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プロローグ、ペンは剣よりも強し編
エロの伝道師。
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ミラが追った先でエルフが男達に囲まれていた。物陰から、そっと様子を窺う。
エロフ…いや、エルフと男達が何やら話しているのだが離れている為に、ミラにはよく聞こえなかった。ミラは木箱が積んである物陰へとスッと近づく。
そこでエルフと男達の会話が聞こえて来た。
「…で、こんな所でどうするんだよ?」
「…待ってもらうしかないわね。たぶんもう少しだと思うけど…」
男達とエルフが話しているのを見たミラは、妄想を始めてニヤニヤとしていた。
(あれはたぶんエロい展開に間違いないよね(笑)。)
そう呟きつつ笑うミラ。
「…ィ、オイッ…お前、そこで何してる…?」
ミラは笑いながらブツブツと呟いていた為、速攻で隠れているのがバレてしまった。
「…ハッ!!わたしとした事が…つい妄想に飲み込まれてしまった…」
「…お前、さっきからそこで何ブツブツ言ってんだ?不気味なヤツだな…」
「不気味ですって?この超絶爆乳美少女ミラさんを見てそんな事言うなんて酷い男達ね…」
男達の言葉に反応したミラが、物陰から颯爽と姿を現す。光輝く爆乳美少女登場に男達は一瞬、目を奪われ固まってしまった。
「フフフ、わたしが眩し過ぎて声も出ないようね?所でアナタ達はそこのエルフさんに何をしようとしているのかしら?」
ミラの言葉に、ハッと気を取り直した男達が戸惑いつつ、ミラに問い掛ける。
「…お、お前こそ、そこで何してる?先に質問したのは俺達の方だからな?」
「そうだ。こんな路地裏に一人で入って来て…って…まさか!!…お前が最近有名な『恐怖のジョシコーセー』ってヤツか?」
その問いに、ミラはスッ惚けた。
「うーん、どうでしょうかねぇ?そんな風に見えます(笑)?」
そう言いつつ、にっこりと笑うミラ。その光輝く笑顔に男達がズッキューンッ!!となった。顔を赤くしながら男達が恐る恐るミラに問う。
「…じゃあ、おま…いや、き、キミはここで何をしているんだ?」
「…何って、そこのエルフさんを助けようかなと思って。エルフさんはどうです?わたしの助けが必要ですか?」
ミラに問われたロングで栗色のストレートヘアで顔立ちの綺麗なエルフが男達をチラチラ見ながら答える。
「…わたしを助けるって…あなたは一体…何者なの?」
エルフに問われたミラは自信満々に自己紹介を始めた。
「わたしは『異世界エロ話』を集めている『ミラ・チョトォビッチ』です。夢はこの世界で異世界エロ小説を出版して、大ベストセラーエロ作家になる事なの。エルフさん、よろしくね!!」
ミラが思い付きで言ったデタラメな自己紹介に、エルフも男達も固まっていた…。
「…は?アナタ、何て言ったの…?」
戸惑うエルフと男達の反応に、ミラが再び自己紹介をする。
「だ・か・ら!!わたしは、異世界エロ話を集めて、大ベストセラー『エロ』作家を目指す、異世界のエロ伝道師こと『ミラ・チョトォビッチ』よ?解った(笑)?」
笑いつつ、そう言い放ったミラ以外、誰も笑っていなかった。むしろエルフと男達は可哀そうなヤツを見るような目で見ている。
「…うーん、いまいち反応が良くないわね。まぁ、良いか(笑)?では見せて差し上げましょう。わたしのスキルを!!」
得意気に言い放ったミラは、スキル『エディットモード』を発動した。瞬間、エルフと男達の動きが止まる。
「…フフフ、どう?これがわたしの能力。しかも動きを止めるだけじゃないのよ…」
そう言ったミラに、ふと疑問が浮かんだ。
この状態って動きが止まってるけど、わたしの声は聞こえてるのかな?…ていうか時間自体が止まってるのか?
