異世界召喚された地味子、王宮から追い出されたので特殊固有スキルでエロと共に暴れ回る。

駄犬X

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海洋王国編

宝の山。

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 盗賊達を蹂躙じゅうりんした後、美裸達は砦の奥にあった小屋の扉を開けた。その小屋の中には、拉致されたと思しき女性達がいた。

 身なりの整った女性達だ。

 女性達を見た瞬間、美裸はあっと声を上げて宙を見つめたまま、ブツブツと呟き始めた。

(…あぁ、また始まった…)

 自分の世界にトリップしてしまった美裸に構わず、エリスは驚く女性達に声を掛けた。

「…皆さん、盗賊はわたし達が倒したからもう大丈夫です!!」

 エリスの言葉に、顔を見合わせて眉をひそめる女性達。その中でも一際、上質な服を身に付けた顔立ちの整った女性が不信感を露にして声を上げた。

「アナタ達、何者ッ!?ここの盗賊達は300人は下らない大勢力のインモウゲ盗賊団なのよッ!?どうやってここまで来たのよ!!…しかも倒したですって!?」

 その女性は、エリスの隣でブツブツ呟く美裸を見る。

「…盗賊…300人…精力が異常に強い…」
「…あの…この子は一体何なのよ?ブツブツ言ってるけど大丈夫なの…?」

 不審を露に戸惑う女性にエリスが説明する。

「…あぁ、この子は放っといて良いです。いつもこんな感じなんで。まぁ、一種の病気みたいなモノですね…」

 エリスの言葉に、その女性が改めて美裸を見る。

「…この子の服、この辺りじゃ見掛けない装備ね…」
「あぁ、それはセーフクって名前の服なんですよ」
「…セーフク…。ふーん、まぁ良いわ…所で早く答えてくれる?こんな所まで来るなんて、アナタ達、何者なのよ?」

 女性に促され、説明を始めようとしたエリスの声を遮る様に美裸の独り言が大きくなる。

「…300人…盗賊に拉致された…精力が異常に強い女…病気で…盗賊セーフク…」

 独り言が段々と強くなる美裸を見る女性とエリス。

「…なんかこの子、不気味なんだけど…本当に大丈夫なの?」
「…ぁ、あぁ、あははッ、大丈夫です。すぐ元に戻しますんで…」

 そう言うとエリスは美裸の耳元で叫んだ。

「ウオォォイッ!!美裸ァッ!!戻ってこーい!!」
「…はっ!?ぁ、わたしとした事がつい…」

 そう言いつつ目の前に立つ女性をじっと見る美裸。

「…あっ!!アナタ、拉致されたけど異常に強い精力で盗賊300人に病気流行らせて征服しちっゃた人ですよねっ(笑)!?」
「…いや、違うわッ!!精力そんなに強くないわよ!!ていうか誰が病気持ちよッ!!失礼でしょッ!!何なのよ!!この子ッ!!」

 怒る女性を見て慌てたエリスが、美裸に突っ込む。

「ちょっと美裸ッ!!初対面の人に向かって変な事言わないでよッ!!」
「…ん?あぁ、エリス(笑)。ゴメンゴメン、また新しい話、思い付いちゃって~(笑)」

 ようやく正気に戻る美裸。

「だから!!そう言うのは頭の中だけにしといてよ?」

 注意された美裸は、はいはいと返事をしつつ、改めて目の前の女性を見た。

「…で?あなた誰でしたっけ(笑)?」
「…誰って…まだ名乗ってないわよッ!!なんかむかつくわね!!ていうかアンタ達が何者か聞いてるでしよッ!?」

 プンスカ怒る女性に聞かれた美裸とエリスが顔を見合わせる。

「あぁ、わたし達は『史上最強PT』ですけど~(笑)?」
「はぁッ!?何言ってんの?アンタらみたいなちんちくりんが最強って…笑わせないでよ!!」
「そうよ、美裸。『最強』は言い過ぎよ!!『ワイバーン程度なら軽く倒せるPT』って言った方が良いわよ?一応、実績はあるんだし…」
「…は!?アンタらがワイバーン倒した!?それこそ冗談でしょッ!?」

 美裸達を余りにバカにする女性に、コニーがそっとメリケンサックと雷轟を両手に嵌める。

「…コニー、ここでボカンしちゃダメよ~(笑)」

 美裸はコニーを止めつつ、顔をしかめる女性を前にPTの紹介を始めた。

「隣のエルフは『巨乳担当』のエリスね~。それからこのちびっこさんは『最強の鬼人』のコニーちゃん、その隣に控えている犬が『地獄の番犬』のぺろす、このかわいいスライムが『最強の従魔』のだいふく、そして最後に…」

