異世界召喚された地味子、王宮から追い出されたので特殊固有スキルでエロと共に暴れ回る。

駄犬X

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スタンピード編

平常運転。

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 美裸はエリスが旧マンスジー王国に向かった時からずっとスキルを発動して全てを確認していた。変異リザードマンを倒している時も、皆で食事をしていた時もスキルを常時発動させたままにしていた。

 まるでクォータービューのゲームの様に上から俯瞰で全てが見える。ちびキャラになった人物、モンスターの頭の上に名前とレベル、HP、MP、SPが表示されていた。

 エリスとぺろすが古代闘技場遺跡での戦闘、その後の鉱山入り口でのゴブリンキングを殲滅して順調にモンスターを排除していくのを確認する美裸。

 翌日、旅商人達を帝国に送り出した後、エリス達が海岸洞窟ダンジョンに向かっているのを確認した。既に海岸洞窟ダンジョンには『監視者』のPT5人が侵入し、魔力異常によって強力になったモンスターを殲滅、排除しているのを美裸は見ていた。

「…そろそろ出番かな~(笑)?」

 不気味な笑いを見せつつ呟く美裸。エリスとぺろすが5人の監視者を無力化させた後、宇宙船から転移で現れた長官を見た美裸はすぐに出発の準備を始めた。

 離宮には新たに獲得したスキル『物体遮蔽』を掛けて隠しておく。

「…みら、行くか?」

 ベッドの上でだいふくと遊んでいたコニーがテラスにいる美裸の所まで来た。

「…うん、もうちょっとしたら行くよ~(笑)」

 そう言いつつスキルで注意深く状況を確認しながらタイミングを待つ美裸。スキルの力でマンガの吹き出しの様に、ちびキャラになった各人物の会話も見えるようになった。

 そして長官が叫んだ後、美裸達は海岸洞窟ダンジョン前に『遮蔽』を使って移動した。

「それ、死亡フラグって言うんだよね~(笑)」

 そう言いつつ、美裸達は最高のタイミングで遮蔽を解除して姿を現した。



 美裸の脅しに、覚悟を決めた長官が顔を上げる。

「…分かった。そちらの要求に答える。これ以上、乗組員を殺す事は止めてくれ…」

 悲壮な顔で訴える長官。そんな長官に美裸が笑いながら答える。

「長官、お仲間は殺してないナリよ~(笑)。スキルで移動させたからね~(笑)」

 そう言いつつ、長官の後ろを指さす美裸。後ろを振り返った長官は驚愕の表情と共に安堵を見せた。時間を止められていたので動いてはいなかったが、艦に乗っていた乗組員300人が長官と5人の監視者の後ろに移動していた。

 美裸は宇宙空間にある宇宙船を破壊する前に乗組員を全て移動させていた。そして宇宙船を握り潰したのだ。

 船員の無事に安堵した長官と、改めて交渉を始める美裸。

「まずはこの星を監視しても良いけどわたし達には干渉しない事だよね~。後、スタンピードはわたし達が全部解決して行きますんでご心配なく~(笑)」

 美裸の話に頷きつつ、長官が難しい顔を見せる。

「…それは良い。しかし我々はお前達『異常者』と認定された者を排除せよ、との指令を受けている。このままでは野放しが発覚する…どうすればいいのだ?」
「そこは既に準備してまーっす(笑)!!」

