異世界召喚された地味子、王宮から追い出されたので特殊固有スキルでエロと共に暴れ回る。

駄犬X

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スタンピード編

デンマー王国。

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 ぺろすがフレイムトランスフォーマーで、ニードルスコーピオンの群れに突進する。

 地獄の炎そのものとなったぺろすの突進でスコーピオン達はドロドロに溶けた。そしてスコーピオンの残りは100体を残すのみとなった。

 エリス、カイン、ヒューガーがそれぞれの近接武器を持ち、スコーピオンの殲滅を狙う。しかし突然、スコーピオン達は動きを止めて一斉に退いた。

「…な、何だッ!?一体どうなってる!?」
「なぜ突然退いたんですかね?」

 驚くヒューガーとカインに警戒を促すエリス。その言葉にレーダーマップを見ていたヒューガーが呟いた。

「…来るぞ?その異常な魔力もってるヤツがな…」

 戦闘の粉塵の中から、現れたのは派手な法衣を着た美しい女性だった。そのオンナは笑みを浮かべながら一行に近付いてくる。

 そのオンナは栗色の長い髪、色白肌で整った綺麗な顔立ちだ。意思の強さを感じさせる濃い眉、二重で切れ長の目、通った鼻筋、紅を刺した唇が魅力的な美人である。赤と黄色を基調とした派手な法衣を纏い、両手の全ての指に指輪を嵌めていた。

「フフフ、まさかわたしの『幻影迷宮』を抜けて使役モンスターをここまで倒すとは…相当、力のあるPTとお見受けしました。所属と名をお伺いしてもよろしいですか?」

 そう聞かれたエリス達は顔を見合わせる。その間にもぺろすはオンナに対して警戒を解いていない。

「…あの、わたし達は即席PTなので所属がバラバラなんですよ…」
「…ふむ。ではそれぞれの所属と名を伺いたい。あ、いや、こちらから名乗るべきでしたね…」

 そう言うとオンナは咳ばらいを一つした後に名乗った。

「わたしはデンマー王国所属、幻影魔導師団長のナルシス・シオブキーです。以後、よろしくお願いします」

 名乗りを受けたエリスがナルシスに答える。

「わたしはエリス・オルディナです。特に所属国家はありません。一応、PTリーダーをやってます。このメンバーで唯一、うちのPTにいるメンバーはそこにいるぺろすだけです」

 そう言われてナルシスが警戒を解いていないぺろすを見る。

「…ふむ。覚醒ケルベロスですか…面白い。初めて見ました。道理でわたしの使役モンスターでは歯が立たぬわけですね…」

 そう言いつつナルシスはヒューガーとカインを見る。

「…あなた方は?」
「俺はマンスジー王国所属、ハンターのヒューガー・ロイドだ」
「僕もマンスジー王国所属のハンター、カイン・ストラウスです」

 二人の紹介を受けてナルシスがふむ、と考える。

「なぜ所属の違う者同士が即席PTを組んでいるのか、そこも聞きたい所ですがここで何をしているのかを確認させて頂きたい…」

 その問いにエリスが答える。

「この世界の各地のダンジョンで起きているスタンピードを解決する為に来ました」
「…そうでしたか。とてもありがたい。しかし何故、所属が違う者同士がわざわざ即席PTを組んでいるのですか?」

 問われたエリスが今までの経緯を話した。

 元々、マンスジー王国に所属し、ハンターをしていた事。美裸に会ってからPTを組んでレベルを上げ、自身もPTもSランクまで上がった後、マンスジー王宮を破壊して王国を出た事などを話した。

 その後、南のフリンナ王国に行き、マンスジーと同じく王政を倒した後、魔力異常を起こしていたマンスジーのスタンピードダンジョンを収める為に戻った事、そしてそのまま2チームに分かれて各地のスタンピードを鎮める為に世界を周っている事を話した。