 そう言いつつ、紹介をつづける美裸。

「このわたしが『最凶のジョシコーセー』にして、この世界で『エロの伝道師』を目指す、縫田 美裸です~。よろしく~(笑)。あ、あと見えないですけど幽霊皇帝とゴーストダンサーズもいまーす(笑)!!」
「…はぁッ!?情報量が多過ぎて全然入って来ないわよッ!!」

 肩で息をして激しく突っ込む女性を、隣に控えていたメガネの女性がなだめる。

「…お嬢様、落ち着いて下さい。血圧が上がりますよ?まずはお嬢様もこの者達にお名前をお聞かせしたら良いのではないでしょうか?」

 静かに諭され、肩で息をしていた女性は、ツンな感じで自己紹介を始めた。

「…わたしはアナルアン・フリンナ・シルダーク。この国の王女よ。以降、無礼は許さないからね、解った!?」
「えっ(笑)?ア〇ルで不倫した汁だくの人ですかっ(笑)!?」
「オイッ、コラァァッ!!言った傍から失礼な事いうなよォォッ!!」

 王女アナルアンが美裸の首元を掴み上げて叫ぶ。

「お前はわたしをバカにしてんのかァッ!!」

 王女の激昂に、傍に控えていたメガネの侍女が、慌てて間に入る。エリスも美裸の前に立ってこれ以上、相手を怒らせない様に注意をした。

 その傍でだいふくが楽しそうにぴょんぴょん跳ね、コニーがお腹を抱えて笑い転げていた。美裸と王女に話をさせるとややこしくなるので、代りにエリスとメガネの侍女が双方の代理として話す事になった。



「…で、王女様達は何故ここにいるんです?」

 エリスの問いにメガネの侍女が答える。

「わたし達はこの森の南にある港街からマンスジー王国までの交易街道の視察に来ていたのですが突然の襲撃を受けましてね…」
「…そうでしたか、それは大変でしたね…まぁ、盗賊は一人残らず処分しましたので大丈夫ですよ」

 エリスの言葉に、侍女の後ろから声を上げるアナルアン。

「…大丈夫って、アンタらみたいな女子供だけであの盗賊団を倒せる訳ないでしょッ!!」 
「それがわたし達なら簡単に出来ちゃうんだよね~(笑)」

 お互い代理で話す人の後ろから応酬するアナルアンと美裸。そんな中、いつの間にやら奥へと入っていたコニーが高そうな日本兜?を被って戻ってきた。

「んっ(笑)?コニー、それどこで見つけたの(笑)?」
「このおく、お宝いっぱいあった」

 五月に飾る様な兜を被ったコニーは、大きな水晶の球も小脇に抱えていた。だいふくも宝石の付いた冠を被り、ぺろすは首に真珠のネックレスを掛けていた。

「ちょっと!!アンタ達!!勝手に触らないでよッ!!」

 激昂する王女アナルアンに、美裸が突っ込む。

「奥にある宝ってさ~盗賊が盗んで来たものだよね~?何で王女が怒るのかな~(笑)?」
「…いや、それは…呪いのアイテムとかあったら危ないでしょッ!?それよりエルフのアンタ、この子らの保護者なら勝手に歩かせると危ないでしょッ!?」

