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スタンピード編
拠点。
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最下層にいるエメラルドスネーク(レベル89)を視認したコニーは躊躇う事無く穴に飛びこんだ。くるくると回転しながら落下するコニー。
コニーは地面に激突する前にメガクラッシュを地面に放つとその衝撃波で落下の勢いを削いだ。ふわりと最下層に降り立ったコニーが、エメラルドスネークを見上げる。一部、身体を削られながらも、エメラルドスネークは鎌首をもたげてコニーを見た瞬間、目を赤く光らせた。
エメラルドスネークは突然の轟音と攻撃に何が起きたのか分からなかった。気付けば頭部のと胴体の一部を削られ、体液が噴き出していた。
そこに小さな人間の幼児が更なる轟音と共に降りて来た。何が起きてこんな事になったのかは分からなかったが、エメラルドスネークは今すぐ、エネルギーを補給し、身体を休ませて回復する必要があった。
「みらの攻撃でしんでない。でっかいへび、つよいヤツ。コニーが倒す!!」
そう宣言する目の前の幼児に狙いを定めるエメラルドスネーク。
襲い掛かろうとしたその瞬間、エメラルドスネークは動けなくなった。目の前の幼児から恐ろしいオーラが溢れ出したのだ。
呪いに稲妻を伴う妖しく激しいオーラにたじろぐスネーク。
レベル89のエメラルドスネークはその時、カエルの恐怖を初めて知った。自分より強い者に会った時、動けなくなるのだと。
しかし突然の攻撃で受けたダメージでこのまま黙って死にゆく事は出来ない。そんなエメラルドスネークの脳内にダンジョンコアからの指令が繰り返し響く。
≪目の前に現れる者共を殲滅せよ!!≫
目の前にいる、あり得ない程の強者のオーラを放つ幼児、そして脳内に繰り返し響くダンジョンコアからの指令。そのせめぎ合いに耐えられなくなったエメラルドスネークは一か八かの勝負に出た。
目の前の幼児をそのオーラごと喰らう!!
そう決断した瞬間、エメラルドスネークの意識が、一瞬のうちに消えてしまった…。
◇
着地したコニーはすぐに構えに入っていた。相手のデカいヘビが美裸のスキルで半分死に掛けだろうが手加減はしない。美裸の攻撃を受けても死んでいないのだ。
その時、コニーは父親、羅刹王の言葉を思い出していた。
『相手がどんな者であろうと強者には強者の礼を持って応えるのだ』
コニーは目の前の巨大なヘビが強いと感じていた。美裸によって弱体化させられていたが、スネークの目はまだ死んでいなかった。闘う意志を失っていないスネークをコニーは最高の技で葬ってやる事にした。
エメラルドスネークが動き出すその刹那、コニーが叫んだ。
「びっぐばん、くらっしゅっ!!」
瞬間、コニーの雷撃と呪いを合わせた巨大な拳圧が、エメラルドスネークの全身を完全に消し飛ばした。
コニーも自身のレベルが上がっている事を忘れていた。エメラルドスネークを消し去ったコニーの巨大な拳圧、衝撃波は、その後ろの小部屋にあるダンジョンコアまで完全破壊した。
更にその奥まで衝撃波が破壊し続けていく。激しい地揺れと共に、最下層から轟音が聞こえた美裸はすぐに指定範囲内の時間を止めた。
「いや~コニーの大きいボカンもかなりヤバいレベルまで行ってるよね~(笑)」
激しい地揺れの瞬間、スキルで状況を確認していた美裸は自分達の立っている場所も危険になっている事に気が付いてすぐにスキルを発動させた。
美裸のなんちゃって神〇嵐で破壊されたダンジョンの最下層が、更にコニーのビックバンクラッシュによって更に破壊され周囲の地形を完全に変えてしまった。
