異世界召喚された地味子、王宮から追い出されたので特殊固有スキルでエロと共に暴れ回る。

駄犬X

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プロローグ、ペンは剣よりも強し編

再出発。

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 二人は王都から出ると、北の鉱山を目指した。鉱山に向かう間に美裸はエリスのレベルについて話をする。

「エリス、せっかくダンジョン入るんだからレベリングでもする?」

 美裸の言葉に、エリスは半信半疑だ。

「…どうやって?そんな事、出来るの…?」
「出来るよ。わたしのスキルを使えば安全に確実にレベル上げて行けるよ」
「…美裸。わたしレベルも上げたいんだけど、全然スキルが付かないのよ。どうしたらいいかな?」

 そんな悩みに対して、エリスの持っていた弓とタガーを見た美裸は武器を使った事があるのか聞いた。するとスキルが付かなくて当然の答えが返って来た。

「…全然ない。地球でだって使った事ないのに…この世界でいきなり使える訳ないでしょ…」
「…エリス。それじゃレベルだけ上げてもダメよ…」
「…えッ?どうして!?普通レベルが上がったら自然に付いて来るものなんじゃないの?」

 エリスの言葉に肩をすくめつつ、説明する美裸。

「スキルが付くとかスキルレベルを上げるとかは、その武器とか魔法自体を使わないとスキルは付かないしスキルレベルも上がらないと思うよ(笑)?」
「…じゃあどうすればいいの?武器なんか使った事ないし…」
「そこはわたしに任せて欲しいナリ~(笑)」

 笑いながら言う美裸に若干、不安を感じつつも美裸に掛けるしかないエリスは覚悟を決めた。二人が話している間の30分程で、現場である王都の北にある鉱山採掘場に到着した。

 広い入り口から鉱山に入ると、確かに光の門の様なダンジョンゲートがあった。二人は視線を合わせると頷く。そしてダンジョン入り口で警備を担当している衛兵に、ギルドからの依頼許可証を見せた。

 敬礼で答える衛兵を後にして、二人はダンジョンへの門を潜った。



 光の門を潜って出た場所は広く開けた岩のドームだった。そこから奥へと道が続いていく洞窟型ダンジョンだ。

 辺りを警戒していると暗闇の奥から、体皮が緑色で子供サイズのゴブリンが5体現れた。目が吊り上がり黄色く濁った眼球と、垂れ下がった大きな鼻は正に典型的なゴブリンだった。

 口は裂けた様に大きく、長い舌と小さな牙が見えた。

 二人に気付いたゴブリンが、飛び掛かって来る。手には小さな棍棒があった。しかし美裸のスキル範囲に入った瞬間、ゴブリン5体はその動きを止めた。

「じゃ、エリスのレベル上げとスキル獲得を狙ってやってみますか(笑)?」

 そう言うと美裸はエリスに指示を出していく。

「まずはわたしの視界の外から弓を撃って…」

 恐る恐るアーチェリーの様に矢を番え、弓の弦を引くエリス。そして放った矢は、ひょろひょろっと弱々しく飛んでいく。

 その矢が、スキル発動中の美裸の視界に入って停止した。

「…どうするの…?このままだと矢がゴブリンに届く前に落ちるけど…」
「良いから後4本、矢を飛ばして!!」

 そう言われて再び矢を番えて弦を引くとひょろひょろと矢を飛ばす。

 5本の矢が視界に入った所で、美裸が編集を始めた。まずは視界に入った矢を動かし、ゴブリンの眉間にそれぞれ矢を刺していく。ついでにゴブリン達の足をペンタブで切り離しておいた。