考えていたミラだったが、面倒くさくなっていつもの口癖が出る。
「まぁ、良いか(笑)」
そして動かなくなった男達を『編集』する。
「まずはサングラスだけ残して後は全部剥いで…。おっ、可愛いモノ発見ナリ~(笑)…っと、それはおいといて範囲でぐるり囲んでっ…と」
そしてそのまま、男達を縮小していく。小人サイズにしてからミラはスキルを再生した。瞬間、時が動き出して驚くエルフと男達。
「…あ、あれッ?今何があったの?アナタ、黒服の人どうしたの?」
エルフに聞かれたミラは、足元を指差して笑う。
「…ぇ?ええェェェェッ!?こっ、コレッどうなってるのよ!?アナタがやったの!?」
「まぁ、そんなとこね(笑)」
「対象を小さくする能力者なの?」
「…んー、これはわたしの能力の一部ってとこかな~(笑)。他にも色々出来るんだけどね~…」
そう言いつつ、サングラス以外全て剥ぎ取られてすっぽんぽんの小人を踏みつけようと笑いながら足を上げるミラ。その笑みはサディスティックに歪んでいた。
ミラが男達を踏み付けようとした瞬間、突然エルフがミラの手を取って走り出した。
「そいつらは放っといて行くよ!!」
「ちょっと待って!!今殺しとかないとエルフさん、また追われるわよ?」
「わたしはエリス!!アイツらを殺すと次はその仲間が来るでしょ?アイツらは放っておけばいいのよ!!」
エリスの言葉にミラが答える。
「まぁ、アナタが…エリスがそれで良いなら、これ以上何も言わないけど…」
走って路地裏を抜けた後、二人は街の人混みに紛れた。
◇
街を歩きながら話す二人。
「…えーっとミラだっけ?アナタ何歳…?」
「花の17歳ナリ~(笑)。エリスは何歳なの?」
「わたしは19歳よ。アナタに聞きたい事があるんだけど良い?」
「良いんだけど、その前にわたしから先に聞いても良いかな?」
ミラの言葉にエリスが頷く。
「エルフで19歳って事は、実際はエリスって190歳くらいって事?」
「いや、わたしは転生者なの。アバターがエルフなだけで年齢は死んだ時のそのまま19歳」
「あぁ、アバターだったのね。転生者って事は地球人だよね?」
「うん、そうだね。その辺りは追々話をするとして、わたしからも質問ね」
「どうぞ、良いナリよ~?」
時々変わる、ミラの妙な語尾に、若干引きつつエリスが質問する。
「単刀直入に聞くわよ?ミラが噂の『恐怖のジョシコーセー』なの?」
「…それがもし、わたしだったらどうするの?」
勿体付けるミラに、エリスが答えた。
「…アナタ、この王都の裏社会から狙われてるわよ?わたしはギルドの調査依頼を受けて路地裏の『恐怖のジョシコーセー』を探してたのよ。ちょっと探り入れただけで仲間だと勘違いされて黒服に追われるし、稼ぎを変えないと今に痛い目見るわよ?」
歩いていた二人は丁度、噴水公園まで来たので、そこのベンチに座って話を続ける。
「わたしは痛い目には合わないと思う」
「どうしてそう言い切れるのッ!?」
断言するミラを、エリスが問い詰める。
「だって、こんなに可愛いし爆乳でしょ?エロい目には会うかもだけど痛い目は無いと思うよ~(笑)?」
真面目に聞いたエリスがバカバカしくなる様な答えが返って来た。エリスは思わず溜息を漏らす。
「…ミラ、アナタねぇ…事の深刻さが解ってないでしょ?マシでヤバいんだって。アンタが手を出して金を巻き上げた連中はギャングよ?解ってる?」
「解ってるよ?あの人達、結構お金持ってたもんね。おかけでこの3日でだいぶ稼げたもん(笑)」
その言葉に、考え込むエリス。しばらくしてエリスは口を開いた。
「ギャングから金巻き上げるより稼げる仕事があるとしたら、ミラはどうする?」
「…うーん。内容次第かな~。出来れば楽に稼げて強くなれるような仕事が良いな~(笑)」
そんな都合のいい仕事ある訳ないでしょうがッ!!