破壊に破壊を重ねた結果、ダンジョン…いや、渓谷全体を巻き込んで崩れかかっていた。
「…いや~、危なかったね~(笑)。危うくダンジョンと共に死す、になるとこだったよね~(笑)」
笑う美裸に、ドン引きしつつ突っこむエリスとヒュガー。
「…美裸、笑い事じゃないよ…。美裸の時間止める能力なかったらここ完全崩壊してたよ…」
「…だな。美裸もコニーお嬢ちゃんも攻撃がもう災害レベルだぞ…?」
エリスとヒューガーは余りの破壊力に顔を蒼褪めさせていた。それ程に美裸とコニーの破壊の力は尋常ではなかった。
「…取り敢えずコニー呼び戻そうか?」
「そうだね~。一応、ダンジョンコアも完全粉砕したみたいだし、わたしがスキルでここまで連れ戻すよ~(笑)」
美裸がそう言った直後にコニーは地力で戻ってきた。コニーはジャンプして岩伝いに上へ上へと飛んで戻ってきたのである。
「…美裸、コニーもう戻って来てるけど…(笑)?」
「あらら~?自分で戻ってきたか~(笑)。結構、高さがあるのにコニーは凄いね~(笑)」
コニーのレベルが110にアップした。ステータス全体が上昇し強化された。スキル『マルチプルオーラ』に消臭効果が付いた。
美裸のレベル436まで上昇。称号『ワールドディマイザー』(世界に終焉を与える者)獲得。エリスのレベル103、弓スキル『神速連撃』を獲得。神速連撃は神の如き速さで矢を連射するスキルである。
ヒューガーのレベルは66に上がった。鑑定範囲が更に拡がった。スキル『索敵』獲得。索敵はレーダーマップ内で攻撃的意志を持つ対象を赤色で特定できるスキル。見えないゴースト系モンスターの特定も可能。
今回、臭いにやられたぺろすのレベルは87のまま、だいふくもぺろすを臭いから隔離していた為、レベルは83のままだった。
◇
「…このままではこの渓谷全体が崩壊するであろうな。そうなると帝国から調査員が派遣される。美裸よ、ダンジョン以外ここの渓谷全体を元に戻しておくのが良いと思うぞ?」
「…そうだね~。自然を壊すのは良くないからね~…」
そう言うとスキルを展開する美裸。
「すぐ終わらせるから皆は休憩でもしてて…」
美裸の言葉に、一仕事終えたエリス、コニー、ヒューガーは美裸が出したビニールシートを敷いて座る。続いて美裸が出したドリンクとおやつを食べるエリス、コニー、ヒューガー。
「だいふく、でてくる、もう臭くない、大丈夫」
コニーの声に美裸のポケットからひょっこり姿を見せるだいふく。だいふくはポケットから飛び出すとコニーの傍に行く。ぼよんぼよんと跳ねた痕、ぺろすを体内から出した。
スキルで渓谷全体を修復していた美裸は、だいふくから出て来たぺろすを見ると元の大きさに戻した。
「ぺろす、元気なった、もう大丈夫」
コニーがぺろすをギュッとハグする。
「だいふく、あいがとう、ぺろす元気なった」
そう言いつつ、コニーはだいふくをナデナデする。嬉しそうにぽよんぽよんと跳ねるだいふく。
コニーは美裸が出したおやつセットの中からハンマーシャークの軟骨を取り出してぺろすに食べさせる。だいふくにはシャークのヒレを出して吸収させた。
コニーはだいふくとぺろすと一緒に、おやつの黒豆せんべいをバリバリかじっていた。その傍で、疲れを隠せないエリスとヒューガーが呟いていた。
「…しかし臭いだけでこれだけ疲れるとは思いもしなかったですね~…」
「…だな。さすがにもう今回みたいなのは懲り懲りだな…」
そう言いつつ、エリスとヒューガーはドリンクを飲みつつ、チョコレートを食べていた。
この世界では召喚者や転生者の知識を享受していた為、あらゆるところで地球伝来のモノがあった。今回は美裸が宿屋の料理担当のおばちゃん達に頼んでおやつを作って貰っていた。