「そして時は動き出す(笑)!!再生!!」

 美裸がスキルを再生させた瞬間、飛び掛かって来ていたゴブリン達は自分達に何が起こったのか解からぬまま、眉間を矢で撃ち抜かれ、足を斬られて鮮血を噴き出していた。

 そのまま地面に、5体全員が血を噴き出しながら折り重なって倒れた。しかし、エリスの方には、まだまだ何も変化は起こらなかった。

「…美裸、何にも起こらないけど…?」
「5体だけじゃまだまだよ~(笑)。どんどん倒して行くナリよ~っ(笑)!!」

 再び暗闇の奥からゴブリンが5体現れた。今度のは先程の個体よりも少し大きい。同じ様に美裸がスキルで強制停止させ、エリスに矢を5本撃ち込ませる。

 美裸はすぐにチョチョイと編集し、今度はゴブリン達の心臓を矢で刺し貫いた。ついでに両手、両脚を斬っていく。

 そして『再生』する。

 直後に、ゴブリン達の断末魔の叫び声と、両手両足から鮮血が飛び散る。そして今度もまた、ゴブリン達は何も出来ずに即死した。

 その瞬間、エリスのカラダが光を放つ。そして脳内にインフォメーションが流れた。

≪スキル『弓術』、獲得しました。弓術レベルが2に上がります。『連射』スキル獲得しました。≫

 エリスは、ただ驚きで声を出せず自分の両手を見ていた。…ついに、やっとスキルが手に入ったんだ。今まで3ヵ月、レベルが上がっても何も付かなかったのに…。

 エリスはようやくスタートラインに立てた気がした。

「…美裸…やった…やったよ!!スキル獲得出来たよ!!」
「やっぱり使わないとスキルは付かないよ。次はそこの天井に貼り付いてる蝙蝠をその弓スキル使って撃ち落として!!」

 美裸の指示で弓に矢を番えるエリス。人間の変化とは恐ろしいモノでさっきまでへっぴり腰だったエリスが胸を張ってしっかりと弓の弦を引いていた。

 …そうそう、巨乳さんは胸張ってなんぼだからね~(笑)。変貌したエリスを見て心の中で呟き、笑う美裸。

 そして矢を放った瞬間、エリスは一発で蝙蝠を射抜いて見せた。

「おぉ~、エリスさんヤリますなぁ(笑)」
「…ちょっと美裸…アンタどこ見て言ってんのよ(笑)!!」

 美裸の揶揄からかいを、エリスは笑いながら余裕で返した。それだけスキルが付いた事はエリスに取って大きかった。レベルこそ上がっていないが、今まで何も持たず、何も出来なかったエリスに光明が見えた気がした。

「美裸、どんどん行くよッ!!」
「それはこっちの台詞ナリよ~(笑)!!」

 そして二人はそこから動く事無く、同じ手法で3組目のゴブリン8体を難なく撃破した。

 その瞬間にエリスのレベルが16に上がる。パッシブスキル『精密射撃』を獲得。順調にゴブリン達を掃討していたが、肝心の依頼達成アイテムであるネックレスはまだまだ見つからなかった…。

 そんな中、美裸が一人呟く。

「…うーん、そろそろ来ると思うんだけどな~…」

 念願のスキル獲得、そしてレベルアップに興奮していたエリスは美裸の呟きが聞こえていなかった。

 暗闇の奥から、次のゴブリンがゾロゾロと出て来る。成体のゴブリン30体である。余りの数に、慌てて美裸を振り返るエリス。

「…美裸、あの数…殺れる…?」
「…あぁ、わたしなら出来るんだけど…。エリス、次はタガーで行ってみようか?」

 そう指示されたエリスは、成体ゴブリンの数に怯むものの、腰に下げたタガーを手に持つ。その瞬間、襲い掛かって来る成体ゴブリン30体。美裸がスキルを発動しようとしたその時、大きな影が跳び出して来た。



 その影はゴブリンの前衛数体を大きな盾で吹っ飛ばし、片手剣を振るう。直後に後ろから現れた槍が、成体ゴブリンを刺し貫いた。前衛が崩れて混乱するゴブリン達に大剣が襲い掛かる。

 成体ゴブリン3体が大剣に斬られて吹っ飛んだ。

「…こッ、これはッ…!!」
「…フフフ、やっと来ましたか…」

 驚いたエリスが美裸を振り返る。ニヤニヤ笑う美裸に、エリスは顔を曇らせた。

「…美裸…アイツら…」
「良いの良いの。これで良いのよ(笑)」

 余裕をかます美裸にエリスは不安を隠せないでいた。

「そんなッ…アイツらわたしらの邪魔をしに…」

 そこへ後衛のアサシン男と魔法使い女が寄って来る。

「あの数、アンタらじゃ手に余るでしょ(笑)?」
「そうそう、たかがゴブリンでも成体があんなにいたんじゃお前ら二人じゃ無理だろ?俺達に任せとけ(笑)!!」

 せっかくのレベルアップとスキル獲得に水を差されたエリスだったが、何も言えず歯噛みするしかなかった。

「そうそう、アンタらは黙ってそこで大人しくしてな(笑)!!」

 そう言いつつ、魔法を撃ち込んでいく魔法使い女。悔しさで顔を紅潮させるエリス。しかしその後ろで、美裸はニヤニヤと笑ってただゴブリンが掃討されて行くのを見ているだけだった。