「…そうでしたか。納得しました。そして使い魔を向けた無礼をお許しください…」

 納得して頭を下げて謝罪するナルシス。そんなナルシスにカインが問う。

「それでナルシスさんは何故ここにいるのですか?ここで一人、何をしていたんですか?」
「…はい、実はわたしも師団長としてここ、ウタマーロ地下迷宮ダンジョンにスタンピードを鎮める為に来たのです。一般兵を連れていると犠牲者が増えるので単独で潜入しているのです」

 そう話しつつ、続けてこの地下迷宮ダンジョンに入ってからの話をするナルシス。

 ダンジョンに潜入したナルシスは、1、2、3、4階層のモンスターを片っ端から殲滅し、排除した。その後、上の3階層分の本来の迷宮部分に幻影魔法を掛けて以後、モンスターが外に出ないようにした。

 更に念には念を入れて使い魔のモンスターを備えとして配置したと話した。

「…道理でモンスターがダンジョンから溢れてなかった訳だな…」

 ヒューガーの言葉に頷くエリス。

「…確かにそうでした。ここだけ入り口が静かでしたからね…」

 その後、ぺろすがナルシスに問い掛けた。

「それで、上にいたスパイダーとミラーマン、ミラーキューブはお主の使い魔なのか?」

 突然、ぺろすが喋った事に驚きを見せるナルシス。

「…これは驚きました。覚醒ケルベロスが人語を話せるとは…」

 そう言いつつ、ナルシスは頷いた。

「確かに、スパイダーとミラーマン、キューブはわたしの使い魔です」
「…アレらを使い魔にしてるなんて…。ナルシスさん、あなた相当の手練れですね?」
 
 そう、カインに言われたナルシスは少し恥ずかしそうな顔を見せる。

「まぁ、一国の師団長をしていますのでそれなりには…ですよ(笑)?」

 そう言いながら笑うナルシスにエリスが質問する。

「…ところでダンジョンボスはナルシスさんが倒したんですか?もうこの下は五階層ですよね?」

 そう聞かれてナルシスは顔を曇らせた。

「…それがですね、予想外の事態になっておりまして…」

 そう言ってナルシスは五階層であった特殊な事情を話し始めた。



 ナルシスは確かに、第5階層のダンジョンボス、アイアンマシンゴーレムを撃破し、破壊した。

「…その後、3階層まで戻ったのですが再び、下の階層から異常な魔力を感じて降りたのです。奥を見ると倒したはずのマシンゴーレムが復活していたのです…」

 戸惑いつつも、ナルシスはもう一度ゴーレムを破壊した。今度こそ大丈夫だと思い上の階層に戻ると再び、下から異常な魔力を感じた。

「…そしてそこからは同じ事の繰り返しです。下に降りて破壊しては上に戻り、しばらくすると再び異常な魔力を感じて降りる。そしてゴーレムを破壊です…」

 そして降りては破壊したゴーレムが、上に戻るとまた復活するという事を繰り返した。

「そして今は4回目が終わり、上に戻ってきたのです…」
「…と言う事はまた、そろそろ復活する頃ですか…?」
「…はい…」

 エリスの問いに頷くナルシス。

「…それはここの迷宮ダンジョンの特有の現象なのか?何故、何度も復活するんだ?」 

 ヒューガーの疑問に答えるナルシス。

「…何故、何度も復活するのか?それは分かりません。しかし、そのままにして他の暴走モンスターが復活しても困るので討伐を繰り返していたのです…」

 そんなナルシスの話を聞いたぺろすが、思い当たる所を話す。

「…おそらくだが…強力なダンジョンコアが魔力異常の影響を受けている為に異常に速くダンジョンボスを復活させているのかもしれぬな…」
「…ダンジョンコア?それはどういった物でしょうか?」

 ナルシスに問われたエリスがダンジョンコアについて答える。

「ダンジョンコアはダンジョンの『核』の様なものです。周囲の魔力を集めてダンジョンを構築したりモンスターを生成したりする物なんです」
「…ふむ。ではそのダンジョンコアがダンジョンボスを何度も復活させている原因と言う事ですか?」
「…あくまでも推測だ。しかし他に思い当たる事はないだろう?」