「…今回は散々だったがレベルが上がったから良しとするか」
「そうですね。今回の件で臭い対策も必要だって気が付きましたから。無駄ではなかったですよね。臭いは盲点でしたけど(笑)!!」
話すエリスとヒューがの傍で、おやつを食べたコニーはぺろすとだいふくを両脇に抱えたままお昼寝をはじめた。
「…終わったよ~。完全修復完了~(笑)!!」
そう言いつつ振り返った美裸はお昼寝タイムに入ったコニーを見る。
「…あらら、お昼寝始めちゃったね~(笑)。じゃあ、コニーが起きるまでおやつ食べながら次のダンジョン対策でもしますか~…」
渓谷が完全修復された事を確認して来たシルガモレル達も合流して一行は帝国にある次のスズナリー地底湖ダンジョンについて対策を話し合う事にした。
◇
「スズナリー地底湖ダンジョンは淡水の魚類モンスターが多い。周辺に都市がないのが幸いだが近くの村が襲撃を受ける恐れはあるな」
「淡水魚ってどんなヤツがいるの?」
「フナ、タニシ、タナゴ、ザリガニ辺りだ。こやつらは魔力異常の影響を受けて魚人化しておる。今回のコーガーン洞窟ダンジョンの事を考えると速めに対処した方が良いであろうな」
シルガモレルの情報を受けてスズナリー地底湖を知っているヒューガーが提案する。
「地底湖ダンジョンの事もあるが、これからより遠方に向かう事を考えるとその辺りにベースキャンプが欲しい所だな」
何でもできるであろう美裸の力を見越しての事だったが、ヒューガーの読み通り、美裸はその提案にニヤッと笑った。
「ベースキャンプならすぐ設置できますよ~(笑)。移動させるだけですからね~(笑)」
そう言いつつ笑う美裸に呆れるヒューガー。
「…美裸、移動させるって離宮の事?」
「そうだよ~(笑)。あれを移動させればどこでもベースキャンプ張れるからね~(笑)」
美裸とエリスの会話を聞いていたヒューガーが離宮と聞いて眉を顰めた。
「…離宮って…美裸、まさかお前、マンスジー王宮の…離宮の事か…(笑)?」
「そうでーっす(笑)!!落ちてたから拾ったんでーっす(笑)!!」
「…いや、だから美裸。それ、落ちてるって言わないんだけど…(笑)」
「離宮が無くなったって大騒ぎになってたが…犯人はやっぱり美裸、お前だったのか(笑)!!」
「元の持ち主(マンスジー王族)は今、奴隷生活だからね~(笑)。必要ないだろうから貰ったんだよね~(笑)」
そう言いつつ、美裸は再びスキルを展開する。
「…領〇展開ッ(笑)!!さて、どこに拠点置こうかな~(笑)」
笑いながら考える美裸にヒューガーが提案する。帝国北の真ん中よりの山岳地帯で、人の来ない所があると言う。
「地底湖ダンジョンに近いんだがその近くに小さい村はあるが都市はない。シルガモレル帝の情報から考えてもそこにベースキャンプを設置しておけば各方面に行ける」
美裸はヒューガーの提案を聞いた後、一度場所を見て来ると言って消えた。
「…相変わらず急にいなくなるよね…」
エリスが呟いた瞬間に美裸は戻ってきた。
「いいね!!あそこに設置して『遮蔽』掛けとけば誰にも見えないよね~(笑)!!」
美裸は黒ニュウリンの森の跡に設置していた離宮を一度、回収した後、ヒューガーが提案したスズナリー地底湖ダンジョン近くの地点に移動して再び、離宮を設置した。美裸はその後、離宮に『物体遮蔽』を掛けておいた。
山岳地帯で一般人が来る心配はないのだが特殊能力者を持ったハンターやモンスターに住みつかれると困るので念の為に遮蔽で隠しておいた。
「はやっ(笑)!!もう見て来たの(笑)?」
「見て来たよ~。中々良い所だったよ~。そこにベースキャンプ設置したから戻ろうか?」
