異世界召喚された地味子、王宮から追い出されたので特殊固有スキルでエロと共に暴れ回る。

駄犬X

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海洋王国編

疑念。

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 突然、範囲スキルが発動して驚いた美裸達は、後ろを見る。すると美裸の背中を三本のナイフが狙っていた。どうやら投げナイフが飛んで来た事によってスキルが発動したようだ。

 その向こうに男が5人いた。男達は美裸のスキルによって既に動きを止められている。見た所、剣士、盾持ちハンマー、アサシン、魔導師、槍戦士のPTの様だ。

「んっ(笑)?アイツら誰(笑)?」
「みら、ナイフとんでる。きけん」

 そう言うとコニーは走ってナイフの止まった場所に行く。ジャンプをしてナイフの方向を逆に向けた。

「…後ろからいきなりナイフ投げて来てるからね。穏やかじゃないよ。完全に美裸を狙ってるし…」

 エリスの言葉に美裸は考える。

「…取り敢えずカニは回収したからあの男達どうするかな~?」
「どうせアンタの能力があればどうとでもなるし…。スキル解除して話だけでも聞いて上げれば…?」
「そうだね~。そうしよっか(笑)!!じゃ皆、一応戦闘態勢で(笑)。解除するよ~」

 美裸の合図と共に、再び範囲内の時間が動き出す。その瞬間、コニーが逆に向けていたナイフが投げた本人に向かって飛んだ。

「…ゥォッ!?うおォッ!!」

 投げたモーションのまま、飛ばしたと思っていたナイフが眼前に迫っている事に驚いたアサシンの男は、回避行動をとる事が出来なかった。

「…ウグッ…クッ、どうなってる!?何でナイフが戻って来てる…」

 肩、右胸、脇腹にナイフが刺さり、膝を付くアサシンの男。

「オイッ!!何やってるッ!?」

 槍戦士の男にどやされるアサシン。

「…いや、何が何だか…」
「もういい。奇襲は失敗だ。お前はそこで休んでろッ!!」

 剣士の男に言われ、項垂れるアサシン。その様子を黙ったまま、ニヤニヤと眺めている美裸。

「…お嬢さん達、自分の身の為に戦闘態勢は解除した方が良い。ハンターPTの真似事してるようなヤツじゃ俺達に殺されるのがオチだからな」

 そう言いつつ、美裸達を囲む様に展開すると剣士の男が口を開く。

「これから俺が言う事を黙って聞け…」

 そしてニヤニヤと笑う美裸を見ると話を始めた。

「昨日、大陸側の森でお前らが回収したインモウゲ盗賊団の宝を出せ。二度は言わない。言う事を聞かなければ一人づつ殺す。理解したか?」

 相変わらず黙ったまま、ニヤニヤと笑う美裸。

「…お前、頭おかしいのか?この状況でよく笑っていられるな?それとも恐怖の余り笑いしか出てこないのか…?」

 剣士の男の問いに、ニヤニヤと笑いながら肩を竦める美裸。その足元で『雷轟』を手に嵌めようとしたコニーを見た盾持ちハンマー男が叫ぶ。

「オイッ、ガキッ!!動くなって言ったろうがッ!!」

 その瞬間、長さ1.5メートル程のスレッジハンマーがコニーに襲い掛かる。しかし、コニーはそこから動く事なくハンマーの先を素手で殴って粉砕した。

「…はッ!?…」

 男達は一瞬、何が起こったのか理解出来なかった。盾持ち男が投げたハンマーは確実に幼児の小さな頭を潰したと思っていた。しかし目の前の幼児は、潰されるどころか素手でハンマーを粉砕したのである。男達はその光景に呆然としていた。