 美裸にそっと寄って行ったエリスが小さな声で話す。

「…このままで良いの!?退治も依頼も全部持って行かれちゃうのよ…?」
「…エリス。これで良いのよ。せっかくだからゴブリンを減らして貰えばいいの(笑)」

 続けて美裸が言う。

「それよりエリス、よく見てて。これから面白い事が起こるから(笑)!!」

 魔法使い女が魔法を撃ち込んでいる間に、アサシン男は美裸とエリスが動かない様にチラチラ見ている。

 どうせコイツらは何も出来ない。そう高を括っていたCランクPTが成体ゴブリンを半分程減らした所で、前衛の槍使い女が声を上げる。

「…あった(笑)!!ネックレス、見つけた!!」

 その瞬間、戦士男が再び盾でゴブリンを吹っ飛ばす。

「よしッ!!全員下がれッ!!もうここに用はない!!」

 前衛のヤツらが残りのゴブリンを、美裸とエリスに押し付けるべく注意深く後退してくる。

 それを見たアサシン男が笑う。

「あのネックレスは俺達が貰って行くわ(笑)。じゃ、後よろしく!!無駄骨ご苦労さん(笑)!!」
「いやいや、こちらこそ(笑)!!半分ほど減らして貰ってご苦労様です!!しかしネックレスはお渡し出来ませんねぇ(笑)」
「は?何も出来ねぇヤツが何言ってやがる(笑)!?」
「何も出来ないんじゃなくて何もしなかっただけナリ~(笑)。全員纏めて一気にやっちゃうよ~!!ザ・ワー〇ド!!時よ、止まれィッ(笑)!!」」

 美裸が叫んだ瞬間、PT全員の武器と防具が粉砕して一気に弾け飛んだ。一瞬、何が起きたのか解からず、驚いたままの顔で全ての動きを止めるCランクPT。その奥にいた残りの成体ゴブリンも完全停止していた。

「…さて、ネックレスは回収っと。後退して来た所、皆さんには大変残念ですが…」

 そう言いつつ、CランクPTを再びゴブリン達の方へと移動させる。

「再生!!そして時は動き出すッ!!ポチッとな(笑)!!」

 突然何が起きたのか分からないまま、強制停止させられ、驚いたままのPTは再生されてパニックに陥った。

 武器も防具も全て弾け飛び、何もない丸裸の状態である。何が起きたのか考える暇もなく、距離を取っていたはずの残りの成体ゴブリンが目の前にいた。

「きゃーッ!!どうなってんのよぉッ、コレッ!?」
「そんな事より早く逃げろッ!!ゴブリンに殺られるぞッ!!」

 その様子をニヤニヤと笑いながら眺めている美裸。その手には依頼のネックレスがあった。

「ホラホラッ、早く逃げないとゴブリン共にヤラレれちゃいますよぉ(笑)」

 そんな中、目の前の光景に一番驚いていたのはエリスだった。美裸を振り返る。その手にはネックレスがあった。ホッとしたエリスは阿鼻叫喚の声に前に向き直る。

 そこにはCランクPTが我先にと逃げ惑う姿があった。しかし何度距離を取って逃げようとしてもすぐに元の位置まで戻り、成体ゴブリンが迫っていた。

「…フフフ、わたし残酷ですわよ…(笑)?」

 再び振り返ったエリスが見た美裸は、悪代官並みの悪い顔でニヤニヤ笑っていた。逃げても逃げても元の位置に戻ってしまう恐怖の現象を見たエリスは、アレをやっているのが美裸だと分かった。

「…美裸、そこまでにしといて上げて…。それ以上やるとトラウマどころか、ハンターとして再起不能になっちゃうから…」

 しかしエリスのそんな言葉に耳を貸す様な美裸ではなかった。

(人を小馬鹿にしたヤツらは徹底的に追い込んでやるッ!!)

 美裸は今、暗黒面ダークサイドに堕ちていた…。CランクPTを成体ゴブリンの前に戻してはある程度の距離まで逃がす。

 しかし、逃げ切れる!!そう思わせた瞬間にまた元の位置に戻し、ゴブリン達に襲わせる。美裸はこれを繰り返し、這う這うの体で逃げるPTを見て笑っていた。

 そしてついに、一人の男が成体ゴブリンに脚を掴まれてしまった。
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