そう突っ込みたいエリスだったが、先程の路地裏での能力を見た後だ。ミラの良く解らないこの余裕も分かるような気がした。
「…ねぇミラ。わたしと組んでハンターやらな…」
「却下!!」
「…ちょっ、ちょっと!!まだわたし全部話してないでしょッ!?最後まで話を聞いてから決めてよ!!」
食い気味に来たミラの『却下処分』にエリスが食い下がる。
「なんでダメなの?ギルドに入ってダンジョンや討伐やればかなり稼げるんだよ?しかもミラのその能力ならレベルなんてすぐ上がるだろうし…」
エリスの最もな話にミラが軽く言葉を返す。
「…だってベタじゃん。異世界来て能力に目覚めてダンジョン入って無双してレベル爆上がりして…でしょ?わたしはもっと別の路線を目指してるのよ…」
「…じゃあ聞くけど、例えばどんな事よ?」
エリスの問いに空を見上げながら話すミラ。
「そうだな~。わたし可愛いし、アイドルになって撮影会とかしようかな~(笑)。『闘う柔らか爆乳アイドル☆ミラ』とかどうかな(笑)?」
「…言っとくけど、この世界にカメラないからね?ついでにカメラ小僧もいないからね…?」
「…あっ、そうか!!…じゃ射〇会、いや写生会にしようかな~(笑)」
その答えに、エリスは目を閉じて眉間に手をやると溜息を吐いた。
「…ミラ。アンタ、今わざと間違えたでしょ…?」
この子、ちょいちょい下ネタ入れて来るな…。下ネタとエロがごっちゃになってるよね、絶対…。
頭の痛いエリスだったが、ふとミラの自己紹介を思い出した。確か『異世界エロ話』集めるとか、エロの伝道師がどうとか言ってたな…。
「…ねぇ、ミラ。確かエロ話集めるとかエロ伝道師目指してるとか言ってたよね?」
「…ん(笑)?あれは半分本気で半分冗談よ(笑)」
「いや、どっちよッ!?」
「わたしはエロ話集めるついでに、楽に強くなれるんだったら何でも良い(笑)」
だからそんな仕事なんか…と言おうとしたエリスがふと閃いた。
「…ミラ。ギルドに所属してハンターになれば楽にエロ探しが出来るよ?」
「どうやって?ハンターとエロって一番遠い気がするけど?」
疑いの眼差しのミラに、エリスがチッチッチッと人差し指を揺らす。
「何それ?アブド〇ルのモノマネ(笑)?」
「いや違うッ…ってアブド〇ルって誰よ!?」
「えっ!?エリス、アブド〇ル知らないのっ!?」
「いや、そんな事はどうでも良いからわたしの話を聞いてッ!!」
そう言われたミラが黙る。しかし、すぐに小声でアブド〇ル知らないなんてモグリも良いトコ、ジョ〇ョ知らないとかエリスはホントに地球人なのかな?とブツブツ呟き始めた。
「はいッ!!人の話は黙って聞くッ!!」
再度、強く言われたミラは仕方なく沈黙した。
「良い?ハンターになれば色々見聞出来るでしょ?ダンジョンでエロ展開を探すとか、救助依頼でエロ話聞くとか、盗賊退治でエロシチュエーション考えて書き留めておくとか。エロ探しはハンター業の片手間でも出来るよ?解った?」
そう言われてミラは少し考える。
…そうか。ハンターになってお金を稼ぎつつ、エロ探しもアリか…。どっちにしてもチンピラからお金を巻き上げるのも終わりだな…。そもそも出て来てくれないし…。
「…解った。エリスの提案に乗るよ」
「ホントッ!?ありがとう、ミラッ!!今日からよろしく!!」
喜ぶエリスの傍らで、声色を変えたミラが呟く。
「…ホントしょうがないな~、の〇太くんは(笑)!!」
「…ミラ、アンタいつか誰かにぶっ飛ばされるわよ…マジで…」
王都の噴水公園で今、おかしなPTが結成された。
「じゃ、まずはギルドに案内するから来て…」
エリスとミラが公園を後にしようとしたその時、大きな野太い声と共に男達の集団が迫っていた。
「ウオォォッ!!やっと見つけたぁ!!」
「昨日のあの子だぁーっ、名前教えてくれェェ!!」
迫りくる男達にエリスが蒼褪める。
「…あ、アレ何なのよッ!!」
「…あっ、やばいっ、昨日の男達だ!!エリス早く逃げるよっ!!」
逃げ出した二人を見た男達が更に興奮を増して迫って来る。
「ウオォォッ、待ってくれぇッ『爆乳美少女天使』さま~っ、せめて名前を~ッ!!」
「ファンクラブ作ったよォッ、名前付けて下さい天使さま~っ!!」