「…で、お宝を出さないとどうなるんでしたっけ~(笑)?」

 笑いながら問う美裸に、動揺を隠せない剣士が慌てて声を上げる。

「…ォ、オイッ!!お前、勝手に喋るなッ!!」

 しかし、そんな忠告など無視したエリスが、美裸の隣に立つ。

「…アンタ達がどうして盗賊の宝の事を知ってるのよ?」
「…ぉ、オイッ、勝手に喋るなって言っ…」

 男の言葉はそこで止まった。一瞬で放ったエリスの矢が、男達全員の頬を掠めたのだ。そして足元にも矢が刺さっていた。

「勝手に喋るな?もうとっくに主導権はこっちに移ってるんだけど?アンタ達、今わたしが撃った矢が見えた?」
「おぉ~っ(笑)、言いますな~エリスさんや(笑)」

 一瞬で、男達が確認出来ない連射速度で矢が飛んで来たのだ。そのモーションすら男達には見えていなかった…。

「ちなみにこの中でわたしが一番レベル低いし、弱いからね?」

 男達は顔を蒼褪めさせて、お互いを見ている。

「…こ、コイツら…何者…だ?」
「…ちんちくりんPTじゃなかったのかよ?こ、こんなの聞いてないぜ…?」

 少しづつ後退りを始める男達。しかし、足元からの突然の声に驚いて飛び上がった。

「お前たち、みら、ねらった、悪いやつ。コニーがやっつける」
「…なッ、なんだッ、が、ガキかよ…驚かせやがって…!!お前は俺達と一緒に来いッ!!ここから逃げるまでの人質…」

 しかし、剣士男の言葉はそこで止まった。

 コニーが左手に嵌めた雷轟で、男の足を思いっ切り殴った。その瞬間、辺り一帯に雷撃が放出された。男達は全員、一瞬で黒焦げになった。



「いや~、凄い威力だね~(笑)。一瞬で皆、黒焦げ~(笑)!!」 
「…名前からして雷撃効果が付いてる武器とは思ってたけど、まさかここまでとはね…」

 笑う美裸に対して、その威力の凄まじさに若干、引いているエリス。当のコニーは目をキラキラさせて左手に嵌めた雷轟を見ていた。

「このグローブ、すごい。悪いやつ、黒こげ」

 そこへ元の持ち主だったシルガモレル帝がゴーストダンサーズと共に戻って来た。シルガモレル達は、幽霊である特性を生かして、美裸達に先行してダンジョンの偵察をしていたのだ。

「…ん?わっぱ、雷轟を使ったのか?」
「しりがもえるてい、これ、すごい。大きいカミナリでたぞ(笑)?」
「余が古代の魔導技術者に作らせた最高傑作の武器だからな。もっとも余は使う前に殺されてしまったから威力の程は知らんのだ。しかし使用者の力に呼応して威力が上がるとは聞いておる…」

 そう言いつつ、シルガモレルが焦げて倒れた男達を見る。

「しかしこやつらは定期便の船がないのに何故ここにおるのだ?」
「コイツらは昨日、わたし達が回収した盗賊のお宝を狙ってたみたい。後ろから美裸を攻撃してたからね」
「船は漁師を買収すれば何とでもなるからね~。問題はこの人達が何でお宝の事を知っていたか、だよね~」

 話をするシルガモレル、エリス、美裸の足元で、お昼寝から起きただいふくと遊ぶコニー。

「お宝の事を知っているのはわたし達とアナルアン王女とその侍女達…。あとは王女が報告していれば王様も知ってる可能性もあるよね…」
「…王様も知っている、か~」
「お主らは気付いているか知らぬが、あの王は胡散臭いぞ?貧乏な国といいながら王宮は派手、調度品も宝飾品も派手だからな。アレはかなりの強欲だろうな…」

 シルガモレルの話に頷く、美裸とエリス。

「そう考えるとおかしな点はいくつかあるよね~」
「…おかしな点?何それ?」
「エリス、最初に王女様と侍女達を見た時にどう思った?」
「…どうって…う~ん…」

 考えるエリスに、美裸が説明する。

「あの人達、盗賊に浚われたって言ってたよね?浚われたにしては綺麗過ぎる気がするんだよね~。綺麗な服も宝飾品も盗られてないし…」
「…そうだ、美裸。お主よく見ていたな。あの者達、盗賊に浚われたと言うのに恐怖も悲しみも一切なかったであろう?普通、浚われて来た者達は、いきなり扉が開くと怯えるものだ。寧ろあの時、冷静過ぎるほどに冷静だったからな」
「じゃあ二人は王女達が浚われたのではなく最初からあそこにいた、と見てる訳ね?」
「そうだね~。わたしは盗賊とつるんでたんじゃないかって思ってますけど~(笑)」
「そうであろうな。コイツらは王宮からお主達を抹殺してお宝を奪ってこいと依頼された者達だろう…」