 そう言いつつ美裸はポケットからいくつかの丸いものを取り出すと長官の前に置いた。

「…これを持って指示を出した人に見せてあげて下さいな~(笑)」

 それを見た長官はまたもや驚愕の顔を見せた。

「…こッ、これはッ…!!」
「はい、わたし達の生首でーっす(笑)!!」

 それを見たエリスが顔を引きつらせる。余りにも似ている…いや、似ているとか言うレベルを越して自分そのものだった。

 美裸、エリス、コニー、ぺろす、だいふく…はそのまんまだったが、リアルすぎる生首が揃っていたのだ。

「あははっ、コニーとにてるの頭あるぞっ(笑)!!」

 生首を見てケラケラと笑い転げるコニー。そんなコニーを見たエリスは呟いた。

「…全然、笑えないよ…」

 顔を引きつらせたままのエリスの前で美裸が長官に話す。

「これを持って帰ってわたしらを死んだ事にしといてくださいな~(笑)」
「…分かった。これを本星に持ち帰り、異常者を討伐したと報告しておく…」

 戸惑いつつも、懐にある布を取り出して生首を包む長官。

「それとあともう一つだけ、お願いがあるんですよね~(笑)」
「えェェッ!!美裸、アンタまだ何か要求するつもりなのッ!?」

 エリスに突っ込まれながらも、美裸は笑いながら続けた。

「わたしが壊した宇宙船、貰っても良いですかね~(笑)?」
「…壊れた宇宙船を?何に使うのだ…?」

 疑問の長官に美裸が続ける。

「艦が壊れたので長官はこの後、救助要請の通信を送りますよね~?」
「…あぁ、そうだが…」
「わたし達と同じく、わたしが壊した艦も撃沈された事にしといてくださいな~(笑)」
「…あぁ、それは良いが…まさか修理して使う気か?撃沈されたはずの艦が銀河を航行していると銀河連合で問題になるぞ…?」

 心配する長官に不気味な笑いを浮かべる美裸。

「それがね~大丈夫なんですよ~(笑)。わたしは壊れたモノを完全修復出来るし~(笑)。遮蔽スキルで宇宙船全体を隠す事が出来るんですよね~(笑)!!長官は知ってますかね~?スター〇レックでお馴染みの『遮蔽』です~(笑)!!」
「…そのスター何とかは知らんが…破壊した宇宙船を完全修復とは…遮蔽は銀河連合ではまだ開発中の技術だ…お前はその強大な力を使って何をしようとしているのだ…?」

 顔を曇らせる長官に、美裸はあっけらかんと答えた。

「ちょっと地球に戻りたいんだよね~(笑)。父さんと母さんに元気だよ~って挨拶だけしとかないとだよね~(笑)!!」
「「「「「「「…は?…」」」」」」」

 その瞬間、そこにいた全員の時が止まった…。

 その後、長官は全面的に美裸の要求を承諾した。今後、美裸達には干渉しない事、美裸達は全員、死亡扱いにする事、破壊した宇宙船を撃沈扱いにして譲る事などだ。

 お互いの意思を確認した事の証明として文書にサインをして監視者達との抗争は終わった。

 次はこの星で起きている魔力異常によるスタンピードの解決だ。美裸達が合流した一行は一旦、王都に戻った。



 王都にあるいつもの宿屋にいつものように入る美裸。

「おじさん、おばさん、ただいま~。友達連れて来たよ~(笑)」
「…あッ!!美裸じゃねぇかッ!?お前、今までどこで何してたんだよッ!!」

 宿屋の主人に突っこまれて答える美裸。

「ちょっと南にある海の国で仕事して来たんだよ~(笑)」
「…仕事って…それでその仕事とやらは巧くいったのかい…?」

 宿屋の料理担当のおばちゃんに聞かれた美裸が笑う。

「今回もかなり稼いで来たよ~。財宝がゴロゴロ転がってたからね~(笑)」

(…財宝がゴロゴロ…転がってる事なんてあるのかよっ!?)

 宿屋のおじんさとおばさんが心の中で激しく突っ込んだ後、エリス、コニー、だいふくを乗せたぺろすが入って来た。

「あ、おじさん、おばさんお久しぶりです!!」
「おじさん、おばさん、ひさしぶり、コニーとぺろす、だいふくもげんき」
「…ぁ、あぁ、エリスもコニーも久しぶりだな…」
「コニーちゃんもぺろすとだいふくも元気で良かったよ…」