たった一日でミラのファンクラブが出来てしまった。それ程までにミラのインパクトは強すぎたのだ。男達の異常な熱意に恐怖したミラはすぐにエリスに指示を出す。
「エリスっ、そこの路地に入ったらすぐに壁に背中付けてっ!!」
「…わ、わかった!!」
エリスが路地に入ると続いてミラも路地を曲がり壁に背を付ける。そしてすぐにスキルを発動させた。エリスと自分の前に壁を作り、忍術『壁隠れ』の様に身を隠した。
追ってきた男達は路地に入った瞬間、戸惑う。
「あっれ~、おかしいな~?確かにこっちに入ったんだけど…」
そう言いつつ男達は路地の奥へと入って行く。それを見届けた二人はすぐにそこから離れた。
エロフ…いや、エルフと男達が何やら話しているのだが離れている為に、ミラにはよく聞こえなかった。ミラは木箱が積んである物陰へとスッと近づく。
そこでエルフと男達の会話が聞こえて来た。
「…で、こんな所でどうするんだよ?」
「…待ってもらうしかないわね。たぶんもう少しだと思うけど…」
男達とエルフが話しているのを見たミラは、妄想を始めてニヤニヤとしていた。
(あれはたぶんエロい展開に間違いないよね(笑)。)
そう呟きつつ笑うミラ。
「…ィ、オイッ…お前、そこで何してる…?」
ミラは笑いながらブツブツと呟いていた為、速攻で隠れているのがバレてしまった。
「…ハッ!!わたしとした事が…つい妄想に飲み込まれてしまった…」
「…お前、さっきからそこで何ブツブツ言ってんだ?不気味なヤツだな…」
「不気味ですって?この超絶爆乳美少女ミラさんを見てそんな事言うなんて酷い男達ね…」
男達の言葉に反応したミラが、物陰から颯爽と姿を現す。光輝く爆乳美少女登場に男達は一瞬、目を奪われ固まってしまった。
「フフフ、わたしが眩し過ぎて声も出ないようね?所でアナタ達はそこのエルフさんに何をしようとしているのかしら?」
ミラの言葉に、ハッと気を取り直した男達が戸惑いつつ、ミラに問い掛ける。
「…お、お前こそ、そこで何してる?先に質問したのは俺達の方だからな?」
「そうだ。こんな路地裏に一人で入って来て…って…まさか!!…お前が最近有名な『恐怖のジョシコーセー』ってヤツか?」
その問いに、ミラはスッ惚けた。
「うーん、どうでしょうかねぇ?そんな風に見えます(笑)?」
そう言いつつ、にっこりと笑うミラ。その光輝く笑顔に男達がズッキューンッ!!となった。顔を赤くしながら男達が恐る恐るミラに問う。
「…じゃあ、おま…いや、き、キミはここで何をしているんだ?」
「…何って、そこのエルフさんを助けようかなと思って。エルフさんはどうです?わたしの助けが必要ですか?」
ミラに問われたロングで栗色のストレートヘアで顔立ちの綺麗なエルフが男達をチラチラ見ながら答える。
「…わたしを助けるって…あなたは一体…何者なの?」
エルフに問われたミラは自信満々に自己紹介を始めた。
「わたしは『異世界エロ話』を集めている『ミラ・チョトォビッチ』です。夢はこの世界で異世界エロ小説を出版して、大ベストセラーエロ作家になる事なの。エルフさん、よろしくね!!」
ミラが思い付きで言ったデタラメな自己紹介に、エルフも男達も固まっていた…。
「…は?アナタ、何て言ったの…?」
戸惑うエルフと男達の反応に、ミラが再び自己紹介をする。
「だ・か・ら!!わたしは、異世界エロ話を集めて、大ベストセラー『エロ』作家を目指す、異世界のエロ伝道師こと『ミラ・チョトォビッチ』よ?解った(笑)?」
笑いつつ、そう言い放ったミラ以外、誰も笑っていなかった。むしろエルフと男達は可哀そうなヤツを見るような目で見ている。
「…うーん、いまいち反応が良くないわね。まぁ、良いか(笑)?では見せて差し上げましょう。わたしのスキルを!!」
得意気に言い放ったミラは、スキル『エディットモード』を発動した。瞬間、エルフと男達の動きが止まる。
「…フフフ、どう?これがわたしの能力。しかも動きを止めるだけじゃないのよ…」
そう言ったミラに、ふと疑問が浮かんだ。
この状態って動きが止まってるけど、わたしの声は聞こえてるのかな?…ていうか時間自体が止まってるのか?