 シルガモレルの言葉に頷く美裸とエリス。

「…という事はわたし達は王宮から狙われていると考えて良さそうね…」
「だよね~(笑)」
「…美裸、アンタ何でちょっと楽しそうなのよ(笑)?」
「え(笑)?退屈しなくて済みそうだからね~(笑)。王宮の人達がわたし達に勝てるかどうか、楽しみだよね~(笑)」

 そして不気味な笑いを浮かべた美裸が呟く。

「敗けた方はきっとすべてを失うだろうねぇ~(笑)」

 そんな美裸にドン引きするエリスであった。



 話し合いの後、シルガモレル帝とゴーストダンサーズは引き続き、ダンジョンの奥へと偵察に向かった。

 美裸達は、一旦そこで休憩しておやつタイムにする。コニーとぺろすにお昼寝をさせた後、再びダンジョン洞窟の奥へと進んだ。

 シルガモレルの情報だとこの先にダーツフィッシュと呼ばれる口の先が尖った魚が、動くものに反応して洞窟の穴から飛び出してくるようだ。

「みら、その魚、たべられるか?」
「う~ん、どうかな~。そいつらの情報を確認してみないとね~(笑)」

 話しながら洞窟を進んでいくと、開けた場所に出た。洞窟の壁のあちこちに穴が空いている。

「…ここだね。美裸、どうする?」
「う~ん、そうだね~…まずはエリス、矢を何本か飛ばして…」

 美裸に言われた通りエリスが弓を引いて数本、矢を放つ。しかし全く反応がなかった。

「う~ん、出てこないね~。矢だと動きが直線で単調過ぎたのかな~…?」

 美裸の見解に、エリスがふと呟く。

「矢では反応しないけど、生物が通ると反応する…とか?対象の熱を感知するセンサーがあるのかな?」
「…おっ、エリスさん、良い事言いますな~(笑)。それで行こう(笑)!!」
「それで行くって、どうするのよ?」
「わたしがイクよ~(笑)」

 そう言うと、美裸はスタスタとダーツフィッシュのエリアに入って行く。すぐに無数の穴から、光がキラッと瞬いた。その瞬間、一斉にダーツフィッシュが飛び出して来た。

「レベル40のダーツフィッシュ、50匹、来るぅ~(笑)!!」

 ダーツフィッシュはドーム状の洞窟空洞内の上方から美裸に向かって飛び出していた。時速60kmと結構な速さだったが、美裸のスキルが即反応してその動きを完全に止めた。

「さて、コイツらにもお金になって貰うよ~。皆、解体準備は良いかな~(笑)?」 
「いいともーっ!!」

 美裸の足元で元気よく答えるコニー。その隣でキョトンとするエリス。

「エリス、こういう時、いいとも!!言う、ときどき髪きったかきく。かかさま言ってた」
「おぉ~っ、コニー解ってるね~(笑)。ていうかコニーのかかさま、面白いね~」
「…ごめん、わたしアンタらのネタには付いて行けないわ…」

 三人で話しつつ、解体の順序も確認していく。まずは危険な尖った口を切り落とし、併せてヒレなども切っておく。

「鮮度が落ちると売れないかもだから一匹だけ、解体してみるよ~」

 そう言いながら、美裸が体長1メートル程のダーツフィッシュを捌いていく。魚の解体は動画で見た事があるので、ペンタブを使って見よう見まねで下ろしてみた。

 鱗をガリガリ取った後、身を切り離す。透明感のある綺麗な白身だ。しかし食べられるかどうかはまだ判らないので、カニと同じく、袋に入れて縮小させてポケットに入れた。

 ダーツフィッシュを一気に片づけて、一行は更に奥へと進む。シルガモレルの情報だと、この先には海蜘蛛と呼ばれるモンスターがいる。

 正確にはヤドカリの様な貝類なのだが、背に硬い甲羅があり、蜘蛛の様に脚が生えている事から海蜘蛛と呼ばれていた。

 海蜘蛛は食べる事は出来ないが、甲羅の文様が美しく、宝飾品等に使われていた。更に脚の先の爪から媚薬に使われる少量の幻覚麻痺毒が取れる事から、フリンナ王国の裏社会で盛んに流通していた。

 美裸達はそんな事は知らなかったが、シザークラブの時と同様にコニーが海蜘蛛を吹っ飛ばして弱らせ、エリスが全ての海蜘蛛の脚を斬り落としていく。

 全ての素材を回収後、一行はその先にある岩の扉の前にいた。そこは大きな空洞になっており、第一階層のボス、巨大海牛がいる場所だった。
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