 焦ったような王女の態度に、ニヤニヤと笑う美裸。

「それがさ~、そこのコニーは普通のお子様じゃないんだよね~。それはさっき言ったと思いますけど~(笑)?」

 そう言いつつ、ズカズカと奥へと入って行く美裸。

「…ちょッ、ちょっとアンタッ!!勝手に奥に行かないでよ!!ていうか、そこのエルフ!!早くあの子止めてよッ!!」

 ヒステリックに叫ぶアナルアンに、エリスが冷静に問い掛ける。

「奥のお宝って、王宮のモノですか?それとも王女様の私物があるんですか?」

 そう言いつつ、エリスも奥へ入って行く。

「もし襲撃の時に盗賊に取られた物があったら言って下さい。すぐにお渡ししますので…」

 そう言いつつエリスは侍女の方を見る。

「…いえ、そこの宝はわたし達が襲撃を受けてここに放り込まれた時には既にあったものですから当方の物はないです」

 その後ろで何か言いたげなアナルアンがいたが、侍女に制止されて黙っていた。

「…うわっ!!結構あるね~…さすが大盗賊団、貯め込んでるわ~」

 エリスが感心する中、美裸はお宝を縮小処理した後、危険な物が無いか確認してポケットに放り込む。

 突然、目の前からどんどんお宝が消えていく光景を見たアナルアン以下、侍女達は驚いていた。全てのお宝を縮小し、ポケットに放り込んだ美裸は、小屋の扉へと向かう。

「さぁ皆、今日はだいぶ稼いだから帰るよ~(笑)」

 そう言いつつ外へと出て行く美裸に、コニー、だいふく、ぺろす、エリスが続く。その後ろから、アナルアンが声を上げた。

「…アンタ達、ちょっと待ちなさいッ!!」

 呼び止められて、振り向く一行。

「…わ、わたし達を助けたんだからお礼くらいさせなさいよッ!!」
「いやいや、わたし達はお金には困ってないんだよね~(笑)。別にお礼とかいらないです~(笑)」
「…は!?」

 美裸の答えに一瞬、思考が止まるアナルアン。

「いやいやいやッ!!アンタ、一国の王女がお礼するって言ってんのよッ!?普通断わらないでしょッ!?」
「いやいや、ホントお礼とか全然いらないんで~(笑)!!」
「なら特別にアンタ達を王宮に招待して上げるわ!!どう!?王宮よッ!?来るわよね?」

 アナルアンの言葉に顔を見合わせる美裸とエリス。

「…いや~、王宮とか見た事あるんで特に興味ないです~(笑)」
「王宮にあんまりいい記憶ないしね~(笑)」

 美裸とエリスの返しに、躍起になるアナルアン。

「アンタ達!!わたしがお礼して上げるって言ってんだから素直に来なさいよッ!!」

 肩を竦める美裸とエリス。仕方なく一行は、フリンナ王宮への招待を承諾した。ようやく招待に応じた一行を通り過ぎて外へ出たアナルアンは驚いた。その後ろに続く侍女達も一様に驚いた。

 盗賊達が一人残らず消えていたのだ。300人以上いた大盗賊団がである。アナルアンはふざけたちんちくりん一行が口だけでは無い事に気付いた。

(…最強やワイバーン退治は言い過ぎにしても、ここまで来れる実力はある、という事か…)

 そして一行は、アナルアンと侍女達に案内されて王宮へと向かった。



 マンスジー王国の南にあるフリンナ海洋王国は、大陸の一部に領地を持つ群島の国である。美裸達がいるのは大陸側にあるフリンナ王国の領地だ。

 盗賊達のいた森を抜けると大きな港街があった。

 この港街には海洋王国への玄関口として、大陸中からの交易品が集まる。この辺りでは一大商業都市だ。そこから王都のあるミッカイ島まで定期便の船に乗って行く事が出来る。

 王都フリンナーラ。

 王都は島の中心の小高い丘の上にあり、そこから同心円状に下って行くと、商業街、工業区があり、更に下ると、ぐるりと農業区域と漁業区域があった。

「…ほほぅ、中々風情のある島ですなぁ(笑)」
「地中海沿岸っぽいわね~」

 コニーも不思議そうに辺りを見ていた。そんな一行を見たアナルアンが言う。

「盗賊退治の礼として王宮に招待するんだから大人しくしなさいよ?特に髪ボサボサのアンタ!!余計な事、変な事は喋らない事。良いわね!?」
「はいはいな~(笑)」

 笑いつつ、軽く返事をする美裸。話している間にアナルアンは王宮に使いを出していた。



 フリンナ王国、王宮。

「大盗賊団殲滅、よくぞやってくれた!!国王として礼を言うぞ!!」

 美裸達は王宮の中にいた。目の前には玉座に座った冠を被った『ザ・王様』がいた。太った身体、宝石をちりばめた王冠、色鮮やかで煌びやかな服、宝石の付いた杖。

「貧乏な国ゆえ、大した歓待も出来ぬがこの国でゆっくり寛いでくれ!!少ないが褒美を取らす…」

 国王から報奨金を受け取った一行は、王都の中でも最高級の宿屋に案内された。 

 皆が寝静まった夜、ヒトミに変身した美裸は王宮地下にある宝物庫に侵入した。宝物庫の中を見た美裸は思わず笑ってしまった。
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