

「全く…お前らは…。俺を巻き込みやがって(笑)!!仕方ないから俺も手伝ってやるよ!!」

 ヒューガーの言葉の直後に監視者達の立っている地面から突然、上に向かって爆発が起きた。

 毒づいたヒューガーもまた、エリスの思念力の影響を受けてレベルが上がっていた。ガルロも含めて4人はもう頭打ちだと思っていたレベルが上がった事によって美裸やエリスの力が本物だと確信した。

「…チッ、現地人まで混ざって来やがったか…。お前ら退避準備しろ…」
「…退避ッ!?しかし長官ッ!!このまま異常者を見逃しては…」
「いいから退避の準備をしろッ!!お前らは先に艦へ戻れッ!!これは命令だッ!!俺も後から戻るから心配するなッ!!ここは俺が防ぐッ!!お前らは先に行けェェッ!!」

 長官は叫ぶと極大殲滅魔法を唱える。しかし、その詠唱は突然、途中で止まった。その瞬間、1枚のカードが突然、長官の目の前の地面に刺さる。

 ネコシルエットにネコの目がデザインされたカード。そしてそのカードには『ニャッツ〇イ』と書かれていた。
 
「そう言うの、死亡フラグって言うんだよね~(笑)」

 直後、緊張が極限に高まった空間に間延びした声が響いた。その声にその場にいた全員が驚愕した。



「あれッ!?美裸ッ!?来てくれたのッ!?」
「来たよ~、コニーとだいふくも一緒にね~(笑)」

 その声にカインが笑う。

「…やれやれ、こっちもようやくボス登場か(笑)!!待ってたよ美裸さん!!」
「ヒトミさんッ!!やっぱり来てくれたんですねッ!?」
「…やっと全員戻って来たか(笑)!!」

 カインが、勇護が、ヒューガーが声を上げる中、エリスは周辺をキョロキョロ見ていた。

「えーっと美裸!?ど、どこにいるのッ!?」

 エリスが周囲を探る中、監視者とエリス達の間に突然現れる美裸、コニー、だいふく。

「ぺろす、コニー助けにきたぞ!!」

 コニーの言葉にぺろすが呟く。

「…来るのが遅いわ…」

 その瞬間、美裸が振り返る。

「…んっ?あれっ?今、ぺろす、喋った(笑)?」
「…ばぅ?」

 美裸の指摘に惚けるぺろす。

「みら、ぺろす、いぬ。人語、話せない(笑)」
「…だよね~(笑)。気のせいか(笑)!!」

 コニーに言われて笑う美裸。その前で突然、詠唱を止められた長官が呟く。

「…更に異常者が3体か…さすがにこれは俺でもキツイな…」

 悲壮な顔で呟く長官。そんな長官に美裸は交渉を持ち掛けた。

「長官、お久しぶりです~(笑)。大変お困りの様ですね~。交渉しませんか~(笑)?この状況を解決出来る方法がありますよ~(笑)」

 そう言いつつ美裸は話を続ける。

「わたし達はそちらの活動を邪魔しないのでこれ以上わたしらに関わらないで貰えますかね~(笑)?」
「これ以上、異常者に関わるなだと?我々は星を監視する者だ。そんな要求など承諾できぬ。これは銀河連合の決定だ。見逃す事も出来ぬ!!」

 強く言い放つ長官に不気味な笑いを見せる美裸。美裸が手を上に上げて指をさしたその瞬間、空の更に上で何かが小さく弾けた。

 長官が空を見上げて驚愕する。

「…そ、そんな…まさかッ…!?母艦がっ…!?」
「はい!!そのまさかでーす(笑)!!母艦をボカンしました~(笑)!!今、この瞬間にあなた達が戻る場所…あれは宇宙船って言うんですかね~無くなりましたよ~(笑)」
「みら、それおもしろい。ボカンをボカン(笑)!!」

 そう言いつつケラケラと笑い転げるコニー。

「…そ、そんなバカなッ!?宇宙空間にある母艦をッ…どうやって!?」
「…さて、この事実を踏まえてもう一度聞きまーす(笑)!!わたし達はあなた達の邪魔はしませんよ~?だからあなた方はわたし達に干渉するのを止めて貰えますかね~(笑)?」

 そう言って脅しを掛ける美裸にエリスが聞く。

「…美裸、アンタ…レベルどこまで上がったのよ…?」
「エリスさんや~、良い質問ですな~(笑)。現在、わたしのレベルは385でーっす(笑)!!宇宙空間まで全部丸見えなんだよね~(笑)!!」

 その答えにエリスは苦笑いで呟いた。

「…あぁ、確かにわたしら異常者だわ(笑)…」

 その前で更に長官に脅しを掛ける美裸。

「長官殿~、早く決断して貰えますかね~(笑)。あなたの後ろにいる乗組員もこの場で消し去っても良いんですよ~(笑)?」

 指定して停止させた監視者の乗組員を人質に長官を脅す美裸。

 もはや、やっている事が悪役、大悪党である。ドン引きするエリス、ぺろす、
ヒューガー、カイン。そんな中、ヒトミの姿の美裸に頬を赤くしている勇護には全く聞こえていなかった…。

「それと後一つ、お願いがあるんですよね~(笑)」

 美裸の脅しに項垂れていた長官が覚悟を決めて顔を上げた。
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