「そうだな、一度戻って情報を全員で共有した方が良いだろう。以降、何かあった時に対処出来るからな…」
美裸とヒューガーが話している間に、コニーがお昼寝から起きたので一度全員でマンスジーの宿屋へ戻った。
コニーは地面に激突する前にメガクラッシュを地面に放つとその衝撃波で落下の勢いを削いだ。ふわりと最下層に降り立ったコニーが、エメラルドスネークを見上げる。一部、身体を削られながらも、エメラルドスネークは鎌首をもたげてコニーを見た瞬間、目を赤く光らせた。
エメラルドスネークは突然の轟音と攻撃に何が起きたのか分からなかった。気付けば頭部のと胴体の一部を削られ、体液が噴き出していた。
そこに小さな人間の幼児が更なる轟音と共に降りて来た。何が起きてこんな事になったのかは分からなかったが、エメラルドスネークは今すぐ、エネルギーを補給し、身体を休ませて回復する必要があった。
「みらの攻撃でしんでない。でっかいへび、つよいヤツ。コニーが倒す!!」
そう宣言する目の前の幼児に狙いを定めるエメラルドスネーク。
襲い掛かろうとしたその瞬間、エメラルドスネークは動けなくなった。目の前の幼児から恐ろしいオーラが溢れ出したのだ。
呪いに稲妻を伴う妖しく激しいオーラにたじろぐスネーク。
レベル89のエメラルドスネークはその時、カエルの恐怖を初めて知った。自分より強い者に会った時、動けなくなるのだと。
しかし突然の攻撃で受けたダメージでこのまま黙って死にゆく事は出来ない。そんなエメラルドスネークの脳内にダンジョンコアからの指令が繰り返し響く。
≪目の前に現れる者共を殲滅せよ!!≫
目の前にいる、あり得ない程の強者のオーラを放つ幼児、そして脳内に繰り返し響くダンジョンコアからの指令。そのせめぎ合いに耐えられなくなったエメラルドスネークは一か八かの勝負に出た。
目の前の幼児をそのオーラごと喰らう!!
そう決断した瞬間、エメラルドスネークの意識が、一瞬のうちに消えてしまった…。
◇
着地したコニーはすぐに構えに入っていた。相手のデカいヘビが美裸のスキルで半分死に掛けだろうが手加減はしない。美裸の攻撃を受けても死んでいないのだ。
その時、コニーは父親、羅刹王の言葉を思い出していた。
『相手がどんな者であろうと強者には強者の礼を持って応えるのだ』
コニーは目の前の巨大なヘビが強いと感じていた。美裸によって弱体化させられていたが、スネークの目はまだ死んでいなかった。闘う意志を失っていないスネークをコニーは最高の技で葬ってやる事にした。
エメラルドスネークが動き出すその刹那、コニーが叫んだ。
「びっぐばん、くらっしゅっ!!」
瞬間、コニーの雷撃と呪いを合わせた巨大な拳圧が、エメラルドスネークの全身を完全に消し飛ばした。
コニーも自身のレベルが上がっている事を忘れていた。エメラルドスネークを消し去ったコニーの巨大な拳圧、衝撃波は、その後ろの小部屋にあるダンジョンコアまで完全破壊した。
更にその奥まで衝撃波が破壊し続けていく。激しい地揺れと共に、最下層から轟音が聞こえた美裸はすぐに指定範囲内の時間を止めた。
「いや~コニーの大きいボカンもかなりヤバいレベルまで行ってるよね~(笑)」
激しい地揺れの瞬間、スキルで状況を確認していた美裸は自分達の立っている場所も危険になっている事に気が付いてすぐにスキルを発動させた。
美裸のなんちゃって神〇嵐で破壊されたダンジョンの最下層が、更にコニーのビックバンクラッシュによって更に破壊され周囲の地形を完全に変えてしまった。
破壊に破壊を重ねた結果、ダンジョン…いや、渓谷全体を巻き込んで崩れかかっていた。
「…いや~、危なかったね~(笑)。危うくダンジョンと共に死す、になるとこだったよね~(笑)」