 ぺろすに言われて頷くエリス、ヒューガー、カイン、ナルシス。

「…とにかく、そのダンジョンボスをもう一度、倒してみよう。その後、ダンジョンコアを破壊して復活しなければ原因はそれだったという事だな…」
「そうですね。下に行って確認してみましょう!!」

 ヒューガー、エリスの言葉にぺろす、カイン、ナルシスが頷いた。そして一行はウタマーロ迷宮ダンジョンの最下層に降りた。



 その頃、亀甲山地下研究施設ダンジョンに潜っていたヒトミ、コニー、だいふく、勇護は二階層の敵モンスター、人工奇形人間?と戦っていた。

「…また変なのが出て来たよね~…(笑)」

 肉塊モンスターに続いて奇妙なキメラモンスターの出現である。亀の甲羅に人間の手足を付けた身体、それとは別に蜘蛛の脚がある。尾てい骨から生えたワニの尻尾には毒入りの棘が無数に付いていた。

 そして人間の顔に巨大なハエの目が、口は大きく裂けて真っ赤でカメレオンの様な長い舌があり、鋭い牙が生えていた。

「…『バイオモディフィ(改造生物)』、レベル75、1,000体か…。ハエの目で得物を見て蜘蛛の脚で高速移動し、噛み付き、尻尾の毒針、鋭い蜘蛛の脚で攻撃。口から粘糸を吐き付けて獲物の動きを止めてから食べる…だってさ~(笑)」

 ヒトミ(美裸)はもはや、苦笑いしか出て来ない。

「…グロいですね…」

 そう言いつつ、勇護がヒトミに確認する。

「ヒトミさん、今回も僕とだいふくでコニーちゃんの援護で良いですか?」
「…そうだね~。ただ今回は武器を剣と盾に戻した方が良いかもね~。レベルはそこそこ高いし、硬そうだからね~…」
「分かりました。今回は剣と盾で行きます」

 二人が話す中、前線ではコニーが暴れ回っていた。

「くれいじーさんだーはりけーんすぺしゃるっ!!」

 『サンダーハリケーン』の乱発で回転しながらバイオモディフィを雷撃で黒焦げにして、呪いで溶かして吹っ飛ばすコニー。

 すぐにだいふくと共に勇護は前線で大暴れするコニーの援護に入る。広く展開し、コニーを囲んで数で押し潰そうとするバイオモディフィ。

 そうさせまいと勇護が本来の装備で奮戦する。盾でモディフィを吹っ飛ばし、剣で確実に蜘蛛の頭を斬り落としていく。

 だいふくは『ダークサイクロップスビーム』でモディフィ達を真っ二つに薙ぎって行く。

 バイオモディフィ残り800体。

 コニーはサンダーハリケーンに続いて小さいボカン『メガクラッシュ』で纏めてモディフィ達を吹っ飛ばす。メガクラッシュにも雷撃と呪い効果が付随している為に黒焦げで溶解しながらモディフィがミンチになって吹っ飛んだ。

 その後ろで、コニーの攻撃で弱らされて逃れたモディフィを一体づつ、確実に処理していく勇護。だいふくも『アシッドマシンガン』の強酸でモディフィ達を溶かしていく。

 バイオモディフィ、残り500体。

 しかし、順調にバイオモディフィを減らしていた一行の前に突然、道士の様な格好をした青白い顔の大きな怨霊が現れた。その道士の怨霊は目を赤く光らせると叫んだ。

「貴様らッ何者じゃ!?今すぐワシの研究体を破壊するのをやめろッ!!」

 突然現れ、激昂した道士の怨霊がヒトミ達に襲い掛かってくる。しかしその時、戦闘態勢に入っていたヒトミ達と怨霊の間に突然、割って入る者がいた。
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