 更にカインと勇護、ヒューガーが入って来る。

「…美裸さん、ここってかなり高い宿屋なんだけど…」

 そう言いつつ入って来るカインにホール担当の従業員が激しく反応した。

「…あ、あっ、かっ、カインさんッ!?ま、まさかあの『英雄』カインさんに会えるなんてっ!?」

 それを聞いた宿屋のおじさんとおばさんは目を見合わせる。続いて入って来た勇護に貴族の男が声を掛けた。

「…あっ、勇護さん!!危険なダンジョンの調査、大丈夫でしたか?無傷な所を見るとやはり王国が誇る『勇者』ですね!!」
「…いやいや、今回はただの調査ですから。戦闘らしい戦闘がなかっただけですよ(笑)!!」

 そう答える勇護の後ろからヒューガーが入って来る。

「おやっさん、おばちゃんも久しぶりだな。今日はここで飲ませて貰うぜ(笑)?」

 宿屋の主人もおばちゃんも平静な表情を保ちつつ、再び心の中で激しく美裸に突っこんだ。

(…連れてきた友達が英雄カインと勇者の勇護、王国屈指の上位ハンター、ヒューガーかよ…美裸のヤツ、何をどうしたらこんな友達出来るんだよォォッ!!)

 にこにこ笑って対応しつつ、宿屋の主人とおばちゃんは考えるのをやめた…。



 いつもの宿屋に戻ってきた一行は料理とドリンク、お酒を飲みつつ今後の事について話した。今回は久々のステーキを食べている。

「…シルガモレル帝の情報だと一番近いのは帝国のシオーレル渓谷にあるコーガーン洞窟ダンジョンですね…」

 シルガモレル達の情報を基に説明するエリス。

「フリンナ、マンスジーと危険な所は殲滅したから地形と位置的にもまずはそこからだろうな…」

 ヒューガーの言葉に頷くカインと勇護。

 魔力異常の影響を受けているのは地面の下のダンジョンや、その少し上である。一行はまず、シオーレル渓谷の下にあるコーガーン洞窟から攻略する事にした。

「ヒトミさんッ!!次のコーガーン洞窟ダンジョンに俺も一緒に行きますッ!!」

 そう声を上げる勇護にカインが待ったを掛けた。

「…勇護ずるいぞッ!?美裸さんッ、僕も付いて行っていいよね!?」

 そんな二人をヒューガーが宥める。

「…二人とも慌てるな。シルガモレル帝の情報だとペニンスジール帝国にコーガーン洞窟ともう一つ、スズナリー地底湖ダンジョンがある…」
 
 そう言いつつ話を続けるヒューガー。

「更にその北にあるデンマー王国にもいくつか魔力異常ポイントがある。ここは順番に周ってレベルを上げていくのが良いだろう…」

 ヒューガーの提案に頷くカインと勇護。

「…そうですね。それではジャンケンで順番を決めましょう…」

 カインの提案にヒューガーと勇護が頷く。

「…お前ら、敗けても文句言うなよ?どっちにしろ順番に周るんだからな?」
「えッ?ヒューガーさんも行くんですか?」
「当たり前だろッ!!この先レベル上げる機会なんてそうそう来ないだろッ!?」

 3人が相談する中、美裸、コニーはステーキをナイフで切っては肉をもしゃもしゃと食べている。ぺろすとだいふくも貰った肉を食べていた。エリスもステーキを食べつつ、3人のジャンケンを見ていた。

 まず、帝国のコーガーン洞窟に帯同するのはヒューガーに決まった。酒を煽りながら笑うヒューガー。

「お前ら、欲が出すぎなんだよッ(笑)!!こういう時は無欲の境地で勝負しないとダメだからな(笑)!!」

 ヒューガーの言葉に項垂れる二人。そんな二人にステーキを勧めつつ、話すエリス。

「魔力異常を起こしているダンジョンは多いですからレベルアップの機会はまだまだありますよ。順番に周っていれば皆さん確実に強くなれます!!」

 エリスにそう言われた二人も、目の前のステーキをナイフで切って口に運んで食べ始めた。ダンジョンに帯同する順番はヒューガー、カイン、勇護の順番になった。

 一行はシルガモレル達の魔力異常を起こしている各ポイントに関する情報を確認しつつ、魔力異常ポイントを潰していく事にした。

 翌日、一行はコーガーン洞窟ダンジョンに向かう。しかし、そこで問題が発生していた…。
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