笑う美裸に、ドン引きしつつ突っこむエリスとヒュガー。
「…美裸、笑い事じゃないよ…。美裸の時間止める能力なかったらここ完全崩壊してたよ…」
「…だな。美裸もコニーお嬢ちゃんも攻撃がもう災害レベルだぞ…?」
エリスとヒューガーは余りの破壊力に顔を蒼褪めさせていた。それ程に美裸とコニーの破壊の力は尋常ではなかった。
「…取り敢えずコニー呼び戻そうか?」
「そうだね~。一応、ダンジョンコアも完全粉砕したみたいだし、わたしがスキルでここまで連れ戻すよ~(笑)」
美裸がそう言った直後にコニーは地力で戻ってきた。コニーはジャンプして岩伝いに上へ上へと飛んで戻ってきたのである。
「…美裸、コニーもう戻って来てるけど…(笑)?」
「あらら~?自分で戻ってきたか~(笑)。結構、高さがあるのにコニーは凄いね~(笑)」
コニーのレベルが110にアップした。ステータス全体が上昇し強化された。スキル『マルチプルオーラ』に消臭効果が付いた。
美裸のレベル436まで上昇。称号『ワールドディマイザー』(世界に終焉を与える者)獲得。エリスのレベル103、弓スキル『神速連撃』を獲得。神速連撃は神の如き速さで矢を連射するスキルである。
ヒューガーのレベルは66に上がった。鑑定範囲が更に拡がった。スキル『索敵』獲得。索敵はレーダーマップ内で攻撃的意志を持つ対象を赤色で特定できるスキル。見えないゴースト系モンスターの特定も可能。
今回、臭いにやられたぺろすのレベルは87のまま、だいふくもぺろすを臭いから隔離していた為、レベルは83のままだった。
◇
「…このままではこの渓谷全体が崩壊するであろうな。そうなると帝国から調査員が派遣される。美裸よ、ダンジョン以外ここの渓谷全体を元に戻しておくのが良いと思うぞ?」
「…そうだね~。自然を壊すのは良くないからね~…」
そう言うとスキルを展開する美裸。
「すぐ終わらせるから皆は休憩でもしてて…」
美裸の言葉に、一仕事終えたエリス、コニー、ヒューガーは美裸が出したビニールシートを敷いて座る。続いて美裸が出したドリンクとおやつを食べるエリス、コニー、ヒューガー。
「だいふく、でてくる、もう臭くない、大丈夫」
コニーの声に美裸のポケットからひょっこり姿を見せるだいふく。だいふくはポケットから飛び出すとコニーの傍に行く。ぼよんぼよんと跳ねた痕、ぺろすを体内から出した。
スキルで渓谷全体を修復していた美裸は、だいふくから出て来たぺろすを見ると元の大きさに戻した。
「ぺろす、元気なった、もう大丈夫」
コニーがぺろすをギュッとハグする。
「だいふく、あいがとう、ぺろす元気なった」
そう言いつつ、コニーはだいふくをナデナデする。嬉しそうにぽよんぽよんと跳ねるだいふく。
コニーは美裸が出したおやつセットの中からハンマーシャークの軟骨を取り出してぺろすに食べさせる。だいふくにはシャークのヒレを出して吸収させた。
コニーはだいふくとぺろすと一緒に、おやつの黒豆せんべいをバリバリかじっていた。その傍で、疲れを隠せないエリスとヒューガーが呟いていた。
「…しかし臭いだけでこれだけ疲れるとは思いもしなかったですね~…」
「…だな。さすがにもう今回みたいなのは懲り懲りだな…」
そう言いつつ、エリスとヒューガーはドリンクを飲みつつ、チョコレートを食べていた。
この世界では召喚者や転生者の知識を享受していた為、あらゆるところで地球伝来のモノがあった。今回は美裸が宿屋の料理担当のおばちゃん達に頼んでおやつを作って貰っていた。
「…今回は散々だったがレベルが上がったから良しとするか」
「そうですね。今回の件で臭い対策も必要だって気が付きましたから。無駄ではなかったですよね。臭いは盲点でしたけど(笑)!!」