考えていたミラだったが、面倒くさくなっていつもの口癖が出る。
「まぁ、良いか(笑)」
そして動かなくなった男達を『編集』する。
「まずはサングラスだけ残して後は全部剥いで…。おっ、可愛いモノ発見ナリ~(笑)…っと、それはおいといて範囲でぐるり囲んでっ…と」
そしてそのまま、男達を縮小していく。小人サイズにしてからミラはスキルを再生した。瞬間、時が動き出して驚くエルフと男達。
「…あ、あれッ?今何があったの?アナタ、黒服の人どうしたの?」
エルフに聞かれたミラは、足元を指差して笑う。
「…ぇ?ええェェェェッ!?こっ、コレッどうなってるのよ!?アナタがやったの!?」
「まぁ、そんなとこね(笑)」
「対象を小さくする能力者なの?」
「…んー、これはわたしの能力の一部ってとこかな~(笑)。他にも色々出来るんだけどね~…」
そう言いつつ、サングラス以外全て剥ぎ取られてすっぽんぽんの小人を踏みつけようと笑いながら足を上げるミラ。その笑みはサディスティックに歪んでいた。
ミラが男達を踏み付けようとした瞬間、突然エルフがミラの手を取って走り出した。
「そいつらは放っといて行くよ!!」
「ちょっと待って!!今殺しとかないとエルフさん、また追われるわよ?」
「わたしはエリス!!アイツらを殺すと次はその仲間が来るでしょ?アイツらは放っておけばいいのよ!!」
エリスの言葉にミラが答える。
「まぁ、アナタが…エリスがそれで良いなら、これ以上何も言わないけど…」
走って路地裏を抜けた後、二人は街の人混みに紛れた。
◇
街を歩きながら話す二人。
「…えーっとミラだっけ?アナタ何歳…?」
「花の17歳ナリ~(笑)。エリスは何歳なの?」
「わたしは19歳よ。アナタに聞きたい事があるんだけど良い?」
「良いんだけど、その前にわたしから先に聞いても良いかな?」
ミラの言葉にエリスが頷く。
「エルフで19歳って事は、実際はエリスって190歳くらいって事?」
「いや、わたしは転生者なの。アバターがエルフなだけで年齢は死んだ時のそのまま19歳」
「あぁ、アバターだったのね。転生者って事は地球人だよね?」
「うん、そうだね。その辺りは追々話をするとして、わたしからも質問ね」
「どうぞ、良いナリよ~?」
時々変わる、ミラの妙な語尾に、若干引きつつエリスが質問する。
「単刀直入に聞くわよ?ミラが噂の『恐怖のジョシコーセー』なの?」
「…それがもし、わたしだったらどうするの?」
勿体付けるミラに、エリスが答えた。
「…アナタ、この王都の裏社会から狙われてるわよ?わたしはギルドの調査依頼を受けて路地裏の『恐怖のジョシコーセー』を探してたのよ。ちょっと探り入れただけで仲間だと勘違いされて黒服に追われるし、稼ぎを変えないと今に痛い目見るわよ?」
歩いていた二人は丁度、噴水公園まで来たので、そこのベンチに座って話を続ける。
「わたしは痛い目には合わないと思う」
「どうしてそう言い切れるのッ!?」
断言するミラを、エリスが問い詰める。
「だって、こんなに可愛いし爆乳でしょ?エロい目には会うかもだけど痛い目は無いと思うよ~(笑)?」
真面目に聞いたエリスがバカバカしくなる様な答えが返って来た。エリスは思わず溜息を漏らす。
「…ミラ、アナタねぇ…事の深刻さが解ってないでしょ?マシでヤバいんだって。アンタが手を出して金を巻き上げた連中はギャングよ?解ってる?」
「解ってるよ?あの人達、結構お金持ってたもんね。おかけでこの3日でだいぶ稼げたもん(笑)」
その言葉に、考え込むエリス。しばらくしてエリスは口を開いた。
「ギャングから金巻き上げるより稼げる仕事があるとしたら、ミラはどうする?」
「…うーん。内容次第かな~。出来れば楽に稼げて強くなれるような仕事が良いな~(笑)」
そんな都合のいい仕事ある訳ないでしょうがッ!!
そう突っ込みたいエリスだったが、先程の路地裏での能力を見た後だ。ミラの良く解らないこの余裕も分かるような気がした。
「…ねぇミラ。わたしと組んでハンターやらな…」
「却下!!」
「…ちょっ、ちょっと!!まだわたし全部話してないでしょッ!?最後まで話を聞いてから決めてよ!!」
食い気味に来たミラの『却下処分』にエリスが食い下がる。
「なんでダメなの?ギルドに入ってダンジョンや討伐やればかなり稼げるんだよ?しかもミラのその能力ならレベルなんてすぐ上がるだろうし…」
エリスの最もな話にミラが軽く言葉を返す。
「…だってベタじゃん。異世界来て能力に目覚めてダンジョン入って無双してレベル爆上がりして…でしょ?わたしはもっと別の路線を目指してるのよ…」
「…じゃあ聞くけど、例えばどんな事よ?」
エリスの問いに空を見上げながら話すミラ。
「そうだな~。わたし可愛いし、アイドルになって撮影会とかしようかな~(笑)。『闘う柔らか爆乳アイドル☆ミラ』とかどうかな(笑)?」
「…言っとくけど、この世界にカメラないからね?ついでにカメラ小僧もいないからね…?」
「…あっ、そうか!!…じゃ射〇会、いや写生会にしようかな~(笑)」
その答えに、エリスは目を閉じて眉間に手をやると溜息を吐いた。
「…ミラ。アンタ、今わざと間違えたでしょ…?」
この子、ちょいちょい下ネタ入れて来るな…。下ネタとエロがごっちゃになってるよね、絶対…。
頭の痛いエリスだったが、ふとミラの自己紹介を思い出した。確か『異世界エロ話』集めるとか、エロの伝道師がどうとか言ってたな…。
「…ねぇ、ミラ。確かエロ話集めるとかエロ伝道師目指してるとか言ってたよね?」
「…ん(笑)?あれは半分本気で半分冗談よ(笑)」
「いや、どっちよッ!?」
「わたしはエロ話集めるついでに、楽に強くなれるんだったら何でも良い(笑)」
だからそんな仕事なんか…と言おうとしたエリスがふと閃いた。
「…ミラ。ギルドに所属してハンターになれば楽にエロ探しが出来るよ?」
「どうやって?ハンターとエロって一番遠い気がするけど?」
疑いの眼差しのミラに、エリスがチッチッチッと人差し指を揺らす。
「何それ?アブド〇ルのモノマネ(笑)?」
「いや違うッ…ってアブド〇ルって誰よ!?」
「えっ!?エリス、アブド〇ル知らないのっ!?」
「いや、そんな事はどうでも良いからわたしの話を聞いてッ!!」
そう言われたミラが黙る。しかし、すぐに小声でアブド〇ル知らないなんてモグリも良いトコ、ジョ〇ョ知らないとかエリスはホントに地球人なのかな?とブツブツ呟き始めた。
「はいッ!!人の話は黙って聞くッ!!」
再度、強く言われたミラは仕方なく沈黙した。
「良い?ハンターになれば色々見聞出来るでしょ?ダンジョンでエロ展開を探すとか、救助依頼でエロ話聞くとか、盗賊退治でエロシチュエーション考えて書き留めておくとか。エロ探しはハンター業の片手間でも出来るよ?解った?」
そう言われてミラは少し考える。
…そうか。ハンターになってお金を稼ぎつつ、エロ探しもアリか…。どっちにしてもチンピラからお金を巻き上げるのも終わりだな…。そもそも出て来てくれないし…。
「…解った。エリスの提案に乗るよ」
「ホントッ!?ありがとう、ミラッ!!今日からよろしく!!」
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「…ミラ、アンタいつか誰かにぶっ飛ばされるわよ…マジで…」
王都の噴水公園で今、おかしなPTが結成された。
「じゃ、まずはギルドに案内するから来て…」
エリスとミラが公園を後にしようとしたその時、大きな野太い声と共に男達の集団が迫っていた。
「ウオォォッ!!やっと見つけたぁ!!」
「昨日のあの子だぁーっ、名前教えてくれェェ!!」
迫りくる男達にエリスが蒼褪める。
「…あ、アレ何なのよッ!!」
「…あっ、やばいっ、昨日の男達だ!!エリス早く逃げるよっ!!」
逃げ出した二人を見た男達が更に興奮を増して迫って来る。
「ウオォォッ、待ってくれぇッ『爆乳美少女天使』さま~っ、せめて名前を~ッ!!」
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「エリスっ、そこの路地に入ったらすぐに壁に背中付けてっ!!」
「…わ、わかった!!」
エリスが路地に入ると続いてミラも路地を曲がり壁に背を付ける。そしてすぐにスキルを発動させた。エリスと自分の前に壁を作り、忍術『壁隠れ』の様に身を隠した。
追ってきた男達は路地に入った瞬間、戸惑う。
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タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
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最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
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ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
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