話すエリスとヒューがの傍で、おやつを食べたコニーはぺろすとだいふくを両脇に抱えたままお昼寝をはじめた。
「…終わったよ~。完全修復完了~(笑)!!」
そう言いつつ振り返った美裸はお昼寝タイムに入ったコニーを見る。
「…あらら、お昼寝始めちゃったね~(笑)。じゃあ、コニーが起きるまでおやつ食べながら次のダンジョン対策でもしますか~…」
渓谷が完全修復された事を確認して来たシルガモレル達も合流して一行は帝国にある次のスズナリー地底湖ダンジョンについて対策を話し合う事にした。
◇
「スズナリー地底湖ダンジョンは淡水の魚類モンスターが多い。周辺に都市がないのが幸いだが近くの村が襲撃を受ける恐れはあるな」
「淡水魚ってどんなヤツがいるの?」
「フナ、タニシ、タナゴ、ザリガニ辺りだ。こやつらは魔力異常の影響を受けて魚人化しておる。今回のコーガーン洞窟ダンジョンの事を考えると速めに対処した方が良いであろうな」
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「地底湖ダンジョンの事もあるが、これからより遠方に向かう事を考えるとその辺りにベースキャンプが欲しい所だな」
何でもできるであろう美裸の力を見越しての事だったが、ヒューガーの読み通り、美裸はその提案にニヤッと笑った。
「ベースキャンプならすぐ設置できますよ~(笑)。移動させるだけですからね~(笑)」
そう言いつつ笑う美裸に呆れるヒューガー。
「…美裸、移動させるって離宮の事?」
「そうだよ~(笑)。あれを移動させればどこでもベースキャンプ張れるからね~(笑)」
美裸とエリスの会話を聞いていたヒューガーが離宮と聞いて眉を顰めた。
「…離宮って…美裸、まさかお前、マンスジー王宮の…離宮の事か…(笑)?」
「そうでーっす(笑)!!落ちてたから拾ったんでーっす(笑)!!」
「…いや、だから美裸。それ、落ちてるって言わないんだけど…(笑)」
「離宮が無くなったって大騒ぎになってたが…犯人はやっぱり美裸、お前だったのか(笑)!!」
「元の持ち主(マンスジー王族)は今、奴隷生活だからね~(笑)。必要ないだろうから貰ったんだよね~(笑)」
そう言いつつ、美裸は再びスキルを展開する。
「…領〇展開ッ(笑)!!さて、どこに拠点置こうかな~(笑)」
笑いながら考える美裸にヒューガーが提案する。帝国北の真ん中よりの山岳地帯で、人の来ない所があると言う。
「地底湖ダンジョンに近いんだがその近くに小さい村はあるが都市はない。シルガモレル帝の情報から考えてもそこにベースキャンプを設置しておけば各方面に行ける」
美裸はヒューガーの提案を聞いた後、一度場所を見て来ると言って消えた。
「…相変わらず急にいなくなるよね…」
エリスが呟いた瞬間に美裸は戻ってきた。
「いいね!!あそこに設置して『遮蔽』掛けとけば誰にも見えないよね~(笑)!!」
美裸は黒ニュウリンの森の跡に設置していた離宮を一度、回収した後、ヒューガーが提案したスズナリー地底湖ダンジョン近くの地点に移動して再び、離宮を設置した。美裸はその後、離宮に『物体遮蔽』を掛けておいた。
山岳地帯で一般人が来る心配はないのだが特殊能力者を持ったハンターやモンスターに住みつかれると困るので念の為に遮蔽で隠しておいた。
「はやっ(笑)!!もう見て来たの(笑)?」
「見て来たよ~。中々良い所だったよ~。そこにベースキャンプ設置したから戻ろうか?」
「そうだな、一度戻って情報を全員で共有した方が良いだろう。以降、何かあった時に対処出来るからな…」
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